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ブログカテゴリー » 国際交流

中国青空新聞vol.3を発行しました

昨年末、第三号となる「中国青空新聞vol.3」を発行しました。

今回は昨年10月7日に開催しました、日中環境問題サロン2016(第三回)「重金属汚染とその被害―現地視察報告を中心に」の内容に加えて、同10月に中国を視察した際の調査内容「中国での環境公益訴訟の動向」についてまとめました。

 

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興味のある方、ご一読いただけると幸いです。
次号もご期待ください。
感想や執筆希望者もお待ちしております。
↓PDF版

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↓あおぞら財団の国際交流のページ

https://aozora.or.jp/katsudou/tsunagaru

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流 — aozorafoundation 公開日 2017年1月16日5:03 PM

西交リバプール大学教員、西淀川・公害と環境資料館を訪問(10/28)

中国浙江省にある西交リバプール大学から、環境学を専門とする2名の教員の方が10月28日(金)に西淀川・公害と環境資料館を訪問されました。

日本の環境汚染と地域再生について学生に学んで欲しいということで、同大学では研修として日本の環境学習施設を訪問しています。お二方は西淀川に来られる前に、学生を連れて富山県立イタイイタイ病資料館を見学されたそうです。

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今回は櫻井先生が指導する、神戸市外国語大学中国学科の学生も通訳として参加しました。

まず初めに西淀川公害及び公害訴訟の歴史の概要ついて説明し、その後、日本の環境汚染問題の現状や対策などについて質問が出ました。

・患者会が作った西淀川のマップは全て実現されたのでしょうか?
・大阪のゴミ焼却所がとてもきれいだとお聞きしました。それ以外にはおすすめの環境学習関係の場所はありますか?
・学生は日本に環境再生を学びに来ました。環境問題解決に向けて、学生は特に日本から何を学べばいいと思いますか?
etc.

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上記の最後の質問に対して今回説明を担当した林は、「世論を盛り上げることが重要だと思います。」と回答しました。
日本の公害訴訟では、世論の高まりが問題解決に向けた大きな要因となりましたが、中国の環境問題解決に向けても、「世論」を如何に盛り上げるかが重要になってくるのでしょうか。

(記・當間美波)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2016年12月28日1:45 PM

【再掲】12/21(水)日中環境問題サロン「中国の公害・環境問題と環境NGOの取り組み」

日中環境問題サロン2016
第四回「中国の公害・環境問題と環境NGOの取り組み」

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(写真は2016年3月に開催された日中環境問題サロンの様子)

■日時:2016年12月21日(水)18:00~20:30 (受付17:30~)
■場所:グランフロント大阪 ナレッジキャピタル アクティブスタジオ
大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪 ナレッジキャピタル 北館2F
(アクセス:https://kc-i.jp/facilities/the-lab/active-studio/

中国で活動する環境NGOメンバーを招き、中国での公害・環境問題に対するNGO活動についてお話を伺い、今後の日中における公害・環境問題の解決に向けて、お互いに理解し、協働していくための意見交換を行ないます。

■参加費:500円

■主催:あおぞら財団(公益財団法人公害地域再生センター)
協力:一般社団法人ナレッジキャピタル

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(写真は2016年3月に開催された日中環境問題サロンの様子)

■プログラム
18:00~18:05【あいさつ、趣旨説明】
18:05~20:05【中国から報告】(逐次通訳)

① 李力氏(北京市朝陽区環友科学技術研究センター)
■環境教育、気候変動問題、企業と連携した問題解決等の活動

② 趙亮氏(好空気保衛侠)
■大気汚染改善を目的に2014年に設立。SNSなどを駆使して企業活動を監視し行政の監督を促がしている

③ 徐華氏(昆山市鹿城環保ボランティアサービス社)
■上海市北部の昆山市で排油再利用やごみ分別などの啓蒙活動を行っている

④ 宋克明氏(長垣県緑色未来環境保護協会)
■野雁の保護、生息地の保全。河南省の東部にある長垣県で2002年から活動

20:05~20:30【質疑応答・意見交換】
「日中における公害・環境問題の解決に向けて」

■日中環境問題サロン
あおぞら財団の国際交流事業の一環として、中国の公害・環境問題に関する研究者、中国で活躍する専門家・環境NGOメンバー等を講師に迎え、中国の公害・環境問題についての報告や参加者との意見交換を行う日中環境問題サロンを2009年から開催しています。
本年度(2016年度)は、様々なテーマで4回程度の開催を予定しており、興味を持って頂ける方々に、ご参加いただければと思います。
•よびかけ人代表:櫻井次郎(公立大学法人神戸市外国語大学中国学科准教授)
•担当スタッフ:知足章宏(京都大学学際融合教育研究推進センター・アジア研究教育ユニット研究員、あおぞら財団特別研究員)

