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ブログカテゴリー » フードマイレージ

「秋は“食”について考えてみよう!」


9月11日(木)
大阪経済大学
インターンシップ生 野田 健太

今日は、大阪よどがわ市民生活協同組合本部で開催された「”食”を考えるひろば」事前プレゼンというイベントに参加してきました。


「“食”を考えるひろば」事前プレゼンでは、よどがわ市民生協行政区単位のよりあいごとに食に関するイベントを開催するための内容を決めるための集いです。各団体の方が独自の楽しい取り組みを紹介してくれました。

それでは、この日、各団体の方が紹介してくれました“食”に関する様々な楽しい取り組みの一部を紹介します。

まず始めに紹介するのは大阪よどがわ市民生協「環境グループ」さんです。
Section1「大根一本を使ったエコ料理」


みなさんは、料理をする時に、食材の全ての部分を使うようなエコを心がけていますか?
大阪よどがわ市民生協「環境グループ」さんは、大根まるごと一本を使ったエコ料理の紹介をしてくれました。
大根まるごと一本を使うという事は、「大根の“葉”“皮”“先”」等の部分を余すところなく使った料理という事です。

次は、私がインターンシップでお世話になっている「あおぞら財団」による「食と交通と環境を学ぶ」ゲームを紹介します。
Section2「フードマイレージ」


まず、みなさんは、夕食の献立を考えて食材をスーパーに買い出しにいきますよね。
そこで買う時に、まずチェックするのは、第一に値段だと思います。値段の次に産地や食材の品質のチェックをしている思います。
ここでエコを気にかけるのであれば、まず第一に産地を気にとめてもらいたいです。
産地を気にとめてもらいたいというのは、環境問題について考えてもらいたいという意味で、どこの産地の食材は品質が悪いからダメとかではありません。

次に、フードマイレージの説明です。
フードマイレージ=食材が産地から消費者に届くまでの距離・重量を表します。

                   輸送×重量

このフードマイレージの値は、遠距離からたくさんの量が運ばれると、値が増大します。
つまり、フードマイレージ値が高いと輸送時にかかる運搬車の二酸化酸素排出量が増え、地球温暖化の原因になってくるという事です

本題の「フードマイレージ買い物ゲーム」の紹介です。

① 最初は、1970年代チームと現代チームにわかれます
② ①をふまえて、カードで買い物に行く交通手段・店を選択します。
③ 予算の範囲内で食材カードを選び買い物をします
④ 食べたつもりで、夕食のメニューを決定し、夕食のメニューの絵を描きます。
⑤ 最後に1970年代チームと現代チームのフードマイレージ値の測定。

「フードマイレージ買い物ゲーム」をする事によって、1970年代チームと現代チームではどのぐらいフードマイレージ値が違うか。なぜ両者にフードマイレージ値に差がつくのか?1970年代チームと現代チームのフードマイレージ値を比較する事により、二酸化炭素排出量の違いが分かるという事でみんなで楽しく環境問題について勉強してもらえます。

COOP(生活協同組合)さんによる、毎日の食生活の楽しい栄養バランス簡単チェック法!
Section3「栄養バランスチェックカード」


この「栄養バランスチェックカード」は、みなさんの「朝食・昼食・夕食」に使われた食材(食材カードの裏面)が、(体の血や肉をつくる)・(体を動かす力になる)・(体の調子をととのえる)に分けられています。
使用法
「昨日の朝・昼・夕食で食べたもの」の食材をチェックし、栄養バランスチェックカード(食品カード)を選んでもらいます。
食品カードの裏面をめくってもらうと、食材別と体の中での働きによって分けられており、食品カードの裏面の赤・黄・緑のバランスによって、自分自身が知らないうちにどのような食材を好んで食べているのかや、避けているのかを知る事ができます。
栄養バランスチェックカードの3色の比率が相対的になってバランス良く食事生活を送っているのかを簡単にチェックする事ができます。

