4/10(金)楽らく呼吸会(のざと診療所)でぜん息・COPDの自己管理についてお話を聞きました
2015年4月10日(金)、のざと診療所で楽らく呼吸会を開催しました。今回は西淀病院から医師の福島さんを講師に迎え、自己管理について勉強しました。参加者は11人(内、患者さん6名(家族の方を含む)、医師3名、スタッフ2名)でした。
まずは、ひとりひとり自己紹介。
呼吸器疾患の患者さんご本人は、自身の病気の症状や体の調子についても話してくださいました。「自分で自己管理しているつもりだけど、年も重ねてきて、できてるかどうか…」と、不安な気持ちを語られる方も。
ご家族がぜん息患者だという参加者からは、「家族なので本人の本当のしんどさがわからない」という声も出され、家族の立場から病気と向き合って学んでいきたい、という気持ちが伝わってきました。
自己管理で普段気をつけていることは何ですか?という投げかけに対しては、「毎日歩くようにしてる」「うがいをする」「寝る前、お風呂のとき、台所に立っているときなどなるべく体を動かすようにしている」「意識して腹式呼吸を心がけている」、また、家族の方が筋力トレーニングをしているという声もありました。
体調維持のためにできることとして、以下のようなポイントが挙げられました。
①まず病気について知る
②お薬について知る
③食事に気をつける
④適度に運動する
⑤禁煙する
⑥環境に気をつける
⑦悪化のサインを知る
(②③④⑤については、楽らく呼吸会の別の回のテーマとしてそれぞれ詳しく学びます。)
①ぜん息とCOPDの特徴についてあらためて確認をしました。
いずれも空気の通り道(気管支)が狭くなる病気で、主な症状には、息苦しさや咳・痰(たん)があります。その中でも、急に発作が起こるのがぜん息、日常的に動くと息苦しいのがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)です。
⑤適度な運動を維持することが大切、というお話がありました。家にこもりっきりにならず、外出する機会を意識的につくるようにするのもひとつの方法です。
⑥ぜん息の症状を引き起こす原因になりやすいダニ、カビを防ぐために、湿気とホコリをためないように家の環境に気をつけましょう。また、動物や昆虫、花粉がアレルゲンの場合もあるので、調子が悪くなる原因を自分で把握しておくことも大事です。
⑦症状が悪化する前のサインを知る手立てとして、「ピークフロー日誌」を日常的につけることで、変化に気づくことができます。ピークフローとは、大きく息を吸い込み、力いっぱい息を吐き出す強さ(速度)の最大値で、気管支の様子がわかるものです。ピークフロー値が低いほど、気管支が狭くなっている状態(発作が起こりやすい状態)であることを表します。
※参考:ピークフローの測り方 (独立行政法人 環境再生保全機構のホームページ)
ピークフローメーターを用意し、参加者ひとりひとり試してみました。いつも家で測っているご自分のピークフローメーターを持参する人や、初めて測るという人もいて、みんなでわいわいとおしゃべりもしながら、楽しく測りました。
標準数値を気にするのではなく、ぜん息の発作が出ていなくても、こまめに測って数値が落ちていないかチェックすることが大切です。自分の気管支の状態がよくわかるので、体力維持のため、ぜん息の自己管理のためにも、ぜひ「ピークフロー日誌」をつけてみましょう。
あおぞら財団では、ピークフローをつけるための日記(冊子)を置いていますので、使ってみたいという方はお問い合わせください。
今回、直接お医者さんに病気のことを気軽に聞いたり、自分や自分の家族のことをひとりひとりゆっくり話すいい機会になったと思います。
開催後のアンケートでは、6人中5人が今回の講習は【分かりやすかった】と答えています。また、6人中2人が呼吸リハビリなどの運動を【毎日している】と答えています。
少しでも興味があれば是非、各診療所に足を運んで楽らく呼吸会にご参加ください!
■次回予定 ~お問い合わせはあおぞら財団まで~
・千北診療所……5月21日(木) 14:00~15:30(みんなで歩く)
・姫島診療所……5月22日(金) 14:30~16:00(みんなで歩く)
・のざと診療所…6月12日(金) 14:00~15:30(呼吸リハビリと体力測定)
本事業は独立行政法人環境再生保全機構「地域におけるCOPD対策推進事業(NPO法人等との協働事業)」の一環として実施しています。
吉田