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ブログカテゴリー » 環境学習

大阪公立大学医学部生の研修を受入れました(9/11)

本日(9/11)は、あおぞら財団の誕生日です。
28年前の1996年9月11日に環境庁(当時)から財団法人としての設立許可を受けました。
その記念日に大阪公立大学の医学部6年生の4名が、公衆衛生の研修の一環で、あおぞら財団をおとずれました。

1960年代後半、街を覆いつくす煙の写真。
煙突と住宅が密接している写真。
林立する煙突の写真。

そういった写真を見た後に、実際に、大気汚染によって健康被害を受けた患者さんのお話を聞きました。
仕事を得るために、大分から大阪に出てきた山下 明さん(西淀川公害患者と家族の会 会長)。
真っ黒い空を見ての驚き。そこで、ご自身も気管支の病気になってしまったこと。どんなにしんどくても、無理して、仕事に行った様子。救急車で運ばれた様子などを話していただきました。
振り返れば、公害病と認定されたのが、もう50年前のこと。

来年からはお医者さんとして、社会へ羽ばたいていく医学生さんたちは、真剣なまなざしで山下さんのお話を聞いていました。

西淀川公害患者と家族の会事務局長の上田敏幸さんにもサポートで入っていただき、患者会の活動について話をしてもらい、資料館の見学をおこないました。

参加した学生さんたちの感想の一部を紹介します。

————————-
・公害の裁判をするにあたっての難しさを改めて知ることができました。
・実際に公害の被害を受けた患者さんの生の声を聞く貴重な機会を与えていただきありがとうございました。
・この経験を活かして、医師となっても、患者さんの心に寄り添う姿勢を大切にしていきたいと思います。
・実際に公害を経験された方の生の声をきいて、当時の状況が鮮明にイメージすることができました。将来医師としてはたらく際にも、今日学んだことを心に留め、患者さんの心に寄り添って最善の医療を届けたいです。
・(写真を見て)実際の現場がよく分かった。空が本当に暗かった。

————————-

山下明さんのお話は環境省のYouTubeチャンネルでも視聴できます。
https://youtu.be/VPPNXZ4sKIw?si=npWGb1hk_JXpAtO-

 

記・あおぞら財団スタッフ 鎗山

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2024年9月12日3:21 PM

【インターン】地震学会のフィールドワークに行ってきました!(8/22)

8月22日(木)、地震学会の方々約26名と矢倉緑地でフィールドワークをしてきました。様々な地域の先生や教授たちと見て回りました。

矢倉緑地が震災遺構として認定されました!

矢倉緑地は、大阪府大阪市西淀川区西島の矢倉海岸にある公園で、淀川と神崎川河口にはさまれています。昭和9年(1934年)の第1室戸台風で水没した田畑を埋め立てた土地で、平成9年(1997年)から造成を行い、平成12年(2000年)にオープンした都市公園(面積は24,000㎡)です。

あずまやで矢倉緑地の紹介をしています

阪神淡路大震災(1995年)で、矢倉緑地・神崎川側の防潮堤の地盤沈下が起こった結果、護岸が水につかり、土砂が堆積して自然に干潟ができたそうです。

矢倉干潟には多くの生き物が集まっており、カニやフナムシ、トリ、ボラなどのサカナ、ネコなどが見られました。

阪神淡路大震災で被害を受けた施設の多くは修復され、現在は、その痕跡を留めていませんが、同場所は被害を受けた時の様子をそのまま残している貴重な「震災遺構」だと仰っていただきました(スゴイ!)

右側に干潟が見えます

 

矢倉緑地に至る淀川沿いや神崎川河口には多くの鳥が訪れる様子を観察することができ、住民の憩いの場となっています。

9月1日には探鳥会があり、磯の生物を見れるのが楽しみです。

【参加募集】矢倉海岸・緑陰道路 探鳥会(9/1)

(あおぞら財団インターン 加嶋)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習 — aozorafoundation 公開日 2024年8月26日8:30 PM

8/1(木) 中国の青少年による「善芸プロジェクト」研修受け入れ

あおぞら財団は、国際交流活動を通じて、公害や環境問題の経験を海外に発信することを努めています。

8/1に「Art for Good 善芸プロジェクト」(中国語:善艺计划)の研修を受け入れました。善芸プロジェクトは中国と日本の青少年が、それぞれの国の環境問題を学び、交流を通じて、視野を広げることを目的としており、あおぞら財団と長く付き合いのある環友科学術研究センターのセンター長・李力さんが、今回の活動の呼びかけ人の一人として同行しました。中国側からは浙江省の中学生9人、大人のスタッフ5人が来日し、日本側は、中学生3人、小学生6人が参加しました。

