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ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

「大阪から公害をなくす会」からの資料搬出


あおぞら財団 インターン 宮本弥生 龍谷大学

9月11日(月)、「大阪から公害をなくす会」の資料を受け入れて、その資料を西淀川高校へ搬入する作業を一日行いました。
朝、財団に集合してから、西九条にある「大阪から公害をなくす会」の事務所に行って、マスク、軍手、頭にはタオルを巻き、倉庫にあるたくさんの資料をダンボールに詰めました。倉庫の中は、古い資料がたくさんあって、ほこりがかぶっていたり、ネズミ(?)にかじられていたり。。。 マスクなしでは絶対無理でした!


「大阪から公害をなくす会」は1971年に設立され、国・自治体への公害発生源規制要求運動や、条例規制の整備改善要求、公害反対運動の支援と連携などの活動を行っています。なので、倉庫のなかには、松原ジャンクション問題や、さまざまな公害訴訟の資料がありました。なかには、アサガオで酸性雨を調査した報告書など、面白いものもありました。ほかにも、アスベストに関する資料もあり、アスベストの問題は以前から言われ続けていたのだと分かりました。
紙の資料だけでなく、“団結”と書かれたハチマキや、“公害患者の生きる希望の灯 消すな”と書かれた筵旗(むしろばた)もあり、当時の運動の激しさが伝わってきました。
特に筵旗は、初めて見たので、迫力があるなぁ!と思いました。後から聞くと、この筵旗は、1982年12月に府庁玄関前でハンストを行ったときに使われたそうです。
このハンストは、1980年に大阪府がNO2の環境基準を緩和すると発言し、府民が抗議を行ったが、最終的には大阪府がいっさいの交渉を拒否したのに対して、行われたそうです。

今回搬出した資料は、全部で40箱分にもなりました。古い資料が多かったので、ほこりをかぶっているものが多かったけれど、どれも貴重な資料ばかりなのだろうなと思いました。同じ間違いを繰り返さないためにも、将来に伝えていくことは大切であり、そのためには当時の資料がとても重要なんだと思いました。

<ちょこっとメモ>
作業の休憩中に事務所の隣にある、青汁バー(!?)で青汁を初体験しました。においは大根の葉っぱなどの青物のにおいがすごかったけれど、味は思っていたものより、飲みやすくておいしかったです。疲れが吹っ飛びました! 

★西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)のホームページはこちら




Filed under: インターン生,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2006年9月13日10:41 AM

光化学スモッグ


あおぞら財団インターン 吉澤晴香 龍谷大学

前回(8月4日)、自転車マップ作成のために自転車に乗ってまちをまわっている時、途中で目が痛くなりました。…痛いというか、ヒリヒリして涙が出そうになる感じ。
これまで、光化学スモッグが出ている時に同じように目が痛くなることがあったので、「これはもしや光化学スモッグ??」くらいに思っていました。…でも、あの時のヒリヒリ感は今まで痛くなった時の中でも、結構きつかったですね。
後から聞くと、その日、私達がいた辺りでも光化学スモッグの注意報が発令されていたみたいでした。
ここで…
『光化学スモッグ』とは、
自動車や工場の排出ガスに含まれる窒素酸化物や炭化水素などは、太陽の紫外線で反応し、「光化学オキシダント」を生成します。
この「光化学オキシダント」は、窒素酸化物や炭化水素の大気中濃度が高く、紫外線の強いときに高濃度となり、白くモヤがかかったようになります。この状態を「光化学スモッグ」と呼んでいます。風が弱く、気温が高く、日差しが強い日に発生しやすい傾向にあります。
「光化学オキシダント」は高濃度になると人や植物などへ影響を及ぼし、人体への影響としては、
目がチカチカする
のどが痛い
呼吸が苦しい

