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ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

弁護士や裁判官の卵〜司法修習生の研修「公害環境問題の現場を歩く」


10月28日、弁護士や裁判官の「卵」〜司法修習生の研修を受け入れました。
10人の修習生が2人の弁護士に伴われて、朝、阪神電車出来島駅に到着。

まずは、大量の大型車が行き交う43号線で大気汚染を体感、大気測定局のある出来島小学校、淀中学校を経由して、あおぞら苑へと向かいました。


43号線の様子

デーサービス「あおぞら苑」の見学では、たまたまこの日、
利用者として訪れていた西淀川公害裁判の原告の塚口さんの話を聞くことができました。

「公害環境問題の現場を歩く」と名付けられた大阪弁護士会による司法修習生実務修習。
公害患者の語り部、岡崎さんと池永さんから被害の実態を話してもらいました。
西淀川公害患者と家族の会、森脇会長も登場。

国土交通省大阪国道事務所から松田好生事業対策館ら3人に和解後の環境改善事業の説明をしてもらいました。

西淀病院 穐久先生からは「西淀川病院と民医連」のお話。

公害裁判資料が保存されている資料館エコミューズも見学しました。

修習生らは、この日見上げる青空が、かつては灰色だったことに驚き、「実務家として将来のヴィジョンについて考えることができたのではないか」と評価を頂きました。

引率の弁護士さんから頂いたメールを紹介します。
〜〜
本日はありがとうございました。
患者さんの声と医師の声と、そして、国土交通省の声と
全く違う立場からの意見を聞くことができ
大変有意義な研修プログラムであったと思います。

帰りの立ち話ではありますが、
修習生も、今日は青空が広がる良い天気でしたが、
昔は青空がなく、灰色であったことに驚きを隠せないようでした。
また、立証の困難性について、
どのように聴き取りをするか等について話合いをしていました。

今回の研修のおかげで
それぞれが(私も含めて)実務家として
将来のヴイジョンについて考えることができたのではないかと思います。
〜〜




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2008年11月4日5:31 PM

もりもとまきのアーキビストの目 No.2

「みんなの力」で-西淀川公害患者と家族の会会報『青空』第10号-

あおぞら財団付属「西淀川・公害と環境資料館」(愛称「エコミューズ」)では、西淀川大気汚染公害に関する記録資料を中心に、公害・環境問題や、西淀川地域に関するさまざまな資料・文献などを収集・整理・保存しています。
ブログ版第1回の今日は、西淀川公害患者と家族の会会報『青空』第10号(1973年11月20日発行)をご紹介します。『青空』は同会の発足(1972年10月29日)以来、現在までに295号発行されています。

この号の一面トップ記事は、11月7日に行われた関西電力株式会社との直接交渉のもようを伝えています。この直接交渉には、会から代表120名が参加しました。 この交渉が実現した理由を、「ワテはおにぎり 私は子守します みんなの力で」という見出しの記事で取り上げ、この交渉が、「交渉に参加する人の子供をあずかる組、ゼッケンをつくる組など、みんなが家の仕事や条件を出し合い、やれる事を手分けしてやることによって成功」したことを伝えています。
『青空』はエコミューズで所蔵分がすべて閲覧可能です。さまざまな問題と向き合い、地域の暮らしを改善するための活動を伝える、数多くの資料に触れてみませんか。ぜひご来館ください。

(もりもとまき・エコミューズ資料整理スタッフ)

Filed under: もりもとまきのアーキビストの目,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2008年10月31日4:12 PM

もりもとまきのアーキビストの目 No.1

「もりもとまきのアーキビストの目」スタート!
はじめまして、あおぞら財団付属「西淀川・公害と環境資料館」(愛称「エコミューズ」)資料整理スタッフの森本米紀(もりもとまき)です。
『資料館だより』第20号(隔月発行)から、「もりもとまきのアーキビストの目」の連載を始めました。
アーキビストとは、文書や資料の収集・整理・保存に関わる専門家のことです。
連載では、エコミューズ所蔵資料のさまざまな顔をご紹介します。よろしくお願いします。
********************
大きな夢をのせた1号
紹介資料:『CRP NEWS』第1号(1996年3月)
 
