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ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

第2回 みんなで歩こう西淀川の歴史めぐり


あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)の開館2周年を記念して昨年に引き続き、まちあるきを開催しました。雨のため当初の予定を延期して、5月31日(土)の開催となりました。この日はあいにくの小雨。しかし、小学生から大人まで合わせて12人で、昔の地形に思いをはせながら約7キロのコースを歩きました。用意した「西淀川クイズ」に子どもたちは夢中。悪天候ながらも楽しい会となりました。
当日の様子をダイジェストでお届けします。

コース
【スタート】新佃公園→被爆者鎮魂の碑→田蓑神社→国道2号→光明寺→大野川緑陰道路→北向き地蔵→かしわの橋→池永家→野里住吉神社→あおぞら財団・エコミューズ【ゴール】

1945年6月26日、左門殿川近くの防空壕に2トン爆弾が直撃し、多くの方が亡くなりました。戦後、地域の有志が寄付を募り、鎮魂碑として地蔵堂を建立しました。

田蓑神社内にて。東京の佃島のルーツがここにあります。


光明寺
さて、つくばいには何が書いてあるのかな?


大野川緑陰道路
工場・生活排水のため、ドブ川となっていた大野川。埋め立てて高速道路になるところを住民の意見で自転車と歩行者の専用道路に生まれ変わりました。


かしわの橋・野里の渡しの跡
中津川を渡るための渡しがここにありました。


池永家
江戸時代、船場の日常生活を支えた都市近郊農家のひとつ。お庭で記念撮影しました。


野里住吉神社
大阪府指定文化財の一夜官女祭があります。力石を持ち上げられるかな?


あおぞら財団・エコミューズ
ゴールです。お疲れ様でした。

西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2008年6月17日4:05 PM

第2回みんなで歩こう西淀川の歴史めぐり


まちを歩いて昔の地形をたどる


昔の西淀川区はどんな形をしていたのでしょう?
今はもう、なくなってしまった川や橋の姿が、
地図を見ながら歩けば見えてくる。
さあ、いっしょに見えないまちを探しにでかけましょう。

【しゅうごう】
■ひにち 2008年5月24日(土)
■じかん 午前9時30分
■ばしょ 新佃公園(ローソン佃2丁目店の向かい)
【ガイド】小田 康徳・エコミューズ館長(大阪電気通信大学教授)
【さんか】どなたでもどうぞ。小学生〜高校生、おやこで参加かんげい
【もうしこみ】5月20日(火)までにもうしこんでください。
【定員】30人
【ひよう】300円(マップ代200円/保険料等100円)
【もちもの】おひるゴハン、のみもの、筆記用具
【きょり】約6キロ
【おわるじかん】午後2時ごろ
★ちゅうい⇒雨の場合は、5月31日(土)に延期(えんき)します。
後援:大阪市教育委員会

くわしくはチラシをごらんください。

お申込・お問い合わせはあおぞら財団まで。電話:06-6475-8885、FAX:06-6478-5885、電子メール:webmaster@aozora.or.jp




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2008年5月16日1:05 PM

神戸大学現代GPプロジェクト「アクション・リサーチ型ESDの開発と推進」西淀川訪問(4/28)


去る4月28日に神戸大学現代GPプロジェクト「アクション・リサーチ型ESDの開発と推進」の一環として学生のみなさんが西淀川に見学にこられました。

まずはあおぞら財団ビルにて座学。西淀川公害の経緯や財団の活動についてあおぞら財団の林研究員から説明がありました。排気ガスによる大気汚染の問題は現在もまだ解決したとはいえないこと、あおぞら財団ではエコドライブの推進や自転車マップの作成、ESDへの取り組みなどを通じて地域再生への試みを続けていること、などなど。

ついでビデオを鑑賞。大気汚染裁判の顛末がわかりやすくまとめられている「西淀川公害裁判をたたかう」と、被害者の方々の生の声が伝わってくる「公害経験を語りつぐ」の2本立てです。


