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立命館大学国際企画課のフィールドワークを受け入れました(7/14)

7月14日(日)10:00~13:30、立命館大学国際企画課のプロジェクトで、アメリカからの交換留学生を含む学生約30名の研修を受け入れました。
今回お越しのみなさんは、「社会運動」というテーマで日本各地を7月いっぱいをかけて見学・学習される予定だそうで、西淀川へは日本の公害について学ぶということで来てくださいました。この後、広島の原爆ドームや東京の靖国神社にも行かれるそうです。
なお、この受け入れは、同日に開催されたインタープリター講座と連動して実施しました。

JR御幣島駅に集合し、歌島橋地下道で西淀川の地図を配布し、公害の概要を説明しました。そのまま、あおぞらビルへ移動し、公害と財団についてまとめたDVD「西淀川公害を闘う」「公害被害を語る」(日本語音声、英語字幕)を鑑賞し、西淀川公害裁判と運動の展開、あおぞら財団の取り組みについて説明しました。

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その後、全員で歌島橋交差点に移動し、国土交通省が行っている環境対策についてクイズ形式で参加者に学んでもらいました大気測定局の設置や植樹、交差点の地下道化などの対策がとられている一方で、いまだに基準値を超えるP.M2.5が観測されており、また地下道化によって横断歩道がすべて撤去されてしまうなど課題もあることを説明しました。車両通行量を優先する国交省の対策を変えるには、「クルマ社会からの転換」が何よりも必要だということを学んでもらえたのではないかと思います。

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続いて、「体験を通じて西淀川を知ろう!」ということで、「大野川緑陰道路でフィールドワーク」と「西淀川の原風景をイメージしよう」の2グループに分かれました。

緑陰道路に出たグループは、まず道路にどのような工夫がなされているかを歩きながら考えました。参加者は、歩行者・自転車の分離が色分けで分かりやすくなされていること、木々が植えられ、四季折々の自然の景観が見られること、住民の憩いの設備が置かれていることなど、公害地域再生の核の1つにこの緑陰道路があることを学びました続いて、解説の天野さん(資料館スタッフ)から、緑陰道路ができるまでの歴史について説明がありました。
江戸時代の農民たちによる中島大水道開削、公害による川の汚染、大阪市による高速道路化計画と住民による反対署名、そして緑陰道路の建設へ。参加者は、天野さんとのやり取りを通じて、この道路がたどっってきた歴史について学びました。
「農民たちが自らの手で開削した!市民の力で緑陰道路がつくられた!」という点を学生さんに向けて熱く語る天野さんの姿がとても印象的でした。

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「西淀川の原風景をイメージしよう」のグループは、あおぞらビルの屋上にあがり、梅田や高速道路の位置関係を地図を見ながら確認しました。そして、このあたりには今から100年前はどんな風景が広がっていたかを想像しました。
次に部屋に戻り、ワークショップ。「田んぼ、畑」から連想する子どものころの想い出を各自が紙に書いて張り出しました。かかし、かも、キャンプ、カエル、などいろんなキーワードやイラストが並びました。
そして、今の西淀川地域で子ども達が、自然に触れるにはどうすればいいかのアイデアだしをしました。屋上緑化や清掃などのアイデアが出されました。

「西淀川の原風景をイメージしよう」のグループは、あおぞらビルの屋上にあがり、梅田や高速道路の位置関係を地図を見ながら確認しました。そして、このあたりには今から100年前はどんな風景が広がっていたかを想像しました。

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次に部屋に戻り、ワークショップ。「田んぼ、畑」から連想する子どものころの想い出を各自が紙に書いて張り出しました。かかし、かも、キャンプ、カエル、などいろんなキーワードやイラストが並びました。そして、今の西淀川地域で子ども達が、自然に触れるにはどうすればいいかのアイデアだしをしました。屋上緑化や清掃などのアイデアが出されました。

