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ブログカテゴリー » 環境学習

【公開】西淀川公害オーラルヒストリー|行政職員・平子一彦さんインタビュー

西淀川の公害問題に深く関わってきた人々の声を記録する「西淀川公害オーラルヒストリー」。
今回は、行政職員として長年、公害補償業務に携わってこられた平子一彦さんのインタビューを公開しました。


「公害補償に携わった者として、西淀川に行きたかったんや」

平子 一彦(行政職員)

1956年(昭和31年)、布施市(現在の東大阪市)に生まれる。
高校卒業後、公害健康被害補償法が施行された翌年の1975年(昭和50年)に大阪市へ入庁。
1975年から約5年間、そして2012年(平成24年)からは約7年間、公害補償業務に携わる。
2019年に定年退職後も、西淀川区で会計年度任用職員として採用され、現在もなお、公害補償の仕事を続けている。

平子さんのオーラルヒストリー、ぜひご覧ください

行政の立場から公害と向き合ってきた平子さんが、なぜ西淀川にこだわったのか。
補償業務の実際や、当時の思いなど、貴重な記録が詰まっています。

ダウンロードはこちら(storesのサイトからダウンロードできます)
https://aozorazaidan.stores.jp/items/68351814902533bbe2c51bb2

他の方のオーラルヒストリーも公開中!

公害被害者、弁護士、医師、研究者など、様々な立場から西淀川公害を語っていただいています。
ぜひ、他の方の声もあわせてお読みください。

▶ 西淀川オーラルヒストリー一覧はこちら

https://aozora.or.jp/kougai_lecture/tool/oral_history/

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習 — aozorafoundation 公開日 2025年6月4日6:54 PM

西淀川公害オーラルヒストリーに森本英香さんのインタビューを追加

環境行政の第一線で長年活躍され、環境事務次官を務めた森本英香さんの貴重なインタビュー記録を「西淀川公害オーラルヒストリー」として公開しました。

1981年の環境庁入庁から、公害健康被害補償法の改正、PM2.5や地球環境問題への対応、そして西淀川公害訴訟をどう捉えていたのか。
公害被害者との向き合い方、行政と市民との関係の変化など、率直な言葉で語られています。
ぜひご一読ください。

西淀川公害オーラルヒストリー
https://aozora.or.jp/kougai_lecture/tool/oral_history/
ダウンロードはこちら(storesのサイトからダウンロードできます)
https://aozorazaidan.stores.jp/items/681b15fa62289b1965515938

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習 — aozorafoundation 公開日 2025年5月19日4:09 PM

京都産業大学法学部・焦ゼミ研修受け入れ(5/11)

5月11日(日)、京都産業大学法学部の焦先生とゼミ生のみなさん32人と西淀川の公害と地域再生を学ぶ研修を実施しました。当日の様子についてお伝えします。

今回の研修では、フィールドワーク、所蔵資料を用いたフォトランゲージのワークショップと講義を行い、公害患者の山下明さん・晴美さんからもお話をうかがいました。また、併設する西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)の見学も実施しました。

研修後、参加者の皆さんからは西淀川のところどころに施された環境対策を実感する声や、公害・環境問題を自分事として捉えたいという声が寄せられ、西淀川の過去と現在を考えることができました。

フィールドワーク

午前9時に阪神「出来島」駅に、焦従勉先生と学生の皆さんが集合し、講師・案内役の谷内から西淀川区と公害の概要を説明したうえで、フィールドワークを開始しました。

今回のコースは、出来島駅から国道43号、出来島小学校、あおぞら苑、千北診療所、大阪マスジド、大野川緑陰道路、あおぞら財団のルート。国道43号沿いをはじめとして、西淀川にはさまざまな環境対策が施されています。

大気中のPM2.5を測定する装置や遮音壁のほか、緑化帯もその一つ。西淀川ではかつて一晩で朝顔が枯れてしまうほど激烈な大気汚染に見舞われましたが、現在は緑が多くなっていることを学生さんが見つけてくれました。

国道43号沿いを歩く(車線数の減少や緑化、たくさんの対策が施されています)

あおぞら苑では公害患者さんのデイケアを行っています。その脇には、「公害と闘い環境再生への夢を」と彫られた石碑が。大気汚染裁判の原告団長だった森脇君雄さんの「にぎわいと穏やかなくらし、自然豊かな風景をとりもどすためのたたかいは続く」という言葉が地域再生とは何かを問いかけます。

あおぞら苑に建つ石碑

一方、大阪マスジドはイスラム教のお祈りをする場所。そして、大野川緑陰道路沿いには新しいマンションが立ち並びます(もとはどのように利用されていた場所なのでしょうか)。フィールドワークを通して「公害から再生をしていく西淀川」と交差する、「多様で変わりゆく西淀川」のイマを考えました。

