あおぞら財団 財団ブログ
公害の歴史Q&A あおぞらイコバ
公害を伝えるための資料整理寄附募集
屋上広告募集
りべら広告募集
Don't go back to the 石炭

    キーワード検索

    アーカイブ

    カテゴリー

    最近の投稿

    最近のコメント

ブログカテゴリー » イベント報告・ホームページ更新

追手門学院大学社会学部社会問題コース フィールドワーク(11/16)

11月16日(日)、追手門学院大学社会学部社会問題コースの西淀川フィールドワークが行われました。

今回の参加者は学生さん7人と引率の藤吉圭二先生。学生さんは事前に『西淀川公害の40年』の冒頭部分を読んで来られていますので、予習もばっちりです。

出来島駅を出発し、かつて公害道路と呼ばれた国道43号、公害の石碑があるあおぞら苑、公害患者の拠点だった千北診療所、大和田マスジド、大野川緑陰道路をめぐり、あおぞら財団まで歩きました。

一見何の変哲もない道路にみえる国道43号。実は、さまざまな環境対策がされています

海抜-0.5m。地盤沈下のため、地面が海より低い!

和解金の一部を使って設立されたあおぞら苑。公害の石碑

イスラム教のお祈りの場「大阪マスジド」。1階でお買い物ができます

区民のはたらきかけできた大野川緑陰道路

あおぞら財団に到着後、ワークショップの「フォトランゲージ」やスタッフから西淀川公害についての解説を行った後に、西淀川公害患者と家族の会の須恵佐興子さんのお話です。

1960年代の西淀川は大気汚染が深刻で、晴れの日でも「いつもどんより曇り空」であったこと、洗濯物を干しても煤煙で汚れてしまったこと、そして、公害のために公害病になってしまっただけでなく、配偶者の眼の病気が重なってしまい必死で生活していたことを語っていただきました。

西淀川公害患者と家族の会の須恵さんと上田さん

資料館エコミューズの見学

学生さんからは次のような感想が寄せられました。
・患者さんの話や資料館でみた当時の方の言葉、写真や資料が印象に残った。
・いまだに公害問題は根強く残っていることに驚いた
・フィールドワークで西淀川の中で色々な公害対策がされているのを知った。
・自分の住んでいる地域で起こっている公害や、その対策について身近なところから学びたい。
・車の使い方や電気の使い方など自分にもできる事は多いと思う。
・公害という自分が経験したことのないものを身近に感じられる機会として有意義だった。

引率の藤吉先生は、社会学は当たり前を疑う学問であるとのお話がありました。今は当たり前のように感じられる青空が、以前は当たり前ではなかったこと、青空を未来に手渡したいと努力された公害患者さんのことが学生さんの心に残ったことをとても嬉しく思います。また、大学での研究や生活といった様々な場面に、活かしてもらいたいです。是非、卒論で公害のことを取り上げ、エコミューズの資料を活用してもらえたらと思います。

(スタッフ谷内)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2025年11月27日1:07 PM

楽らく呼吸会「呼吸リハビリ、じぶんでできる運動、体力測定」を開催(11/14)

11月14日(金)に、楽らく呼吸会を開催しました。
今回のテーマは、「呼吸リハビリ、じぶんでできる運動、体力測定」。
西淀病院の理学療法士の木下さんと後藤さんを講師にお迎えし、呼吸リハビリや日常生活でできる運動について学びました。参加者は講師とスタッフを含めて12人でした。
呼吸リハビリについては、環境再生保全機構の呼吸リハビリテーションマニュアルをもとに正しい呼吸法や簡単にできる運動を教えていただきました。
また、今回は中国の環境NGOがあおぞら財団に来日されていたため、前半は環境NGOの方々の見学もあり、にぎやかに始まりました。

呼吸ケア・リハビリで、症状が改善!

中国の環境NGOの方々の見学もあり、今回は賑やか

呼吸筋ストレッチ体操で、すっきり!

呼吸筋ストレッチ体操を終えた後、参加された方からは「胸が広がった感じで呼吸がしやすくなった」「家でも続けたい」との声が聞かれ、笑顔があふれました。

体力測定では、握力測定、30秒間の立すわり回数を測りました。握力は全身の筋力の目安となる指標で、立ちすわり回数は下肢の筋力や持久力を見るテストです。

測定は和気あいあいと進みました。昨年までの数値を記録していますので、比較することで自分の体力の変化がわかります。ほとんどのみなさんが、体力が落ちていないということが確認でき、ほっとしていました。

最後に質問タイム&交流です。

日常生活で取り入れている運動の話や、配偶者がCOPDで呼吸リハビリにどう向き合ってもらうかといった相談も寄せられ、参加者同士で思いを共有する場となりました。

参考:独立行政法人環境再生保全機構 呼吸リハビリテーションマニュアル

——-
【次回のご案内】

次回の楽らく呼吸会は、2026年1月23日(金)に開催します!
テーマは、「お話会、笑いヨガ、DVDをみながら呼吸筋ストレッチ体操」です。
笑いヨガとは、笑いと深呼吸を組み合わせた健康体操です。
西淀川で笑いヨガを教えている方に講師として来てもらいます。
1月からみんなで笑って福を呼び込みましょう!

