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大阪市大「都市基盤計画特論2回目」タンデム自転車フィールドワークと公害患者のお話(11/30)

11月30日(火)に大阪市立大学「都市基盤計画特論」(吉田長裕准教授)の2回目の授業があおぞら財団で行われました。参加者は10人です。今回はタンデム自転車を活用してのフィールドワークと公害患者さんのお話を聞きました。

今回、タンデム自転車に初めて乗る学生ばかりでしたので、最初に練習してから走行し始めました。大野川緑陰道路を走り、福町駅前広場、淀川、西島の工業地域、国道43号等に行きました。工場の建屋集塵装置、国道43号の道路沿道対策(環境ロードプライシング、光触媒や 高活性炭素繊維による大気浄化等)などの公害対策を確認しました。

藤江事務局長からタンデム自転車の乗り方の解説

タンデム自転車は二人の信頼・協力関係が大事!

自転車道をタンデム自転車で通行

最初に大野川緑陰道路の自転車道を走りました

福駅前の広場で説明

阪神福駅前広場。立体交差化が予定されています

淀川で梅田側をみる学生達

淀川からの景色

国道43号で道路沿道対策を説明

国道43号の道路沿道の環境対策を確認

西淀川地域内の施設として、高齢者介護施設のあおぞら苑姫里ゲストハウスいこね&くじらカフェの見学もしました。あおぞら苑の屋上では、「西淀川あおぞら発電プロジェクト」として太陽光パネルで発電を行っています。

あおぞら苑辰巳さんからお話をききました

辰巳さんからあおぞら苑の理念をお聞きしました

古民家を回収した姫里ゲストハウス

姫里ゲストハウスいこねの見学

フィールドワークから戻ってきた後は、西淀川公害患者の家族の会の岡崎さんと事務局長の上田さんからお話を聞きました。自然豊かな高知から大阪に引っ越してきて毎日空が曇っていることに驚いたこと、洗濯物を干しても粉塵で黒く汚れてしまったこと、空気を吸っているだけで病気になってしまうとは思ってもいなかったことなどをお話ししてくださいました。また、患者会の運動、西淀川公害訴訟に参加するのは大変であったが、子どもにとってのふるさとである西淀川の環境を取り戻すためにと活動してきたと、公害運動に対する思いを語られました。

学生からは「西淀川をどういう街にしたいと思いますか?」という質問が出ました。岡崎さんからは「トラックが街中を走らないようになってほしい。空気のことを気にせずに暮らせるようになってほしい」との回答でした。また、事務局長の上田さんから「コロナ禍ということもあり、コミュニケーションを維持する大切さを痛感している。患者が作ったあおぞら財団は、西淀川区民が交流できる場づくりをしている。患者会もコミュニケーションの場を大事に思っている」とのお話がありました。

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患者さんのお話を聞く様子

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西淀川公害患者と家族の会 岡崎さんと上田さん

最後に今日の感想を共有しました。

大野川緑陰道路が自然豊かでコミュニティの場になっていること通行のしやすさを実感したといった緑陰道路に対する感想、国道43号の公害対策をみたが町全体として公害の跡がないということが印象に残ったという感想、老人ホーム、ゲストハウスなど多様な人が楽しめる街になっているという印象、患者さんの公害の体験を聞いてそんなに公害がひどかったのかと感じたという感想などが出ました。

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次回は12月7日に、市民参加に関するワークショップ、西淀川区役所職員さんのヒアリング等を行う予定です。

——–

2021年度 大阪市立大学 授業「都市基盤計画特論」における西淀川区でのプログラムは下記のようなスケジュールで行います。

日時 内容
11月16日 ロールプレイ、小講義「西淀川地域の現状と課題/あおぞら財団の地域づくり」
11月30日 西淀川地域の現状視察(タンデム自転車を活用)、ヒアリング 西淀川公害患者と家族の会
12月7日 市民参加に関するワークショップ、ヒアリング 西淀川区役所職員のみなさん
12月21日 中間報告&意見交換
1月~2月 各グループで最終の提案づくりに向けた活動
3月 西淀川への提案を発表

 (谷内)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2021年12月3日4:22 PM

大阪市大「都市基盤計画特論」西淀川を題材にした授業の実施(11/16)