この日の私の感想
まずはじめに、大勢の�
�婦の方が「食」に対しての意識の向上・環境問題について真剣に向き合っている事に驚きました。
私自身も、環境問題・日本の「食」の安全についての再確認、そして新たな発見も勉強できました。
「環境グループ」さんの大根一本丸ごと料理では、私は実家で大根を使った料理をする時などでは、大根の葉や皮の部分は、絶対に捨てていましたし、使った事など一度もありませんでした。
しかし、「環境グループ」さんに教えてもらった料理方法によって、自分の実家での大根を使った料理のレパートリーも増え、そして、大根一本丸ごと使う事で、ゴミの量を少しでも減らす事ができるので、これがエコであるという事を凄く勉強させられました。
たったひとつの食べ物でも粗末にしない。使い方などいくらでもあるという事を教わり勉強させられ、そして、大根丸ごと一本の料理はとても美味しそうだったので、私の実家の夕食で早速実践したいと思います。

そして、次に私がインターンシップでお世話になっている「あおぞら財団」の林さんによる「フードマイレージ買い物ゲーム」の講義の感想です。
私が後ろから見学していて気づいた事は、主婦の方達が真剣に集中して聞いているという事です。
そして、私は、林さんの講義を聴く前はフードマイレージの事は少ししか知らなくて、食事のメニューに使う食材のレパートリーも少なかったので、こんな私でもこのゲームができるのかなと思っていましたが、今日、林さんのフードマイレージの講義で、少しの食事のメニューしか知らない私でも簡単に取り組めて学習できるゲームであると分かりました。

今回紹介できなかったのですが、「生協食品と市販食品の食べ比べ」というコーナーがありました。
その中でも、私の目についたのが「生協ヨーグルト」でした。
私が小さかった頃から現在まで、おいしくこのヨーグルトを食べているのですが、この「食べ比べコーナー」であらためて市販のヨーグルトと比べてみると、全然違うという事に驚かされました。
何が違うのかというと、市販のヨーグルトは時間をおきますと、汁みたいなものがでてきて、ヨーグルトの形が崩れてしまうのですが、生協ヨーグルトは、汁が全然でてきませんし、ヨーグルトの形が崩れません。
このヨーグルトの「食べ比べコーナー」を見て、COOP(生活協同組合)さんは、私たち消費者に、体に健康でおいしい物を提供しようと試行錯誤して開発しているという事が分かりました。

また、COOP(生活協同組合)さんによる栄養バランスチェックカードの発想はおもしろいなと思いました。
自分が偏食をしているかどうかをひとめで分かる工夫は凄いと思います。
私も、昨日の夕御飯を思い出して、頑張って隠れて栄養バランスチェックをしてみると、赤のチェックカードが少なくて驚きました。私は、乳製品は好きなのですが、豆類を食べてない事が分かりました。
この栄養バランスチェックカードで自分の偏食が分かったので、これを機に豆類もたくさん食べようと思います。

最後に、各団体の方が一般の人でも真剣に“食”に対してのエコ意識をもってもらおうと、様々な楽しくて環境にやさしい取り組みを行っている事が分かりました。
エコの取り組みの方法は、自分だけでなく、他人にも教える。
一人一人のエコに対する意識を向上する事で、未来の環境は少しでも変わってくる。
将来、大人になるこども達の為に、住みやすく、地球に優しい環境を作っていく事が大切であるという事を今回のイベントで学びました。




Filed under: フードマイレージ — aozorafoundation 公開日 2008年9月12日12:23 PM

西淀川高校ECCとフードマイレージ買い物ゲーム


9月8日(月)
コンソーシアム京都 京都外大インターン生 3回生 佐多 一弘

 西淀川高校のECC(エココミュニケーションクラブ)のみなさんとフードマイレージ買物ゲームをしました。フードマイレージとは食べ物の生産地から消費されるまでの「距離×重さ」を表したもののことで、それを買い物の疑似体験を通して学ぶことができるのが、このフードマイレージ買物ゲームです。
 今回は大阪経済大学4回生の中原佳穂さんが講師をしてくれました。中原さんは食品関係の就職が決まっていて、フードマイレージ買物ゲームも勉強されている方です。今日は初の実践ということで、西淀川高校にやってきました。
 
1970年代のチームと現代の2チームに分かれ、カードを並べてゲーム開始です!!

