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ブログカテゴリー » 西淀川交通まちづくり

第27回西淀川道路連絡会を開催(3/14)

3月14日に第27回西淀川道路連絡会が開催されました。

西淀川大気汚染公害裁判(1978年~1998年)の和解条項に基づき、道路管理者(国交省・阪神高速)と原告(患者会)の間で道路環境の改善について話し合う場で、コロナ禍間も途切れさせずに、一年に一回のペースで開催し、今回で27回目。今年は3年ぶりの対面での開催となりました。

あおぞら財団はサポートする立場で参加しています。

会議室に29人が参加

対面での開催は3年ぶり

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第27回西淀川地区道路沿道環境に関する連絡会
日 時:2024年3月14日(木) 午前10時~午前12時
場 所:グリーンルーム(あおぞらビル3F)
出席者:国土交通省近畿地方整備局、大阪国道事務所、阪神高速道路(株)、原告団、弁護団、あおぞら財団
参加者数:28人(国土交通省・阪神高速:12人、原告側・弁護団:16人)
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被害の訴えをする須恵さん

はじめに、須恵佐與子さんから被害の訴えがありました。66年前、西淀川区出来島に引っ越してきた頃は、空気がひどく汚れていて、洗濯物もすぐに黒くなり、家の中もざらざらになったり、子どもたちが育てていたアサガオも枯れることもあったそうです。慢性気管支炎の症状が出始め、医者からは公害病と診断された頃、旦那さんの失明が重なりました。須恵さんの支えを受けて旦那さんがマッサージ師の資格を取得し仕事を始めたこともあり、西淀川区外への引っ越しができませんでした。将来への不安に押しつぶされそうになりながら頑張って来られたことをお話され、須恵さんは1日も早く大気汚染をなくしてほしいと訴えました。

これを受けて、近畿地方整備局路政課大野課長は「貴重な話を聞かせていただいた。また、切実な訴えをいただいた。重く受け止め、対応をしていきたい」と、計画調整課平井課長は「辛いをお話を聞かせていただき身につまされる思いである。信頼関係があってこそ道路連絡会を継続できている」と応じました。

国道43号の大型車交通量は減少傾向にあり、大気の汚染状況は改善しつつあります。それを受けて、患者会会長の山下さんから「トラックが大型化していて、1台あたりの排気量やタイヤから発生する粉塵が増えているのではないか」との質問が出ました。

また、R6年度からの阪神高速道路の料金の上限の値上げが交通に与える影響についても議論が行われました。阪神高速道路などの近畿圏の高速道路では令和6年6月から「上限料金の引上げ」「大口・多頻度割引の拡充」「深夜割引の導入」「都心迂回割引の導入」が行われる予定です。原告団はこれによって国道43号の大型車が増えるのではないかと懸念が出ましたが、阪神高速からは都市内の大型車を減らすことを目的としており、混雑している阪神高速から渋滞の少ない郊外の近畿道に移る車両が増えることが想定されるとの回答がありました。(参考:国土交通省「近畿圏の新たな高速道路料金に関する具体方針(案)」の改定について

国交省の管轄ではない大阪市管轄の大気常時測定局は、平成29年度には26カ所ありましたが、令和5年3月には22カ所に減っています。さらに、自動車排出ガス測定局のSPM(浮遊粒子状物質)は平成4年10月まで9か所で計測していましたが、11月以降は4か所のみでしか計測していません。データの継続的な測定は環境対策を行うための基礎的なデータになることから、国交省からも大阪市に測定局の廃止には問題があると伝えてほしいと依頼しました。

他に、万博の工事が交通に与える影響、自転車道の整備等に対する意見交換が行われました。

いずれの課題についても継続した検討が必要です。そのため、道路管理者(国道交通省・阪神高速道路株式会社)と原告(患者会)の間で開催しているワーキング会議を令和6年度も継続し、道路環境の改善に向けて検討を続けていくことになりました。

和解から26年が経ち、少しずつ大気は改善しつつありますが、まだまだ街中に多くの大型車が通行しているなど車中心の社会は変わっていません。今後も、公害患者さんたちの願い「手渡したいのは青い空」を実現するために、 あおぞら財団も継続した支援を行いきます。

参考

・国土交通省近畿地方整備局 平成10年度7月27日記者発表資料:大阪西淀川有害物質排出規制等請求事件(第一次及び第二次~四次一括)の和解成立について

道路連絡会について

西淀川道路連絡会の実施状況(当日資料)