11月16日(火)に大阪市立大学「都市基盤計画特論」(吉田長裕准教授)の授業があおぞら財団で行われました。参加者は12人です。2020年度も今年度と同じように「西淀川のまちづくり」を題材にして授業が行われ、最後には西淀川に関する様々な提案を行ってもらいました。今年度も最後に提案が行われる予定です。

授業についての説明

授業についての説明

最初に過去の西淀川大気汚染公害の写真を用いてフォトランゲージを行いました。フォトランゲージでは、写真やイラストからそこに込められた意味をさまざまな角度から推察します。

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西淀川公害の写真を用いたフォトランゲージ

次に、大気汚染公害を題材としたロールプレイ「もしあなたのまちで公害が起きたら?」を行いました。このロールプレイでは、グループで次の4つの役割になりきってもらって、公害解決に向けての話し合いをします。役割になりきることで、公害問題を模擬的に体験できる教材です。

1.市役所の環境担当係長
2.住民A(子どもが病気に)
3.X工場の経営者
4.医者

みなさん、役割になりきってくれて、白熱した議論が行われました。立場が異なる人同士の話し合いで、妥協せずに何らかの解決策を探ることに難しさを感じたようです。

(ロールプレイの感想)
・(被害を拡大させないためには)まず原因は分からないが、公害が発生しているということを広く認知してもらい、正しい状況を伝えることに注力する。そうすれば、工場側、行政、地域住民が問題にしっかり向き合うようになると考えた。しかし、原因究明をしないことには解決に向かうことはできないので、調査機関の設置と迅速な原因究明が行われなければならない。さらに、現在進行形である被害の抑制のために、地域の医師以外に応援を要請することも求められるだろう。
・(対立が起きるような問題がおきたとき、解決に向けて心がけることとして)相手側の意見とその理由をしっかりと聞き、理解すること。その上でお互いが出来るだけ納得のいく結果を導くことが必要。
・ロールプレイ形式のWSは初めて体験したので新鮮でした。普段関わることのない立場の人間の当事者意識が少し分かったような気がして、いいWSの手法だと思いました。
・対立関係上でお互いの意見をぶつけ合う機会は少ないので新鮮だった。

市役所係長役の人が話し合った内容を発表

ロールプレイで話し合った内容を共有します

 

その後、当財団の藤江から「西淀川地域の現状と課題 ーあおぞら財団の地域づくりー」と題して、西淀川大気汚染公害など過去の経緯や現在の課題、あおぞら財団の取組みなどについてお話ししました。
最後に、今日の授業を通して、この西淀川のまちづくりで関心のあることを自由に紙に書いてもらい、最後に共有しました。

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次回は11月30日に、タンデム自転車で西淀川を視察した後に、公害患者さんのお話を聞く予定です。

——–

2021年度 大阪市立大学 授業「都市基盤計画特論」における西淀川区でのプログラムは下記のようなスケジュールで行います。西淀川から様々なことを学んでもらえたらと願っています。また、最後にはどんな提案がなされるか楽しみです。

日時 内容
11月16日 ロールプレイ、小講義「西淀川地域の現状と課題/あおぞら財団の地域づくり」
11月30日 西淀川地域の現状視察(タンデム自転車を活用)、ヒアリング 西淀川公害患者と家族の会
12月7日 市民参加に関するワークショップ、ヒアリング 西淀川区役所職員のみなさん
12月21日 中間報告&意見交換
1月~2月 各グループで最終の提案づくりに向けた活動
3月 西淀川への提案を発表

 (谷内)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2021年11月26日2:30 PM

寝屋川人権教育研究協議会の研修で、オンラインで語り部と交流(8/17)

コロナ禍が続く中、当初、フィールドワークを予定していた寝屋川市人権教育研究協議会の夏季一日研修会について、「公害患者さんとの大切な出会いの場としたい」という主催者のご要望を受け、オンラインに変更して8月17日に開催しました。20人の教職員の方々が参加されました。

西淀川公害患者と家族の会から池永末子さんと上田敏幸事務局長にお話していただき、質疑応答にも多くの時間を割くことができたのは、オンラインの良い側面だと感じました。

参加者と当日同席したインターン生の感想をご紹介します。多くの方に患者さんの声を聞いていただきたいです。

「公害患者さんのお話を直接、お聞きして、黙っていては問題は解決しない、理不尽なことが起きたとき、みんなで立ち向かうことが大切だという強い思いを感じました。5年生で公害について学ぶとき、ぜひ参考にさせていただきます。」(参加者)