2016.6.10日中環境問題サロン2016(第一回)
「どうなる?中国の大気汚染」https://aozora.or.jp/archives/25666

2016.8.5日中環境問題サロン2016(第二回)
「中国における環境訴訟の現状と今後の展望」https://aozora.or.jp/archives/26745

2016.10.7日中環境問題サロン2016(第三回)
「重金属汚染とその被害―現地視察報告を中心に」https://aozora.or.jp/archives/27133

■申込
氏名、電話番号、所属をあおぞら財団までお知らせください。
当日参加も可です。(定員30名)
※いただいた個人情報は本事業の目的以外には使用しません。

■問い合わせ・申込先
公益財団法人公害地域再生センター(あおぞら財団)
〒555-0033 大阪市西淀川区千舟1-1-1あおぞらビル4階
TEL 06-6475-8885 FAX 06-6478-5885
webmaster@aozora.or.jp
http://www.aozora.or.jp/

平成28年度大気汚染経験等情報発信事業の一環です。

Filed under: イベント案内,国際交流 — aozorafoundation 公開日 2016年12月16日7:27 PM

台湾/台北 訪問記(2016.10)  台湾環境NPO・弁護士に聴く―台湾公害訴訟の現場とは

10月22日、「平成28年度 大気汚染経験情報発信事業」の一環として、北京訪問後、次の目的地・台北に降り立ちました。
北京はダウンが必要な日もあったのに関わらず、それと打って変わって台北はまだまだ残暑が厳しく、日中は30度を越す日も。
そんな中、訪問団は環境NPOの交流会や、アスベスト訴訟を扱う団体が参加する「台日公害訴訟及び疫学因果関係のワークショップ」に出席しました。

<訪問者>
村松昭夫(弁護士、前全国公害弁護団連絡会議幹事長、あおぞら財団理事長)
藤原猛爾(弁護士、前日本環境法律家連盟理事長)
藤江徹(あおぞら財団事務局長)
當間美波(神戸市外国語大学三回生)

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交流会のようす

交流会には大気汚染や原発問題に取り組む、台湾健康空気行動連盟や緑色公民行動連盟が参加し、台湾側から日本側に対して公害裁判について質問をする形で交流会が進みました。

「日本での大気汚染訴訟は成功したが、台湾では起訴の際、因果関係の証拠が少ないと裁判所側に跳ね返され、裁判を進めていくのが難しい。」という台湾側の課題に対して、村松弁護士は、日本の公害裁判の場合、原告の数の多さや専門家による因果関係の調査協力が裁判を進めることが出来た大きな要因だと返答しました。

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西淀川公害訴訟のDVDを手渡す村松弁護士

交流会を通して、大気汚染問題についてはアジア各国で協力して行く必要があるという共通認識を確認することが出来ました。

交流会に続いて行われたワークショップでは、アスベスト訴訟に取り組む団体からの報告、日台双方からの質疑応答や意見交換が行われました。

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ワークショップのポスター

ワークショップの第一部では、日台のアスベスト訴訟に携わった弁護士から、両国のアスベスト問題について報告を受けました。

台湾ではアジア諸国の中では、アスベスト使用量が少なく、1990年にアスベストの使用が全面禁止されたのにも関わらず、現在でも国内にアスベスト建築物が残っているという現状があります。また、アスベスト労災認定が進んでいないのも、課題として残っているそうです。

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アジア各国のアスベスト消費量を表したPPT

第二部では、「台湾三大公害訴訟と日本の疫学原則」をテーマに、台湾側から代表的な公害訴訟について、日本側からは日本四大公害訴訟の経験の報告を聴きました。

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ワークショップのようす。多くの傍聴者も訪れた。

台湾側からは三団体がそれぞれ有機溶剤汚染、ダイオキシン汚染、複合汚染の案件について、事件の背景から訴訟の過程まで詳細に言及しました。

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台湾三大公害訴訟について報告する黄弁護士

続いて藤原弁護士は、日本における疫学的因果関係を含む因果関係の全般的な考え方を、日本四大公害訴訟の経験を付け加えながら説明しました。

ワークショップの最後は、各弁護士からのコメントで締めくくられました。

~番外編:台北街歩き~
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台湾の街中にて、信号待ちをするバイク

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台北市内にある日本統治時代の家屋

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観光客が絶えない九份地区

(記・當間美波)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流 — aozorafoundation 公開日 2016年11月30日3:20 PM

