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ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

西淀川図書館「見つけたよ!西淀川の自然」


昨年に引き続いて西淀川図書館にて、西淀川を紹介する展示がはじまりました。
題して「見つけたよ!西淀川の自然」
西淀川には大野川や矢倉海岸、淀川など、気がつけばすぐとなりに自然があります。
あおぞら財団では、月に一度の矢倉海岸探鳥会、環境指標であるセミの抜け殻調査や淀川のシジミとりなど、西淀川をフィールドとした環境学習を行っています。
西淀川の自然の一部を、西淀川図書館にてぜひご覧ください。

◆期間◆
2006年9月1日〜10月31日

◆場所◆
西淀川図書館

開いている時間
火曜日〜金曜日 10時〜19時
土曜日・日曜日 10時〜17時
休館日   月曜日、祝日、毎月末日
詳しくは 西淀川図書館HP

◆内容◆
・矢倉海岸の野鳥たち        
(西淀川にも生息するタカ科の一種、ミサゴなど代表的な鳥の紹介を行っています。)
・西淀川の自然度ってどのくらい?
(セミとタンポポの種類でわかる、自然環境の状況)
・淀川でシジミがとれるってホント? 
(公害がひどがった当時は・・・)

同時開催
はがきをつくろう〜にしよど葉っぱアートコンテスト〜」作品展
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・★
西淀川図書館、関連イベントのお知らせ

環境教育ビデオ「手渡したいのは青い空〜未来からのメッセージ〜」上映会
日時:10月22日(日)午後3時〜午後4時

「葉っぱアートではがきをつくろう」
日時:10月28日(土) 午後2時〜午後4時

8月にあおぞら財団で行われた
葉っぱアートのはがきづくり教室の様子は こちら

★西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)のホームページはこちら




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2006年9月5日6:24 PM

アスベストと健康被害の歴史 (第30回西淀川地域研究会 報告)


第30回西淀川地域研究会が2006年8月31日に開催されました。
去年6月のクボタショックから1年あまりたちましたが、前日の30日は、泉南地域のアスベスト公害訴訟の初公判というように、アスベスト公害について世論は盛り上がりつつあります。
しかし、まだアスベストがどのような被害を与えるかが一般的になっているかというと、まだよくわからないというのが実感ではないでしょうか。

そういう中、泉南の大阪じん肺アスベスト弁護団の村松昭夫先生にアスベスト公害の構造などをお話してもらいました。今回の研究会は大学院生から地域住民まで多方面からの参加があり、それぞれの立場からいろいろな感想や意見が交わされました。
大阪泉南地域の石綿(アスベスト)業界の事情や周辺に広がっていた被害の映像、泉南で異変に気づき警告を出し続けていた医者の存在、若い世代でアスベストを吸い込んでしまうと発病リスクが高くなること、裁判の争点など、今うごいている事象が話題なので、話に引き込まれてしまいます。日常と公害が隣り合わせであることを、公害は知識がなければ見えてこないことがよくわかるお話でした。

★西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)のホームページはこちら




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2006年9月4日6:47 PM

イタイイタイ病 第35回神岡鉱業立入調査 参加記


2006年8月5日、6日
イタイイタイ病の原因である
三井金属鉱業株式会社(現:神岡鉱業)との公害防止協定に基づいた工場の立ち入り調査が行われました。
なんと、今回で35回目です。
公害防止協定は、公害裁判の勝利判決で勝ち取ったものです。
裁判後から、毎年繰り返し立入調査がおこなわれ、
神通川の汚染を減らすために大きな役割を果たしてこられました。

3月8日のエコミューズオープンを記念して行われたシンポジウム
イタイイタイ病から高木さんと近藤弁護士にお話ししていただいたこともあり、
なんとか、現場を見てみたいという思いから今回の参加となりました。