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境保健 — aozorafoundation 公開日 11:12 AM

エコミューズ企画展「『空気はよごれている!』 区内小中学校ではじめて気づいた『西淀川公害』」みてアート2025に参加(11/1-2)

11/1-2に開催された「西淀川芸術祭・みてアート2025」に、あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)として参加しました。

「みてアート」は、アートをきっかけに地域で交流しようと始まったイベントです。エコミューズでは、かつて「公害のまち」と呼ばれた西淀川の過去と現在を考える展示を、毎年企画しています。今年は晴天にも恵まれ、2日間で323人のご来場をいただきました。

今回のテーマは「資料アーカイブズでたどる西淀川公害 『学校を苦しめる公害』への気付きと公害教育の展開」。まだ「公害」が自覚されていなかった1970年前後の西淀で、学校の先生たちが公害に対峙していく取り組みを展示しました。

 

西淀の大気汚染の深刻さを明らかにしようと、先生たちが集めたイチョウの葉っぱや、さびた雨どいのかけら、などなど。展示した資料は、学校に表れた公害の被害を示す「ホンモノ」の資料です。また、今回は中学校で発行された公害研究資料や、子どもたちの文集をレプリカで展示し、手にとってご覧いただくこともできました。

 

企画展の当日には、大野川が「ドブ川」と言われていた頃のこと、工場から出ていたにおいのことをお話してくださった方や、文集を読み込んでくれた小学生の方もいました。

 

実は今回の展示は、現在エコミューズで作成中の資料集の第2章の内容をもとに構成したものでした。来年のあたまの刊行を目指して、日々作業に取り組んでいます。企画展は毎年1回だけですが、刊行されれば、お家でも学校でも、身近に西淀川公害を考えられるきっかけになるのではと思っています。

 

資料を通じて、西淀川公害や、西淀の過去と現在についての理解が深まったり、考えたりするきっかけになれば幸いです。

たくさんの方にクイズに挑戦していただきました!

※企画展の実施には、(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成金を活用しました。

 

みてアート
http://miteart.blogspot.com/

(記:スタッフ・関谷洸太)

—————————

あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)では、西淀川公害がわかる資料集を作成しようと、ほぼ毎週、小田康徳館長が来館し、調査作業を進めています。そのようすを「エコミューズ館長日記」にてお届けします。

【ご寄附のお願い】「西淀川公害がわかる資料集」のための寄附を募集しています。どうぞみなさまの寄附でこの活動を支えていただきますようお願いいたします。
■寄附の方法はこちら https://www.aozora.or.jp/ecomuse/contibution_doner

※資料集のウェブ版作成には、(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成金を活用しています。

#おもろいわ西淀川
#にしよど
#魅力発信サポーター
#エコミューズ
#西淀川公害がわかる資料集

エコミューズ館長日記No.37

先々週の末の頃から天候不順で気温も下がって、どうにもおかしいと思っているうちに、いよいよおかしくなってきた。この数日、ようやく体調が元に戻りつつあるように感じるが、どうなるか。気をつけよう。

それで、作業はあまり進んでいなかったのだが、ふと資料集の序文の書き方が気になった。「本書は何々を明らかにするため、原資料を調査した。その結果、西淀川公害は〇〇といった特徴を持っていると明らかにできた云々」といった感じで、序文はつくるべきだと考えたのである。従来、書いていたのはそうではなくて、例えば、「西淀川区の工業化がこれこれの特徴を持っていることは、明瞭になってきた云々」と述べて、まるで解説をやったような文章になっていたようである。しかも、この文章を完璧なものにしようとすれば、序文のつぎに置かれる資料解説とだんだん似てくる。この重複が気になったのである。そこで、思い切って文章を一から作り直してみた。いまだ粗削りなところがあるが、まずは、この本を読んでみたいと思っていただける叙述になったような気がする。文章の量は、最初は3ページ分、そして変更を加えるたびに少し増加して、今回のでついに7ページに少し入るという状況になった。う~ん、どうしようかなあと思いながら、とりあえずはこれで確定しておき、後日また見直してみたいと思っている。

