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関西大 大門ゼミ 雨の中のフィールドワークと語り部のお話から公害を学ぶ(10/19)

10月17日(月)に関西大学社会学部大門信也先生のゼミが、 あおぞら財団に西淀川公害の研修に来られました。大門ゼミのみなさんは、ゼミ内で当財団の教材のフォトランゲージやロールプレイ「あなたのまちで公害が起きたら」を用いて、西淀川公害について事前学習した上で参加してくれました。

当初、タンデム自転車でフィールドワークをする予定でしたが、雨天となったため急遽、徒歩でのフィールドワークになりました。

国道2号から大野川緑陰道路を通り、公害道路と呼ばれた国道43号まで行きました。

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川を埋め立てて自動車専用道路が計画されたが、市民の反対により緑道となった大野川緑陰道路

国道43号では、西淀川公害訴訟、尼崎公害訴訟に基づいて、様々な道路環境対策がなされています。例えば、街中を通る大型車の交通量を減らすために、環境ロードプライシングという施策が実施されています。この施策は阪神高速5号湾岸線の大型車通行料金を3割引きとすることで、街中の国道43号や阪神高速3号神戸線から湾岸線に転換させようとするものです。国道43号にも環境ロードプライシングに関する看板があります。

他の交通施策については、大阪国道事務所兵庫国道事務所のホームページをご覧ください。

国道43号では様々な道路環境対策が行われており、大型車の交通量は減少傾向にありますが、現在でも大型車交通量は1日あたり2万台弱です。ゼミ生のみなさんは声が聞き取りづらいほどの車の騒音や、排ガスによる大気の汚染の度合いを感じていました。

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国道43号で道路環境対策を確認

次に、西淀川公害患者と家族の会の支援を受けて設立されたデイサービスセンターあおぞら苑の前には、「公害と闘い環境再生の夢を」と宮本憲一先生が書かれた石碑を見学。

あおぞら苑の前の公害の石碑をみるゼミ生たち

あおぞら苑の前の公害の石碑

また、西淀川は昭和初期の工業化の進展で、地下水のく上げによって地盤沈下が進みました。歩きながら海抜がマイナスとなっている表示を確認し、水害や津波に弱い地域であることをお話しました。

近年の西淀川は、環境が改善しつつあり、マンションが林立し多数の新住民が増えていますが、外国にルーツを持つ方も増えつつあります。大和田がには、イスラム教徒の礼拝所「大阪マスジド」があり、多くのイスラム教徒の方が訪れています。

大阪マスジドの前で

イスラム教徒の礼拝所「大阪マスジド」。1階はハラール食品のお店です。

フィールドワークの後は、西淀川公害について簡単に講義をした後に、公害患者さんのお話を聞いてもらいました。

今回は、公害被害者の岩本さん、西淀川公害患者と家族の会事務局長の上田さんのお話です。

岩本さんは、公健法の改正によって公害患者の新規認定が打ち切られる直前の1988年に、認定の手続きをしたことで無事に認定を受けることが出来たそうです。認定を貰えなかったことで苦労している人がいるということ、長い間病気と闘ってこられて苦労したことなど貴重な経験や感じていることを話して下さいました。

岩本さんは、夜中に起こるぜんそく発作、続発症である中耳炎による聴覚障害など、公害によって引き起こされた病と闘う人生を送ってこられました。病気のため、仕事が思うようにできず、普通で当たり前の生活を失われてしまったとのお話に、学生のみなさんは真剣に耳を傾けていました。

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公害被害者のお話を聞きました

最後に、グループで今日の研修の感想を話し合った後に、全体で共有しました。

フィールドワークでは「多様な文化が混在」「住宅地と道路の騒音の差が全然違う」「トラックが多くて説明の声が聞こえないほど音が大きい」といったことが印象に残ったようです。

公害患者さんのお話では「お年寄りや子ども、貧困層が公害被害を受けていた」、「1988年を境にあまりに格差が大きく、長期で病と闘う患者にとって理不尽すぎる」、「公害患者に向けられる周りの視線が厳しい。患者の立場が弱い」といったことが印象に残ったとの感想があった他、「公害は”歴史”ではなく”現在進行形”」、「苦しみの連鎖を止めよう」、「当者と地域で終わらせない」などの公害と今につなげた感想もありました。