5日
富山駅から八尾行きバスに乗り、会場となる清流会館にむかいました。
神岡カドミウムに汚染された神通川が農業用水となる地域の農地が汚染されてしまい
生産する米がカドミウムに汚染されるという悲劇が起きました。

いま現在も汚染された農地の土の入れ替えが行われています。
土壌が入れ替えられた土は赤いです。
汚染土の入れ替えは平成23年まで続きます。

<清流会館>
公害反対運動の中心となっているのが「清流会館」です。
展示施設もあり、イタイイタイ病と世界の土壌汚染について学べます。
エコミューズよりも何倍も立派な展示施設です。

<学習会>
イタイイタイ病の歴史と立ち入り調査で見るべき場所を学習します。
工場で何を作っているのか?という基礎的なことがわかっていない私は学習についていくので必死です。
「工場見学でなくて立入調査なのだから、なんでも質問するように」
との言葉に緊張しました。

6日
<立入調査>
7コースに分かれて立入調査が行われます。
私は、鹿間工場・和佐保堆積場のコースでした。
全員、ヘルメットをかぶります。

鹿間工場は鉛リサイクル工場で、自動車のバッテリーを粉砕して鉛を取り出します。
その他にも金・銀・白銀・プラスティックなども取り出します。
もともとは、神岡鉱山の鉱石から原料を取り出していたのですが、
現在はリサイクル業を行っているということです。


水溶の汚染物質を取り除くのがシックナーです。

汚染水に凝固剤を混ぜ、底に沈殿させて、上澄みだけを流します。

大気の汚染物質を取り除くのが集塵装置や排煙脱硫装置となります。
冷却して、汚染物質を取り除いています。
これらの汚染物質が埋められているのが和佐保堆積場です。
汚染物質の場所は植物も生えず、不気味な色をしています。
東京ドーム20個分ということです。

神通川が汚染されたのはなぜかというのは、汚染除去施設がなかったからというわけではなくて、
あらゆる場所の漏れがひどく、工場内の土壌が汚染されていたことから水が汚染されたのも原因の一つだと教えられ、
工場の立入調査によってその漏れが次第に改善され、カドミウムの排出量が自然値と変わらないレベルになってきたそうです。
汚染対策を工場任せにするのでなく、住民がおかしいと思うことを指摘して、無公害企業に育てていくというスタイルがここで確立されています。
世界に例がない、すばらしい事例です。

現在は、災害などの非常時にどれだけ対応が取れるかということが重視されています。

余談ですが
工場に入って一番最初に驚いたのは、においです。明らかに硫黄酸化物のにおい。
大気汚染の原因はまず第1は硫黄酸化物SOxです。(現在はチッソ酸化物NOx)
説明をしてくださった工場長に二酸化窒素の濃度を尋ねましたが
「においますか?」といわれてしまいました。
排煙が漏れていたら周囲の木々が枯れてしまうとのことでしたが、
木々が枯れるまで高濃度汚染でもなくとも、明らかにもれているからにおいがするのではないか?と疑問に思いました。

<質疑>
流葉会館にて、神岡鉱山と住民の質疑応答が
ありました。
学者や弁護士が企業に質問するのではなく、住民が一つづつ質問をします。

住民の意見を取り入れる柔軟な姿勢が神岡鉱山にはありました。
こういう態度になったのは、ここ2・3年のことだそうです。
長い長い積み重ねで、ここまでたどり着けたのは、双方の努力がないとできないことです。
もっと、この双方の取り組みが広く知られて欲しいと心から思いました。(林美帆)

★西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)のホームページはこちら




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2006年8月7日7:10 PM

エコミューズのポスター [回答編]


●[出題編]はこちら

みんなが注目する中、期待していた以上の仕上がりでポスターが出来上がってきました!あおぞらビルの外壁をぐるりと囲んで展示しているのですでにご覧になった方もいらっしゃるのでは?デザイナーさん3人3様の色が出た存在感あるポスター達がいつものビルの雰囲気をガラッと変えてくれています。