グループごとに夕食の献立を考えます。それぞれ予算が決まっていて、1970年代チームは550円、現代チームは1400円です。予算の差に不満がでましたが、みんな話し合って、おいしいメニューを考えてくれました。
1970年代チームのメニューはとろろ、あじの塩焼き、あさりのみそ汁、きんぴらごぼう、芋スティック、そして柿のデザートまでついていました。
現代チームは食材豊かなお鍋です。スープは鶏ガラらしいですよ。

メニューの紹介が終わると、次は使った食材の産地にカードを日本地図に貼ります。茨城県どこー!?三重ってどこー!?などなど、都道府県の勉強にもなりますね!(笑)
そしてここからが本題です。選んだ食材カードの裏に入っている袋から、カードを取り出します。そこには「★」マークが書かれていて、1つにつきCO2が20グラムに相当」し、★の数だけその食材が運ばれるまでCO2を排出したことになります。
みんな意外な★の数にびっくりです!!今回は選ばれなかったのですが、1970年代の食材ではメキシコ産バナナの23個が最大で、現代の食材ではアメリカ産グレープフルーツの30個が最大でした。

結果はというと、1970年代チームは★18、現代チームは★55という結果になりました!!
勝敗としては1970年代チームの勝ちということになります!!じゃあなんで現代チームは負けたのかな?みんなで考えました。
そこで中原シェフからヒントです!

これは高速道路網を表した地図です。一目瞭然!現代の方が確実に増設されていますね。生徒さんからも「輸送手段が違うのか」という声があがりました。

大正解です。昔は貨物列車で運んでいたり、そもそも現代と比べて流通自体が少なかったりしていたのですが、現代は輸送のためにたくさんのトラックを走らせ、飛行機にも頼っています。これではCO2排出量に差が出るはずです。でも私たちは高いものか安いものかといったら、排出量のことなんか考えず、安い方を選んでしまいますよね。生徒さんも「家計の方が大事やもん」と言っていました。その通りですね。では私たちが環境のためにできる買い物ってあるんでしょうか??
それを考える前に、みんなで今日の感想を出し合いました。

みんないっぱい考えてくれて、素直な意見を聞くことができました。さすがECCのみなさんですね。
最後に林さんがお話ししてくれました。確かに1970年代の方が環境に負担をかけず、物価も安いので生活しやすいかもしれません。しかし私たちは過去に戻る事なんてできず現代を生きているし、これからも生活をしなければいけません。私たちに出来ることは小さいことしかないですが、自分は環境の事を考えて行動しているということが大切です。
買い物も自分一人が産地の近い方を選んでも何も変わらないかもしれないけれど、一人一人が行動していくことで、社会は変わるかもしれません。買い物も社会に対する一票と思って、日々の暮らしを見直してみましょう。といったお話をして下さいました。

生徒さんたちもこれから意識して買い物をするでしょうね。私も今日の晩ご飯からフードマイレージを考えてみようと思いました。





Filed under: フードマイレージ — aozorafoundation 公開日 2008年9月9日4:58 PM

フードマイレージ買い物ゲーム(いずみ市民生協)


