2008年1月9日(水)
韓国・延世大学が中心となった「都市再生プロジェクト」の研究者4人と大阪市立大学とし研究プラザの金さんの5名が西淀川にいらっしゃいました。
このプロジェクトは韓国の国土交通省の研究プロジェクトだそうです。
<コース>
阪神電車西大阪線出来島駅集合⇒西淀川高校⇒国道43号線⇒出来島小学校⇒あおぞら苑⇒大野川緑陰道路⇒あおぞら財団
■ 西淀川高校
西淀川高校が取り組んでいるキャリア教育と環境教育、ESD(持続可能な開発のための教育)について説明がありました。
体を動かして理解する環境教育という西淀川高校ならではのプログラムを校長先生を中心に熱く語っていただきました。校内で栽培した菜の花から油をとり、ディーゼル燃料を作るBDFの機械も見学しました。
■ 出来島小学校

大気汚染測定局があります。
国道43号線沿いにあり、大気汚染物質である二酸化窒素の測定値がなかなか環境基準を下回りません。
韓国の研究者は「なぜ小学校を移転させないのか?」と不思議がっていました。
学校が地域コミュニティの中心であること、道路がコミュニティを分断して後に建設されたこと、通過交通が多い国道43号線の車を湾岸線に誘導することをあおぞら財団は提案していると説明しました。
■ あおぞら苑

公害病の患者さんが安心して老後を過ごすためにつくられたディサービス施設です。
韓国と福祉の制度が違うこともあり、みなさん興味津々でした。
■ 大野川緑陰道路
30年前に公害で汚染された川が埋め立てられて作られた自転車・歩行者専用道路です。
ここでも「なぜ川を復元しないのか?」という質問が出ました。
大野川緑陰道路を歩いていると阪神高速西宮線の高架下を通り、国道2号線、阪神高速空港線が見えてきたとき
「なぜ、西淀川にこんなに道路が多いのか!」と驚きの声が上がりました。
■ あおぞら財団

ビデオで汚染がひどかったことや、患者さんの言葉を見て、森脇理事長から裁判と地域再生についての話がありました。
裁判については、時間が短くてきちんとご説明することができず、悔いが残ります。
韓国の皆さんはとても意欲的で、活発に質問も出て、私たちが答えられないこともありました。
日本人と韓国人の違いを感じる部分です。
制度の違いも多く、日本人同士ならば説明しなくてもすむことに、説明が時間がかかるなど
国際交流ゆえの難しさもあります。
何度も質問の中で出た「なぜ移転しないのか?」という発想をいだくことが
韓国との違いでなのでしょう。
韓国と交流する中で、私たちも色々と気がつくことが多いです。

















次に、あおぞらビル内にある西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)に移動し、資料見学です。裁判に用いられた何冊もの大冊子、当時では貴重な上空から撮影した大気汚染の写真集など、数々の記録を目にしました。中でも、大気汚染の模様を写した写真は目を引きました。「うわ!青いはずの空が、灰色。これって天気予報では晴れやのに、毎日くもりで星なんて見えへんやん。大気汚染は目に見えるんか」こう思わずにはいれなかった写真でした。上空から写真を撮るぞ!絶対に汚れているはずだ!と覚悟を決めた方は、今どうしているのでしょうか。
最後は、交通まちづくりに関する取組みについての説明です。さきほどにも述べましたが、西淀川地域は高速道路が多く、大型のディーゼル車の量が多いのです。二酸化窒素やPM2.5の環境基準は安定した達成をなしとげていません。こうした中で、トラックの対策としてエコドライブを勧めています。もし仮に、全国のトラックがエコドライブを行うと、年間360万tもの二酸化炭素を削減できるそうです。それだけではなく、エコドライブをすることで、気持ちにも余裕が生まれ、事故防止にもつながるようです。私はまだ、車の免許すらありませんが、ゆっくりアクセルを踏んだり、ゆっくりブレーキをかけたり、低速交通を行うことは、座る側も安心して落ち着きます。自動車学校でも必ず教えて欲しいと思います。
次は、あおぞら財団の設立と活動紹介です。



