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ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

もりもとまきのアーキビストの目 No.13

新潟水俣病・阿賀野川と共に-映画『阿賀に生きる』-
(資料館だより30号、2010/05)
紹介資料:映画『阿賀に生きる』(1992年)

エコミューズでは、今年8月5~8日、新潟水俣病の現場を訪ねるスタディツアーを開催します。そこで今回はエコミューズ所蔵の映像資料のなかから、新潟水俣病の被害地域である阿賀野川流域に暮らす人々の生活を追ったドキュメンタリー映画、『阿賀に生きる』(佐藤真監督、カラー115分、VHS、1992年)を紹介します。

川と共に生き、公害と闘う 川と共に生き、公害と闘う 

新潟水俣病は、昭和電工鹿瀬工場から阿賀野川に流された、メチル水銀化合物を含む排水によって引き起こされた公害病です。患者は手足のしびれや運動障害など、さまざまな症状に苦しみました。水質汚染による漁業への影響も深刻でした。

映画は、阿賀野川と共に生きる人々―米作りを続ける老夫婦、川風を知り尽くした川船頭、川舟を作り続ける老大工、餅つき職人の老夫婦に3年間密着して撮影されました。川筋に暮らす人々の、なにげない日常。そしてそのなかで、患者会活動や未認定患者問題など、新潟水俣病と向き合う姿が映し出されます。それは決して外側から眺めるだけでは伝えることの出来ない、公害地域の「今」を捉えた映像です。

現地を歩き、生の声を聞き、新潟水俣病の「今」を知って、伝えたい―スタディツアーを前に、そんな思いを新たにする映画です。

☆資料館だより30号はこちら

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)

Filed under: もりもとまきのアーキビストの目,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2010年10月18日3:10 PM

もりもとまきのアーキビストの目 No.12

みんなで決めて、みんなで闘う-「西淀川公害患者と家族の会」班長役員会議-
(資料館だより29号、2010/03)
紹介資料:昭和63年度班長役員合同会議(1988年)

「西淀川公害患者と家族の会」は、毎月欠かさず「班長役員会議」を開いていました。エコミューズでは、その会議で毎回配布された議事進行レジュメを多数所蔵しています。今回はそのなかから、’88(昭和63)年10月14日の会議のようすを見てみましょう(「昭和63年10月度班長役員合同会議」岡崎久女氏資料No.372)。

毎回欠かさず作られ、配られたレジュメ 毎回欠かさず作られ、配られたレジュメ 

会議には役員と各支部の班長43名が出席し、まず事務局から、レジュメに掲載された「活動日誌」をもとに、前月の会議以降の出来事が、ひとつずつ報告されます。そして討議に移り、翌月26日に開かれる西淀川公害裁判第89回公判について、「一人でも多くの原告の傍聴参加をお願いし、支部別の参加割当をやりきることを確認」しました(同会機関紙『青空』No.90)。原告や患者に、裁判の傍聴を積極的に呼びかけることは、班長の大切な役目でした。このレジュメにある「福10、姫島14、大和田5…」は、各支部の目標参加人数です。

会議は、出席者が過半数に達しなければ中止されました。そして互いに声をかけ合い、必ず過半数以上が出席して開催し直したそうです。「みんなで決めて、みんなで闘う」という姿勢が貫かれた運動のようすを伝える資料です。

☆資料館だより29号はこちら

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)

Filed under: もりもとまきのアーキビストの目,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 3:07 PM

もりもとまきのアーキビストの目 No.11

「公害指定地域」を守れ ―「西淀川公害患者と家族の会」の学習会―
(資料館だより28号、2010/01)
紹介資料:西淀川公害患者と家族の会昭和59年度春季学習会資料(1984年)

今回は「西淀川公害患者と家族の会 昭和59年度春季学習会資料」を紹介します(エコミューズ所蔵岡崎久女氏資料No.106)。

補償法を守り抜くために、学び、考え、動く 補償法を守り抜くために、学び、考え、動く 

1974(昭和49)年9月、公害健康被害補償法が実施され、指定地域の公害病認定患者に対し、汚染原因物質の排出者から補償費が給付されることになりました。しかし企業にとってその負担は重く、財界は政府に対し、その廃止を求める動きを強めていきました。そして’83(昭和58)年11月、環境庁は、解除を含めた指定地域の見直しを中央公害対策審議会に諮問するに至ります。