*実施日     2008年7月14日
*実施場所   大阪いずみ市民生活協同組合(大阪府堺市)
*対象      生協組合員

  フードマイレージ買い物ゲームは食材の写真を用いて買い物を疑似体験し、食材が生産地から消費地に運ばれるまでに排出する二酸化炭素や二酸化窒素が環境にどのような影響を与えているかという事を、1970年代と現代の食生活を比較しながら実感し、学習するゲームです。 大阪いずみ市民生協で実施されたイベントにアシスタントとして参加させていただきました。
当日は7〜8名のグループが8テーブルもあり、1970年代と現代の春夏秋冬、すべてのグループができました。 参加者が60名も集まったという事は生協が地域にいかに密接に結びついているかという事や、組合員の食に対する関心の高さを示していると思います。 参加者は殆どが知らない人同志で、始まる前は会話もあまりありませんでしたが、林さんの「今日はこのグループが家族になってもらいます。1970年代は現代と比べて品数は少ないですが、鯨など現代にはないものもあるし、旬のものは旬に食べたりして、時代を楽しんでくださいね!」という一言で一気に和やかな雰囲気になり、自己紹介の間、各テーブルから笑いがおこり、とても楽しくゲームが始まりました。
  私自身は昨年JICAの研修で、このゲームを体験しましたが、その時は殆どの参加者が学校教員だったので
今回のゲームでは主婦ならではのアイデアを聞くことができ、とても興味深かったです。 特に献立の豊富さや栄養面での配慮には見習うべきところが多くありました。「卵が少し余ったのでかきたま汁を作りました。」「大根が多すぎたので柿とナマスにしてみました。」「さばは安くて栄養があり、大家族で分け合うにはちょうど良い食材です。」「唐揚げが脂っぽいので、さっぱりとたこの酢の物を添えました。」「青みが足りないのでホウレンソウを足しました。」「調味料で食材にバラエティを付けました。」など家族の健康を預かる主婦の、家族への深い愛情を感じました。また「こんなにいらないから葱の本数を減らして。」とか「鶏肉を半分だけ買いたい。」とかいう質問もあり、
家庭の経済を預かる主婦ならではと思いました。
  ゲーム前のアンケートでは、このゲームを経験したことがある人は2人だけでしたが、「フードマイレージだから
近所で買い物するほうがいいよ。」という発言が出たり、全グループが交通手段に自転車を選んだりしたところを見ると、フードマイレージが昨今メディアに取り上げられ、研究者や学校関係者だけではなく、一般の方にも浸透しているのを感じました。
  一般的に1970年代より現代、旬より季節外れの食材がCO2排出量を表す星印が多くなるが、グループ数が
多くなると、献立の立て方によって、1970代の方が星印が多くなる可能性もあるということも新発見でした。
当日の星印は10〜40個でしたが、小学生が食べたい物を優先させた献立では星の数が80個にもなると聞き
驚きました。 
もう一つ再確認したことはカードの威力です。 星の数を見て各テーブルから「すごい!」や「こわい!」という歓声が上がり、食材の写真、CO2の星印、道路網など視覚に訴える効果が絶大であると感じました。
  最後に林さんが「このゲームの目的は、豊かな生活をあきらめ、こうしたらダメ、ああしたらダメというのではなく、まず自分たちの食生活を考え直してみようということです。」と言うと、多くの人が深くうなずき、共感されていたのが印象的でした。 
  経済学者のランデスは「体重を増やさないことに多額の金を費やす国」「生きるために食べる国」「次の食事がどこで手に入るかもわからない国」という示唆に富む表現で、経済発展の勝者と敗者の存在を示しました。 フードマイレージ買い物ゲームは、経済発展の勝者である飽食の国日本で、人々がその食生活やライフスタイルが環境や健康に及ぼす影響を見直す事を、わかりやすく提示してくれる素晴らしいゲームだと感じました。 
(安田 万里)                                                      




