中国の環境NGO:李力氏、張亜東氏来日(11/26〜30)
11月27日に開催した「日中環境問題サロン2010:対話から築く
日中の環境教育の協働」(主催:あおぞら財団/共催:京エコロジーセンター)
への参加のために、中国から李力氏(環友科学技術研究中心・会長/北京)と
張亜東氏(緑色龍江・総幹事/ハルビン)が来日しました。
前後の行程とあわせて、その模様をダイジェストでお届けします。
●11月26日(金)
お昼過ぎ、関西国際空港に到着後、すぐに大阪市西淀川区へ移動し、
区内の国道43号と西淀川高校の環境教育について見学。
そして、大阪府立西淀川高等学校にて李力さんによる
環境教育の模擬授業を区内の中学生(淀中学校生徒会5名)と高校生(10名)が体験しました。
授業する李力氏(中央)
内容は、地球温暖化のために枯れてしまった木蓮の花の話と
生き別れになってしまった白クマの親子の話を紹介してもらった後、
「体を使って劇を演じてください」というもの。
中学生と高校生は戸惑っていましたが、李さんの要望にこたえようと
一生懸命、体を使って表現しました。
この様子に先生方もびっくり。
普段出せていない力を伸ばしてくれてありがとうとのことでした。
交流って、予期しないことが起こるので面白いですね。
夜は、あおぞらビル3Fのグリーンルームにて、歓迎会をひらきました。
前列右から3番目が李力氏。左から2番目が張亜東氏。
●11月27日(土)
午前:京エコロジーセンターを見学
午後:日中環境問題サロン2010
対話から築く日中の環境教育の協働
主催:あおぞら財団/共催:京エコロジーセンター
いよいよ、「日中環境問題サロン」当日。
全体で約50人の参加で、熱気ある会場となりました。
【プログラム】13:30〜17:00
中国からの報告
李力氏「環境教育から環境保護運動へ」
張亜東氏「松花江の環境保護と青年活動」
日本からの報告
岩松洋氏「無意識を意識する参加型学びの場づくり」
(京エコロジーセンター)
林美帆「公害教育とESD(持続可能な開発ための教育)」
(あおぞら財団)
総合討論「日中の環境教育の協働」
コーディネーター 板倉豊氏(京都精華大学教授)
討論のところでは、
中国におけるNGOの役割や財源のことについても話が及びました。
中国では大学生がとても積極的に活動していること、NGOの役割は
交流する場という、「舞台」であること、
福祉の分野とは違って、環境NGOは中国政府から援助を受けるのが
難しいことなどがわかりました。
終了後のアンケートには、
「中国の環境NGOの取り組みに接したのは、これが初めてだったのですが、
日本以上にアクティブで機動性のある環境保護活動の働きかた、
NGOのとりくみが印象的でした。中国の方のご報告のエネルギッシュさにも
圧倒されました。」
「環境問題における日中交流のあり方で水汚染問題や砂嵐やエネルギー問題
などいっぱいありますので、青少年の中で民間交流活動を多く増やしてほしいです」
などの感想がありました。
●11月28日(日)
午前:西淀川公害患者と家族の会と懇談
応対:森脇君雄・会長
永野千代子・事務局長
あおぞらビル5Fの西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)にて、
大気汚染の写真を見たり、ビデオを見た後、永野氏や森脇氏の
公害反対運動の取組みや、被害の実態についてお話がありました。
森脇氏からは患者会の組織づくりについて、会員を集めていった
経緯などが話されました。
午後:(株)エイワット見学訪問、藤永のぶよ氏と懇談
応対:柴田政明氏、藤永のぶよ氏
自然エネルギーの普及、コンサルティングをおこなっている
エイワットを訪問し、代表取締役の柴田氏から国内外での
事業についてお話を聞きました。
藤永氏からは、市民による共同発電システムの活動などに
ついて熱く語られ、李力氏ともすっかり意気投合の様子でした。
以上で、あおぞら財団主催のプログラムは終了なのですが、
11月29日(月)には、お二人は滋賀県の菜の花プロジェクト
の視察に行かれるなど、日本の環境活動の現場を知ろうと、
積極的に行動していました。
3〜4日間という短い期間でしたが、忙しい中、中国から
来ていたただき、交流できたこと、うれしく思います。
ふりかえって、思うのは、やはり、人と人との信頼関係が
すべての基盤だということです。
それは、ひとつ、ひとつ、いろんな機会を通じて、
積み上げられるものです。
その延長線上に、日本と中国で、なんらかの共同事業や
取組みを実現させ、お互いの環境問題の解決につなげていかな
ければならないと思いました。
最後になりましたが、今回のプロジェクトでは、
金玲さん、王娜さんというお二人に通訳として大変ご尽力いた
だきました。
言葉を通訳するということは、お互いの心と心の橋渡しを
していただいているのだと、お二人の仕事ぶりから感じました。
私たちに配慮が足りないところを、補っていただくなど、
大変お世�
��になり、本当に、ありがとうございました。
平成22年度大気汚染経験情報発信事業の一環です
鎗山善理子(あおぞら財団)