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ブログカテゴリー » 西淀川公害がわかる資料集をつくろう

エコミューズ館長日記No.31

いよいよ梅雨明けとのこと。真夏日が続き、明日あたり大阪は猛暑日が来るとも聞いた。地球温暖化は異常な天候の出現とともに来るようで、これを真剣に取り組まなければ、まもなくとんでもない事態が展開するのかもしれない。あれだけ、省エネだ、と騒いでいたのが嘘のように、このごろはエアコンの使用がテレビで勧められる。「命を守ってください」というのは、なんなんだろう。何かよほどの事態の出現が当局には予感されているのかもしれない。なんだか薄気味悪い話。

 

本日はエコミューズの定例会議と資料の勉強会が行われた。定例会では最近、大学の研究室などからの見学が増えていることが報告された。公害や環境問題に気を遣う研究者が増えているのかな。つぎに、今朝出かける前に手を入れた資料集の序言を参加者で検討した。序言の趣旨を説明し、表現が適切かどうか検討した。一部手直しが行われて、終了。全体として西淀川公害の説明が具体的となり、資料調査の方法が明らかとなった。たいへん貴重な資料も集められ、いろんなことに配慮が行き届いた資料集となったことが証明されるものとなった。つづいて、資料の勉強会を実施した。第一次訴訟の第一審判決と、その直後における被告企業との交渉に関する資料が取り上げられて、評価された。担当はコウタくんである。判決骨子と判決直後に行われた「なのはな行動」すなわち被告企業との直接交渉での原告側の姿勢が明らかにされ、その意義が語りあわれた。原告側は裁判を有利に進めるためにたいへんな行動をとったことが偲ばれて、よくやりきったと改めて感心した。

 

今日はここまでにしておきましょう。

2025.6.30 小田康徳

 

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あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)では、西淀川公害がわかる資料集を作成しようと、ほぼ毎週、小田康徳館長が来館し、調査作業を進めています。そのようすを「エコミューズ館長日記」にてお届けします。

【ご寄附のお願い】「西淀川公害がわかる資料集」のための寄附を募集しています。どうぞみなさまの寄附でこの活動を支えていただきますようお願いいたします。
■寄附の方法はこちら https://www.aozora.or.jp/ecomuse/contibution_doner

※資料集のウェブ版作成には、(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成金を活用しています。

#おもろいわ西淀川
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#エコミューズ
#西淀川公害がわかる資料集

エコミューズ館長日記No.30

今朝は、家を出た途端大雨。一歩歩くたびに、雨が、傘をさしていても背中に足元に遠慮会釈もなく降りかかった。電車に乗ったら体が濡れているので椅子を濡らしてしまうので、座るのを遠慮しようかと思ったが、しんどかったので座ってしまった。背もたれは使わなかった。あおぞら財団のあるJR御幣島駅に着いて地上に出たら、雨は降っていない。周りを見たら、薄紫色から群青色の、いや、黒っぽい色の空が周りを取り囲んでいた。局地的な雨、局地的な雨上がり地区の展開を感じた。

今日は午後から西淀川公害資料集の編集委員会。編集委員の佐賀朝先生と松岡弘之先生その他財団事務局職員総出で会議に臨んだ。最初に鎗山さんが今までの活動の振り返りを行い、続いて私が編集作業の進捗状況を報告した。本文資料の翻刻が終了し、各章ごとに配列を終えたこと。序言が書き終わったこと。資料解説の執筆が各章終了したこと。それから、出版挨拶は財団前理事長の森脇君雄さんが快く引き受けていただいていて、間もなくできるという事。本文の校訂作業も少しずつだが進展していること。残された課題は後付け部分となっていること。出版社への協力依頼は改めて電話をし、この本の興味深いところかつ歴史的な意義などを積極的に説得したこと(だが、なかなか当節の出版事情では簡単に「任しておけ」とはならないようだ。だがきっと出版社の方もこの本の意義を認めて協力をしてくれることを信じている。)。以上のことを報告した。

