中国調査視察 環境NGO、公害被害者・支援団体と交流「大気汚染経験情報発信事業」
9月2日〜7日、大気汚染経験情報発信事業で中国に調査・視察へ行きました。
日本での公害被害経験を伝えることと、現地の活動にどんな日本の経験を伝えることが必要なのかを調査することが目的です。
視察プログラムづくりや現地の通訳など名古屋大学大学院国際開発研究助教の櫻井次郎先生と、鳥取環境大学環境政策経営学科准教授の相川泰先生にご協力いただきました。
前年度までの同事業において、あおぞら財団で翻訳をした大気汚染公害被害や運動などについてまとめられた書籍やDVDを持参し、環境問題に取り組むNGOや、公害被害者を支援する弁護士団体、被害者などを訪問しました。
公害問題解決に向けて真剣にとりくむ人々、さらに次世代に向け子供たちの環境教育などに取り組む人々にたくさん出会うことができました。
●清華大学NGO研究センター(北京)
中国の環境NGOを研究している機関です。
中国のNGO申請の制度や環境NGOの現状、公益訴訟などについて賈西津先生にお話しを伺いました。
写真は西淀川の公害患者がつくった環境再生マップを見せて財団の活動を紹介しているところです。
●環境友好公益協会(北京)
Environmentally Friendly Charity Association
環境友好公益協会は日・中・韓3か国の環境に関する市民活動を紹介する日中韓環境情報サイトENVIROASIAの中国側の窓口にもなっている団体です。
李力さんにお話しを伺いました。
李さんは元教員。環境問題に関する教材をつくったり、子どもを対象に環境に関する論文を募集したりさまざまな活動に取り組んでいます。熱意と豊かなアイディアあふれる女性です(写真、中央)。
●緑家園環境科学研究センター(北京)
ホームページはコチラ 中 国→http://www.greensos.cn
アメリカ→http://www.chinagev.org
張さんにお話しを伺いました。(写真、左から2人目)
環境問題に関心のある記者が所属し活動している団体です。
出版物もたくさんだしています。
日本のキットを使って水質調査などもしているそうです。
●公害被害者法律援助センター(CLAPV)(北京)
公害被害者を支援する弁護士の団体です。弁護士の劉先生(写真:右)にお話しを伺いました。
事務所には依頼者の公害被害者の方の感謝状という旗がいくつも飾ってありました。
●自然の友
Friends of Nature
中国でも知名度の高い環境NGOのひとつです。
事務所も案内してもらったのですが若手の女性のスタッフの方が多く、あおぞら財団に事務所の雰囲気が似ているように感じました。対応してくれた方も女性でした(写真:中3人)。
公園の自然調査を行って散策マップを作成したり、車利用をひかえ公共交通や自転車利用をよびかけたリーフレット作成するなど幅広い活動をしています。
●南京大学 張玉林先生
張玉林先生は、かつて日本に長い期間暮らししており日本語が堪能です。「蝕まれた土地—中国の工業化と農業・食料安全—(『中国21』vol.26 2007,1)」という論文を日本語で執筆されています。
●製鉄会社宝鋼集団公司による大気・水質汚染、騒音問題の被害者 許さんのヒアリング調査(上海)
許さんとは、昨年度の視察でもお話を伺いました。今回は、その後の動きなどを聞きました。
住宅地の中の騒音計。
夜から朝にかけて、工場から赤や薄黄、黒などの不穏な煙があがるそうです。早朝、見地に行ったのですが、その日も、赤い煙があがっていました。硫黄の煙とのことです。
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その他 まちで見かけた環境への配慮
●整備された自転車道、トロリーバス(電機式バス)、立派な街路樹�
�北京≫
私(小平)がみた限りでは、どの道路も両側の1車線は自転車専用道でした。トロリーバスも走っていました。とりわけ自転車道は自転車専用の信号があるなどかなりきちんと整備されていました。
環境にやさしい道かと思いきや、車道の車線数も多く車にも便利な道です。3泊北京に滞在したのですが、毎日スモッグがかかっていました。大気汚染が心配です。
北京は3日間滞在し、さまざまな場所に移動しましたが、その道路の両側には立派に育った街路樹が続いていました。樹高も5〜6階まであり、横にも枝の大きくのばしていました。並木道という表現が似合う街路樹です。
街路樹が植えてあっても成長できず小さいままでひょろひょろだったり、かりこまれて鉛筆のように幹しか残っていなかったりする日本の街路樹事情と比べると、うらやましい環境です。
●南京では、太陽光パネルが多くの家の屋根にのっていました。水を温めるのに使うそうです。
●分別ゴミのゴミ箱もよくみかけました。
●自然の友 事務所にあった節電をよびかける看板。夏至の日のイベントで使うそうです。
(記:小平)