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大阪公立大学「都市基盤計画特論」第2回(12/3)

12月3日、大阪公立大学大学院の「都市基盤計画特論」(担当:吉田長裕先生)の第2回目が開催されました。今回は観察力や創造力を磨くフォトランゲージ、合意形成の難しさを体験するロールプレイ、そして西淀川のまちづくりの提案に向けたアイデア出しが行われました。

フォトランゲージ:「西淀川大気汚染公害」
最初に、フォトランゲージという手法を用いたグループワークを行いました。配布された写真を観察し、写真に映る物事やその背景にある時代や意図を読み取ったうえで、グループでタイトルを考えるというワークです。

このワークは正解を求めるのではなく、観察力と創造力を磨くことを目的としています。

フォトランゲージをしている様子

写真を観察してタイトルを付けます

学生たちは、写真の細部に目を向け、物語を想像しながら、自分たちなりの解釈をもとに写真にタイトルを付けていました。こうした取り組みを通じて、それぞれの視点の違いにも気づきながら、西淀川公害に対する興味を深めました。

ロールプレイ「あなたのまちで公害が起きたら」

次に、「あなたのまちで公害が起きたら」というロールプレイ形式のワークを行いました。

この活動では、学生が「行政」「市民」「企業」「医師」といった役割を演じ、それぞれの立場から公害問題にどう対応するのかを話し合って、合意形成を図ります。ルールとして、全員が納得できるまで話し合うことや、多数決を避けること、安易な妥協をしないことが掲げられており、各立場の意見を深く理解するための時間が設けられました。

議論が進むにつれ、立場の違いからくる葛藤や、声の大きさによる影響が浮き彫りになり、合意形成がいかに難しいかを実感できる場面が多く見られました。

ロールプレイの様子。一言目の台詞だけ決まっています

振り返りでは、「企業は意見を言いやすい一方で、被害者の声が届きにくい」、「行政には調整役を期待されるが、立場の異なる人々をまとめるのは非常に難しい」、「それぞれの立場に寄り添いながらも、全体を俯瞰する視点が必要だ」といった感想が共有されました。

このような体験を通じて、現実の問題に対処する際の課題や、その解決へのアプローチを具体的に考えるきっかけが得られたようです。

西淀川のまちづくりへの提案に向けて

小休憩を挟んだ後、西淀川のまちづくりへの提案に向けたワークショップが行われました。

学生たちはまず、自分が都市基盤に関して興味のあることや、西淀川のまちへの提案テーマについて考えをまとめ、それを付箋に記入しました。似たようなアイデア同士をまとめて、グループ化していき、テーマを整理しました。

「サードプレイス」や「親水空間」、「多文化共生のまちづくり」、「公害教育」など多彩なアイデアが共有され、それぞれのテーマを具体化するためにどのような調査や検討が必要かについても活発に話し合われました。

西淀川のまちづくりへの提案づくりのアイデア出し

授業が終わった後、「グループワーク、楽しかった」と嬉しそうに感想を伝えてくれました。参加した学生は、大学生活が始まった直後にコロナ禍に直面し、これまでグループワークの経験がほとんどなかったとのことです。そのため、今日の活動が新鮮に感じられたようで、学びだけでなく、コミュニケーションを楽しむ貴重な場ともなったようです。

次回の授業では、西淀川区役所の担当者をお招きし、西淀川区の現状や地域課題について話を伺います。この学びを基にして、数回の授業を通じて具体的なまちづくり提案を作成し、1月末の中間発表を経て、3月末には西淀川区役所や患者会の方々に向けた最終発表を行う予定です。


今回の授業で用いた教材

教材はダウンロードできます。

 

(谷内)

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