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その後、全員で公害患者の山下明さんと奥さんの晴美さんのお話を聞きました。患者会事務局長の上田敏幸さんも同席してくださいました。
明さんから、故郷の大分から大阪へ出てきたときの西淀川の街の様子、公害病を発症したときのこと、自身の病気の苦しさと奥さんやお子さんたちの苦労、原告として裁判や患者会の活動に関わったことなど、自らの体験をお話しいただきました。
学生さんは、熱心にメモを取りながらお話を聞いていました。アメリカの学生さんも通訳を交えながら、時折大きく頷きながらお話を聞いていました。

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お話の後の質疑応答では、病気になってからの職場の対応や子育てに際しての苦労などについて質問がありました。晴美さんからは、体調が悪いにもかかわらず仕事に出て行く明さんのことがとても心配だったこと、また体調を崩し傍聴に行けない明さんの代わりに2人の幼い子を背負い、手を引いて裁判所まで足を運んだ経験などをお話いただきました。
上田さんが補足としておっしゃった、公害被害によって、失業や離婚したり、結婚できなかったりと人生の幸せを奪われた人もいるという言葉にとても重みがありました。

裁判や患者会の運動についての質問に、明さんは当初は自分の苦しさを裁判所や役所などに分かってもらえない苦しさがあったとお答えになりました。しかし、ご夫妻とも、周りの人たちに支えられてここまでやって来れた、みんなで取り組んだからこそ解決できたということを強調されていました。
改めて、裁判や運動、患者会活動の必要性・重要性を認識しました。

また、これまで「四大公害病」など言葉としては知っていたが、今も苦しんでおられる方がたくさんおられるということを知り、公害は過去のものではなく現在の問題として自分も考えていきたい、運動など「外的アプローチ」によって問題が解決する側面があるが、1番大事なのは環境省など国や役所が内側から変わるだと思う、という感想・意見が出されました。
公害の問題を「教科書の中の出来事」から「自分たちが生きる現在の社会の問題」としてとらえ直すこと、「問題解決のためにどのようなことが必要か」を自分なりに考えることの大切さを学んだからこその感想・意見だと思います。これを聞いて、学生さんたちが短時間の中で主体的に学んでくれたことをうれしく思いました。
上田さんからは、現在行われている補償・救済制度の内容やその継続を求めて現在も全国の公害被害者が環境省などに対して交渉を続けていることが紹介されました。

当日は、非常に暑い中、またタイトなスケジュールにもかかわらず学生さんたちは熱心に取り組んでくれました。公害の問題を現在進行形の問題、自分たちの生活に関わる問題として考えてもらうきっかけとなったのではないでしょうか。今回西淀川で学んだ、地域で生活する人たちの目線に立って考えること、みんなで知恵を出し合って社会の問題を解決していくことの大切さという視点を持って、この後の広島や東京も回ってもらいたいなと思います。
(藤井)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年7月16日2:01 PM

JICA研修 モザンビーク 「工業地帯における環境問題の歴史と取り組み」

2013年4月22日(月)にJICAを通じてモザンビークの中央政府と州政府職員、14名の研修を実施しました。研修内容は標記のとおり「工業地帯における環境問題の歴史と取り組み」です。

報告内容
1.「日本の大気汚染公害の歴史 あおぞら財団活動紹介」
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林美帆(あおぞら財団研究員)

2.「約束 きれいな空気と青い空を子どもたちに手渡すため
2 3
森脇君雄(公害患者会会長・あおぞら財団名誉理事長) 永野千代子(公害患者会副会長)