大門先生からは2年以上前にゼミの研修をしたいとのお話をいただいていたのですが、その後コロナ禍が始まり、研修ができずやっとゼミの研修が実現できました。「公害問題は、被害に始まり被害に終わる」との言葉があるくらい、公害問題を考える上では、被害について学ぶことは重要です。フィールドワークならではの五感の刺激を通した学びや公害患者さんとの直接的な交流が公害・環境問題を自分に引き寄せて考えるのに役立ったのではないかと思います。

今日の研修で学んだことを踏まえて、社会学の観点から、公害を二度とおこなさない社会、人間と環境が共生する社会を研究していただけたらと期待しています。

(記:谷内)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2022年11月4日10:20 AM

公害のことをみんなに伝えよう 公害に関する動画作り(龍谷大学清水ゼミ)(10/9)

龍谷大政策学部清水ゼミと西淀川在住の映画監督・岸本景子さんチームに協力してもらって、大気汚染公害についてより深く学ぶための動画を作ることになりました。10月9日に、のその動画づくりのために、西淀川公害患者の家族と会の方にインタビューを行いました。

朝9:30、講師班が集合し撮影機材整備完了。動画を撮る臨場感が感じられました。
講師陣は監督:岸本さん、脚本:堤さん、カメラ:坂さん、音響:平川さんの4人です。また、あおぞら財団の藤江、公害資料館ネットワークの白神さんも参加しました。

10時過ぎてから、清水ゼミ学生が相次いで到着。
簡単な自己紹介を終えて、早速作業を始めました。

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本日の目的は、西淀川公害患者と家族の会の事務局長を務めている上田敏幸さんと、公害患者である岡崎久女さんにインタビューを行うことです。
撮影、照明や録音器具、さらに撮影の流れを事前に理解しておかないといけないので、講師陣の指導の下で、学生の皆さんがコツコツ頑張っています。

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カメラok、照明ok、録音okとなり、試し録画を始めました。

動画を編集する際に、画面と音声を一致させる為に、特別な合図が必要です。それがこの「かちんこ」です(格好つけているわけではない)。

学生さん一人一人に意気込みを話してもらい、撮影を行いました。カメラを前に緊張が見られましたが、順調に進んでいるのは何よりです。

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昼ご飯は、歌島にあるインド料理屋さん「ジャムナ」のカレー2種、ナン、ご飯とサラダです。ナンの量は驚くほど多いので、カレーと計算しながらバランス良く食べないとおみやげとして持って帰ることになってしまいますよ。

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そして午後になって、上田さんと岡崎さんが来られました。いよいよ本番インタビューに入ります。

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いきなり本題に突っ込むのはさすがにストレート過ぎるので、やはり雑談を皮切りに始めたの方が良いのでは?ということで、上田さんの昔の職場の話や岡崎さんのセロリ嫌いの話を和気あいあいと伺いながら、公害に関する話題に進みました。

お二方の話によれば、公害訴訟を起こした患者さんたちは、ほぼ「怒り」に駆使され、公害反対運動を始めたようです。自分は何の間違いもないのに工場や自動車からの排気ガスに苦しまされ、公害病になってしまった。この工場や車への「怒り」が出発点となって、公害訴訟が行われました。

しかし、歳月は公害との闘いの中で過ぎ去り、この冷たい思いには、温かい何かが芽生えました。彼らを支えたのはもはや「怒り」ではなく、いつの間にか「次世代にこの苦しみを味わせない」ことになりました。確かに自分の経験に対してはすごく悔しいが、子どもや孫のことを考えて、自分が体験した公害は、決してもう一回彼らに体験させるわけにはいかないという思いで、公害に関する情報を知らない人に知ってもらいたいとお二方は語りました。

また、「患者さんの笑顔」を見ることが一番の喜びだと上田さんが話していました。お互いの気持ちを知り、支え合いながら、より遠く所まで歩んで来られたのだと思いました。

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公害患者の生の声を聞いた学生たちは、公害に関する認識はより一層深くなり、これから動画作り、さらに公害防止や環境保全活動の担い手のたまごとして、期待されます。

(あおぞら財団アルバイト・インターン、龍谷大博士後期課程学生 王)

※この動画作成は、 2022年度地球環境基金事業「誰ひとり取り残さない! 気候変動を構造的にとらえ未来につなげる教育プログラムづくり」の一環として、龍谷大清水ゼミの協力、岸本景子映画監督チームの協力を得ながら実施しています。

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2022年10月28日6:28 PM

大気汚染公害の現場を歩く 西淀川現地研修(立命館大石橋ゼミ) (9/2)

インターン生の森です。

 