はじめまして、資料整理スタッフの森本米紀(もりもとまき)です。このコーナーでは、エコミューズ所蔵のさまざまな資料を紹介します。今回は『CRP NEWS』第1号(1996年3月)。
ecomuse

「???」という方もいれば「懐かしいなあ」という方もいらっしゃるでしょう。
実はこれ、あおぞら財団の機関紙『Libella』(リベラ)の創刊号なのです。
「CRP」とは、公害地域再生センターの頭文字(Center for the Redevelopment of Pollution-damaged areas)。このころはまだ、「公害地域再生センター(仮称)設立準備会」と名乗っており、「あおぞら財団」の愛称もありませんでした。
サイズはA4、片面1枚の二色刷り1ページ。リベラ最新号(2008年7月号)は、A4サイズ両面6枚で計12ページもありますから、第1号は本当に、生まれたての赤ん坊といったかんじです。
第1号が伝えるのは、センター設立準備会の事務所開き。1996年2月7日、「各界から100人を超える人たちがかけつけ」、行われました。「公害被害者の運動の発展から生まれる環境保護団体の公益法人化は全国で初めて」で、「行政・企業・住民が連携して、新しい発想による都市の再生をめざす」運動が注目されていることを伝えてます。
『CRP NEWS』の名称はこの1号限りで、第2号からは『Libella ニュース』、そして第15号(1997年5月)から、現在の『Libella』となりました。この『CRP NEWS』は、たった1回だけの、けれど、「公害地域再生」の大きな夢を乗せた1号なのです。
私がエコミューズに通い始めてまだ3ヶ月。これから西淀川公害を伝えるたくさんの資料に触れ、見つけたもの、感じたことを、こちらで紹介していきたいと思います。よろしくお願いします。

☆資料館だより20号はこちら

(エコミューズ資料整理スタッフ もりもと まき)

Filed under: もりもとまきのアーキビストの目,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 3:58 PM

イタイイタイ病 汚染ゼロをめざして、原因企業の立入調査


富山県神通川流域。「イタイイタイ病」が公害認定され、被害を訴えた裁判がはじまって今年で40年になります。公害の原因は三井金属神岡鉱業所(現、神岡鉱業株式会社)から排出されたカドミウムで、神通川に流されたカドミウムが人体、そして田畑を汚染しました。
私は2008年8月2日〜3日におこなわれた「第37回 立入調査」に参加しました。あわせて、イタイイタイ病の歴史を伝える施設「清流会館」(富山市婦中町萩島)を見学しました。

●清流会館の入り口

「今日の学習会は明日のためであり、100年後のためでもある」
1972年から毎年1回、公害の原因企業の立入調査がおこなわれています。調査に参加するのは、イタイイタイ病を患った家族や親戚をもつ人、カドミウムの被害を受けた農地の所有者、それから弁護士、学者などです。イタイイタイ病裁判では1972年に被害住民が勝訴し、原因企業と住民との間で「公害防止協定」が結ばれました。この協定では、住民たちの立入調査権を認めており、立入調査を毎年実施することで、汚染を防止し、神通川のカドミウム濃度を自然界の値と同じにすることをめざしています。
立入調査には100人ほどの人たちが参加しており、1日目はこれまでの経過や次の日の立入調査のポイントを学ぶための学習会がありました。住民側の協力学者の代表として倉知三夫・京都大学名誉教授は挨拶でこう述べました。「今日の学習会は明日のためであり、100年後のためでもあるのです」と。今、この瞬間が「100年後のため」なのだと思うと、身が引き締まる思いがしました。

イタイイタイ病の歴史を伝える施設「清流会館」
被害の救済と再発防止活動の拠点として「清流会館」があります。館内には、歴史的経過がわかるパネルや汚染土壌の復元事業を説明したコーナーなどがあります。この会館は被害者団体が自ら建設し、運営している民間施設です。一方、イタイイタイ病に関しては、行政が運営する施設はありません。被害者団体は国と富山県にたいして、資料館の建設を要望しています。公害に関する資料をいかに保存し、将来へ役立てていくかは、エコミューズだけではなく、他の地域でも抱えている課題です。


