公共交通って何?『人にやさしい公共交通』第1回開講
5月10日(日)、連続講座『人にやさしい公共交通』 がスタート、22人の参加者が集まりました。
第1回は総論編として大阪大学大学院工学研究科助の猪井博登先生にご講演頂きました。(企画運営:道路環境市民塾の企画運営)
*第8期環境フロンティア講座、第10期道路環境市民塾として開催しています。
*この事業は土木学会市民普請支援事業の助成をうけて運営しています。
まずは第1回なのでどうして参加をしたのか出しあいました。公共交通は何なのか?日々の生活やの中で感じる解をもとめて参加している方が多いようです。
猪井先生のお話は大きく2本立て。
まずは考え方の整理として、それぞれ地域の課題にあった交通を地域でつくっていくことの必要性を確認。
その上で、地域の住民からなる運行協議会でルート案、ダイヤ案、収支シュミレーションをつくった兵庫県西宮市生瀬地区の社会実験の事例をお話して頂きました。
詳しくは先生の発表資料をご覧下さい。 140510人にやさしい公共交通第1回
講演後はグループで議論し、発表。地域での悩みや公共交通などの意見が出ました。
地域のブランドは自治会がつくるという意見や、参加といっても生活に追われているという意見に対し、猪井先生からは会議に出るだけではなく様々な参加の形があるという紹介も。
終了後、書いてもらった受講生からの感想に対しても様々な意見が集まりましたので紹介します。
【受講生の感想】
■『公共交通』とは何か・・・
・公共という言葉でこのレベルの交通をはなすことは危険ではないか。地域の選択という側面が多いので「地域交通」が良い。
・公共の捉え方、住民参加の捉え方についてはそれぞれの人で異なっている。「共感を戦略的に」というのはまさしくそうだなぁと思った。
・バスの運営方法を「公」→「民」に切り替えることについての話がおもしろかった。海外は「公」主体が普通であり、成り立っていることにびっくりした。日本では大きい都市でも公営バスの大半の路線が赤字で黒字が赤字をカバーしているときいている。地方に新しく導入することも大変だが、見直し再構築していくこと、既存のものに市民が参画していくことも大変そう。事例があれば学びたい。
・公共交通については税金などの補助でおぎなっていくのが当たり前と思っていましたが、人口減=利用者減でむずかしくなっていることもあり、やはり採算がとれることが必要であることを学びました。
■市民がつくる交通
・交通を住民が作り上げる必要が出てきた背景がわかった。交通を作り上げるための手順がイメージできました。
・社会実験いろいろみてきましたが、一発で終わりが多かったのですが、持続性が大事というのがわかりました。
・バスの実験のことを事前に地域住民に周知させることで苦労されたことがあればききたかったです。運行スケジュールとか、ルートとか、皆に知ってもらって来てもらう為にはそれなりに労力が必要ではと思ったからです。
・市民自ら生活環境の1つとして交通を考えることの重要性を感じた。
■その他
・市民塾の雰囲気が良かった。
・分かりやすく説明してもらって良かった。
・公共交通『行政(やる気なし)、市民(問題意識なし)、利用者(弱者)金なし』社会全体として意思疎通するシステムがないのはなぜなのか。
■すすめ方について
・一方的な講師の話は理解が難しい。テーマを小分けにして第一クール10分(問題の投げかけ)、第2クール10分参加者の反応(意見)、第3クール20分(相互のやりとり)、これを繰り返すのが良いのでは。
・グループにわかれて話をしたが、自己紹介くらいで会話をする時間がとれなかった。
【今後の企画案について】
■地域交通について
・地域の成功事例とその詳細(問題解決の手段)
・事例から学ぶことも重要(自治会レベル)ニーズと解決策は個々に異なる。
・公共と個別がどう違うのか。
・市民、住民の議論の場
・「自治体が行う議会、説明会にみんなでききにいこう」というイベント
■交通についての考え方
・交通だけを考える→生活環境の1つとして考える。
■その他
・交通政策基本法
・大都市の交通についてのパークアンドライド
さて、2回目以降は各論編。
第2回5月31日(土)は『子育てと移動環境 ベビーカーと交通安全』、第3回 6/14土『元気でいきいき 高齢者の足 ~免許返還後の交通施策~』、第4回 7/5土『交通バリアフリーの到達点と課題』です。 詳しくはコチラ
皆さんのご参加お待ちしています。
(小平)