Filed under: フードマイレージ — aozorafoundation 公開日 2008年8月25日11:38 AM

国際教育セミナー 


食と交通と環境を学ぶフードマイレージ買い物ゲーム
大阪経済大学 中原佳穂
2008年8月2日、JICA大阪でJICA国際教育セミナーが開催されました。あおぞら財団では、「買い物から環境と交通を考える」をテーマとし、買い物ゲームを通してフードマイレージについて参加者の皆さんに学んでいただきました。
午前中の参加者は20名で、ほとんどの方が学校の先生でした。セミナーはまず、買い物ゲームから始まりました。現代の春チーム・夏チーム、1970年の春チーム・夏チーム、各5名ずつに分かれてゲームを行っていただきました。
メニューを決める際、皆さん普段通り自分の食べたいものから自由に楽しんで、メニューを決めていました。しかし、全てのチームに家庭科の先生がいらっしゃったことから、各チームのメニューは彩りや栄養価が計算されていたり、旬の素材にこだわるなど、とても素晴らしいものとなりました。中には、出来上がったメニューを模造紙に書く際、下書きをして料理の配置にまでこだわるといったチームもありました。
メニューを決め、各チームの発表が終わった後は、コック姿に扮したあおぞら財団林さんよりフードマイレージについての講義です。フードマイレージとは、食料が生産地から消費者に届くまでの、「食材の量×生産地から消費地までの距離」のことです。セミナーでは、分かりやすくするためにフードマイレージにCO2排出係数をかけることで食材が消費されるまでのCO2の量を☆の数で表しています。
各チーム、自分たちの使った食材の☆の数を確認して、驚きの声をあげていました。また、買い物手段として車を使用した現代夏チームは☆の数が合計142個となりダントツのトップとなりました。1970年春チームの10個が一番少なく現代夏チームはその10倍以上となってしまいました。この要因として挙げられるのは、食生活の変化により輸入量が増えたことと、国内での食材の輸送手段が鉄道から車へと変化したことです。
今回のセミナーを通して皆さんにはフードマイレージについて学んでいただきました。セミナーの最後にはまとめとして、フードマイレージを減らすためにはどうすればいいのか、参加者の方に政策を考えていただきました。農業政策に力を入れると考えた人、車のCO2排出量を減らすと考えた人、様々な意見が飛び交いました。何が正解というわけではありません。買い物ゲームを通してフードマイレージについて皆さんに考えるきっかけを作ることがあおぞら財団のねらいです。
今回、私の目的は自分でフードマイレージについて講義できるようになることです。そのためにボランティアとして参加させていただきました。林さんのフードマイレージについての講義を参加者の皆さんと一緒に受け、フードマイレージの基礎知識、日本の食の時代背景から環境への影響を学びました。また、座学だけでなく買い物ゲームを通し学ぶことで、参加者の皆さんは楽しく、フードマイレージ・環境問題について考えるきっかけが作れるんだと思いました。




Filed under: フードマイレージ — aozorafoundation 公開日 2008年8月11日4:45 PM

フードマイレージ買い物ゲーム授業実践報告 小学校編


*実施日   2008年2月21日
*実践小学校 大阪府池田市立神田小学校
*対象    6年生 2クラス (児童数計約80名)
*所要時間  1クラスにつき90分(45分×2) 
*講師    あおぞら財団 林 美帆

「買い物から環境を考えよう!」
【授業の流れと子どもの様子】
☆夕食の買い物をしよう!

机に並べられた食材カードには見慣れた野菜、魚、果物など子ども達の好きなものがずらり。講師から「班ごとにひとつの家族になってもらいます!」と言われ、子ども達の中から「エー!!」という戸惑いと喜びの声。みんな、これから何が始まるか興味津々。

①8つの班(現代・春/夏/秋/冬、1970年・春/夏/秋/冬/)に分かれ、各班で食材カードを使って予算内(現代=1400円、1970年=550円)で夕食のメニューを考える。買い物の行き先(近所の店、郊外のスーパー)と交通手段(自転車、バス、自家用車)も選ぶ。
 
 ゲームの説明をしっかり聞いて、買い物ゲーム開始。子ども達は、たくさんあるカードの中から食材を選び、話し合いながらメニューを決めていました。さすが6年生、メニューを決めるのに、それぞれ考えを出し合い相談が続きます。

②考えたメニューを色ペンで画用紙に描く。買った食材やその値段をワークシートに記入する。

子ども達の考えたメニューは実に多様で個性的。そして、考えたメニューを絵に描くのがとても楽しそう。絵が得意な子どもを中心にどの班もしっかり取り組んでいました。(この作業に結構時間がかかりました・・・)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・休憩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

③各班で夕食のメニューやこだわった所を発表する。

 6年生は恥ずかしがり屋さんが多かったのでしょうか。発表は、もう少し大きな声で元気よくして欲しかった。でもメニューの“こだわり”では、「食器にこだわりました!」・「低カロリー」・「栄養を考えて」・「スタミナ!」・「安く」など子ども達のユニークな発想に感心。

☆環境の話を聞こう!