朝9:45、あおぞらビル3階のグリーンルームに善芸プロジェクトのメンバーたちが到着しました。アイスブレイクとして、日中の子が一対一のペアを組んで、善芸プロジェクトの子たちが着ているユニフォームに、日本の子が日本語のあいさつを書きました。

そして、李力さんからの挨拶のあと、あおぞら財団事務局長・藤江が西淀川公害のことについて解説をおこない、当時のようすがわかるビデオを視聴しました。

次に、西淀川公害患者と家族の会からは、須恵佐輿子さん、池永末子さん、事務局長の上田敏幸さんが参加しました。

須恵さんは自分の公害被害、公害病を患った生活の苦しさを子どもたちに伝えました。

お昼ご飯の時間が近づき、二人一組になって、タンデム自転車でくじらカフェに移動しました。子どもたちにとって、初のタンデム自転車の体験でした。

くじらカフェの各部屋で、みんなが楽しくお昼の時間を過ごしました。

美味しいカレーを食べた後、再びタンデム自転車に乗って、大野川緑陰道路を走り、淀川河川敷までサイクリングをしました。この日も暑い日でしたが、みんなで力を合わせて、がんばりました。

 

あおぞらビルに戻り、新たなミッションが出てきました。子どもたちがジャーナリストになり、お互いにインタビューする、というものです。インタビューを通して、お互いの理解を深めました。

あっという間に終了の時間となりました。最後は、本プログラムの認定証の授与が全員に対しておこなわれました。認定証には「あなたは善芸計画青少年中日環境外交プロジェクトに参加しました。このプロジェクトで学んだ外交理念と社会的責任感を、今後の学びと生活に活かし、愛と光を広める使者になってください。あなたは世界で最も希望に満ちた若者です!」と記されていました。日中の子どもたちは環境保全・公害問題というテーマを通して、お互いの国の文化や習慣などを学び、有意義な時間を過ごしました。

(あおぞら財団アルバイト王子常)

 


あおぞら財団では、フィールドワークや公害患者さんの語り部などを取り入れたオーダーメイドの授業、研修を行っています。SDGs達成に向け、パートナーシップで問題解決に取り組んだ大気汚染公害の経験を、現地で学んでみませんか?
あおぞら財団の授業、研修に興味のある方はこちら↓をご覧ください。
研修・教育(「あおぞら財団の研修・教育」のページに移動します)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,環境学習 — aozorafoundation 公開日 2024年8月15日11:24 AM

【インターン】フードマイレージお買い物ゲームをしてきました!(8/8)

8月8日(木)、特定非営利活動法人イー・ビーイングさんと大阪市住吉区にある風の子学童クラブで、フードマイレージお買い物ゲームをしてきました。約17名とフードマイレージについて楽しく学びました。

フードマイレージとは、食べ物の生産地から消費される食卓までの輸送に要した「距離×重さ」を表しています。生産地と食卓の距離が遠くなるほど輸送時に二酸化炭素(CO2)や二酸化窒素(NO2)などの温暖化ガスや大気汚染物質がたくさん排出され、環境に悪影響を及ぼします。

フードマイレージ買い物ゲームで、食材の輸送によるフードマイレージと、日常生活で使う自動車の環境負荷について理解しました。

フードマイレージとは何かを解説しています

グループで晩御飯の献立を決め、予算内で食材を選び、買いに行く場所や移動手段を考えました。ハンバーグやカレーライス、焼き魚などいろいろな献立が並び、好きな食材や金額、美味しそうな食材をみんなで意見を合わせて選びました。

グループごとに献立を考えています

値段を一番に考えて食材を選ぶと輸送距離が長くなるものが多く、フードマイレージが大きくなることがわかり、児童たちも徒歩や自転車で行くことや産地の近い食材を選ぶことで輸送などで排出される二酸化炭素を減らせることが理解できました。環境について新しい言葉を知れて嬉しかった子や、おつかいに行きたくなった子もいました。環境やフードマイレージについて考えてお買い物をしてくれる方が増えてくれると嬉しいです。

 

(あおぞら財団インターン 加嶋)


あおぞら財団 フードマイレージ買い物ゲームについてはこちら。
教材の貸し出しをしています。お気軽にお問い合わせください。
https://www.aozora.or.jp/foodmileage/index.html

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習 — aozorafoundation 公開日 2024年8月9日2:22 PM

2024年6月の二酸化窒素の自主測定結果の報告

2024年度の西淀川区内の二酸化窒素の自主測定結果の報告です。

あおぞら財団では、年に2回、西淀川区内で二酸化窒素(NO2)の自主測定をしています。この自主測定は、大阪から公害をなくす会が主体として大阪府下で行っている調査に協力する形で行っています。

