弁護士困難な裁判をやりぬく
20年の歳月をかけた裁判 公害行政の後退を止める
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●企業や国に公害責任を認めさせ、きれいな空気を取り戻すために、西淀川の公害患者たちは裁判に踏み切ります。この裁判を支えたのは、患者に献身的に寄り添った弁護士たちでした。弁護団の中には弁護士登録前の研修のときに西淀川を訪れ公害患者の苦しみを見て、なんとか力になりたいと参加した者もいました。資料が乏しく、立証も難しい、勝訴の見込みがたたない裁判だと思われていました。
●原告(患者)が求めたことは、大気汚染の濃度を環境基準以下にすることと、国や企業が公害責任を認め、公害患者の損害を賠償することでした。原告団と弁護団は公害病の苦しみと裁判への支援を訴えて、全国から130万筆を超える署名を集めました。
●弁護団は、協力してくれる学者・研究者とともに議論を重ね、法廷に臨みました。常に30人ほどの弁護士が20年間に及ぶ裁判を支え続けました。
●その結果、裁判では国と企業に勝訴し、コンビナートではない工業地帯の企業の共同責任と、自動車排ガスの健康影響が日本で最初に認められました。
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