④フードマイレージとは、ある食材がどれくらいの量、どのくらい遠くから運ばれてくるかを示している。従って、食材が産地から消費地までトラックで運ばれて来る過程で、排気ガスや二酸化炭素を排出することから、フードマイレージが大きければ、二酸化炭素もたくさん出ることを理解する。

楽しいゲームで少し緊張が解けた子ども達。でも、今日の学習はここからが大切。「環境の話しをします。」の声がけで、子ども達は頭を切り換え、グラフなどを表示したパワーポイント画面を見ながら、講師の手際よい説明に真剣に耳を傾けていました。
6年生には少し難しい言葉や概念が出てきましたが、ゲームを通して体験したことをベースにした説明だったので、おおかた理解できていました。

⑤各班で、夕食に使った食材カードに書かれている産地を、地図上で探して貼り、フードマイレージを二酸化炭素に換算して表した★印(★印一つはCO2 20g)の数を計算してワークシートに記入する。

 「みんなが考えたメニューに使った食材を運んでくるのに出た二酸化炭素はどれくらいかな?★印を数えてみよう。」子ども達はカードの裏に書かれた★を数えて、喜んだり驚いたり。

⑥高速道路地図を重ねて、「交通」と「食材の流通」との関係を知る。
 

1970年代・現代の高速道路地図を重ねてみると、道路の発達と食材の輸送の関係が視覚的に分かるので、子どもたちも「なるほどー!」と納得顔。

⑦買い物に行く時に選ぶ交通手段によって、二酸化炭素の排出量が違うことに気づく。

 人が車で移動するときにも二酸化炭素をたくさん出すということを学びました。ジャガイモ一個より人間一人を運ぶ方が★印がずっと多いのですから。でも“郊外のショッピングセンターに自転車や徒歩で行く”という班もあり、子ども達の体力に感心!

⑧西淀川の1970年代の様子を見て、大気汚染について学び、買い物するときは安心・安全を求めるだけでなく、環境のことも考えることが大切だということを理解する。

 「みんなにはまだ選挙権はないけれど、買い物をするということは投票行為と同じである。」という講師の説明に、子ども達は、買い物をするということは、自分たちの環境と密接に関わっていて、自分たちが主体的に関わらなければならない大切な行動なんだということを感じたのではないでしょうか。

【子ども達にとってのフードマイレージ買い物ゲーム】

今回の授業を観察していて、子ども達が夕食作りというシミュレーショ
ンゲームに、生き生きと取り組んでいたのが印象的だった。この段階では、子ども達はフードマイレージのことや二酸化炭素のことなど何も考えることなく、食べたい食材を予算内で出来るだけ集めてメニューを考える。しかし、この楽しいゲームは、実は次の環境について学ぶ時間の重要な土台となっている。たいていの子どもは食べる事に興味があり、食べることや買い物は楽しいことなので、あとで突きつけられる深刻な問題との心理的なギャップは大きいと思われる。けれど、そのギャップを見事に埋めることが出来る柔軟性が、子どもにはあるのではないか。確かに、このゲームを通して得られる子どもの学びは、すぐに行動としてあらわれるたぐいのものではないかもしれないが、このギャップが大きいからこそ子どもの心に何らかの「引っかかり」を残し、その後の様々な学習や経験を通して、子ども自身が学びを形作っていくであろうと思った。

                                    宮本由貴




Filed under: フードマイレージ — aozorafoundation 公開日 2008年3月31日9:30 AM
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