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第53回IATSSフォーラム1日目(6/18)

6月18日~21日の3日間、IATSSフォーラムのプログラムの一環でASEANの9カ国18人の研究生の受け入れをしました。
このIATSSフォーラム公益財団法人国際交通安全学会がASEANの優秀な若いリーダーが約2カ月にわたって日本で行う研修です。3日間西淀川にも訪れ、あおぞら財団で研修をしました。

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職員による説明中。

まず、西淀川公害が一体どのようなものか、地域再生とはどのようなものか、またあおぞら財団についての話がありました。昔の西淀川の写真をスライドで流すと、研修生の方たちは驚いた表情を見せていました。日本にも空が見えないような時があったと想像が付かないのかもしれません。
Q:あおぞら財団の取り組みでもあるとは、CO2排出量削減のために行っているのか?燃料を減らすために行っているのか?
A:エコドライブはCO2排出量削減も、燃料削減も両方の意味を持っている。急発進・急ブレーキを控えることで、一台のトラックからのCO2削減も燃料削減も行える。また、CO2全体を削減するために古い車の規制なども行える。
Q:あおぞら財団が地域社会とともに地域を作ってきたが、どのぐらい成果が出ているのか?また成果をはかる指標はあるのか?
A:どれぐらい成果が出たか、それをはかるような指標はない。ただ、近年西淀川は人口が増加している。人口が増えているということは、西淀川が住みやすい地域だということではないか。西淀川に住んでいる人たち全員で地域を作ってきたということになるのではないだろうか。

 

西淀川公害裁判の弁護士であった村松昭夫弁護士から裁判の話を聞きました。
村松弁護士からはなぜ大気汚染の裁判が難しいのか、また西淀川公害の裁判の難しさについてなどの話をしてもらいました。実際に西淀川からは離れた工場や企業から排出されたNOxなどが中心となっていたため、因果関係の証明がとても難しかったそうです。実際に研修生の国でも公害が起こっているので、とても真剣な様子で話を聞き入っていました。

裁判について話していただいた村松弁護士。

裁判について話していただいた村松弁護士。

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メモを取りながら真剣な様子で聞き入っています。

Q:フィリピンでも現在大気汚染が問題になっており、予防措置はとっている。今後自国でもなくしていきたいが、日本の国や自治体では大気汚染防止に対しての法律はあるのか?
A:現在日本には国にも自治体にも大気汚染などの公害防止のための法律は多くある。汚染物質の総量をはっきりと明確化することによって、どのような対策をするか決めることが出来る。その対策を利用して、全体の汚染物質の総量を減らすことが出来る。また公害健康被害補償法のように、公害認定された患者への補償費や治療費を加害者側である企業が負担をする。そうした制度と作ることで企業側も負担を減らそうと対策を練るために、汚染物質を減らすことが出来る。そういった制度や法律を作ることは、汚染物質を減らすのに有効な手段となっている。
Q:勝てないと思われていた西淀川の裁判が勝てた一番の要因は一体何か?
A:裁判に勝てた要因は立場によって異なってくるため、一つだけではない。一つあげるとすると、裁判官をどのように説得をさせるかという点が挙げられると思う。裁判官を説得させるにも
1)裁判官の人間的な思いや気持ちといった心の部分を揺らす必要がある。
2)公害患者の受けた被害の理不尽さを訴えることで、裁判官の持つ正義の心をしっかりと持たせることが重要である。
3)国や大企業を相手取る裁判では、裁判官が被告を相手に勇気のある決断を出せるような世論の流れを社会全体に持たせる必要がある。
以上の点で裁判官を説得させることが大切だったのではないか。

 

公害患者さんからは永野千代子さん、山下晴美さんを迎えて当時の話や経験についての話をしてもらいました。永野さんはご自身や家族の被害の、山下さんは旦那さんの被害の辛さや苦しさについて話をしてもらいました。研修生の方は話を聴き逃さないように聞き入っていました。

話をしてくれた山下さん(写真左)と永野さん(写真真中)

話をしてくれた山下さん(写真左)と永野さん(写真真中)

研修生からは質問が続きました。

研修生からは質問が続きました。

Q:西淀川公害の裁判を行うために、どのように患者を集めたのか。患者会を作るのにNPOのような団体が入って患者を集めたのか。また、公害患者が裁判を行うと決めて進んだいきさつにはどのようなものがあったのか。
A:患者会を作るのにはNPOのような団体は入っておらず、患者会自体がNPOのような働きを持っている。西淀川の病院の医師も働きかけてもらい、患者を集めた。裁判を行ってきたいきさつには、何が理由で空気が汚れ、なぜ私たちが病気になったのかを知りたかったから裁判を起こした。
Q:裁判に原告側が勝訴した理由には何があったのか。
A:それは自分たちの子どもや孫、ひ孫の世代には青い空を手渡したいという強い思い、勝たなければいけないという強い思いがあったのだと思う。