「娘の世話を最優先して自分ことを後回しにした母・池永さん。国はしっかり支援し、すべての人が手頃な価格で医療にアクセスできるようにするべきだと思いました。」(インターン生)

患者会の上田さん(事務局長)、池永さん、インターン生2人

オンラインで西淀川の患者さんと寝屋川をつなぎました

動画画像

動画「手渡したいのは青い空(全面解決編)」のワンシーン

あおぞら財団のYouTubeチャンネルで、西淀川公害裁判を紹介した動画を公開しています。ぜひご活用ください。
『手渡したいのは青い空(全面解決編)』
https://www.youtube.com/watch?v=qJe6z_qzMZA

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2021年11月12日4:41 PM

とよなか国際交流協会職員研修(2/3)

2021年2月3日、とよなか国際交流協会の職員研修を受け入れました。参加者は11人、屋外でのフィールドワーク中も原則、マスク着用の上、研修室では間隔を空けて着席するという形で感染症対策に配慮して実施しました。
インターンの鹿さんのレポートと、参加者のみなさんのご感想を紹介します。

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今回、あおぞら財団の研修を体験しに来ていただいていたのは、とよなか国際交流センターの職員さんたちです。
阪神出来島駅から出発し、歩きながら説明を進めていきました。あおぞら財団の栗本は、出来島小学校前でマイクをつけながら、周辺にあった大気汚染や騒音の問題を紹介した後、道路周辺の環境汚染対策の設備をみんなで探すよう呼びかけましました。普通に見える学校の壁は光触媒を使ってNOxを付着させるものであり、地面の舗装も騒音を低減させる素材であるなど、目立たないものが日常の環境汚染の減軽のためのものであることに、みんな感心しました。
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大和田の方に歩いていく途中、ちょくちょく海抜が書かれている表示が見られました。時に海抜がマイナス1メートルであったりとか、地盤沈下の様子や、浸水した場合の厳しさがわかりました。特に神崎川の上の橋に立っていると、川より両岸の道路の方が低いことがはっきり見えます。
あっという間に昼頃になり、昼食のためハラールレストランに行きました。近くにマスジド(モスク)と売店もあって、移民のコミュニティの生活が垣間見えます。
少し売店での買い物を含めて休憩した後に、静かな住宅街を通って大野川緑陰道路に入りました。川を埋めて作った道路が驚きで、緑が溢れる環境にみんな感心しました。
あおぞら財団に戻って、公害患者の池永末子さんから当時の状況や病気の話を聞かせてもらいました。
資料館を見学した後、最後に、1日のふりかえりとして、3つのグループに分かれて、みんな自分の思ったキーワードを付箋に書いて、白い紙に貼りながら説明していました。
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みなさんのお話を聞きながら、自分の中にも2つのキーワードが浮かびました。
一つ目は「変化」です。あおぞら財団でのインターンを始めから半年になった今でも、緑陰道路の建設経緯に感心します。過去40年の変化が大きい所、その背景はたくさんの住民の努力がありました。池永さんのお話によりますと、当時の公害患者は自分や家族のためのエネルギーが使い切れないようにあったのだと感じました。そして今になっても、池永さんは、子ども食堂への手伝いなど、ご高齢にも関わらず、自分のできることをやり続けています。従って、「変化」については、変わったのは環境や環境への認識があるのに対し、変わっていないのは人の心であると思います。
この変わってない心につながっている二つ目のキーワードは「パワー」です。国民が大手企業、さらに国を相手に自分の主張を言い続けた20年。中に非特異性疾患である大気汚染の公害病の認定に協力した地元の医師たちや、汚染源の追跡に証拠集めた弁護士たち、そして裁判を一から勉強し、自分の境遇を全国に知らせていた住民たちがいた。このパワーは今でも違った分野で続いています。公害患者たちは今も公害の歴史などを若い世代に話し続けていて、そしてこのあおぞら財団も、環境保護などの事業を通じて、西淀川区内だけでなく、国内外の地域間の交流を続けています。
私にとって2回目のフィールドワーク体験でありますが、新しく学んだ事が増えました。
(インターン生 鹿)