編集委員会ではいろいろな意見が交わされたが、第3章のテーマ「攻勢的時代到来のなか」の表現が分かりにくいとの意見があった。私は、これは1969年頃の国民的な公害意識・環境意識の転換を理解していただきたいと述べた上、産業優先から自然環境・人間の健康優先に社会の思想が全体として移り変わっていく時代であることを説明して、そのような状況を「攻勢的時代到来」と述べたものです、と語った。編集委員の方もそのことは納得していただけた。続いて、原資料を使用することについて、原資料を利用することのメリットが語られているが、同時に、原資料が持っている主観主義的な歪みにも注意しておかねばならないことを力を込めて述べておいたところ、色々な反論が出された。詳しくは後でゆるゆるとしゃべりたいが、私はこの問題はこれから原資料を使って歴史を再現しようとするときの基本課題になるものだと、若干無理を承知でつっぱねる姿勢をとった。批判される方の気持ちもわかるが、何事も最初が肝心だと、これから先、原資料を使って公害の歴史やその経過を知ろうとすることが増えていく中で、あまり生易しく取り組むことのデメリットがあることに注意を喚起しておきたかったのだ。「その気持ちはわかるが、あまりにも厳格すぎるのはいかがなものか」という批判もあり、半分は納得したんだが、ここはやっぱり突っぱねておきたかった。というわけで、和気あいあいとその他の議論も展開して今日は有意義な一日であった。

本日来館された方からいただきました。美味しかったです。ありがとうございます!

2025.6.23 小田康徳

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あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)では、西淀川公害がわかる資料集を作成しようと、ほぼ毎週、小田康徳館長が来館し、調査作業を進めています。そのようすを「エコミューズ館長日記」にてお届けします。

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エコミューズ館長日記No.29

本日は、解説文の手直しが終った。最初に全体の序言、併せて資料の解説第1章と第3章の書き直しにチャレンジした。序言の書き直しはこれで10何回か、20数回か、自分でもあきれるほど、修正を重ねている。結局、原資料をどのように編集すればいいか、それの持つ主観主義的歪みの存在を前提として、そこから歴史の真実の流れを把握する必要性を説く文章となってきた。個別の章の解説は、第1章については最初の出だしを時系列に沿うものに変更して、読みやすくした。第3章は、中島水道・大野川緑地化推進委員会、西淀川公害追放委員会及び西淀川から公害をなくす会・西淀川公害患者と家族の会の運動紹介と、その特徴の解説を中心とした。これは西淀川公害追放委員会の活動ぶりがもう一つ具体性をもって浮かびあがってこないため、全体の位置づけがなかなか確定できなかったものである。

午後1時30分から2時45分まで、大阪医科薬科大学の学生15名の方々に資料館の見学をしてもらった。若々しい声でいろいろ質問してくれた。

2025.6.16 小田康徳

 

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あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)では、西淀川公害がわかる資料集を作成しようと、ほぼ毎週、小田康徳館長が来館し、調査作業を進めています。そのようすを「エコミューズ館長日記」にてお届けします。

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エコミューズ館長日記No.28

今回の館長日記は、のべ3日分の記録となる。

一般に日記を長続きさせる最も良い方法は、決まりごとにこだわらないで、ともかく記録を残すということで、たとえ3日間まとめても、思い出しながら記録することであると私は考えている。年をとってくると、昨日のことを思い出すのに大変な思いをすることも多いが、一生懸命考えると老化の防止にもなるような。

 

さて、5月26日。あおぞら財団職員の鎗山さんと一緒に、前あおぞら財団理事長の森脇君雄さんを区内大和田の介護施設「ヒメル」に訪ね、今度出来る資料集の前書きとして「ご挨拶」の文を依頼した。久しぶりの対面であったが、お元気そうな様子で公害患者会の活動の事などいろいろお話した。今度、元環境大臣の小泉進次郎のことを突然取り上げて、カネミ油症の裁判をもう一度しっかり取り組んでもらいたいと考えている、といったような話にまで及んだ。資料集の完成については、原稿を見せて説明をしたのであるが、大変喜んでいただいた。当方はかねて聞きたいと思っていた質問として、裁判をすることを思い立った原因は大きな責任を持つ大企業の大気汚染に対する固有の責任を明確にしたかったことですか?という問いであったが、大きくうなずいて、「そうだ」と言われて、更にいくつか補足的な説明もしてもらった。当方は、原資料を読んだだけでそう判断していたのであるが、推測が外れていなかったことを率直に喜んだ。

お昼時間になって食事の準備ができているとのことで別れたのであるが、最後に森脇さんが小生と鎗山さんが歩いてホームを出ようとするところで声をかけてくれ、握手をして別れた。

バスに乗って財団事務所に帰ったが、大きな川の上に架かる高い橋に停留所があり、そこまで行くのに息がはずんだ。雨が降ったり風が吹いたりすると、体調の悪い人はどうするんだろうと思った。町はそこで暮らす人に心地よい生活の場であることをもっと考えてもらいたいものだ。