 

午後からは歌島橋交差点にて国土交通省のの方に来てもらい、道路対策について話を伺いました。裁判後に行われた騒音対策や交通流対策などの説明をしてもらいました。

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歌島橋交差点での説明の様子。

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あおぞらイコバにて質疑応答中。

Q:騒音対策などの道路対策技術は、日本の他の件でも利用をされているのか?
A:遮音壁などの騒音対策はほぼ同じものが日本全国でも活用されている。だが、光触媒による大気浄化などの技術は大気汚染がひどい地域でのみ使われている。今後は西淀川で使われているような対策を他の地域でも採用する可能性はある。
Q:地元住民と行政側が話し合っていると言っていたが、行政側から声をかけたのか。それとも住民側から声をかけたのか。
A:西淀川地域では行政側で汚染状況や現状についてのデータをそろえてから、住民側に声をかけるという形をとっている。だが、住民側から話し合いの場を設けられても拒否することはない。

 

その後、9人ずつの班に分かれました。A班はタンデム自転車を利用して大野川緑陰道路を通って矢倉海岸までいく間、B班はグループワークを行いました。A班があおぞら財団まで戻ってくると、次はB班がタンデム自転車に乗り、A班がグループワークを行いました。
どちらの班もタンデム自転車にのって淀川までのサイクリングをとても楽しんでいたようです。

A班の皆さん楽しそうです。

A班の皆さん楽しそうです。

A班矢倉海岸にて。

A班矢倉海岸にて。

B班は淀川と一緒に。

B班は淀川と一緒に。

グループワークについても、感想や自分の国の公害・環境問題について真剣に意見の共有を行っていました。最後に全員での共有を行いました。真剣に話し合った内容の共有をし、1日目の研修は終了しました。

真剣に話し合っています。

真剣に話し合っています。

たくさん書き込んでいる姿が分かります。

たくさん書き込んでいる姿が分かります。

全員で最後に共有をしています。

全員で最後に共有をしています。

たまに笑いを交えての発表でした。

たまに笑いを交えての発表でした。

 

天気も蒸し暑く、慌ただしい日程の中でしたが研修生の方々は真剣な様子で話に耳を傾けていました。
1日目の最後にはあおぞら財団が定期的に行っている「あおぞら野菜市」で出店しているさんと、ハラール料理を取り扱っている大阪ハラールレストランさんから料理を用意してもらい、あおぞら財団の職員と懇親会を行いました。食事を囲ってわきあいあいと話も出来ました。
こうして交流をすることも出来るのも、いい体験になりました。

フォーラム2日目のブログはこちらから。
(松ヶ平)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2015年6月29日10:16 AM

環境省現地研修受入、二日目(2/20)

2月19日に続き、2月20日も環境省職員の方の現地研修受入でした。

二日目は12名の方の参加でした。
(一日目の様子はこちらのブログからどうぞ。)

朝一番は村松昭夫弁護士からの公害裁判の話でした。
西淀川公害裁判の話だけではなく現在村松弁護士の関わっているアスベストについても話はおよびました。
公害裁判の立証の難しさや、公害裁判を通して考えた産業発展について話して下さり、環境省の方々もメモを取りながらも真剣な様子で聞き入っていました。
現在起こっている裁判なのも大きな理由になったと思います。

弁護士の村松昭夫先生です。

弁護士の村松昭夫先生です。

皆さん必死にメモを取っていました。

皆さん必死にメモを取っていました。

 

その後はバスに乗って43号線を通り、尼崎や西淀川の工業地帯の見学を行いました。
淀川通には大型トラックが何台も並んでいる様子にバスの中で驚いた様子を受けました。
43号線はこの日はあまり車の量は多くはありませんでしたが、それでも工業地帯などを見て回っている時はバスの外を真剣に見ている様子がうかがえました。
バスは一度淀川沿いで止まると遠くに見える風景を眺め、43号線緩和のために作られた湾岸線について話を聞きました。
この日は天気も悪くはなく、よく見えていたと思います。

