【ケアマネ対象】呼吸ケア・リハビリ講習会を開催(10/15)
2018年10月15日(月)14:00~16:00、西淀川区役所にて、ケア・マネージャーさんの勉強会「得るエル広場」にて「在宅でできる呼吸ケア・リハビリテーション」の講習会を開催しました。西淀川区南西部地域包括支援センターとの共催です。講師は北野病院リハビリテーションセンター技師長/理学療法士の本田憲胤先生です。
この講座では、COPD(慢性閉塞性肺疾患)など呼吸器疾患の患者の治療に有効とされている呼吸ケア・リハビリテーションの技能を学びます。患者の在宅生活をささえるケアマネージャーさんに、呼吸リハビリの重要性、有用性を学んでもらい、ケアプランへの活用をしてもらいたいとの考えから開催しました。
最初に、北野病院リハビリテーション技師長の本田先生から呼吸リハビリテーションの有用性や在宅でできるリハビリについてお話を聞きました。
COPDは完全には治らない病気で、いかに病気と上手に付き合い、自己管理を行っていくかが大事です。COPDを罹患している人では、活動的な方と不活動的な方では生存率が大きく違います。呼吸リハビリを上手に取り入れることにより、大きな効果を得ることができます。運動には、座ってできるもの、寝ながらするもの、立ち座り動作が伴うものなど様々な方法があり、患者さんや家族が納得できるようなやり方をやっていかなければなりません。本田先生はヒポクラテスの「使えば強くなり、使わなければ弱くなる」という言葉を紹介しながら、筋力を使う重要さを強調されました。
講義の後、実技も行ないました。胸郭を緩め、呼吸介助するコンディショニングを実施することで、身体の柔軟性を増し、息苦しさを和らげることができます。実技の前後で前屈を行ってもらったのですが、明らかに体が柔らかくなっており、みなさん驚嘆の声をあげていました。
最後に、質問タイムです。
「コンディショニングはどれぐらいの時間がかかりますか?」という質問に対しては、「コンディショニングの時間は呼吸リハ全体のの半分から 4割ぐらいの時間を使います。コンディショニングをしっかりやらないと、呼吸リハビリの効果が出ません。運動を続けるためにはコンディショニングが重要です。コンディショニングの後、いすから立ち座り、足上げなどの下半身の体操を行います。」という回答でした。
「呼吸リハビリができる事業所がわからない」という質問に対しては、「訪問リハビリを実施しているところであればできます。もしできないと言われたら、勉強してきてと依頼するといいと思います。」と、ケアプランに呼吸ケアを組み込むための質疑応答もありました。
他に、それぞれのケアマネージャーさんが担当されている方を念頭においた質問も多数出ました。
Q.先生から酸素療法をすすめられている人がいるが、カッコ悪いから嫌だと断っている。激しい咳で意識を失うこともある。導入するとしたらどのくらいか?
A.酸素療法は、いろんな会社販売しているが、どこも同じである。身体障害者手帳1級を取得すると安くなる。酸素療法を使わないでいると、心不全など心臓が弱ってしまう。
Q.煙草を吸っている方に、酸素療法をすすめるのが難しいのですが……。
A.酸素療法で一番怖いのは火事である。酸素療法を利用していて、1年に1~2人ぐらい火事を起こす人がいる。禁煙外来もあるので、禁煙に取り組んでほしい。また、オール電化にすることも大事。
Q.酸素療法しながら運動するのか?
A.運動の時もつけたまま行います。
今回参加されたケアマネージャーのみなさんは、呼吸ケアの重要性、効果の大きさを強く実感されたようです。ケアプランの作成の際に呼吸ケアを考慮に入れていただき、西淀川区内から在宅の患者さんに対しての呼吸ケアが広がっていくことを期待しています。
(記:谷内)
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これまでの医療従事者向け呼吸ケアリハビリ講習会の様子はコチラをご覧ください
→これまでの取組 医療従事者向け呼吸ケアリハビリ講習会
→ブログ カテゴリー「環境保健」https://aozora.or.jp/archives/category/kankyohoken
協力:西淀川区役所
本事業は独立行政法人環境再生保全機構「地域におけるCOPD対策推進のための人材育成・情報発信事業(NPO法人等との協働事業)」の一環です。