中国/北京 訪問記(2016.10) その3 環境法担当機関に聴く―環境公益訴訟制度と大気汚染防止法の成果と課題

3日目は、中国の国会議事堂にあたる人民大会堂にて、立法や法改正を担当する全人代常務委員会法制工作委員会行政法室との意見交換に臨みました。意見交換の中では主に、環境公益訴訟制度が導入された背景やこれまでの成果について、また近年政府が力を入れる大気汚染防止政策について話し合われました。

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人民大会堂の会議室にて

環境公益訴訟制度とは?
中国は改革開放政策後の高度経済成長によって環境破壊が深刻化したのを背景に、経済発展と環境保護をバランス良く促進し、また環境破壊の被害者である公衆・国民を救済するために2014年の環境保護法の改正を受け、環境公益訴訟制度が導入されました。環境公益訴訟の制度化にあっては、訴訟の原告資格をめぐって議論があり、現在ではNPO/NGOの中でも設立されてから5年以上の実績がある等、継続的な環境保護活動が可能である団体に提訴の資格が与えられています。
原告になる資格は民間団体以外にも、一部の地域では検察官にも資格が認められていることが、中国の環境公益訴訟制度の大きな特徴とも言えます。
環境保護法の環境公益訴訟後の状況をみると、検察官の参加は効果があると見ているそうです。

今後は課題として、損害賠償金の管理や被害者への割当等の問題を話し合って行くそうです。

制度執行後2015年1月以降では、民間団体の提訴が90件、検察官の提訴が42件(民事.行政事件を含む)と、今後も起訴件数は増えると見ています。

大気汚染防止策について
また同委員会は、近年力を入れている大気汚染防止策について肯定的な見方を示していました。中国においてスモッグ・大気汚染が深刻化した原因として、第二次世界大戦中から、石炭を主要エネルギーとして利用している点、近年の自動車の普及した点があげられます。政府は大気汚染防止のために2015年に大気汚染防止法を改正しました。長期的な効果を考慮し、同法律は工場、自動車、建築等の汚染源対策を盛り込み、政府と企業の責任を明確しました。その他、ここ2~3年の大気汚染の改善や、交通違反の罰則の強化、新エネルギーの導入等の取り組みを鑑みると、中国は大気汚染防止策の達成には、そこまで時間を要さないと考えているそうです。

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人民大会堂のロビーにて

続いて、午後は環境訴訟を取り扱う北京環助弁護士事務所にてヒアリングを行いました。

同事務所は、6年前に開業し、環境公益訴訟や民事訴訟を専門とする弁護士が所属しています。
ヒアリングでは、公益訴訟の現状や同事務所の取り組みを中心に話をお聞きしました。

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ヒアリングのようす

公益訴訟の状況
中国の環境公益訴訟の種類は民事と行政にわけることができ、2015年以降の環境公益訴訟の案件数は合計すると100件にも上り、その8割を民事訴訟が占めるそうです。
環境公益訴訟の特徴として、①訴訟で取り扱われる案件の範囲が拡大した点、②環境汚染だけではなく、幅広い「環境問題」が対象になる点が上げられました。

特徴①:範囲の拡大
かつては環境に実際に損害を及ぼしているケースのみ受理されていたが、環境公益訴訟制度が出来てから、環境に対するリスクがある案件でも提訴することができるようになったそうです。同事務所では、以前四川省のダム建設による生態系破壊の案件を取り扱い、生態系が破壊されていない段階でも提訴することが出来ました。

特徴②:領域の拡大
環境公益訴訟は生態環境や文化財の破壊も含んでおり、実際に同事務所では文化財取り壊しを撤回する訴訟にて勝訴したこともあります。

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これまでの取り組みについて語る馬勇氏

北京環助弁護士事務所の取り組み
同事務所は民事訴訟と公益訴訟の両方を扱っており、2015年以降民事訴訟は年間50~60件、公益訴訟は年間20件と、やはり全体として公益訴訟の割合が少ないものの、近年取扱件数が増えているそうです。公益訴訟を提訴する際は、原告である環境NPO/NGOから委託を受け、同事務所から弁護士を派遣しています。大気や水汚染をはじめ、生態系保護、文化財保護など様々な問題を扱っています。数多くの案件を扱っていますが、いずれも審議中のものが多く、判決の執行が滞っていることを課題として挙げていました。

中国/北京 訪問記(2016.10) その1 女子大生は見た!北京の大気汚染の現状と取り組み

中国/北京 訪問記(2016.10) その2 環境NGOと環境弁護士に聴く―環境公益訴訟の現場から

(記・當間美波)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流 — aozorafoundation 公開日 3:13 PM
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