8/8(金)楽らく呼吸会(のざと診療所)で栄養について勉強しました。
2014年8月8日(金)、のざと診療所で楽らく呼吸会を行いました。今回は西淀病院管理栄養士の濱口真衣先生を講師に迎え、栄養についての勉強をしました。参加者は9人(内、患者さん6名、管理栄養士1名、スタッフ2名)でした。
前半は「熱中症」について。
近年、大阪では8月の最高気温が35度を越える日が増えるなど、気温が高くなる傾向にあります。それに伴って、夏期(7~9月)の熱中症に死者数も急激に増加しています。
特に高齢になると体温調整機能が低下してきますので、熱中症予防のためにはこまめな水分補給が必要になります。ところが、軽い脱水では喉の渇きは感じません。喉が渇いたと感じた時には、すでに水分不足になっています。1時間に100mlぐらいを目安に水分を摂るようにしましょう。その時、0.1%程度の塩分を加えた水が有効です。
スポーツドリンクを飲むとよいと思っている人が多いようですが、夏場にスポーツをしていない人が飲み過ぎると血糖値があがる場合があります。スポーツドリンクを飲む場合は約3倍に薄めて飲むようにしましょう。
また、熱中症は屋外で起こるとは限りません。昼間、気密性の高い住宅では高温になりやすく、夜間も寝ている間に脱水状態に陥ることがあります。さらに物事に集中している時も水分不足が疎かになったりトイレの回数が減ったりしますので、気をつけるようにしましょう。
参加者からは、「麦茶に塩を入れて飲むといいと聞いたことがあるけれど本当ですか?」との質問があり、先生からはミネラルが多いこともあり麦茶はオススメとの回答がありました。少量の塩を入れるのもよく、代わりに塩飴をなめてもよいとのことです。
<熱中症予防「川柳」>
○日中は 喉の渇きがない時も コップ一杯 水で潤う
○寝る前も 夜尿のことは気にせずに コップ一杯 水で潤う
後半は「COPDと栄養」について。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、気道や肺の細胞などが壊れて肺の細胞などが壊れて肺の機能が低下し、スムーズに呼吸ができなくなる病気です。COPD患者さんはやせ型の人が多いですが、息切れなどにより食事を十分に摂取しにくく、体に必要な栄養素が不足しがちになるためです。すると、ますます体力や筋力が落ちて息切れが強くなるという悪循環に陥ります。
COPD患者さんは「包括的呼吸リハビリテーション」を行いますが、その中でも大切なキーとなるのが「十分な栄養」を摂ることです。栄養状態を把握する目安は体重です。BMIを計算して適正な体重を把握するようにしましょう。
<体重を落とさないためのポイント>
①毎日十分な栄養を取りましょう。
②一度にたくさん食べられない場合は、補食などで食事の回数を増やしましょう。
③補食は少量で高カロリーな物を選びましょう。(手軽なチーズ・ビスケット・和菓子・果物など)
④油を 上手に活用しましょう。
筋肉量が減少しやすいCOPD患者さんには、タンパク質の摂取が欠かせません。カツオ、マグロ、アジなど青背の魚や大豆製品をはじめ、さまざまな食品でタンパク質を補給しましょう。また油脂類を上手に活用して栄養を補いましょう。動物性よりも、オリーブ油などの植物性油や魚油がオススメです。
ただし、糖尿病など他の病気を併発している方は事情が異なります。主治医と相談の上、適切な食事を摂るようにしてください。
参加者からは「野菜はどのようにして摂るといいですか?」との質問がありました。基本的には炒めて食べること。生の場合はマヨネーズをかけるなどすると栄養が摂りやすくなります。食べる順番も、野菜を食べた後に、タンパク質、炭水化物の順で摂るとよいとのことです。
夏の食欲不足対策についても質問があり、好きなものを中心に食べるとよいとのこと。冷たいものを摂りすぎないように気をつけると同時に、適度に汗をかくことも心がけましょうとのことでした。また、なるべく毎日同じ時間・同じ条件で体重を計るようにすることも大切ですとのコメントもありました。
開催後のアンケートでは、7人中6人が今回の講習は【分かりやすかった】と答えました。また、「食事の大切さがわかり、熱中症に気をつけたい」との感想も寄せられました。
次回以降の予定は下記の通りです。少しでも興味のある方は、ぜひご参加ください!
■次回予定 ~お問い合わせはあおぞら財団まで~
・千北診療所……9月18日(木) 14:00~15:30(栄養について)
・姫島診療所……9月19日(金) 14:30~16:00(栄養について)
・のざと診療所…10月10日(金) 14:00~15:30(呼吸リハビリと体力測定)