■質疑・応答
0-1
・私たちは日本政府の支援を得て経済発展のプロジェクトを実施しています。自分たちの国の発展をさせていきたいが、経済発展の被害者の部分も知っておかなければならないと思いここに来ました。私たちモザンビークだけではなく、南半球の多くの国が感じていることで「先進国から環境対策を求められるが、(本音のところは)途上国には発展してほしくないのではないか」というのが今までの印象でした。今日のように貴重な体験を伝えていただけると、自分たちが気をつけなければならないことを初めて実感しました。なにも考えないで経済発展だけを求めると、どんな問題があるのかが分かりました。
日本に来て、トンネルも見たし何層にも重なっている道路も見ました。自分たちも日本の国のようにしたいと思いますが、継続できる安全な発展をするためにはどのような問題があるかを教えていただいて、貴重な体験でした。
今日の経験を行政内部や国に伝えることは難しくはないのですが、一般の市民にもう少し環境について考えてもらうことが今後の大きな課題です。それは環境だけではなくて社会全体の問題でもあります。モザンビークが現在抱えている最大の問題は食糧の問題です。

4
・モザンビークの環境省の経験では「一つの事業で、この地域では条件が良くないので、違う場所へ移動させようとすると、あなた達は国の経済発展に反対なのか」と言われ、また反対に「ある調査結果でプロジェクトを進めても良いと判断すると、環境省は何もしないで許可だけ出している」といわれて、何を言っても叩かれる状況もあります。

・お話に出た「エコドライブ」に興味があります。もうすこし詳しく話してください。
林  1.ゆっくりアクセルを操作し、ゆっくり止まってゆっくり発進する。2.いらないものを車に積まない。3.冷房と暖房を弱めの設定をする。4.法定速度を守る。などを気をつけて運転することです。
あおぞら財団のエコドライブの取り組みはコチラ

・日本の場合は環境基準があり、その数値のモニタリングは国がしていると思いますが、あおぞら財団でもしているのですか、さらに他の地域でもその様にしているのか?
林  国のモニタリングのデーターを私達も活用していますが、5年に一回患者会では二酸化窒素の「カプセル測定」を全国で行い、国のデータとつき合わしています。
森脇 大阪で言えば大阪全体を一辺1キロメートルのメッシュを設定して測定し、国のデーターと付き合わせることもしています。自分の家の前にカプセルをつける人もあり、環境教育の側面もあります。調べるための薬剤や濃度を比べる用紙があれば簡単に測定できます。

・あおぞら財団のとりくみは全国でのことですか、それとも地方限定ですか?
林  他の地域の問題として三重県の四日市、岡山県の水島の裁判資料の整理を行っており、尼崎と名古屋と水島にはあおぞら財団と同じような財団があります。

・国との間の交渉はどのぐらい出来ていますか
森脇 国交省とは年に一回です。そのための予備的な話し合いは度々しています。環境省とは何かあるごとに、話し合いが出来ています。
1
本日はありがとうございました。人生の大先輩としても教えを頂くことができましたと感想がありました

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年4月26日10:28 AM

淀協新人研修の受け入れを実施しました

2013年4月3日(水)に(財)淀川勤労者厚生協会(淀協)の新人研修のフィールドワークを実施しました。

4月から淀協の職員として採用された新人の皆さん19人と「西淀川とは」を体験し、淀協下の各院所を見学する内容です。

研修コース のざと診療所→ファミリークリニックなごみ→在宅福祉総合センターみてじま→千北診療所→出来島小学校・出来島交差点→中島工業団地→外島保養院跡→淀川土手→公害医療センター→姫島診療所→大野川緑陰道路→のざと診療所 以下、3日の内容を報告します。

■のざと診療所でフィールドワークの説明、西淀川区の概要説明

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■ファミリークリニックなごみ

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淀協の中での最も新しい診療所で「地域の人々が“なごめる”場所をめざすクリニック」の現状が紹介されました。在宅診療が「のざと診療所」についで多く、地域の医療機関からの在宅診療の研修場所にもなっているとの話がありました。

■在宅福祉総合センターみてじま

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西淀病院の発祥の地であり、淀川准看護学院もここにありました。今の淀協の看護師さんはここの出身者が多いそうです。建物内部も見学することができました。

