エコミューズ館長日記No.17
今日は朝から賑やかに意見を交わした日であった。午前中はエコミューズの定例会議、引き続いて資料の勉強会があった。
定例会議では、今作っている資料集の出版費に対する寄付について様々な意見が出た。印刷部数・値段等、それから寄付の意味といったところである。改めて、方向性を決めようということになった。近々お願いの文章が出てくることになると思いますが、その時はよろしくお願いします。
続いて、資料の勉強会が行われた。いつも元気なミナコさんが「関連共同性」に関して、資料からわかることを、資料を4点あげて論じてくれた。①は1975年6月発行の大阪弁護士会公害対策委員会編の「大気汚染-大阪西淀川における実態調査報告第一号」、②は1978年4月の「訴状」、③は1979年8月の弁護団資料「関連共同性について―西淀川公害訴訟に於ける主張を素材にして」、④は1986年8月弁護団資料の「関連共同性班 合宿資料」であった。
そもそも関連共同性論というのは、西淀川公害訴訟の根幹に据えられた議論と位置付けられてきたものであるが、この4つの資料の中身を丹念に読んだ結果、これは大変大きな困惑を弁護団の間で生み出していたものであることが改めて明るみに出されたように思った。長い年月に渡って悪戦苦闘してきた共同関連性論に関する記録を並べてみたときに、その実情が眼前に浮かんでくるようであった。わずかな日数でそのことを語ってくれたミナコさんのまとめに関心した次第。
午後はこれまでの作業の進捗状況について確認を行った。1は作業資料について、資料の表題と資料名を小分けしながら整理をした。1章から4章まで終わらせた。またその時、資料の配置すべき場所について訂正すべきものを訂正した。所々で不思議な文章に遭遇して、原本との照合とを求められるものもあった。
さてこのようにして第4章までは本日をもってほぼ終了まで来たことが確認できた。残るところは第5章「裁判の展開」、第6章「判決と和解-公害地域の再生」である。そのうち第5章の翻刻すべき資料についても定めることができた。ようやく最終地点が近づいてきた感がする。もうひと踏ん張りだといつものように思う。
なお、資料の勉強会には龍谷大学の清水先生もお見えになった。清水先生には、今度の資料集には第5章で原告側となった患者さんとの暮らしぶりへの考え方が端的に示される資料も掲載されることになったことを語っておいた。公害反対闘争を支えた人たちの姿が少しでも見えてくればとの思いが強まった。
2025.2.17 小田康徳