患者病気…苦しみの連鎖

病気…苦しみの連鎖
病気に青春をうばわれ

●1960年ごろから、西淀川地域では多くの住民がぜん息や慢性気管支炎などの呼吸器系の病気を発症しました。これらの病気は、発作が起きていないときは見た目は普通の人と変わりません。

●しかし、ぜん息にかかると夜や明け方に発作がでて、重症になると意識を失い生死の淵をさまよいます。慢性気管支炎も夜や明け方に咳や痰に苦しみ、眠ることができません。毎日通院をしても完治する見込みのない病気です。仕事をしたくてもできない。勉強したくても学校に通えない。夜に治療を必要とする患者の看病に追われ、家族は眠る暇もなく肉体的につらい上、治療費がかさみ金銭的に追い詰められていきます。

●患者は口々に言います。「空気は汚いと思っていたけれど、まさか病気になるなんて」「発作がおきていないときは、普通の人と変わらないので、周りから怠け者といわれ、差別された」と。

西淀川区は大阪市内で一番公害患者が多い