バスの中から見える工業地帯に視線が自ずと向いてしまいます。

バスの中から見える工業地帯に視線が自ずと向いてしまいます。

淀川沿いから湾岸線の説明を受けています。

淀川沿いから湾岸線の説明を受けています。

向こう側にはユニバーサルスタジオジャパンも見えます。

向こう側にはユニバーサルスタジオジャパンも見えます。

 

お昼は大阪ハラールレストランにていただきました。
ビッフェ形式で皆さん好き好き取っていました。
意外とカレーが辛くない!とおかわりをしている人もいました。

その後デイサービスセンター あおぞら苑の見学を行いました。
通っている方も昔から住んでいる方や移り住んできた方もおり、参加者の皆さんはそれぞれ話しをしていました。
最初は戸惑う様子も見受けられましたが、見学が終わる頃には通っている方に手を撫でられている姿がありました。
皆さんとても盛り上がっていました。
最後にあおぞら苑代表の辰巳到さんから話をいただきました。
たまに冗談を盛り込みながらも熱くあおぞら苑のあり方について話をしてもらい、環境省の方々へ語りかけていました。

あおぞら苑の前にて。

あおぞら苑の前にて。

あおぞら苑に通っている方々と西淀川の話などをしています。

あおぞら苑に通っている方々と西淀川の話などをしています。

あおぞら苑代表の辰巳到さん。

あおぞら苑代表の辰巳到さん。

 

そこから大野川緑陰道路を歩き、あおぞら財団へと帰ってきました。

大野川緑陰道路の説明も受けました。

大野川緑陰道路の説明も受けました。

 

戻ってきてから3グループに分かれてワークショップを行いました。
まずは感想を書いてグループの中で共有をしてもらいました。
皆さん色々感想があったようで、感想が書かれた青のポストイットが班ごとに渡された模造紙にたくさん貼られていました。

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次に班に配られた模造紙には西淀川への提案を書いていただきました。
ピンクのポストイットに書いてもらいましたが色々悩みながらも書いていただき、班ごとに共有をしていきました。

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それを森脇さんや上田さん、財団の職員の前で発表をしました。
どのグループも統一してあるのが43号線の混雑緩和と湾岸線の利用についての発言がありました。
また公害への教育や独居老人のことにも話が及びました。
どのグループも1日半の短い研修の中でしたが、その中で沢山学んでくれたのだと思います。

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今回西淀川でのフィールドワークを経て、考えたことや思ったこと、学んだことを環境省に持って帰るだけではなく少しでも周りの人と共有して欲しいと思います。
普段どうしてもお互いの運動や仕事の枠の中で相手を見てしまいがちですが、こうして話をする機会を得ると違う見方も見えてきます。
このような機会が今後増えていくことも必要だろうなと思っています。

最後は全員で記念撮影も行いました。

最後は全員で記念撮影も行いました。

(松ヶ平)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2015年4月1日10:11 AM

環境省現地研修受入、一日目(2/19)

2月19日~20日にかけて環境省職員の現地研修受け入れが行われました。
参加者は環境省職員の方々13名で、西淀川のフィールドワークや公害患者さんとの話などが2日間に分けて研修が行われました。

2月19日(木)一日目
午後から研修の受け入れが始まりました。
職員の林さんからまず、あおぞら財団や西淀川の公害についての話がありました。
昔の西淀川の風景などのスライドや公害裁判についての話をしました。

西淀川という地域や西淀川公害について話をしている林さん。

西淀川という地域や西淀川公害について話をしている林さん。

 

その後、歌島橋交差点にて大阪国道事務所の方からどのような対策を行われてきたかという話をしていただきました。
交通の円滑化をどのようにしてきたか、道路の構造の対策など43号線などで行われてきた対策を中心に話してもらいました。
行われてきた対策だけではなく、国土交通省が行っている「えんどう(沿道)まめくん」と環境省が行っている「そらまめくん」の違いについて環境省の方から質問が出る場面もありました。
歌島橋交差点は五叉路なので対策をしても車の量は多く、車道へと視線を向けている方がとても多かったです。

歌島橋交差点で対策について説明を受けている。

歌島橋交差点で対策について説明を受けている。

大阪国道事務所大田隆英さんが説明をしてくださいました。

大阪国道事務所大田さんが説明をしてくださいました。

 