9月2日に立命館大学法学部石橋秀起先生のゼミで、あおぞら財団主催のもと「大気汚染公害の現場を歩く 西淀川現地研修」がおこなわれ、私もそれに参加しました。

 

最初に出来島駅に集合して実際に様々な場所を見学しました。9月と言えどもまだまだ暑く、水分補給が欠かせません。この記事を書いている今でもまだまだ暑さは続いています。皆さんも暑さには気を付けて下さいね。

 

……話が脱線してしまいました。話を元に戻します。私はこれまで出来島駅付近に訪れたことがなく、こんな感じなんだ!と驚いていました。私が特に印象に残っているのは43号線で、初めは何の変哲のない道路だと思っていたのですが、あんなに様々な公害対策がなされているとは思いませんでした。驚きです。

43号線

43号線にて

 

大和田街道

こちらは大和田街道

地域再生の碑

あおぞら苑(地域再生の碑)

 

また、大阪マスジド付近にも行きました。大阪にあのような場所があるなんて知りませんでした。異国の雰囲気漂う、大変興味深い場所です。

 

マンゴージュースを飲みました!どろっとしてて濃厚で美味しいです。お値段も百円とお手頃!

マンゴージュースを飲みました!どろっとしてて濃厚で美味しいです。お値段も百円とお手頃!

見学後に少し休憩を取り、まず東淀川公害の概要を聞きました。

本当に当時の状況は悲惨で、青い空が見えないという状況は私世代の方にとっては驚きなのではないでしょうか。当時の工場の煙の写真や当時の空の写真のような状況、今では考えられないですよね……。

 

続いて、西淀川公害患者と家族の会のお話を聞きました。上田さんと岩本さんに来ていただき、岩本さんを中心に語っていただきました。

 

患者さんのお話

お話を聞いている立命館大学の皆さん

岩本さんは1988年に公害患者の新規認定が打ち切られる直前に、お医者さんからその話を聞いた岩本さんの母が認定の手続きをしたことで無事に認定を受けることが出来たそうです。認定を貰えなかったことで苦労している人がいるということ、長い間病気と闘ってこられて苦労したことなど貴重な経験や感じていることを話して下さいました。特に生活(仕事)がある中で病気と闘い、また別の病気も発症して……というのは本当に大変でやるせないお気持ちだっただろうと思います。普通やあたりまえが出来ない理不尽さや苦しみは計り知れず、このような当時の状況や今の状況を忘れてはならないと感じました。

 

最後に弁護士である村松昭夫先生のお話を聞きました。

 

村松先生が主に語って下さったのは西淀川公害訴訟とアスベスト訴訟です。法的な観点からも様々なお話を聞くことができ、立命館大学法学部の皆さんは大変良い勉強になったのではないでしょうか。私は法律には明るくないのですが、先生が経験した西淀川公害訴訟の当時の様子を聞いて、本当に長い間患者さんに寄り添って戦い続けてきたのだなあと感じました。石橋ゼミの方から専門的な質問が沢山飛び交っていました。

例えば「(西淀川公害裁判では訴えていませんでしたが)高速道路を走っていた車の開発メーカーを訴えることは出来るんでしょうか」といった感じの、鋭い質問をされていました。私ではこんな質問到底思いつきませんね。流石法学部の方……。これに対して松村先生は、「実は東京で車の開発メーカーを訴えたことがあって……*」「法的責任に準ずる責任が……」という風に、かなり細かく丁寧答えてらっしゃいました。

松村先生のお話

質問も沢山とびかいました!

上田さん、岩本さん、村松先生、貴重なお話をありがとうございました。今日の研修で実際にその場所に訪れたりお話を聞いたりして、多くの事を学び考えました。この貴重な経験を、忘れる事はないと思います。そして今回フィールドワークをおこなった立命館大学法学部石橋ゼミの皆さん、ゼミでの活動頑張ってください!