●清流会館内のようす

きれいなもの(清)と汚いもの(濁)を分ける—「清濁分離」の哲学
 2日目、快晴の空のもと、7つのグループに分かれて調査がはじまりました。私は「鹿間工場コース」に参加。現在は、鉱石の採掘はおこなわれておらず、鉛のリサイクル工場として機能しています。企業の説明にたいして、質問をおこなう学者たち。そこには立場は違うものの「環境をよくしたい」という同じ想いを共有する人たちの誠実な姿がありました。
 「清濁分離」という言葉を、住民側からも企業側からも聞きました。被害者側の弁護士は「清濁分離は私たちの哲学。これを追求してきた」と述べました。きれいなもの(清)は自然に戻し、汚いもの(濁)はリサイクルするか、閉じ込めるなどして、外へは出さない。とてもシンプルな考え方ですが、これを厳密に実行するのは非常に難しいことだと思います。
 神通川のカドミウム濃度はあともう一歩で自然界レベルになるそうです。また、農地の土壌改良事業は2011年で終了予定だそうです。これはカドミウム汚染という悲惨な歴史と、その解決に努力してきた人たちの積み重ねによる結果です。今後もこの歴史と取り組みから私たちは学んでいきたいと思います。


●立入調査で企業の説明を聞く


●植栽の成果が見えてきた山

鎗山善理子(あおぞら財団)




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2008年9月11日1:54 PM

西淀川図書館での展示開催中(9月・10月)


9月2日
大阪経済大学 3回生 インターンシップ生 稲野 宏樹

西淀川の環境学習〜セミ菜の花緑陰道路「西淀川区は環境省のモデル地域!」
西淀川図書館での展示開催中(9月・10月)  

西淀川図書館で「セミのぬけがら集め」「菜の花プロジェクト」などのいくつかの取り組みを紹介させてもらっています。
 
子ども達が書いた「セミ新聞」などが展示されております。


 

「セミのぬけがら集め」とは
 セミは環境によって種類が変わります。なので、セミのぬけがらを集めることにより、どの種類がどれだけ住んでいるかがわかり、環境の状態を知ることができるのです。
 
「セミのぬけがら集め」(あおぞら財団のブログ)はこちら

「菜の花プロジェクト」とは
 菜の花を育て、そこから採れた菜種油で車やバスの燃料を作ります。そこで排出されたCO2は、菜の花を育てるときの光合成で回収します。このような循環を作り、地球に負担をかけないようにするというのが目的です。

「菜の花プロジェクト」(西淀川菜の花プロジェクト)のブログはこちら 

展示の趣旨

西淀川では、様々な人たちが環境学習に取り組んでいます。08年は環境省のモデル地域(国連持続可能な開発のための教育の10年モデル地域)になっています。菜の花を栽培してその油でクルマを走らせようという西淀川高校での「菜の花プロジェクト」、夏休みに子どもたちと大野川緑陰道路の自然度を調査する「セミのぬけがら調べ」など、いくつか取り組みを紹介しています。
●期間=2008年9月2日(火)〜10月30日(木)
休館日:9/8、9/22、9/29、9/30、10/6、10/14〜10/20、10/27
●開館時間=火曜日〜金曜日      10時〜19時
土曜日・日曜日・祝休日 10時〜17時
●場所=西淀川図書館(大阪市西淀川区御幣島1-2-10)
      TEL 06-6474-7900
   最寄駅 JR東西線「御幣島(みてじま)」駅下車 ①出口スグ

会期中のイベント

「ミニ風車で風を体験しよう」

西淀川高校生と一緒に菜の花プロジェクト紙しばいリサイクル工作をしよう
●日時=10月25日(土)14時〜15時くわしくは、西淀川図書館にお問い合わせください




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2008年9月5日11:29 AM
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