財団へと戻ると公害患者さんでもある永野さんと岡崎さんを迎え、全体で大きな輪になって病気の苦しみや公害反対運動、また昔の西淀川についても話をしていただきました。
普段輪になって直接話しを伺う機会が少ないらしく、お二人の話を食い入るように聞いていました。
仕事も発作などの症状が酷く、パートでしか働けなかったとのお話もありました。
途中で上田敏幸事務局長を迎え、上田さんは年金がもらえない人もいると言う現状も教えて下さいました。
仕事の対応や会議などで公害患者さんと話をする機会はありますが、お互いが普段の立場とは少し異なった形で話を出来たためか色々考えているような複雑そうな表情が見えました。
上田さんがおっしゃった「公害は地元を丸めて問題になっている。」と言う言葉がとても耳に残りました。

永野さんと岡崎さんの話を聞き入っている環境省の皆さん。

永野さんと岡崎さんの話を聞き入っている環境省の皆さん。

言葉を聞き逃さないように耳を傾けて聞き入っていました。

言葉を聞き逃さないように耳を傾けていました。

 

その後は患者会の会長である森脇君雄さんを迎えて、公害反対運動や環境省とどのように関わってきたのかと言う話をしていただきました。
環境省との関係や企業との和解についての話が多く、特に和解については普段聞けないような話も多かったようです。
感想や質問の場面でも積極的な姿勢で質問が行われていました。

>環境省職員の質問。
「工場で働いていて認定患者さんはいましたか?」

>森脇さんの回答。
「実際に患者さんはいましたが、皆地元の病院で認定されているので大きな工場の近くにある病院では認定患者さんの数は少なかったらしいです。全ての病院に公害病についての知識があるわけではないから。」

>環境省職員の質問。
「患者会が連帯するのはすごいことだと思いますが、割れそうになったことはありませんか?」

>森脇さんの回答。
「目の前にあることを一つ一つやってきました。全患者を連れていって運動を行ったりし続けていたために、割れるよりも団結していきました。けれど裁判をしている最中にやめていった人も多くいました。子どもの切り捨てで辞めていく人も多くいました。」

>環境省職員の感想。
「知らないということだけで通していてはいけないなと思いました。しっかり話を聞いて対応していますが、事務的な対応ばかりではいけないなと思いました。」

森脇さんが運動の中であった話を沢山してくださいました。

森脇さんが運動の中であった話を沢山してくださいました。

真剣にメモを取っている職員の方々が見受けられます。

真剣にメモを取っている職員の方々が見受けられます。

 

一日目は財団を中心で話を聞く形の研修が中心となって進みました。
二日目は西淀川を中心としたフィールドワークを行いました。
二日目のブログはコチラから見てみてください。

中国環境NGO・研修プログラム(12/4-7)

あおぞら財団では、日本の公害経験を発信し、情報交換することによって、中国やアジアの環境問題の解決をめざして、中国の環境NGOとの交流活動を続けています。今年度は12/4~8の期間に李力さんはじめ、3名のメンバーが来日しました。
<a href=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1222.jpg”><img title=”KIMG1222″ src=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1222-300×224.jpg” alt=”KIMG1222″ width=”300″ height=”224″ /></a>
日時=2014年12月8日(月)10:00~12:30
場所=あおぞら財団/<a href=”http://www.yodokyo.or.jp/nishiyodo/index.html” target=”_blank”>西淀病院</a>
中国メンバー=
李 力:Li Li  研究員(<a href=”http://www.envirofriends.ngo.cn/index.html” target=”_blank”>北京市朝阳区环友科学技术研究中心</a>)
路 敏:Lu Min 秘書長(天津経済技術開発区環境保護協会)
程 旺:Cheng Wang 職員(北京都市の声文化芸術センター)
12/8(月)の研修では、午前中はあおぞら財団で、西淀川公害や公害反対運動の経過、
あおぞら財団の活動について、研修を受けました。
<a href=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1198.jpg”><img title=”KIMG1198″ src=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1198-300×224.jpg” alt=”KIMG1198″ width=”300″ height=”224″ /></a>
すでに数年この交流活動を続けている中で、西淀川公害の歴史やあおぞら財団が取り組んでいる
フードマイレージプログラムや廃油回収の活動を、李力さんたちメンバーが中国国内で情報発信
している様子も伝えられました。
公害健康補償法の仕組みや医療制度の違いなどが意見交換の中であがっていました。
<a href=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1214.jpg”><img title=”KIMG1214″ src=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1214-225×300.jpg” alt=”KIMG1214″ width=”225″ height=”300″ /></a>
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<a href=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1214.jpg”></a><a href=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1205.jpg”><img title=”KIMG1205″ src=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1205-225×300.jpg” alt=”KIMG1205″ width=”225″ height=”300″ /></a>
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次に、大気汚染による公害患者さんの治療や公害反対運動の支援に地域で長くたずさわってきた
西淀病院を訪問しました。
<a href=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1234.jpg”><img title=”KIMG1234″ src=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1234-225×300.jpg” alt=”KIMG1234″ width=”225″ height=”300″ /></a>
<a href=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1234.jpg”> </a>
<a href=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1234.jpg”></a><a href=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1238.jpg”><img title=”KIMG1238″ src=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1238-300×224.jpg” alt=”KIMG1238″ width=”300″ height=”224″ /></a>
李力さんたちは、大気汚染がますます深刻化する中国で、公害患者の治療ができる病院づくりを
計画しており、西淀病院の建設経過や取り組みを参考にしたいとのことで、西淀病院を訪問する
ことになりました。
病院建設の資金集めをどのようにおこなったか、医師をどうやって集めてきたか、住民が西淀川公害裁判を提訴したあとは、医療機関としてどのような取り組みをおこなったか、などが病院副院長や副理事からお話がありました。
<a href=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1240.jpg”><img title=”KIMG1240″ src=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1240-300×224.jpg” alt=”KIMG1240″ width=”300″ height=”224″ /></a>
中国と日本では、社会体制の違いがあり、中国側では難しい状況の中での病院建設ですが、
李力さんたちは、支援してくれる人を見つけて、公害病の治療や予防ができる病院をつくりたいと
希望を述べました。
今後は日本から中国に医師を派遣したり、中国の医師が日本で研修を受けたりできるのか、などが
話し合われました。
<a href=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1243.jpg”><img title=”KIMG1243″ src=”https://aozora.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/KIMG1243-300×224.jpg” alt=”KIMG1243″ width=”300″ height=”224″ /></a>
記・鎗山(あおぞら財団スタッフ)
※本事業は環境省委託 平成26年度大気汚染経験等情報発信業務の一環です。