・大阪市:大阪公害患者の会連合会との協議「大気環境基準の達成と大気汚染の常時監視についての要望にかかる協議

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,地域づくり,西淀川交通まちづくり — aozorafoundation 公開日 2024年3月18日3:51 PM

大和田局に大気常時観測局の看板設置

大気を測る装置が街中にあるのを気づいていますか?
西淀川は公害訴訟の和解条項に基づき、6箇所の観測局において、二酸化窒素、SPM、PM2.5を測定しています。西淀川区は国内でもいち早くPM2.5を測定し始めた地域です。
この大気常時観測局は道路の片隅にそっと設置されていますが、もっとアピールするために、看板が設置されることになりました。
下記の看板は大和田局のものです。
他の地点の看板は今年度中に設置される予定です。

IMG_3523

この看板の設置に関しては、西淀川地区道路環境沿道に関する連絡会において、検討されてきました。

道路連絡会の詳細な内容については下記をご覧ください。

https://aozora.or.jp/katsudou/machi_dukuri/road

各道路連絡会の資料および議事録:https://aozora.or.jp/katsudou/machi_dukuri/road/jisshi_jokyo

Filed under: イベント案内,環境再生・まちづくり,西淀川交通まちづくり — aozorafoundation 公開日 2022年6月14日2:20 PM

第25回道路連絡会が行われました(3/23)

3月23日(水)に第25回西淀川地区道路沿道環境に関する連絡会が行われました。西淀川大気汚染訴訟の和解条項に基づいて年に1回行われており、あおぞら財団は原告団のサポートをしています。今年もコロナ禍が続いているということで、国土交通省近畿地方整備局とグリーンルーム(あおぞらビル3階会議室)をオンラインで繋いで開催しました。
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第25回西淀川地区道路沿道環境に関する連絡会
日 時:2022年3月23日(水) 午後2時~午後4時
場 所:国土交通省近畿地方整備局会議室、グリーンルーム(あおぞらビル3F)をzoomで繋いで開催
出席者:国土交通省近畿地方整備局、大阪国道事務所、阪神高速道路(株)、原告団、弁護団、あおぞら財団
参加者数:約30人(国土交通省・阪神高速:7人、原告側・弁護団:20人)
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最初に、原告団を代表して患者会の会長の森脇さんから「連絡会も25回目で意見交換を重ね、西淀川の環境が少しずつ再生してきている。大気汚染公害で病気になる人がいない環境を作りたい」と挨拶しました。

西淀川公害患者と家族の会 会長 森脇君雄さん

森脇会長のあいさつ

 

続いて、公害患者さんのお一人である岡崎久女さんから、被害の訴えがありました。西淀川に嫁いできて、母子ともにぜん息に苦しんだこと、自分には間に合わなくても子や孫たちのためにきれいな空気にしたい、公害のない街をつくるのは大人の責任だということを語りました。それを受けて、国交省近畿地方整備局の平井計画調整課長からは「思いがひしひしと伝わってきた」、阪神高速道路の中環境室室長からは「患者・地域の方々と話せる貴重な場である。原点を忘れずに取り組みたい」との答えがありました。

被害の訴えをする公害患者の岡崎久女さん

被害の訴えをする岡崎久女さん

 

その後、西淀川の大気の状況、交通量、環境ロードプライシングに関する広報およびアンケート調査結果、自転車通行空間の整備などについて報告、意見交換をしました。

新たな成果として、大気常時測定局に下記のようなPR看板が設置されました。この看板は、何のために大気を測定しているのか、どのような道路環境対策を行っているのかを伝えるもので、最終的には4カ所の大気常時観測局に看板が設置されます。1月末に阪神高速道路が管理する大和田局において設置されています。

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また、二酸化窒素の削減目標については、環境基準の下限値である0.04ppm以下をめざすことを再度確認しました。二酸化窒素の環境基準上限値である0.06ppmを目安に、自動車NOx・PM法の指定地域解除の動きがあることを危惧してのことです(関連:NOx・PM法の指定地域解除等に関するあおぞら財団からのパブリックコメント)。

また、国道2号の自転車通行空間の整備(矢羽根路面標示の設置)について警察との協議が始まったこと、環境ロードプライシング利用促進に向けた利用実態調査について報告がありました。
今後、大気汚染改善だけでなく、脱炭素社会の実現に向けて、道路環境が改善されることを望みます。