西淀川区はかつて公害の街と呼ばれ、長期間にわたって大気汚染物質濃度が高く、甚大な健康被害をもたらしました。累計7,000人を超える方が公害病として認定されています。西淀区内には環境省や国交省が測定している測定局がありますが、そういった場所以外の大気汚染がどうなっているのかを把握するために、独自で測定を続けています。

西淀川区では、道路沿道環境の大気汚染を改善するために、道路管理者と公害患者が共に話し合う場として西淀川道路連絡会を開催しています。この連絡会は、公害裁判において、原告(公害患者)・国・旧公団(現・高速道路会社)との間で交わされた和解条項に基づいて設置されたものです。今までにPM2.5の測定の早期開始、国道43号沿道の環境対策、環境ロードプライシング等の様々な対策を行っています。NO2の自主測定はこれらの対策の成果の評価ともいえます。

■測定概要

測定方法:大気中のNO2濃度を測定できる「天谷式カプセル」を用います。24時間暴露したカプセルにザルツマン試薬を入れ、NO2を化学反応、発色させ比色分析により濃度を測ります。
測定場所:西淀川区内 5か所
■測定日:

2018年度 6月7日(木)17時~8日(金)17時
12月6日(木)18時~7日(金)18時
2019年度 6月6日(木)17時~7日(金)17時
12月5日(木)17時~6日(金)17時
2020年度 6月4日(木)17時~5日(金)17時
12月2日(木)17時~3日(金)17時
2021年度 5月20日(木)17時~21日(金)17時*
12月4日(木)17時~5日(金)17時
2022年度 6月17日(木)17時~18日(金)17時
12月1日(木)17時~2日(金)17時
2023年度 6月1日(木)17時~2日(金)17時
12月7日(木)17時~8日(金)17時
2024年度 6月6日(木)17時~7日(金)17時

*ソラダス2021にて測定

■測定結果

 単位(ppm) 2018年6月 2018年12月 2019年6月 2019年12月 2020年6月 2020年12月 2021年6月 2021年12月 2022年6月 2022年12月 2023年6月 2023年12月 2024年6月
1 出来島小学校(国道43号) 0.043 0.040 0.053 0.021 0.036 0.024 0.033 0.033 0.020 0.025 0.035 0.019
2 大和田交差点(国道43号) 0.056 0.050 0.066 0.029 0.035 0.036 0.036 0.036 0.046 0.027 0.063 0.044 0.035
3 歌島橋交差点(国道2号) 0.049 0.034 0.050 0.021 0.030 0.023 0.177 0.026 0.034 0.018 0.037 0.036 0.018
4 あおぞらビル前(国道2号) 0.040 0.031 0.046 0.017 0.030 0.023 0.177 0.033 0.026 0.021 0.053 0.022
5 緑陰道路(エルモ前) 0.031 0.021 0.030 0.009 0.012 0.010 0.022 0.016 0.009 0.024 0.027 0.008

西淀川区内の二酸化窒素の自主測定結果

2024年度6月測定分について、緑陰道路で計測したうちのカプセルの一つが落下してしまったため、1つのカプセルのみの計測結果です。

今まで12月より6月の方が濃度が高い傾向にありましたが、今回は全体的に前回の2023年12月のデータよりも低いという結果になり、すべてのデータが環境基準の下限値より下回っていました。なお、2023年6月の測定日は、曇り~晴れ、湿度は41~62%、風速1~3m/sでした。

今回計測した中で一番濃度が高いのは、大和田交差点で0.035 ppm。交差点の真ん中で計測しています。同じ国道43号沿いですが、出来島小は0.019ppmと低くなっていました。

自主測定は国道沿いを中心に測定しています。近年、国道43号の交通量は減少傾向にあり、2000年には8万台を超えていましたが2023年には7.2万台に、2万3千台を超えていた大型車は1万7千台ほどになっています。自主測定の結果からは、道路沿道対策の効果があるとは言いづらいですが、道路連絡会等を通して、道路沿道対策を継続して実施するよう国や阪神高速道路株式会社にはたらきかけ続けます。

国道43号の交通量の推移

なお、2021年9 月にWHO(世界保健機関)が 0.012ppm 以下という指針を示しています。2024年6月の測定でWHOの指針を下回っている箇所は緑陰道路のみで、道路沿道ではまだまだ達成できておらず、まだまだ見えない汚染が続いています。

※二酸化窒素に係る環境基準(日本):1時間値の1日平均値が0.040ppmから0.060ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること。

参考:大阪から公害をなくす会「ソラダス・NO2測定運動」

参考:大阪市「大気環境の状況

参考:西淀川道路連絡会 道路沿道の環境対策を検討するために、道路管理者と公害患者が共に話し合う場です。今までにPM2.5の測定の早期開始、国道43号沿道の環境対策、環境ロードプライシング等の様々な対策を行っています。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習 — aozorafoundation 公開日 2024年7月17日5:41 PM
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