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ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

イ病・スタディツアー事前勉強会in関東


都留分科大学にて
「公害地域の今を伝えるスタディツアー2009
〜富山・イタイイタイ病の地を訪ねて〜」の
事前勉強会を開催

あおぞら財団では8月4日〜6日に実施する
「公害地域の今を伝えるスタディツアー2009
〜富山・イタイイタイ病の地を訪ねて〜」の参加応募を
おこなったところ、多くの方にお申込みいただき、
おかげさまで定員になりました。
たくさんのご応募、ありがとうございました。

そこで、現地に行く前にイタイイタイ病のことを事前に
勉強していただく機会として、事前勉強会を
関西および関東で開催しました。

関東では、2009年7月19日(日)に都留文科大学にて開催。
参加者は14人でした。

大阪での勉強会(7月12日)に引き続き、
畑明郎・大阪市立大学特任教授(環境政策論)
にイタイイタイ病や土壌汚染、カドミウム米の問題などについて
レクチャーをいただきました。
その後、インタビューの心得などを、高田研・都留文科大学教授/
あおぞら財団理事がおこないました。
そして、参加者の自己紹介。富山出身の人、韓国からの留学生、
教科書での「公害」の扱われ方に興味のある人など、多彩な面々です。

畑先生のレクチャー終了後の質疑では、行政の責任のあり方、
韓国での状況などにも話が及びました。
また、高田先生からのインタビューの心得としては、
話し手が語る内容は、あくまでも話し手の記憶を通じた事実で
あること、記憶があいまいなこともあるので、年代などに注意
が必要、といったことがありました。

畑先生のレクチャーから思うのは、イタイイタイ病の問題は、
医学、工学、法律、環境など、本当に多岐にわたるということ。
それだけ、全体像をとらえるのはとても困難かもしれません。
でも、自分なりの視点で、何かのとっかかりが今回のツアーでつかめると、
それが次へとつながっていくと思います。

また、カドミウム汚染米のことを聞くと、私たちの生活にとても
身近な問題だと思いました。
そして、中国の「ガンの村」で撮影された川の写真には、その川面の
異様な赤い色にショックを受けました。

身近で、かつグローバルな問題なのだとあらためて思います。

さて、とにかく8月のツアー、成功しますように!

鎗山善理子(あおぞら財団)

※本事業は(独法)環境再生保全機構の地球環境基金の助成金を得て運営しています。





Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2009年7月29日4:54 PM

エコミューズにご寄付と激励メッセージをいただきました


エコミューズでは、活動資金として、寄付金のご協力「ハモン基金」をお願いしています。
ハモン基金についてはこちら→http://www.aozora.or.jp/kifu.htm

先日、ある方からご寄付とともに、『資料館だより』最新号(第25号)に、こんなメッセージをいただきました。

「『もりもとまきのアーキビストの目』、感動しました。患者さんたちの往年の姿が目に浮かんできます。すごい戦いでした。」

「もりもとまきのアーキビストの目」は、『資料館だより』に連載中の、所蔵資料紹介コーナーです。
最新号(第25号)はこちら→https://www.aozora.or.jp/pdf/dayori25.pdf

エコミューズを、多くの方が見守り、支えて下さっていることを改めて実感し、感謝の気持ちでいっぱいです。『資料館だより』へのご感想やメッセージは、誌面づくりの大きな励みにもなります。これからも、さまざまな記録に向き合い、たくさんの大切なことを、たくさんの人に伝えていけるよう、がんばります。本当にありがとうございました。

写真は、『資料館だより』に執筆しています資料整理スタッフの森本と田尻、そしてハモン基金のご案内です。

(もりもとまき・エコミューズ資料整理スタッフ)




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2009年7月17日5:50 PM

もりもとまきのアーキビストの目 No.8

1.31結審総行動デモ行進 -雪の降る日に願いを込めて-
(資料館だより25号、2009/07)
紹介資料:「1.31結審総行動」写真アルバム(1990)

エコミューズでは、「1.31結審総行動」の写真アルバムを所蔵しています。1.31結審総行動とは、1990年1月31日、西淀川公害裁判一次訴訟結審の日に行われた、街頭でのビラ配りや集会、デモ行進などのことです。

ecomuse 雪のなか、約1時間歩く 

この一枚は、原告団・弁護団、そして全国から集まった大勢の支援者ら約2,000名が、「手渡したいのは青い空 西淀川公害裁判の早期・公正判決を」の横断幕をかかげ、デモ行進するようすです。冷たい雪の降るなか、ある人は公害病の不調をおし、体力を振り絞り、ある人は患者の遺影を抱き、杖をつき、傘をさし、中之島野外音楽堂から大阪地裁前までを歩き続けました。長蛇の列は裁判所を二重三重に取り囲み、青い空ときれいな空気、そして公正な判決への願いを込めて、色とりどりの風船を飛ばしました。風船は、「寒さに震える患者のようにヨタヨタとしながらも一生懸命にこの願い天までとどけと空高く上がって行った」そうです(西淀川公害患者と家族の会『青空』No.104、1990年2月)。