マスジドの裏でマンション建設が進む

フォトランゲージ

あおぞら財団に到着後は、フォトランゲージを行いました。公害を記録した写真に自分たちならどんなタイトルをつけるのか。6つの班に分かれて考えていただきました。

たとえば、病院の前に並ぶ人々を映した白黒の写真に対して、班の皆さんがつけたタイトルは「夕暮れの病院」。診療時間内では収まりきらないほど公害被害が広がっていたのではないか。けれどその写真は、朝方の病院前を映したものでした。喘息の発作は夜や明け方に多く、診療時間の前から多くの人が列をつくっていたのです。

感じたことを言葉にして、公害について想像したことをお互いに交換し合い、そして想像をこえる実際の様子を学ぶことができました。

写真を手に、フォトランゲージを行う皆さん

西淀川公害についての講義

講義では、西淀川の公害の歴史を説明しつつ、公害裁判を通じて生まれたパートナーシップや、公害から地域を再生する取り組みを紹介しました。

フィールドワークで訪れた大野川緑陰道路は自動車専用道路への反対運動の成果として作られました。あおぞら財団も和解金を一部に設置され、いまも「公害地域再生」のための取り組みを行っています。参加者の皆さんにとっては、午前中のフィールドワークを振り返る時間になったようです。

公害患者さんのお話

研修の最後に、公害患者の山下明さん・晴美さんご夫妻から、ご自身の体験をお話いただきました。

明さんは、大気汚染によってぜん息を発症し、日々発作に苦しみながら働き続けたこと、発作による心肺停止のあとご家族に感じた「申し訳なさ」について、いまも続く公害の影響についてお話をくださいました。

晴美さんは、大阪・西淀川に来て気付いた大気汚染のこと、発作に苦しめられながら仕事に向う明さんを送り出す「辛さ」について、今年になりぜん息を発症して気づいたことをお話しくださいました。

また、同席された西淀川公害患者と家族の会の事務局長・上田敏幸さんから、公害健康被害補償法の仕組みと、追加の被害者認定がされない法律の不作為について、ご説明をいただきました。

患者さんのお話(左から山下晴美さん、山下明さん、上田敏幸さん)

参加者の皆さんからは、

「自分が想像していたよりもつらくて悲しい歴史」で「自分も苦しくなった」

「『何かしんどいことがあればできるかぎり力になりたい』という皆さんたちの言葉は、とてもすてきな言葉だと思った」

「私は体験したことがないため、気持ちを理解することはできないものの、ぜんそくは本当に苦しい。次の世代が同じ思いをしないようにと、取り組みをしてくださる患者の方々に感謝したいです」

をはじめ、沢山の感想をいただきました。

エコミューズの見学

研修後、エコミューズの展示室を谷内が、収蔵庫を学生スタッフの王と関谷がご案内しました。

資料館では現在、西淀川公害を考えるための資料集の作成に取組んでいます。そのための続けている資料の整理作業について説明し、西淀川の資料が西淀川にあることの大切さについてお伝えしました。

エコミューズ収蔵庫の見学

 

・・・・・・

今回、研修に付き添いで参加させていただいて、たくさんの発見がありました。

堤防に向って上がっていく土地のこと、街なかや緑陰道路の脇にのこる大きな工場だった場所の規模感、たくさんの人が暮らしてきて・らしている街のこと、そのすぐ隣り合わせのところに公害の影響と被害があったということ。すべて現地を歩いてみないとわかりません。

そして晴美さんの「お父さん、(発作でしんどい状態で)仕事に行くと死んでしまうから行かんといて」という言葉、明さんの「子どもや孫たちが被害を受けないように、できることをしていきたい」という言葉が、とてもとても心に残りました。

感想としていただいた京産大の皆さんが言っていたこと、「現在の問題に向き合っていきたい」「次の世代に伝えていきたい」という言葉に強く共感しています。

鉄鋼、ガラス、電気やガス、公害訴訟の被告となった企業は、私たちの生活に欠かせないモノを作っている会社です。私たちの暮らしは加害とその歴史のうえに成り立っているといえます。公害は昔のこと、終わったことと背を向けるのではなく、自分のこととして考えて社会づくりに参加していきたいです。

(エコミューズ アルバイト 関谷洸太)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2025年5月16日3:02 PM

4/25(金) 中国環境NGO緑色江南一行研修受け入れ

あおぞら財団は、国際交流活動を通じて、公害や環境問題の経験を海外に発信することを努めています。

2025年4月25日に、中国環境NGO「蘇州工業園区緑色江南公衆環境センター」、「中国国際民間組織合作促進会」、「蕪湖青野社区発展促進センター」、「青島市黄島区清源環境保全公益センター」4団体御一同7人の研修を受け入れました。

中国訪問団は、訪問と現場交流を通じて、日本の環境問題・公害歴史や対策を知るうえで、日本の地域社会組織の経験と実践を学び、将来的な協力や国際交流の可能性を促進し、より多くの機関が中日国際交流に参加し、中日民間友好を共に築くことを目指しています。

朝10時に、あおぞらビル3階のグリーンルームに中国訪問団が到着しました。あおぞら財団事務局長・藤江が西淀川公害やあおぞら財団の立ち上がり歴史を紹介し、中国訪問団も各自の団体概要と業務内容を紹介していただきました。

