日中公害・環境問題に関する研修プログラム【1日目】
2011年12月1日(木)~12月5日(月)
中国の環境NGOのメンバーを迎えて
日中公害・環境問題に関する研修プログラムを実施しました。
【メンバー】
リーダー:李力 環友科学技術
団 員:曾祥斌 自然之友武漢グループ担当者 NGO(職業:弁護士)
楊建初 広東道恒環境保護協会 NGO(職業:記者)
李春華 南京緑石環境行動ネットワーク NGO
王林生 河南沈丘 農民(汚染被害者)
郭懐亮 「一線NGOのホーム」深圳Workstation担当者
(職業:会社業務担当マネージャー)
李彤 北京城乡之声文化艺术中心
王虹 山東省淄博市張店児童発展研修中心
【1日目 12月1日】
昼過ぎに関西空港に到着
到着後、すぐにバスに乗ってもらい、南港にある関西電力のLNG発電所とPR館「エル・シティ・ナンコウ」へ
バスで現地に向かう途中に堺の工場地帯を見る事ができました。バスに乗りながら、西淀川公害についての説明をしました。
まずはPR館にて関西電力の環境室環境技術グループの玉井伸男さんと環境計画グループの森口由香さんから説明してもらいました。
環境家計簿や火力発電所の環境対策について説明してもらいましたが
中国の環境NGOの方々は環境に対しての造詣が深く脱硫装置や脱硝装置の方法についても御存じでした。
環境家計簿は李力さんが北京で普及活動をしていることをお伝えしたら、関西電力の方々も驚いておられました。
質問も沢山出ました。
舞鶴発電所は石炭の火力発電所ですが,バイオマス混焼を行っていると説明したところ「何と混ぜているのか?」という質問が出てきました。
答えは、オガクズを固めたペレットでした。
また、
「節電の為に電気の販売価格をどのように設定しているのか」
「廃棄物の処理の際に作られるの電力はどれくらいか」
「環境対策費はいくら支払っているのか。全体の割合でいくらぐらいか」
といった質問が出ました。
関西電力さんからは販売価格は契約によって違うと言うことと廃棄物処理の際に作られる電力は微量であるとの答えでした。
その後、PR館の方から発電所の詳しい説明をしてもらい、バスに乗って実際に発電所を見学しました。
LNG発電ですが、南港にはガスタンクがありません。堺港の備蓄倉庫から地下のパイプで送られてくるそうです。(約6キロ)
ほとんど臭いはしません。
ここで大阪市内の30%の電力を作っているそうです。
太いパイプは排煙を集めたもの。
白ネギ君と言われる煙突から廃棄されます。勿論排煙脱硝装置を通って、綺麗になっています。
PR館も見学しましたが、館長さんに案内してもらって、皆さん楽しそうでした。
ちょうど、こちらに来た時に小学校の一団と遭遇したのですが、小学生が施設に来て科学技術を学ぶ機会があるということに、中国の方々はとても感動しておられました。
最後に李力さんから挨拶がありました。
「とても進んでいると思います。発電所が緑化されて快適な環境だと思います。これらは様々な環境対策をしているからだと思います。西淀川公害が再び起きないようでありたい。ぜひ中国にこの経験を持って帰りたいと思います。PR館を見学して思ったのは、中国では科学技術の普及は遅れているので、この様な施設で科学技術を知るとパニックが起きないし、環境に興味を持ってもらう事が出来ます。発電する時に輸入する石油企業やLNGを提供する企業が汚染を出していないかを調べてほしいと思っています。」
関西電力の方々に長時間対応してもらいましたが、とても丁寧に説明して下さり、中国の方々はとても満足しておられました。本当にありがたい事だなぁと思います。(林)