あおぞら財団では、日本の公害経験を発信し、情報交換することによって、中国やアジアの環境問題の解決をめざして、中国の環境NGOとの交流活動を続けています。今年度は12/4~8の期間に李力さんはじめ、3名のメンバーが来日しました。

今回は、富山県で開催された「第二回 公害資料館連携フォーラムin富山」に参加いただき、イタイイタイ病の歴史や対策を知っていただくとともに、日本各地の公害問題の現状について知っていただく機会となりました。

中国メンバー=

李 力:Li Li  研究員(北京市朝阳区环友科学技术研究中心)

路 敏:Lu Min 秘書長(天津経済技術開発区環境保護協会)

程 旺:Cheng Wang 職員(北京都市の声文化芸術センター)

IMG_2285

12/5(金)は、午前中に、富山県立イタイイタイ病資料館を見学し、午後からフォーラムに合わせて開催された現地フィールドワークに参加しました。

同資料館は、『子どもたちをはじめ国内外の幅広い年代の人々が「イタイイタイ病の恐ろしさ」を知り、「克服の歴史」を学ぶとともに、 県民一人ひとりが「環境と健康を大切にするライフスタイルの確立や地域づくり」に取り組むことをめざす未来指向型の資料館』として、平成24年に開館しました。

中国語の音声ガイドも設置され、模型やビデオ、イラストなどによる解説も充実しており、中国の方にも「公害の原因、流域に被害が集中していること、対策のことなど、よく理解できた」と好評でした。

現地フィールドワークでは、中国でも水質汚染・土壌汚染による被害が起きている場所が各地にあるそうで、どのような対策を行っているのか?興味を持って見ておられました。

資料館入口ホールにて、航空写真上で被害地域についての解説を聴く

資料館入口ホールにて、航空写真上で被害地域についての解説を聴く

汚染農地の土壌復元工事完了の記念碑前にて。

土壌復元の現場を見学後、記念碑前にて。

清流会館に掲げられた裁判判決文(1971.6.30)を見る

フィールドワーク参加者同士の感想共有を行いました。

フィールドワーク参加者同士の感想共有(通訳付)。日本の大学生に対して「なぜ?イタイイタイ病を勉強するの」

12/6(土)は、午前中は、青島医師からイタイイタイ病に関する医師の取り組みについてお話を伺い、午後からフォーラム・分科会3アウトリーチ(地域の資源を活かした学びの場の展開)に参加しました。