引き続いて公害被害者の語り部、中川さんからお話をうかがいました。1970年に認定患者となり、いまでも吸入器を肌身離さず持っていらっしゃるとのこと。子育てと重なる30代の頃は本当につらい思いをされたとおっしゃっていました。学生のみなさんもメモをとりながら熱心に耳を傾け、家族にほかに被害はなかったのか、引っ越しは考えなかったのか、工場に勤めていた人との間に軋轢は生じなかったのかなどなど、活発に質問を投げかけていました。

森脇理事長も臨席し、運動を取り巻く事情についてコメントを。人口10万人のところに7,000人もの患者さんがおられ、運動はとても勢いがあったとのこと。ただ、当時働き盛りの年齢だった人たちは多忙でなかなか認定を受けることができず、現在とても苦労されているとのことでした。また認定患者さんも高齢化しつつあり、法の枠組みが現実にそぐわなくなっているようです。


はなしが一段落ついたところで外へ。上田研究員の解説をはさみながら大野川緑陰道路を歩いてゆきます。

道すがら中島大水道の歴史を聞いたり、

西洋タンポポとカンサイタンポポの違いを学んだり。ちなみにカンサイタンポポは虫媒でしか繁殖しないので、里山的な環境が整っているか否かをはかるひとつの目安になるとのこと。大野川緑陰道路では3ヶ所しか見られないそうです。

現在大和田小学校になっている大和田城跡を経て、

あおぞら苑へ。公害患者さんのためにつくられたデイサービスセンターです。

代表の辰巳さんからお話をききます。設立当初は利用者のほとんどが公害患者の方だったということですが、1年半経った今日では患者さんは2-3割程度とのこと。公害患者さんは勝ち取った和解金を地域全体をよくするために使って欲しいと願っているので、あおぞら苑もその意図をくんで広く地域の人に門戸を開いているというお話でした。靴を脱いであがる、毎日通院が必要な患者さんのために送迎時間に配慮する、画一的な運動などをやらずに自分の意志でやりたいことを楽しくやってもらう、などなど、来所される人を第一に考え、志を高くもってサービスを提供されています。

最後にあおぞら苑の前で記念撮影をし、出来島駅で解散となりました。

環境問題は一朝一夕に解決するものではありません。現場に出て色々なものに触れながら環境や持続可能性について考えるこのようなESDの取り組みを通じて、少しずつ主体的に問題に取り組む人が増え、変化が生じてくればいいのではというのが引率されていた先生のおはなしでした。みなさんおつかれさまでした。




Filed under: 視察受入 — aozorafoundation 公開日 2008年5月2日4:03 PM

韓国から研究者のお客様


2008年1月9日(水)

韓国・延世大学が中心となった「都市再生プロジェクト」の研究者4人と大阪市立大学とし研究プラザの金さんの5名が西淀川にいらっしゃいました。
このプロジェクトは韓国の国土交通省の研究プロジェクトだそうです。

<コース>
阪神電車西大阪線出来島駅集合⇒西淀川高校⇒国道43号線⇒出来島小学校⇒あおぞら苑⇒大野川緑陰道路⇒あおぞら財団

■ 西淀川高校

西淀川高校が取り組んでいるキャリア教育と環境教育、ESD(持続可能な開発のための教育)について説明がありました。
体を動かして理解する環境教育という西淀川高校ならではのプログラムを校長先生を中心に熱く語っていただきました。校内で栽培した菜の花から油をとり、ディーゼル燃料を作るBDFの機械も見学しました。

■ 出来島小学校


大気汚染測定局があります。
国道43号線沿いにあり、大気汚染物質である二酸化窒素の測定値がなかなか環境基準を下回りません。
韓国の研究者は「なぜ小学校を移転させないのか?」と不思議がっていました。
学校が地域コミュニティの中心であること、道路がコミュニティを分断して後に建設されたこと、通過交通が多い国道43号線の車を湾岸線に誘導することをあおぞら財団は提案していると説明しました。