世の中はだんだん冷風が吹いて、一気に冬に向かっている感じがする。風邪をひかないで、これ以上、体調を悪くしないように気をつけて過ごしていきたい。この文章を読んでいる方々も気をつけてね。

みてアートいけなかったなあ(うんたら)

2025.11.10 小田康徳

—————————

あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)では、西淀川公害がわかる資料集を作成しようと、ほぼ毎週、小田康徳館長が来館し、調査作業を進めています。そのようすを「エコミューズ館長日記」にてお届けします。

【ご寄附のお願い】「西淀川公害がわかる資料集」のための寄附を募集しています。どうぞみなさまの寄附でこの活動を支えていただきますようお願いいたします。
■寄附の方法はこちら https://www.aozora.or.jp/ecomuse/contibution_doner

※資料集のウェブ版作成には、(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成金を活用しています。

#おもろいわ西淀川
#にしよど
#魅力発信サポーター
#エコミューズ
#西淀川公害がわかる資料集

【龍谷大】展示『大学生が考える西淀川区の魅力!」&公害の記憶白熱教室(みてアート2025)

11/1-2に開催された「西淀川芸術祭・みてアート2025」に、龍谷大学清水ゼミが『大学生が考える西淀川区の魅力!』の展示を行いました。

1階では公害クイズと公害かるた、3階では西淀川の過去の写真やインタビュー、「西淀川の今の魅力」の展示が並びました。

3階を訪れた方々は、写真を見ながら「こんな空(大気汚染で先が見通せない空)が日常だった」、「父がここで働いていた」と過去の思い出を語られたり、連れてきたお子さんに「昔の西淀川だよ」と説明したり。
過去の西淀川と今をつなぐ展示となりました。

西淀川区民へのインタビュー音声

西淀川の写真 過去から現在

大学生が見つけた西淀川の魅力の紹介

11/1 夕方には、特別企画「公害の記憶 白熱教室」が開催されました。プロデュースは、「ニシヨド編集部」です。

会場には展示を見終えた来場者や学生、地域の方々、アーティストなど計26名が集まり、ニシヨド編集部の藤原武志さんの進行のもと、公害の記憶をどう語り継ぐかについて熱い議論が交わされました。

進行はニシヨド編集部の藤原武志さん

西淀川区のまちづくりを語るとき、公害の歴史は避けて通れません。
今回の白熱教室では、炭鉱事故とワイナリーをめぐる比喩ケースをもとに、記憶の継承とビジネスへの影響、倫理、当事者への配慮といった観点から議論を展開しました。

「負の歴史を語ることで地域のイメージを損なうのではないか」
「語らなければ再び同じ過ちを繰り返すのではないか」
「子どもを使って負の歴史を語らせることは良いのか」
意見は賛否が拮抗し、簡単に答えの出ないテーマであることを改めて感じさせられました。

学生からは、「公害の継承」をテーマに展示づくりを進める中で感じた葛藤や気づきも共有されました。

議論の最後、こんな言葉で締めくくられました。
「語る・語らない、そのどちらの選択も“誰かへの優しさ”から出ているんだと思います。
語るのも、語らないのも、どちらも本当は優しい人たちなんです。
だからこそ、時々はこうやって語り直すことが大事なんだと思います。
両方の立場の人が一緒にいられる場として、こういう時間に意味があるんです。」

土地の歴史は、その背景を知ることでより深く感じられるもの。
今回の白熱教室は、“記憶を語る”ことの重さと豊かさを改めて考える場となりました。

公害を経験したこの街だからこそ、語り継ぐこと、そして語り直すこと。
その両方を大切にしながら、次の世代へつなぐ一歩を確かめる時間になりました。

————————————————–
『大学生が考える西淀川区の魅力!』
・展示期間/11.1(土)11.2(日)11:00-16:00 11:00-16:00
・場所/あおぞらビル1階・3階
・主催/龍谷大学政策学部清水ゼミ×mizutama with ニシヨド編集部
・内容:区制100年を迎える西淀川区の今・昔を地図、写真などで展示して、西淀川区の「良さ・魅力」を再確認するキッカケに。西淀川区に暮らすひとびとの町への思いを集めて、大学生がカタチにしました。
※独立行政法人環境再生保全機構の地球環境基金助成を受けて実施しました。

『【特別企画】公害の記憶 白熱教室
・日時:11月1日(土) 16:30~18:00(開場16:00)
・場所:あおぞらビル 1階 あおぞらイコバ
・プロデュース:ニシヨド編集部

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習 — aozorafoundation 公開日 2025年11月10日4:23 PM
« 次のページ前のページ »