あおぞら財団事務局長藤江が研修スケジュールを紹介

中国国際民間組織合作促進会の団体紹介

蕪湖青野社区発展促進センターの団体紹介

蘇州工業園区緑色江南公衆環境センターの団体紹介

青島市黄島区清源環境保全公益センターの団体紹介

今回の4団体は、地域に根差した活動をメインとして展開している団体です。同じ地域再生の為に色々な事業を展開しているあおぞら財団に興味津々でおり、意見交換は盛り上がりました。

昼休憩後、6階の資料倉庫と5階にある公害資料館エコミューズを見学しました。

煙を大量排出する工場群の写真や被害者である生徒の生徒手帳などを通して、直に公害を体験していない中国の若者でも、当時、西淀川の公害の深刻さを想像できるようになりました。

あおぞら財団学生スタッフ大島・関谷が6階資料倉庫を紹介

5階の公害資料館で保存される資料の紹介

インクで紙に刻まれる歴史は勿論重要ですが、公害被害者からの生の声により、人の心がさらに打たれます。

資料館見学後、語り部として活躍している公害患者須恵さんは自分の公害被害を皆さんに紹介しました。西淀川公害患者と家族の会の事務局長上田さんは、団体の活動と公害患者認定に関する経緯を紹介しました。

公害患者の補償法について議論されている

今回の4団体は、若者中心で活躍している団体であり、見学者の中で5人が30代、1人が20代という若い世代です。中国に居たら普通にのんびり老後生活を過ごせる年齢である須恵さんと上田さんは、公害患者のために一生懸命に活動していることに、中国の若者は感心していますと感想を述べていました。

環境NGOですので、日中もそれぞれ活動しにくい苦境に面する時はあります。しかし、このような国際交流を通じて、お互いに知恵やノウハウをシェアし合い、刺激を受けることは、とても大事であると思われます。

集合写真です

 

(あおぞら財団アルバイト 王子常)

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,環境学習 — aozorafoundation 公開日 2025年5月13日3:27 PM

めったに見られない鳥も! 春の矢倉海岸・緑陰道路探鳥会を開催(5/10 )

曇り空のもと、探鳥会にはリーダー・スタッフを含めて32名が参加し、和やかに実施することができました。
この日は、ホウロクシギやトウネン、ササゴイなど39種類もの野鳥を観察。めったに見られない鳥たちに出会えたことに、参加者の皆さんも大喜びでした。
西淀川区の広報紙を見て、10年以上ぶりに参加してくださった方も。継続する大切さを感じました。
また、「初めて野鳥をじっくり観察できて感激しました」「野鳥の会のリーダーの解説がとてもわかりやすくて楽しかった」といった嬉しい感想もいただきました。
野鳥の詳細な写真は、日本野鳥の会大阪支部の報告をご覧ください。

緑陰道路から出発!

水たまりの水をのむキジバトとドバト

水たまりの水をのむキジバトとドバト

淀川のスズガモとカワウ

チュウシャクシギ シギはくちばしで餌を探します

淀川の鉄塔のミサゴの巣 右上にミサゴ

電柱の上にたたずむイソヒヨドリ 街中で増えています

ササゴイ ゴイサギに似ていますが翼に笹のような模様があります。ゴイサギより珍しい

干潟で野鳥の観察 シギが多数みれました

キアシシギ

潮だまりにいたアオサギ

緑陰道路は花盛り エゴノキの花

枝葉が車輪のように輪状に並び、花が梅に似ているシャリンバイ

 

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

観察種数 39種
ホシハジロ、スズガモ、キジバト、カイツブリ、カンムリカイツブリ、チュウシャクシギ、ホウロクシギ、キョウジョシギ、トウネン、ハマシギ、イソシギ、キアシシギ、コアジサシ、カワウ、ゴイサギ、ササゴイ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、ミサゴ、カワセミ、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヒヨドリ、ツバメ、オオヨシギリ、メジロ、ムクドリ、イソヒヨドリ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ、ドバト

カルガモ・ケリ・コチドリ・メダイチドリ・トビ(解散後、残って観察を続けた方々が確認)

(記:谷内)


次回 2025年9月20日(土)予定
■集合時間9:30 阪神なんば線福駅
■解散12:30 矢倉緑地公園
■参加方法 当日、集合場所へお集まり下さい。
■参加費(保険代) 200円
■持物・格好 水筒、双眼鏡(あれば)、筆記用具

夏の終わりのまだ暑い時期ですが、シギ・チドリなど干潟・湿地などに生息する渡り鳥を観察できます。
子どもさんの参加もお待ちしています。

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■主催(問合先)
公益財団法人 公害地域再生センター(あおぞら財団)
〒555-0013 大阪市西淀川区千舟1丁目1番1号あおぞらビル4階
(Tel) 06-6475-8885 (Fax) 06-6478-5885
https://aozora.or.jp/

■共催
日本野鳥の会 大阪支部
〒543-0011 大阪府大阪市天王寺区清水谷町6-16
https://wbsjosaka.com/
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西淀川区役所共創事業

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,矢倉海岸探鳥会 — aozorafoundation 公開日 2025年5月10日6:19 PM
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