あおぞら財団 インターン 松浦寧々

撤去の瞬間に居合わせた方々はひどく驚いた様子であった。 そこには、子供さんを後ろからおろしてスロープを降りていく親子さんたち、また無理矢理自転車で横断しようとするのを警察にとめられているといったような様々な光景が見られた。そんな中『地下道ができて便利やわぁ!』という声を耳にすることは一度もなかった。実際に地下道へと降りてみると、何処にあがっていいのかわからず立ち往生している方や、地下駐輪場に向かって自転車をおさずに乗ってくる高校生などがみられた。今はみな自転車をおして地下道を通っているが、慣れてくるとじきに自転車に乗って地下道を通る光景が当たり前になるのではないかと心配になる。問題は多々あるが、その中でも二つ大きな問題としてとらえているものがある。一つ目は、自転車利用者に優しくない地下道であること、もう一つは地下道の地図があまりにも簡易で、且つわかりにくいところに表示されているという点である。
地下鉄の利用者には、非常に便利な地下道といえるかもしれないしかし自転車利用者にとっての地下道でもあるということも考えてつくられたのかどうかという点では、決して便利とはいえないだろう。
三日経った今、以前あった横断歩道を渡ろうとする人は見受けられないが、地下道の入り口で立ち止まる方は少なくない。