李力氏は、「中国でも公害による健康被害が発生しており、公害患者さんを診てきた経験のある日本の医師にも改善に向けて協力してほしい」と仰っていました。

青島医師と歴代の院長先生の写真とともに。

萩野病院にて青島医師とともに。

12/7(日)は、これからの公害資料館連携について議論するワークショップに参加し、「中国からもHPなどにアクセスできるようにしてほしい」、「将来、中国にも公害資料館をつくりたい」といった意見が出されました。日中間で互いの事情は異なりますが、日本全国から公害・環境問題に関わる方々と、公害に関する現状と課題についての意見交換の場となりました。

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雪景色のイタイイタイ病資料館
雪景色のイタイイタイ病資料館

この後、富山の雪景色も楽しみつつ、盛り沢山の研修プログラムを終えて、一行は、大阪へと向かいました。

研修プログラムの続きは、こちら↓

中国環境NGO・研修プログラム(12/8)

記・藤江(あおぞら財団スタッフ)

※本事業は環境省委託 平成26年度大気汚染経験等情報発信業務の一環です。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2014年12月19日2:35 PM

龍谷大学清水ゼミ 西淀川公害を学ぶ

2014年11月7日、11月14日
昨年度から引き続き、龍谷大学清水万由子ゼミの研修を受け入れました。
7日は歌島橋交差点のフィールドワークと公害患者さんのお話。あおぞら財団から姫島駅まで歩いて西淀川住民に直撃インタビュー(西淀川のいいところと悪いところを教えてください)
14日は資料館を利用して、西淀川公害の調べてみたいことを出してもらって、資料館の資料を使って調べ学習でした。
ここでは、公害患者さんとのお話についてレポートします。
1
公害患者の山下明さんは、大分県の臼杵から大阪に転居してから喘息を発病したことや、病気や裁判闘争の体験を話していただきました。現在公害患者3級の認定を受けており、いつ喘息の発作が起こるか分からないので、いつも薬を持ち歩いていることや、以前に発作が出て意識不明になり救急車で病院に運ばれた経験を話していただきました。
2その後、以下の質問に答えていただきました。
Q.「大阪で働いている時、大分に戻ろうとは思わなかったのですか?」
・大阪に出てくるとき、大分に残ってくれと言われていたが親の仕事を継ぐのがイヤだったので出てきたので、戻ろうとは思わなかった。都会にいないと現在のオペレーターの仕事は出来ないのです。
Q.「大阪で働き始めて、公害病とは思わなかったのですか?」
・初めは単なる風邪と思っていました。薬を飲んでもなかなか直らないので、病院の先生に聞いて、初めて公害病と言われました。
Q.「裁判の原告になるきっかけはどんなことでしたか?」
・こんな苦しみは、これからの人には味わってほしくないと思っていました。
患者の中で、比較的若かったので私が原告の一人になりました。
Q.「以前と比べて、西淀川の空はどうなっていますか?」
・以前と比べると、ずいぶん空気は良くなっていますが、まだまだの感じがしています。自動車は多いし、夜になっても星が見えません。
Q.「原告として、どのような活動をされましたか?」
・まず、弁護士さんの聞き取りがあり、病気になった経過を詳しく述べました。被告側の弁護士から「タバコは吸ってないか」など、ひつこく聞かれました。公判の時は自分が裁判所にいく為、仕事に穴をあけることが出来ないので、代わりの人に変わってもらうことが大変でした。簡単には代わりの人を見つけることができないのです。
Q.「大きな裁判の後、地域の人としていることはありますか?」
・いろいろな取り組みをしていますが、歳をとって出にくくなりました。患者会として他の公害闘争に参加し、東京の環境庁へ交渉に行ったこともあります。環境庁では若い人は出てきますが、トップの人はなかなか出てきませんね。
Q.「大分から移り住んで良かったことはありましたか?」
・連れ合いを出会うことができて、良い家族をつくることが出来ました。
Q.「原告として裁判で勝てるきっかけはありましたか?」
・最初は裁判で勝てる気がしませんでした。被告側はベテランの弁護士でしたが、私たち原告側の弁護士は殆んど若い経験が豊富ではない方が殆んどでした。何度も勉強会を繰り返し、相手はどんなことを言ってくるかを想定して答え方も勉強しました。
Q.「裁判が“勝った“とはどういうことですか?」
・裁判を通じて、企業も国も自分の責任を認めたことです。

学生の感想として
「山下さんは真剣に公害と向き合っているなと感じました。」
「ぼくたちが思っていた以上に喘息の病気は大変なことだと思いました。」などの感想がでました。(天野)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2014年11月20日9:23 PM
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