西淀川道路連絡会とは…

西淀川道路連絡会は、大阪・西淀川公害裁判の和解条項に基づいて設置されたものです。公害被害者が,道路環境対策について道路政策決定者に直接意見を述べることができるという意味で,道路公害訴訟に集団で取り組んだ原告団と弁護団が勝ち取った特別な機会です。この連絡会の議論に基づいて、西淀川内にはPM2.5の測定局が全国に先駆けて設置されたり、大型車を国道43号から阪神高速湾岸線に誘導する「環境ロードプライシング」などの施策が実施されています。

(詳しくはこちら→西淀川道路環境対策連絡会/道路検討会

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,地域づくり,西淀川交通まちづくり — aozorafoundation 公開日 2022年4月20日3:31 PM

第20回道路連絡会が行われました

3月22日(水)に第20回西淀川地区道路沿道環境に関する連絡会が行われました。

西淀川道路連絡会は、大阪・西淀川公害裁判の和解条項に基づいて設置されたもので、西淀川地域の道路における環境施策の円滑かつ効率的な実施に資することを目的とし、国土交通省近畿地方整備局、大阪国道事務所、阪神高速道路(株)、原告団との間で年に1回開催されています。

公害被害者が,道路環境対策について道路政策決定者に直接意見を述べることができるという意味で,道路公害訴訟に集団で取り組んだ原告団と弁護団が勝ち取った特別な機会です。(詳しくはこちら→西淀川道路環境対策連絡会/道路検討会

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第20回西淀川地区道路沿道環境に関する連絡会
日 時:2017年3月22日(水) 午後2時~午後4時
場 所:グリーンルーム(あおぞらビル3F)
出席者:国土交通省近畿地方整備局、大阪国道事務所、阪神高速道路(株)、原告団、弁護団、あおぞら財団
参加者数:32人(国土交通省・阪神高速:12人、原告側・弁護団:20人)
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1.原告団団長(西淀川公害患者と家族の会 森脇君雄会長)のあいさつ

はじめに、西淀川公害患者と家族の会会長の森脇さんからあいさつがありました。「患者会はと国とは、40数年間緊張をもちながら信頼関係をつくってきた。この関係のもと、一つでも要求を前進させてほしい」と述べられました。

2.被害者の訴え

次に、西淀川区内の公害患者の永野千代子さんと岡崎久女さんから被害者の訴えがありました。永野さんは、大気汚染のために自分だけでなく子どもも病気になり、そのうえ国道2号の交通事故で子どもを失った経験をお話しされ、「住民は車を減らしてほしいという思いとNO2を減らしてほしいという思いがある」という思いを語りました。岡崎さんは、親子でぜん息に苦しんだ経験を話され「私には間に合わなくても、子、孫には間に合うように環境をよくしてください」と訴えました。

3.資料説明

続いて、国土交通省および阪神高速道路(株)から、西淀川区において実施されている道路環境対策について説明がありました。西淀川の大気の環境は、昨年度より若干悪化しており、今後も環境ロードプライシングを継続して行うことにより、西淀川区内を通過する大型車を減少させ、環境の改善を図りたいという説明がありました。

次に、阪神高速道路株式会社から「近畿圏の新たな高速道路料金に関する具体方針(案)について」の説明がありました。この料金改定は国の方針と大阪府・市など自治体の提案をふまえたもので、淀川左岸線延伸部と大阪湾岸道路西伸部の整備に必要な事業費の概ね5割を高速道路料金で確保することを目的としているものです。

原告団からは、あおぞら財団の藤江から「大型車・交通量削減を!」「歩行者・自転車にやさしい沿道対策・交通環境対策を!」「実務者ワーキングの継続」といった提案を行いました。2年前から行っている実務者ワーキングでは大気汚染と交通量に関するデータ分析を行っています。今回は休日と平日のNO2濃度の差を示し、交通量が少ない休日はNO2の濃度が年間を通して平日よりも10ppb程度低いという結果を示しました。大気と交通量の関係をもっと明確にするためにさらなるデータ収集と分析が必要だという提案を行いました。

4.意見交換

その後、意見交換が行われました。

患者会から「NO2濃度を環境基準値の下限値である0.04ppb以下まで目指すのは継続するのか?」と確認を求めたところ、国交省側からは「昨年度は8局のうち4局が0.04ppb以下になっていたが、今年は上がってしまった。少しでもよりよい数値になるようにすすめていきたい」との回答が得られました。また、NO2濃度を具体的に下げる施策としては、環境ロードプライシングは効果が高い施策であり、広報をもっとしっかりやって積み重ねていきたいとのことでした。

