関西学院大学社会学部研修(5/19)
今回、関西学院大学社会学部の土屋雄一郎先生のゼミ生の皆さん10人が西淀川大気汚染公害現地研修として西淀川に来られました。
ロールプレイ体験の後、1時間ほどのフィールドワーク、そして患者さんのお話を聞くというプログラムです。
まず、昔の西淀川の様子や大気汚染が全国的に起きていたこと、現在も海外で大気汚染公害が起きており過去の問題ではないといったことの説明がありました。
それから、ロールプレイを行いました。「あなたのまちで公害が起きたら」という想定の元、住民や工場経営者、環境係長などにそれぞれの役になり、解決策について合意形成をめざして話し合います。
二つのグループに分かれてのディスカッションでは、国に調査を依頼する間、工場はストップさせるなどの意見が出たグループと、健康被害に遭った方が引越しをして健康状態の変化を見るなどして原因究明をメインに話を進めていたグループがありました。
そのロールプレイを振り返りながら、現実にはどのようなことが起きたかを解説していきました。西淀川の地域の特徴、病気から派生する苦しみの連鎖や西淀川裁判がどのように始まったのか、そしてあおぞら財団設立の理由を学んで頂きました。
フィールドワークでは、まず緑陰道路ができた経緯や、歌島橋交差点でのPM2.5を測る測定局や道路対策の説明を行いました。その後、まちを歩きながら、住工混在の様子や、地盤の低い状況の対策として防災の取り組みについての話、財団が運営している「くじらカフェ」や「ゲストハウスいこば」などの交流拠点活動について紹介しました。
公害患者さんのお話では、岡崎久女さんから病気の苦しさや公害がひどかった当時の体験談、薬の副作用などまでお聞きしました。最後に、お話についての「ふりかえり」として、自分が印象に残っていることをキーワードで書き出し、感想を1人ずつ発表しました。
改めて公害を伝える重要性を確認しました。(吉永)