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◆参加者の感想(抜粋)
・今回の研修では、西淀川の公害を通じて、環境、まちづくり、防災、外国人、教育、世代間交流…etc、人権にかかわる問題の交差性を実感しました。このあたり、普段からもっと意識したいなぁと思います。

・池永さんのお話は素朴で飾らない中にもぶれない意志、思いも感じることができました。このパワーはどこからくるものなのかと思いましたが、支える人びと、共に闘う仲間がいることは大きいなぁと感じました。

・特に池永さんには、コロナ禍の中、貴重なお話をいただき、ありがとうございました。私自身、知識としてしか持ち合わせていなかった公害の問題が、身に染み込んだように思います。“昔の話”“違う地域の話”ではなく、現在、自分にもかかわる大きな問題であると感じることができました。

・生まれ育った場所に住み続ける/続けたいだけなのに、それをするためには闘い続けなければならないこと。20年の裁判を続けられた理由、モチベーションについて(当日もお話いただきましたが)もっと知りたいと思いました。当事者でない側が学び、日常の意識を変えていきたいと思いました。

・池永さんのお話、しなやかな強さを感じました。“自分たちが動かねば!”という強い思いとともに、当事者が動かなければ動かない社会の在り方を再度見つめ直すことができました。“公害”はこれまで、教科書の中の話のように感じていましたが、池永さんのたすきを私自身がちゃんと受け取らないとと思いました。

・豊中市内も自動車の交通量が多いです。研修後、ネットでPM2.5の数値を調べたりしてみました。自分が在職・在住している町の環境にももっと関心を持たなくてはいけないと気づかされました。

・20年かけて、粘り強く勝ち取った。本当にすごいなと思いますし、励まされます。さらに闘って倒すのではなく闘ってつながる。今もいろいろな地域とつながる。心が震えました。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2021年2月16日4:44 PM

京都教育大学社会学ゼミ フィールドワーク受け入れ(11/18)

11月18日に京都教育大学 土屋ゼミ(学生12名)を対象にフィールドワークを行いました。
テーマは「西淀川大気汚染公害」です。フィールドワーク後には公害患者さんのお話・ワークショップ「あなたのまちで公害が起きたら」を実施し、一日を通して西淀川を学んでもらう構成となっています。

13時に出来島駅を出発し、国道43号線を目指します。

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国道43号線は、当時大型車の通過交通が多く、その自動車排気ガスと工場の煙が西淀川における複合大気汚染の原因となりました。現在は遮音壁や、高活性炭素繊維で排気を浄化するパネルの設置、街路樹など様々な公害対策がなされています。

出来島小学校を通って千北診療所、あおぞら苑へ向かいます。国道43号線から道を外れ、住宅地に入ると自動車の移動音が気にならなくなりました。43号線ではスピーカーを使用して説明してましたが、ここからは外しての説明です。静かな住宅地と比べれば道路沿いは対策がなされていても、今でも音が気になります。それを考えれば当時、生活への影響がどのようなものであったか想像できました。
千北診療所は初代の公害医療センターが設置された診療所です。西淀川公害患者と家族の会の事務所も併設され、公害病患者の治療の拠点だった病院です。拠点であったこの診療所は、患者さんたちにとって医療面でも精神面でも支えになっていたのではないでしょうか。

あおぞら苑は公害患者の高齢化に伴う日々の生活援助を目的として2006年にオープンしたデイサービスセンターです。公害患者だけでなく地域の方々も利用し、人気があるそうです。そばの記念碑には「公害と闘い環境再生の夢を」という滋賀大学前学長の宮本憲一先生の文字と、公害裁判についての文面が記されています。
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途中、千北橋から神崎川を眺め、川の水位を確認しました。

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橋から住宅地と川の水位を見比べると、住宅地が川より少し低い位置にあります。西淀川は海抜ゼロメートル地域が多く、水害に弱いことがここでわかります。

 

大和田街道を進み、大野川緑陰道路へ。

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大野川緑陰道路は、大野川と中島大水道の一部が埋め立てられてできた自転車・歩行者専用道路です。自転車路は川を想起させる水色、歩道は暖色となっています。緑蔭道路から上を見ると橋が架かっているのがよくわかり、かつて川であった名残が各所にあります。大野川は工業化に伴い、汚染されドブ川となりました。一時はこの川を高速道路にするという動きもありましたが、住民運動により今の緑あふれる緑陰道路となりました。