木村さんは工場と煙というモチーフを、これまでにはない色遣いでポップなイメージに。公害被害を伝え続けていくためにできたエコミューズの背景があらわれていて、エコミューズ館長もお気に入りです。

スタンレーさんのメインビジュアルは、なんとウチワ(公害運動時に制作されたもの。「公害患者の歌」の歌詞が書いてある)!突き抜けた明るさとインパクトでエコミューズの資料の幅広さを表現しています。
このポスターは特に目立つようです。車で通りすぎる人からも「遠くから見たら貝殻みたいに見えて、エコミューズって書いてあるし、ヴィーナスの誕生みたいなのかと思ったけど、よく見たらウチワでビックリした。笑」という楽しい意見もありました。


パクさんは「手渡したいのは青い空」という財団のメッセージを、繊細な色遣いとモチーフで水墨画のような世界に表現してくれました。財団理事長も納得のとっても綺麗な一枚です。


それぞれのポスターにファンがいるのが面白く、
来館者からも「1枚欲しい!」という嬉しい要望もあり、大好評です。
それにしても同じ日に同じ内容の説明をして、
これだけ様々な形で仕上がってくるなんて感激しました。

この3点はオープンしたてのエコミューズの心強いツールとなって大活躍してくれることでしょう。
9月末から始まる「アジアのグラフィックデザイン展」※に出品されるので
興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
あおぞら財団としても賞があるならあげたい気持ちでいっぱいです。
こんなにステキなポスターを本当にありがとうございました!

※「アジアのグラフィックデザイン展」
2006年9月30日(土)〜10月15日(日) 大阪市立近代美術館建設準備室心斎橋展示室で開催。入場無料。大阪、プサン、上海、香港、ハンブルグのグラフィックデザイナー15人のポスター作品、計80点を展示。 実行委員会=大阪芸術大学、大阪市[ゆとりとみどり振興局]、大阪市教育委員会[近代美術館建設準備室]

★西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)のホームページはこちら




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2006年7月31日12:08 PM

タイNGOメンバーの来館


報告が遅くなりましたが、先月5月24日(金)、あおぞら財団に環境問題にかかわるタイの方々の視察がありました。
公害訴訟の法的サポートをするNGOのダルニーさんとスラチャイさん、代替産業ネットワークキャンペーンのペンチョンさん、また通訳としてメコンウォッチの木口由香さんの4名です。


まず最初に、あおぞら財団付属「西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)」にて、財団の理事の早川弁護士から日本における公害の歴史や裁判などの説明がありました。
早川弁護士は西淀川区の公害裁判がはじまった年に弁護士になり、西淀川公害にずっとかかわってきた方です。

早川弁護士は、まず、日本全国の公害裁判の被告企業に日本の大企業は全部含まれているといった、日本の経済成長とその影の公害被害についての話をしました。

その上で、西淀川の経験として工場の煤煙で50m先が見えないような環境だったこと、裁判にさまざまな分野の学者が、無償で裁判に強力をしたことなどが話されました。

財力、情報量、知識など自分たちよりはるかに勝る力を持つ国と企業を相手に戦った農民や漁民、労働者など西淀川公害裁判の原告はヒーローだと、早川弁護士はたたえていました。

タイの方々は、環境教育の一環として市民参加で行われているNO2測定のカプセルの設置や、公害をだす可能性を出す工場ができる前に裁判を起こすことが可能かといった日本の制度についての質問などをしていました。
また、現バンコク市長のピチットさんが財団を訪れた話でも盛り上がりました。

先月は、前のブログにも紹介しましたが、アジアのグラフィックデザイナーの方の来館もあり、来月7月4日からは韓国の司法修習生の研修の受け入れや環境経済世界大会へ展示などを予定しています。
あおぞら財団、西淀川の公害被害の経験を、世界にむけて発信です。

★西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)のホームページはこちら




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2006年6月15日5:42 PM
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