(インターン生 森)

*東京大気汚染訴訟(1996年~2007年)では、自動車メーカー7社や道路管理者を被告にして訴訟が行われました。1次判決では自動車メーカーは責任を問われるのを免れ、国・都・公団道路管理責任が認められました。その後、2007年に和解しています。詳しくはこちら→東京大気汚染公害訴訟(環境再生保全機構「記録で見る大気汚染と裁判」)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,インターン生,環境学習,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2022年9月12日1:43 PM

大阪公立大学医学部医学科 研修受入(9/7)

2022年9月7日(水)に、大阪公立大学医学部医学科4人の研修受け入れを行いました。西淀川区保健福祉センターに研修に来ている中で、見学先の一つとしてあおぞら財団に来てくれました。

はじめに「フォトランゲージ 西淀川公害について」を実施。

西淀川公害に関連する写真を見てタイトルを付けてもらい
気づいた点を発表するワークショップです。

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様々な視点からの声が上がりました。

写真を見て話しあうことで、背景を汲み取る良い機会になったとの意見がありました。
次に職員 谷内から西淀川公害についての講義があり
徐々に進行していく西淀川公害の様子や、当時の住民の様子、
西淀川公害訴訟などの話がありました。

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そして、西淀川公害患者と家族の会事務局長 上田敏幸さんから
公害認定についての説明の後、

西淀川公害患者と家族の会 山下晴美さんから
実際に体験されてきたお話を伺いました。

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山下さんのご主人は、気管支喘息を発症してから長い年月、
病気と闘ってこられたそうです。息を吸う事も吐く事もできない、
夜も眠れない苦しい日々を過ごされました。

普通にできるはずの生活を奪われる苦しみ、

これからの未来、子ども 孫達には我々のような思いは
絶対にさせたくないと山下さんはお話しされました。

■感想をいくつか紹介します

・治療もまだ発達していなかった頃の、呼吸器系の公害患者さんの恐怖や苦労は
相当なものであったと思いますし、絶対に忘れてはいけないものだと感じました。

・他の公害とは違って補償が広くなされていても、患者やその家族が失ったものは、お金では代えられず、はかりしれない大きなものだと感じた。

・公害患者さんの苦しみは、併存症なども併せて想像していよりも深刻だと思いました。

今回来られた学生さんは医学科6年生ということで、近い将来、医師になられます。西淀川公害についての研修で得た経験を、医師としての姿勢に生かしていただけたらと願っています。


〇研修に関するお問い合わせ
プログラム内容については、ご要望に合わせてコーディネートいたします。
研修受入 http://www.aozora.jpn.org/ecomuse/annai/kensyu

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2022年9月8日12:02 PM

龍谷大清水ゼミ:西淀川フィールドワーク(9/5)

龍谷大学政策学部清水万由子先生のゼミが、西淀川をフィールドにしてゼミ活動を行っています。この一環で、9/5にフィールドワークが行われました。

最初にタンデム自転車で、西淀川をめぐりました。大野川緑陰道路を西にすすみ淀川の堤防へ、そして、西島工業地域を通った後、国道43号にすすみます。その後、デイサービスセンターのあおぞら苑、千北診療所を見て、くじらカフェに向かいました。

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タンデム自転車での移動は二人の信頼関係が大事!

国道43号

国道43号の公害対策について

 

あおぞら苑の前の西淀川公害の石碑

西淀川公害患者さんの思いを受けて作られたあおぞら苑。その前に西淀川公害の石碑があります

お昼からは西淀川公害の概要についてお話した後、公害患者の岡崎久女さんのお話を聞いてもらいました。岡崎さんは自然豊かな高知県から就職のために尼崎に出てこられ、結婚で西淀川に来られました。ご自身だけでなくお子さんもぜん息に罹患し親子で発作に苦しんだこと、重責発作で仮死状態で救急搬送されたことなど、大変な経験を話してくださいました。

学生もそれを真摯に受け止めて、「青い空が当たり前じゃないなんて考えたことがなかった」、「洗濯物を外に干すと黒くなるなんて想像つかない」との感想を漏らしていました。

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公害患者さんのお話

最後はグループワークで、今日のフィールドワークの感想とどんな活動に参加したいのかを話し合いました。

 

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グループで感想と取り組みたい活動について話し合い

 

話し合いの結果、「アート」、「映像」、「防災」の3チームに分かれて、西淀川で活動して行くことになりました。活動内容がどんなものになるのかとても楽しみです!

(谷内)


〇研修に関するお問い合わせ
プログラム内容については、ご要望に合わせてコーディネートいたします。
研修受入 http://www.aozora.jpn.org/ecomuse/annai/kensyu
〇タンデムの利用に関するお問い合わせ
あおぞら財団が事務局をしている大阪でタンデム自転車を楽しむ会で貸し出しをしています。
問合せ先:あおぞら財団 電話(06-6475-8885)
タンデム自転車のレンタル・試乗 http://tandem-osaka.com/rental

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入 — aozorafoundation 公開日 11:44 AM
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