緑陰道路を少し散策し、財団へ向かいます。

14時30分過ぎに財団5階にある公害と環境資料館「エコミューズ」の見学を行い、当時の資料などを見てもらいました。
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見学の様子
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資料を熱心に見てくれました
15時に3階へ移動し、公害患者である岡崎久女さんのお話を伺いました。上田敏幸さんも同席されました。
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久女さんは14~15歳で高知県から尼崎市に働きに出、23歳での結婚を機に西淀川に越してきたそうです。
高知にいた時より風邪をよくひくようになったそうです。3年が経った頃、なにをしているわけでもないときに息がしにくくなり、その夜の12時頃千北診療所へ行き、公害病だとわかりました。薬の副作用がひどく、歩くことすらままならない状況で子育ても重なり、苦しかったといいます。現在でも最低でも週に一度は通院しており、「苦しみと闘い、今も闘っているけれど、今は上手くつきあっている」と久女さんは言います。

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質疑応答では、以下のやり取りがありました。
Q地域に対しての忌避感はありましたか。土地を変える(引っ越す)という選択肢はありましたか。

久女さんの回答:ここ(西淀川)に嫁いできたわけだから(ここで暮らそうと思っていた)。土地を変えたら自分の症状に対応してくれる新しいお医者さんを探さないといけないのも残った理由。ただ、子どもが高校に進学する際、ここを出たいか聞いたら「おかんには別にふるさとがあるけど、おれのふるさとはここや」と答えられ、思いとどまった。

上田さんの回答:患者全体の傾向として引っ越さない理由は2つある。1つは経済的な理由で患者さんはお年寄りや子どもが多いし生活が目一杯だった。もう1つは医療体制。喘息など、公害病に対応できる医療機関がある場所がなかなかない。西淀川は医療体制がしっかりしていた。

Q公害患者ということに関して、何か周りからされて嫌だったことや良かったことはありますか。
久女さんの回答:そもそも「公害病」ということは当時まわりに黙っていた。

上田さんの回答:公害患者であることが不利益であると考え、認定を受けなかった潜在患者は多いし、普通だった。また学校で子どもたちが体育や林間学校、修学旅行に参加しづらく苦労していた。

 

西淀川大気汚染公害に関する講義のあと、学生さんにワークショップ「あなたのまちで公害が起きたら」を体験してもらいました。これはあおぞら財団の開発したロールプレイ教材で、「多様な立場から社会課題を捉える」ことをテーマに203x年に自分のまちで公害が起きたことを想定に、与えられた役割を演じ、話し合うものです。(詳細はコチラ)今回は6人でグループに分かれ、与えれた役割を演じ、公害対策に向け合意形成を図りました。

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ワークショップの様子

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ワークショップのまとめとして話し合いで出た意見を簡単にご紹介します。
・調査はX社のデータに基づいていたので第三者による調査をする。
・公害の原因がわからないこと自体が不安を生んでいるのではないか。
・今まであった公害にとらわれず、もう一度調査をしてみてはどうか。

など、実際にシミュレーションをすることで当時の様子を想像することができました。

学生のみなさんの感想からいくつかご紹介します。

・学校教育では主に四大公害しか教えることがないので、今後教員として働く身として、よりローカルな公害問題にも注目して子どもたちには教えていきたい。
・実際に、被害者のお話を聞くことができて、辛さというものを実感することができました。
・様々な人が住む地域で実際に苦しんだ人、苦しみを知らない人が共に生活をしている。平凡な毎日と思って日々を過ごすのではなく、みんなにとってよりよい街にするために考え続けることが必要だと思う。
・社会の中には様々な立場の人がいる。強い/弱いなどそれぞれの立場があるからこそ問題も複雑になる。だからこそ社会を動かす責任をもつ立場である政府には慎重に議論してもらいたい。
・ロールプレイで起こった疑問から、実際に起こった過去の事例につなげることで、生徒の興味を引っぱれるなと思ったので、活用したい。

以上、京都教育大学社会学ゼミフィールドワーク受け入れの報告でした。

(学生アルバイト 東)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2020年11月25日11:47 AM
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