と、いうことです。
(大阪府 エコギャラリー

そのことで、先日、大阪市都市環境局の方があおぞら財団に来られました。光化学スモッグについての現状や、行政がどんなっているふうに対応しているのかなど、いろいろな話が聞けましたが(例えば、今年は去年より注意報の発令回数が多くなっているらしいです!)、そこで一つ疑問に思ったことがありました。
光化学スモッグの原因については、まだわからないことが多いみたいなのですが、一般の私たちはあまり光化学スモッグのことを知らないですよね。注意報が出ているとしても、学校に札が出るくらいで、他の場所ではいつ出ているのかもあまり分からないし…。
目がヒリヒリするのは、洗えば痛みはひくということみたいですが…それでも被害ですよね、症状の現れ方も人によってはいろいろあるだろうし。
お話を聞いていると、(私の印象では、ですが、)最終的に「しばらく見てみないとちょっとまだわからないことですね。」という感じでした。では、それまで(もっと詳しく実態がわかるまで)は、これ以上はどうしようもないということ??と思ってしまいました。
原因はわからなくても、注意報が発令された時にもっと一般の人みんなに知らせるということが必要なのではないかと思います。みんなが利用する場所で、何か目印で知らせるとか…そういうことなら出来るのでは??と思いました。私は、市のこととかも、詳しいことは全然わからなくて言っているわけなのですが、注意報が出たときに、学校以外の場所に情報を発信する仕組みとか、「知る」きっかけがあれば。。と、思いました。


Filed under: インターン生,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2006年9月7日12:04 PM

西淀川図書館「見つけたよ!西淀川の自然」


昨年に引き続いて西淀川図書館にて、西淀川を紹介する展示がはじまりました。
題して「見つけたよ!西淀川の自然」
西淀川には大野川や矢倉海岸、淀川など、気がつけばすぐとなりに自然があります。
あおぞら財団では、月に一度の矢倉海岸探鳥会、環境指標であるセミの抜け殻調査や淀川のシジミとりなど、西淀川をフィールドとした環境学習を行っています。
西淀川の自然の一部を、西淀川図書館にてぜひご覧ください。

◆期間◆
2006年9月1日〜10月31日

◆場所◆
西淀川図書館

開いている時間
火曜日〜金曜日 10時〜19時
土曜日・日曜日 10時〜17時
休館日   月曜日、祝日、毎月末日
詳しくは 西淀川図書館HP

◆内容◆
・矢倉海岸の野鳥たち        
(西淀川にも生息するタカ科の一種、ミサゴなど代表的な鳥の紹介を行っています。)
・西淀川の自然度ってどのくらい?
(セミとタンポポの種類でわかる、自然環境の状況)
・淀川でシジミがとれるってホント? 
(公害がひどがった当時は・・・)

同時開催
はがきをつくろう〜にしよど葉っぱアートコンテスト〜」作品展
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・★
西淀川図書館、関連イベントのお知らせ

環境教育ビデオ「手渡したいのは青い空〜未来からのメッセージ〜」上映会
日時:10月22日(日)午後3時〜午後4時

「葉っぱアートではがきをつくろう」
日時:10月28日(土) 午後2時〜午後4時

8月にあおぞら財団で行われた
葉っぱアートのはがきづくり教室の様子は こちら

★西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)のホームページはこちら




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2006年9月5日6:24 PM

アスベストと健康被害の歴史 (第30回西淀川地域研究会 報告)


第30回西淀川地域研究会が2006年8月31日に開催されました。
去年6月のクボタショックから1年あまりたちましたが、前日の30日は、泉南地域のアスベスト公害訴訟の初公判というように、アスベスト公害について世論は盛り上がりつつあります。
しかし、まだアスベストがどのような被害を与えるかが一般的になっているかというと、まだよくわからないというのが実感ではないでしょうか。

そういう中、泉南の大阪じん肺アスベスト弁護団の村松昭夫先生にアスベスト公害の構造などをお話してもらいました。今回の研究会は大学院生から地域住民まで多方面からの参加があり、それぞれの立場からいろいろな感想や意見が交わされました。
大阪泉南地域の石綿(アスベスト)業界の事情や周辺に広がっていた被害の映像、泉南で異変に気づき警告を出し続けていた医者の存在、若い世代でアスベストを吸い込んでしまうと発病リスクが高くなること、裁判の争点など、今うごいている事象が話題なので、話に引き込まれてしまいます。日常と公害が隣り合わせであることを、公害は知識がなければ見えてこないことがよくわかるお話でした。

