楽らく呼吸会で体力測定と呼吸体操!(のざと診療所, 6/8)
2018年6月8日(金)、のざと診療所で楽らく呼吸会を開催しました。今回は西淀病院から理学療法士の榎田さんを講師に迎え、呼吸リハビリと体力測定を行いました。参加者は8人でした。
まずは、COPD(慢性閉塞性肺疾患)と自己管理について、前回の内容をダイジェストした形でお話していただきました。
COPDの患者さんには運動が大切ですが、症状によってどのような運動をすればよいのかは異なります。
重症の患者さんは、呼吸法や排痰法といった身体の調子を整える「コンディショニング」が大事です。空気の通りが悪くなった気管支をつぶれにくくする呼吸法「口すぼめ呼吸」がその一つです。
COPDの患者さんの肺は縮まない風船のようにふくらんでおり、横隔膜は押し下げられ、うまく働けなくなっています。そのためCOPDの患者さんの呼吸は、首や胸、背中、おなかの筋肉(=呼吸補助筋)も使って行われています。この無理な呼吸によって起きる筋肉のこりをほぐしリラックスさせるストレッチも「コンディショニング」です。
お話のあとは、呼吸体操を行いました。
口すぼめ呼吸で息を整えた後、肩の上げ下げ、背伸びなどをして呼吸筋のストレッチを行いました。
体操の後は、体力測定。握力と30秒椅子立ち上がりテストを行いました。
握力測定では、どの方もよい数字が出るよう力いっぱい測定器を握りました。講師の榎田先生から「親の仇と思って力を入れてください!」と声がけがありましたが、80歳代の方からは「親は天国にいる」と言われ、「それなら好きな食べ物を取られたと思って!」と声がけが変更されるといった場面もありました。握力測定は、短時間に安全に測定ができること、握力は下肢の筋力と相関関係が高いため全身の筋力の程度を知るための指標として用いることができるそうです(参考:長寿科学振興財団「高齢者の握力測定」)。
30秒椅子立ち上がりテストでは、30秒間に何回椅子から立ち上がりができるのかを測り、下肢筋力を簡便に評価します。このテストでも、みなさん一生懸命椅子の立ち座りをされていました。
体力測定は、運動機能が維持できているかどうかをみるのに最適です。COPDやぜん息患者のみなさんは、息切れがあるため体を動かすのがおっくうになり、身体を動かさないと筋力が弱ってさらに動かなくなり、結果として息切れが強くなるという悪循環に陥りがちです。体力測定をきっかけにして、呼吸体操や運動への意欲を高めてもらえたらと思います。
■楽らく呼吸カレンダー
あおぞら財団では楽らく呼吸カレンダー2018年度版を配布しています。月ごとに、おすすめの呼吸体操やストレッチ、呼吸メモなどを紹介しています。運動の記録もできます。ほしい方は是非あおぞら財団までお問い合わせください。
■次回予定~問い合わせはあおぞら財団まで~
楽らく呼吸会は、患者さん同士、日頃の病気の悩みを交流したり、時には勉強会なども開催しながら、病気と向き合っていこう、またお互いが支えあっていこうという会です。
少しでも興味があれば是非、各診療所に足を運んで、楽らく呼吸会にご参加ください!
- 第48 回 呼吸リハビリ、自分でできる運動、体力測定 ( 講師:理学療法士)
- 第49回 栄養について(講師:栄養士)
- 8月3日(金)14:30 ~ 16:00 のざと診療所
2018年度の予定はこちらをご覧ください→2018年度の楽らく呼吸会の予定
今までの楽らく呼吸会の様子はこちらから→楽らく呼吸会
本事業は独立行政法人環境再生保全機構「地域におけるCOPD対策推進のための人材育成・情報発信事業(NPO法人等との協働事業)実施業務」の一環として実施しています。