 

次に6月2日。この日は朝からミナコさんに頼んでいろんな作業をやってもらった。第6章の資料解説のプリント、目次案と資料表のプリント、前回頼んでいた翻刻文3件の提出(23~25ページ分)。まったくうれしかった。夕方になって、目次と資料全文の照合が必要と考えたので、勤務時間もオーバーし始めていたがやることに決めて取り組んだ。残業を強いたようで申し訳ないと思った。それから、第6章の資料新規分も含めて内容を点検して配列を修正した。よく仕事をした1日だった。

 

そして今日、6月9日。前日までにまたも書き直していた全体の「序文」をみなさんに読んでもらい意見を求めたが、忙しそうでなかなか返事がなかったのでイラついた。(笑)今回の序文は、資料集の作成目的から始めて、原資料を使用することの問題点への着目の重要性、特に原資料が状況に対応しようとしてつくられるところから生まれてくる現実認識の歪みの出現などをどう対応すべきか、ということについて、全国どこの資料館でも降りかかっている問題ではないかと指摘して、それを克服する手当をどうするかということに重点を置いて、記述した。わかったことを書くというのではなくて、どうすればわかっていくことが出来るか、そのための必要な取り組みについてのテストケースになりたいのだと述べておいた。序文はこれで大きく3回の変遷を遂げている。わずか3ページの文章であるが、よくぞここまで気持ちを継続することができるものだと、我ながら驚いている。次に先週の金曜日出勤したミナコさんとコウタくんが翻刻を完了してくれていた文章を組版の形に流し込んでくれたものを受け取っていたのであるが、それが全部で337ページというすごい数字になっているので、なんとかしてこれを減らせないものかといろいろ無理を言って相談の上、当方の調査に基づく原案通り307ページに縮めることになった。これだと、本のおわりに「索引・年表」など必要な情報を掲載するギリギリのスペースが確保できる。色々と議論をした末、私の意見を通してもらった。午前中作業をやろうと思ったところ、亜細亜大学の女性の先生がおひとりでふらっとエコミューズの見学を求めてお越しになった。ちょうど資料集のことをお話ししていたときだったので、その作業の様子を説明させてもらった。

 

ここまで書いたら鎗山さんが荷物を持って、もうやめてくれと言わんばかりに現れたので忖度した。また次回お会いしたいものです。(ちょうど退勤時間でした。Byミナコ)

2025.6.9 小田康徳

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エコミューズ館長日記No.27

この頃は欧米系外国人・アジア系外国人が増えてきましたね。電車の中でも男女カップルもおるし、子供連れも同車することもしばしばです。地域活動もこのような方々との連携活動がこれからは増えていくのでしょう。

今日は、エコミューズの定例会議。本の形がほぼ整ったので、いよいよ製本を考えるようになりました。多くの人に手に取ってもらいたい、値段も安くしたい、との思いと、しっかりした本にしたいとの思いもあり、プロとしての出版社さんの指導が欲しいところです。定例会議が終ったら、引き続いて資料の勉強会。今回は小生が裁判と和解の結末を語る資料について、内容を紹介した。第一次訴訟の地裁判決から第二~四次訴訟の地裁判決における原告側優勢の判決がどのようにして実現できたのか。1981年3月29日判決の当日行った被告企業との交渉が大きな意味をもったのではないか…などいろいろと推測を重ねた。裁判資料の現物を開いて、関係資料を出席者の皆さんに見ていただいた。

昼食後、序文の記載について検討をした。まずまずのことは書かれているなぁと思ったのだが、1つだけ書き残している部分があると気づいた。それは原本資料というのは絶対的なものではなく主観的な性格も強いもので、思い違いや単純な書き間違えもあるという事実についてである。その主観性を克服するためには1点の資料を見るだけでは不十分で、他の資料と見比べてみる必要がある、ということである。2つ以上の資料において同一事物に関する記述が食い違っている場合、その出現がなにに基づいていたのかをよく考えてみる必要がある。それを考える中で、資料の表面には出てこない大事な真実があることに気づく。以上のことを書き忘れていた。これをなんとか書き込んでいきたい、と思った。ただし、すでに原稿が予定字数ぎりぎりまで使っている。どうしよう…。なかなかのことでは解決できないなぁ、と新たな悩みに頭を抱えてうちへ帰らねばならない。

夕方4時から5時までは、エレベーターの点検工事だとか。これを上手に外してあおぞら財団から今日はさよならしたい。

2025.5.19 小田康徳

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