★西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)のホームページはこちら




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2006年9月4日6:47 PM

イタイイタイ病 第35回神岡鉱業立入調査 参加記


2006年8月5日、6日
イタイイタイ病の原因である
三井金属鉱業株式会社(現:神岡鉱業)との公害防止協定に基づいた工場の立ち入り調査が行われました。
なんと、今回で35回目です。
公害防止協定は、公害裁判の勝利判決で勝ち取ったものです。
裁判後から、毎年繰り返し立入調査がおこなわれ、
神通川の汚染を減らすために大きな役割を果たしてこられました。

3月8日のエコミューズオープンを記念して行われたシンポジウム
イタイイタイ病から高木さんと近藤弁護士にお話ししていただいたこともあり、
なんとか、現場を見てみたいという思いから今回の参加となりました。

5日
富山駅から八尾行きバスに乗り、会場となる清流会館にむかいました。
神岡カドミウムに汚染された神通川が農業用水となる地域の農地が汚染されてしまい
生産する米がカドミウムに汚染されるという悲劇が起きました。

いま現在も汚染された農地の土の入れ替えが行われています。
土壌が入れ替えられた土は赤いです。
汚染土の入れ替えは平成23年まで続きます。

<清流会館>
公害反対運動の中心となっているのが「清流会館」です。
展示施設もあり、イタイイタイ病と世界の土壌汚染について学べます。
エコミューズよりも何倍も立派な展示施設です。

<学習会>
イタイイタイ病の歴史と立ち入り調査で見るべき場所を学習します。
工場で何を作っているのか?という基礎的なことがわかっていない私は学習についていくので必死です。
「工場見学でなくて立入調査なのだから、なんでも質問するように」
との言葉に緊張しました。

6日
<立入調査>
7コースに分かれて立入調査が行われます。
私は、鹿間工場・和佐保堆積場のコースでした。
全員、ヘルメットをかぶります。

鹿間工場は鉛リサイクル工場で、自動車のバッテリーを粉砕して鉛を取り出します。
その他にも金・銀・白銀・プラスティックなども取り出します。
もともとは、神岡鉱山の鉱石から原料を取り出していたのですが、
現在はリサイクル業を行っているということです。


水溶の汚染物質を取り除くのがシックナーです。

汚染水に凝固剤を混ぜ、底に沈殿させて、上澄みだけを流します。

大気の汚染物質を取り除くのが集塵装置や排煙脱硫装置となります。
冷却して、汚染物質を取り除いています。
これらの汚染物質が埋められているのが和佐保堆積場です。
汚染物質の場所は植物も生えず、不気味な色をしています。
東京ドーム20個分ということです。

神通川が汚染されたのはなぜかというのは、汚染除去施設がなかったからというわけではなくて、
あらゆる場所の漏れがひどく、工場内の土壌が汚染されていたことから水が汚染されたのも原因の一つだと教えられ、
工場の立入調査によってその漏れが次第に改善され、カドミウムの排出量が自然値と変わらないレベルになってきたそうです。
汚染対策を工場任せにするのでなく、住民がおかしいと思うことを指摘して、無公害企業に育てていくというスタイルがここで確立されています。
世界に例がない、すばらしい事例です。

現在は、災害などの非常時にどれだけ対応が取れるかということが重視されています。

余談ですが
工場に入って一番最初に驚いたのは、においです。明らかに硫黄酸化物のにおい。
大気汚染の原因はまず第1は硫黄酸化物SOxです。(現在はチッソ酸化物NOx)
説明をしてくださった工場長に二酸化窒素の濃度を尋ねましたが
「においますか?」といわれてしまいました。
排煙が漏れていたら周囲の木々が枯れてしまうとのことでしたが、
木々が枯れるまで高濃度汚染でもなくとも、明らかにもれているからにおいがするのではないか?と疑問に思いました。

<質疑>
流葉会館にて、神岡鉱山と住民の質疑応答が
ありました。
学者や弁護士が企業に質問するのではなく、住民が一つづつ質問をします。

住民の意見を取り入れる柔軟な姿勢が神岡鉱山にはありました。
こういう態度になったのは、ここ2・3年のことだそうです。
長い長い積み重ねで、ここまでたどり着けたのは、双方の努力がないとできないことです。
もっと、この双方の取り組みが広く知られて欲しいと心から思いました。(林美帆)

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Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2006年8月7日7:10 PM
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