西淀川公害裁判のなかでは、患者の方々や弁護団、そして支援者の皆さんが、力を合わせてさまざまな行動を起こしました。これは、そのひとつを伝える貴重な一枚です。

☆資料館だより25号はこちら

(もりもとまき・エコミューズ資料整理スタッフ)

Filed under: もりもとまきのアーキビストの目,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 3:26 PM

もりもとまきのアーキビストの目 No.7

公害がうばった青春 -ある高校生の生徒手帳-
(資料館だより24号2009/05)
紹介資料:西淀川公害病患者・南竹照代さんの生徒手帳(1972~76年、谷智恵子弁護士資料No.50)

今回はエコミューズの展示資料、西淀川公害病患者・南竹照代さんの生徒手帳を紹介します(1972~76年、谷智恵子弁護士資料No.50)。

欠席や遅刻・早退がつづく 欠席や遅刻・早退がつづく 

照代さんは、小学校2年生の頃に発病し、入退院を繰り返すようになりました。大阪福島女子商業高校(当時)に入学した照代さんの生徒手帳には、「5月13日喘息の為欠席致しました」「5月16日喘息の為2時間程度遅刻させていただきました」と、ほぼ毎日のように欠席や遅刻・早退の連絡が書かれています。苦しい発作と闘いながら、それでも懸命に勉強し、4年がかりで卒業を果たしました。照代さんの当時の日記に、こんな言葉が残されています。「明日から12月。あと11日で期末考査が始まるというのに、入院するとは…本当になさけない。苦しくて身体が思うようにいかない。呼吸が苦しいので、しゃべることもできないし、意識が戻ってからの方がなお苦しい思いをするなんて…くやしいなあ。(1975年11月30日)」(西淀川公害訴訟原告団・弁護団監修,新島洋著『青い空の記録 大気汚染とたたかった人びとの物語』p.35)

照代さんは、その後さらに症状が進行し、大学進学の夢は叶わないまま、1981年7月、24歳の若さで生涯を閉じました。高校卒業の年から、ほとんどの時間を病院のベッドで過ごしたそうです。

エコミューズでは、公害病患者の方々の、さまざまな生き方を知ることができる資料をたくさん所蔵しています。照代さんの生徒手帳は、その貴重なひとつです。

☆資料館だより24号はこちら

(もりもとまき・エコミューズ資料整理スタッフ)

Filed under: もりもとまきのアーキビストの目,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2009年6月22日2:02 PM

もりもとまきのアーキビストの目 No.6

おとなりのまちを知る -「アマ」のあの顔・こんな顔-
(資料館だより23号、2009/03)
紹介資料:尼崎南部再生研究室『南部再生』(A5冊子カラー22頁、隔月発行)

西淀川区の西側に隣接するのは、兵庫県尼崎市です。今回は、そんなおとなりのまち・尼崎の情報誌『南部再生』(A5冊子カラー22頁、隔月発行)をご紹介します。発行元は「尼崎南部再生研究室」、通称「あまけん」です。あまけんは2001年3月、尼崎公害訴訟の和解金を活用して設立した団体です。あおぞら財団と同じく、公害地域再生のためのさまざまな活動をしています。

表紙もユニーク! 表紙もユニーク! 

『南部再生』が取り上げる「アマ」の顔は、驚くほどにバラエティ豊か。毎号組まれる特集テーマのタイトルは、例えば、「メイドインアマガサキ」(13号、2004.2)、「食在尼崎 食は尼崎にあり」(16号、2004.12)、「オール阪神阪急」(23号、2006.10)、「アマのウチナー」(26号、2007.8)、「尼崎の歌 ザ・ベストテン」(30号、2008.9)…こんどのアマは、どんなアマ?と、毎号ワクワクさせられます。また、連載コラム「マチノモノサシ」では、「1年で1センチ沈む地盤(臨海地域の年間地盤沈下量)」(26号)や「バッタの生息地10.7%増加」(30号)など、尼崎にまつわる数字から、まちの課題や希望が描かれています。 

知っているようで知らない、おとなりのまちのさまざまな顔を、楽しみながら、時に考えさせられながら、知ることができるフリーペーパーです。

☆資料館だより23号はこちら

(もりもとまき・エコミューズ資料整理スタッフ)

Filed under: もりもとまきのアーキビストの目,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 1:51 PM
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