日中・ミャンマー公害・環境問題に関する研修の受け入れ(2/21-2/27)
本事業は、経済活動と公害・環境問題の解決の両立をテーマに、我が国における公害経験やそれに関連する資料・情報を東・東南・南アジア諸国と共有するため、情報発信・人的交流を行なうものです。その一環として、大阪市西淀川地域を主なフィールドとして研修をおこなうことで、日本の大気汚染公害の経験についてミャンマーの環境NGOメンバーに理解してもらい、ミャンマーでの公害・環境問題の解決に役立ててもらうことを目的としています。
- 日程 2020年2月21日(金)~2月27日(木)
- 訪問メンバー
1.Win min氏 (Myanmar Centre for Responsible Business)
2.AYE THIHA氏 Vice Chairman (Myanmar Environmental Assessment Association- MEAA)
- スケジュール
2月21日(金)
① 講義「西淀川大気汚染公害」
② 公害被害者との交流
③ 環境弁護士との交流
④ 交流会
2月25日(火)
① 講義「日本の公害問題と環境アセスメント」
② ミャンマーと日本の環境サロン ~環境アセスメント制度を巡って~
③ 報告「ミャンマーの環境問題、環境アセスメント」
④ 意見交換(参加者)
2月26日(水)
環境省大臣官房環境影響評価課森田紗世氏・面談
【研修の記録】
⑴ 西淀川公害について研修(2/21)
大阪・西淀川の大気汚染公害の歴史について、当時の映像や写真を交えて説明をおこないました。西淀川大気汚染公害裁判の企業との和解金をもとに設立された、あおおら財団(公益財団法人公害地域再生センター)の設立直後やそれからの活動について説明し、地域再生の取り組みについて講義をおこないました。
大気汚染公害の被害者である公害患者の岡崎久女氏からは、健康被害や生活への影響、これからのまちづくりについての思いについて語られました。
その後、西淀川公害裁判の弁護団の一人であり、あおぞら財団理事業の村松昭夫氏から日本の公害裁判の歴史やその中における西淀川裁判の位置づけについて講義がありました。
⑵ 日本の公害問題と環境アセスメント(2/25)
NPO地域づくり工房代表理事・傘木宏夫氏より日本の公害問題と環境アセスメントについて講義がありました。傘木氏は「日本の公害経験と住民アセス~環境アセスメント制度を生みだした原動力~」と題して住民アセスの歴史、住民アセスの果たしてきた役割、国外での事例などが紹介されました。
そして、WinMin氏、AyeThiha氏からミャンマーでの環境問題や環境アセスメント制度の課題について報告がありました。
その後、名古屋大学教授の夏原由博氏、弁護士の中島宏治氏、村松昭夫氏を交えて意見交換をおこないました。
⑶ 環境省大臣官房環境影響評価課森田紗世氏・面談(2/26)
日本の環境アセスメント制度について、環境省大臣官房環境影響評価課の森田紗世氏から紹介があり、ミャンマーの制度との違いや今後、ミャンマーで環境アセスメントを円滑におこなっていくために、どういったことが必要となるかが話し合われました。