阪神高速道路の料金改定については、患者会から「普通車の料金が上がると、国道43号におりて交通量が増えて渋滞が悪化する。検証もなしに、こういうことを行うのはおかしいのではないか」という意見が出ました。阪神高速道路株式会社には、料金改定後に、交通流や大気に与える影響について検証していくことを求めています。

大気と交通量の関係、阪神高速道路の料金改定に伴う交通や大気の変化については、今後、実務者ワーキングでも継続して検討をすすめていく予定です。

■今までの取り組みについて

西淀川道路環境対策連絡会/道路検討会
「近畿圏の新たな高速道路料金の具体案」に対する意見を提出しました(1/10)

■当日の資料・議事録

【原告からの資料】スライド

【道路管理者の資料】資料1資料2資料3資料4資料05

議事要旨議事録

国土交通省近畿地方整備局 大阪国道事務所「西淀川地区道路沿道環境に関する連絡会(第20回)が開催されました」

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,西淀川交通まちづくり — aozorafoundation 公開日 2017年4月24日4:54 PM

「近畿圏の新たな高速道路料金の具体案」に対する意見を提出しました(1/10)

1月10日に「近畿圏の新たな高速道路料金の具体案」に対する意見を西日本高速道路株式会社、阪神高速道路(株)、(独)日本高速道路保有・債務返済機構に提出しました。

今回の料金の改定案は、国土交通省が発表した「近畿圏の新たな高速道路料金に関する具体方針(案)」に基づくもので、平成28年12月26日(月)~平成29年1月10日(火)の年末年始をはさむ2週間という短い期間に意見募集がありました。意見に対する高速道路会社側の見解は、募集締め切りの3日後の1月13日に公開されましたが、財団からの意見だけでなく、多くの意見に対して「皆様から頂きましたご意見につきましては、今後検討する際の参考とさせていただ きます。」という回答でした(「近畿圏の新たな高速道路料金の具体案」に関する意見募集結果について)。

あおぞら財団からの意見書は次のとおりです。

意見書(2017年1月)

2017年1月10日

あおぞら財団(公益財団法人公害地域再生センター) 研究員 谷内 久美子

<料金値上げが交通流や環境に与える影響の評価と公開>

今回の料金改訂案は新規の高速道路整備の財源確保の観点から料金が値上げされる区間が多いようですが、料金の変更は交通需要に与える影響が大きいものと考えられます。高速道路の値上げは、高速道路から一般国道などの利用の増加につながり、高速道路だけでなく一般道の交通流に与える影響(交通量、速度、渋滞など)が大きいのではないかと思われます。また、交通流の変化に伴い、大気や騒音といった周辺環境に与える影響もあり、道路沿道の住民の生活も影響を受けます。今回の料金改訂による交通需要予測はなされていると思うのですが、それに伴う高速道路や一般道の交通流および周辺環境に与える影響がどのようなものになるのか推計はされていますのでしょうか?道路沿道住民や一般市民の目線から今回の改訂が生活に与える影響を多面的に評価し、それを広く公開してほしいと思います。

<環境ロードプライシングについて>

環境ロードプライシングを継続すると書かれていますが、この割引はどのような形で継続されるのでしょうか?現状においても環境ロードプライシングは十分に活用されていない状況にあり、国道43号の大気はきれいになっていません。同じ割引率であっても全体の料金が上がるようであれば、環境ロードプライシングへの移行は十分に起こらないのではないでしょうか? 環境ロードプライシングがどのように変更されるのか、また、それに伴ってどのような変化があるのかを推計し、結果を公開してほしいと思います。

<意見募集の周知が不十分であることについて>

今回の意見募集についての周知がほとんどなされていないため、広く意見を集めることができないのではないかと思われます。意見募集期間は2週間と短い上に、年末年始をはさんでいることもあり実態としての期間はさらに短いものとなっています。これでは、意見を十分に練り上げることができないまま、提出しなければなりません。意見募集は高速道路株式会社等が主体となっていますが、案は国土交通省が中心となって作成されているため、行政手続法に基づき、意見募集期間を30日以上とするべきではないでしょうか?平成29年6月から新料金へ移行するとのことですが、このままでは利用者をはじめとした市民の意見を十分にきくことはできないと思います。

<あおぞら財団>「近畿圏の新たな高速道路料金の具体案」に対する意見書(2017年1月)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,西淀川交通まちづくり — aozorafoundation 公開日 2017年1月17日5:05 PM
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