■ あおぞら苑


公害病の患者さんが安心して老後を過ごすためにつくられたディサービス施設です。
韓国と福祉の制度が違うこともあり、みなさん興味津々でした。

■ 大野川緑陰道路

30年前に公害で汚染された川が埋め立てられて作られた自転車・歩行者専用道路です。
ここでも「なぜ川を復元しないのか?」という質問が出ました。
大野川緑陰道路を歩いていると阪神高速西宮線の高架下を通り、国道2号線、阪神高速空港線が見えてきたとき
「なぜ、西淀川にこんなに道路が多いのか!」と驚きの声が上がりました。

■ あおぞら財団


ビデオで汚染がひどかったことや、患者さんの言葉を見て、森脇理事長から裁判と地域再生についての話がありました。
裁判については、時間が短くてきちんとご説明することができず、悔いが残ります。

韓国の皆さんはとても意欲的で、活発に質問も出て、私たちが答えられないこともありました。
日本人と韓国人の違いを感じる部分です。
制度の違いも多く、日本人同士ならば説明しなくてもすむことに、説明が時間がかかるなど
国際交流ゆえの難しさもあります。
何度も質問の中で出た「なぜ移転しないのか?」という発想をいだくことが
韓国との違いでなのでしょう。
韓国と交流する中で、私たちも色々と気がつくことが多いです。






Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2008年1月10日8:32 PM

平成19年度環境省職員研修でエコミューズ訪問


平成19年12月7日(金)、環境省職員の方々17名が、研修のため西淀川に来られました。本年度採用の若手の方を中心に、環境問題の歴史を知る現地調査の一環として、西淀川大気汚染公害の現場を訪ねることが目的です。研修はフィールドワークや公害患者の方の経験を直接聞くことなどで構成されています。

●フィールドワーク
 13時、阪神西大阪線「出来島」駅に集合された後,フィールドワーク開始です。案内役は、あおぞら財団職員の上田さんと林さんがつとめました。
 前半のコースは、出来島小学校(測定局)→国道43号線→西淀川高校でした。



 西淀川高校見学の後、後半のコースは、千北診療所→デイサービスセンターあおぞら苑→大野川緑陰道路→あおぞらビルとなります。

●あおぞら財団見学
 環境省職員の皆さんはフィールドワークの後、あおぞらビル5階の「西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)」に来館されました。



 ここでは、ビデオ「西淀川公害裁判を闘う」「公害被害体験を語り継ぐ」を上映して、西淀川公害やあおぞら財団設立の経緯などを紹介した後、大気汚染公害被害者の池永さんとあおぞら財団の森脇理事長から、被害の実態を自らの経験を交えてお話ししてもらいました。
 特に池永さんは、公害患者であるお子さんの看病で必死になっていたため、自分が発病したことに気づくのが遅れ、自らも公害病だとわかった時が1988年3月1日の公害指定地域解除後だったことにより、公害患者としての認定が受けられなかったという経験を話されました。森脇理事長も、一律に期限を区切ってしまったことで取り残された被害者が西淀川にいることを知ってもらいたい、と訴えられました。行政に携わる環境省職員の皆さんは、改めて基準などをつくることの難しさを実感されたようです。

 最後、研修に参加された方々が、一人ひとり、今日見聞きしたことの感想を述べられました。その中で、ふだん野生動物保護などの業務に携わっている方が、この研修で仕事に対する視野が広がった、という話をされていたのがとても印象的でした。予定時間を大幅に過ぎた17時頃に研修は終了しましたが、その後も、皆さん当資料館所蔵の裁判資料(大気汚染がひどかった当時の航空写真など)を閲覧されたりしておられました。

 資料整理のお手伝いをしている私としても、ささやかなやりがいを感じることができた研修だったと思います。
 (文責・樫本喜一)




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2007年12月14日5:42 PM
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