大阪公立大学「都市基盤論1回目」ワークショップ&語り部(11/25)
大阪公立大学大学院工学研究科「都市基盤計画特論」(吉田長裕先生)の授業の一環で受講生16名が西淀川をフィールドに学びます。11月25日に第1回目が行われました。
(都合により、2回目の授業の報告が先にされています)
今回はフィールドである西淀川の歴史、特に西淀川公害を深く知ってもらうために、小講義に加えて、ワークショップや公害患者の語りといった体験的な学びを行いました。
本日の講義・ワークショップを通して、公害に苦しめられた西淀川の様子をより具体的に理解することを目的としています。
フォトランゲージ
最初に、大気汚染がひどかった当時の西淀川の写真を使ったワーク「フォトランゲージ」を実施しました。写真から読み取れる情報をもとに、グループで意見交換を行い、写真にタイトルを付けて発表します。視覚的な資料を通じて、当時の暮らしや社会の状況に想像を広げることができました。
ロールプレイ
さらに理解を深めるために、当事者になりきるロールプレイ「あなたの街で公害が起きたら」を実施しました。「公害が起きた町」を想定し、市役所職員、公害患者の親、医者、企業関係者など、それぞれの立場を演じてもらいました。
小講義「西淀川公害について」
続いて、西淀川公害の歴史を一定程度把握する上で、西淀川公害についての講義を行い、西淀川公害がどのようなものであったかを学びました。
公害患者の語り
公害被害者であり、現在は西淀川公害患者と家族の会の会長・山下明さんと、同会の事務局長・上田敏幸さんから、当時公害に関する体験についてお話していただきました。
院生たちからは、公害病に苦しめられたこと、公害訴訟で遭った困難、今でも引き続き公害運動をするモチベーションなどについての質問があり、議論が盛り上がりました。
振り返り
本日の活動を通して、皆が西淀川公害について自分なりの理解ができたようです。最後に、気づいたことを共有するワークショップを行いました。また、次回以降の提案に繋げるために、「印象・課題だと思ったこと」と「改善に向けたアイデア」を出してもらいました。
学生からは
「昔の日本にあった公害を知った。ほかの若者にも、当時の深刻さを知ってもらいたい」
「問題解決に、多様な人と意見を交わり、現状を調べ、ステークホルダーの話を聞くのが重要だ」
などの感想がありました。
今日学んだ内容を踏まえて、次回は西淀川区をグルっとタンデム自転車で周り、自分の肌で西淀川の現状を感じてもらって、課題を見つけてもらいます。
(記・あおぞら財団アルバイト 王)
「都市基盤計画特論」授業では、西淀川区で3回フィールドワーク等を行った後、グループに分かれて西淀川のまちづくりに対する提案をまとめていきます。1月末に中間発表、3月末に地域の方々をお呼びした発表会を予定しています。
毎年、大学院生ならではの専門性と柔軟な発想から、思い切った提案が生まれます。今年は例年以上に参加者が多いこともあり、どのような視点が立ち上がってくるのか、今から楽しみです。
(スタッフ 谷内)