指定地域が解除されれば、補償費が給付されず、公害病に苦しむ被害者の生活が脅かされることになります。その危機感のなかで、患者会は「昭和59年度春季学習会」を開きました。その際に配布されたこの資料には、「公害指定地域の解除を許さず補償法を守り抜く課題は、公害患者の生きる道を守るにとどまらず、全国総ての公害運動つぶしを許さず、総ての公害対策を放棄させない、正に全国民的でしかも緊急の課題」とあり、政財界の動向や制度上の問題点を学び、これからの運動の進め方が話し合われました。後退する公害対策に立ち向かう、患者会の懸命な姿を伝える貴重な資料です。

☆資料館だより28号はこちら

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)

Filed under: もりもとまきのアーキビストの目,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 3:05 PM

もりもとまきのアーキビストの目 No.10

大阪公害患者の会連合会の結成 ―みんなで手を携えて―
(資料館だより27号、2009/11)
紹介資料:大阪公害患者の会連合会写真資料(1978年)

エコミューズでは、さまざまな公害患者団体の資料を所蔵しています。今回は、大阪公害患者の会連合会(以下、連合会)の写真資料を紹介します。

2,000名が集い熱気に満ちる(’78.4.20) 2,000名が集い熱気に満ちる(’78.4.20) 
NO2基準緩和反対を訴える(78.11.10) NO2基準緩和反対を訴える(78.11.10) 

連合会は、1977(昭和52)年4月に結成されました。西淀川公害患者と家族の会(’72.10)を皮切りに、府内各地で患者会が発足し、それぞれがさまざまな運動を進めるなかで、患者会同士の交流や連携によって、共通の課題に取り組んでいく必要性が高まっていたのです。結成大会には、17の地域患者会から約1,000名が参加したといいます。翌’78年4月の第2回総会は(写真上)、西淀川公害裁判提訴と同じ日に開かれ、中之島公会堂に大勢の人々が集いました。

同年7月に環境庁は、大気汚染の原因のひとつである二酸化窒素(NO)の環境基準を緩和しました。産業発展を重視する政府や財界の、強い意向が働いたのです。連合会は、この動きを厳しく批判しました。写真下は、大阪市公害対策審議会大気部会NOX小委員会への抗議行動のようすです。

現在もなお、公害対策や環境行政に対して積極的な提言を続ける連合会の、結成当時の熱気を伝える貴重な資料です。

☆資料館だより27号はこちら

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)

Filed under: もりもとまきのアーキビストの目,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 3:02 PM

西淀中学校「文化発表会」に行ってきました。


地域学習で「西淀川公害」を調べていた西淀中学校2年3組の
展示を見に、10月1日「文化発表会」に行ってきました。

あおぞら財団および、西淀川公害患者と家族の会のメンバーが
学校の授業で講師や語り部をしたり、その後、生徒さんたちが
財団の資料館(エコミューズ)に来て、調べものをしたりして、
成果をまとめました。

その名も公害新聞。

次の5つのテーマで、一枚一枚、壁新聞が作成されていました。
<裁判・判決>
<公害による病気>
<大気汚染>
<住民運動>
<今後の西淀川>

どれも文字がぎっしりつまっており、驚きました。

「過去の西淀川区は公害とかが悪かったけどこれからは
良い西淀川区をみんなで作りたいです」と感想が書いてありました。

そして、どんなものが出来上がるのかと期待に胸を膨らませて
見に行った「語り部さんの等身大パネル」。

おお、なんという迫力。

一緒に撮るとこんな感じ。

学校は生徒さんたちの活気でにぎやかでした。
また、これからもよろしくお願いします。

西淀中学校の取り組みの過去ブログはコチラ

西淀中学校の生徒さんがあおぞら財団を訪問に来ました
http://aozorabsw.exblog.jp/13208835/
西淀中学校の生徒40人がエコミューズ見学に来ました
http://aozorabsw.exblog.jp/13199784/
西淀中学校で公害の語り部授業
http://aozorabsw.exblog.jp/12921541/
西淀中学校で、西淀川公害の授業を実施しました。
http://aozorabsw.exblog.jp/12891836/

(鎗山善理子・あおぞら財団スタッフ)




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2010年10月1日5:16 PM
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