■千北診療所

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1969年千北病院として出発し、大気汚染の激甚な時期には患者さんの命を支える医療の最前線を担っていました。かつてはこの病院で区医師会が公害患者の検査センターに使っていた時期もあったと紹介がありました。ゆとりのある施設を活用しディケアーの活動もすすめているそうです。

■出来島小学校・国道43号線出来島交差点

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出来島小学校には大気を監視する測定局があります。また、43号線の沿道には西淀川大気汚染裁判の国交省との和解で、汚染を軽減するための対策がなされています。その1つである学校の塀や防音壁に酸化チタンを塗布して、二酸化窒素を分解したり活性炭素を活用し汚染を除去するプランターが設置されています。

■中島工業団地・外島保養院跡石碑

中島工業団地の概要をバスから見学しました。この工業団地は公害対策として、煙を排出しない工場が集められたこと、現在はここから産業廃棄物の大阪湾埋立地への積み出し場所になっています。 小さな石碑だけが残された場所が、ハンセン病の外島保養院のあった場所です。住民の生活から隔離されたこの場所が「外島の地」であったとの説明がありました。

■淀川土手

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淀川の水面と福の家屋が並んでいる場所を両方見通せるこの地は、海抜ゼロメートル以下での街並みを実感できる場所です。地震による津波が大阪湾を襲った場合の被害を、参加者は考えました。 天気が良く暖かい日差しを満喫しながら、キラキラと輝く水面を楽しみながら土手でお弁当を食べました。「公害に苦しむ街から、自然を見事に回復しつつある街」を実感できる場所でした。

■西淀川区医師会立公害医療センター 以前は千北病院内に設立されていたセンターがこちらに移転しています。公的医療機関が無い西淀川では患者さんの公害病の「認定」検診をここで実施していました。現在も患者さんの認定検査を行っています。

■姫島診療所

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1950年6月沓脱タケ子医師によって設立され、ジエーン台風時の「たらいに乗っての診療活動」は長く語り継がれています。内科・小児科・整形外科・禁煙外来・物療・リハビリテーション・往診が可能な診療所で、介護老人保健施設「よどの里」が同じ敷地内に併設されています。他の淀協の診療所でも同じですが、「当診療所は『無料低額診療事業』の認定施設です。医療費等でお困りの方は、是非ご相談ください」と呼びかけています。待合スペースでは、定期的に名画が鑑賞できる映画会も実施し「患者は勿論、健康な人とも地域に開かれた医療施設をめざしている」と事務長さんは説明されていました。

■大野川緑陰道路

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江戸時代の農民が、自ら資金を出し合い、現在の東淀川区淡路から大阪湾までの距離をわずか50日で掘りぬいた農業用排水路です。どぶ川になっていた経過があり、埋め立てて空港へつなぐ高速道路の計画が持ち上がった時に「これ以上の排気ガス道路はいらない、緑の生活空間へ」と住民が立ち上がり、計画を変更させて緑あふれる区民のすばらしい憩いの場となっています。大阪市の設立した「中島大水道」石碑の場所で、そのような説明がありました。

■のざと診療所(公害患者さんのお話)

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西淀川公害患者と家族の会から森脇会長と認定患者の和田さんからお話を聞きました。森脇さんは、患者会の前は淀協の職員で千北病院をつくるために大和田で300世帯に呼びかけて病院設立の基金を募った経験を話されました。西淀川公害訴訟で医療関係者の献身的な努力なしには裁判の勝利は無かった、40年の私達の運動がきれいな空を取り戻したのだということを知ってほしい、なによりも住民を大切にする医療であってほしいと話されました。

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和田さんは、「以前の柏花地域での淀川の水はきれいで葦がしげり、シジミが美味しかった時期がありましたが、近くに病院がありませんでした。柏花診療所は公害患者の私たちと病院職員も一緒になって、お金も集め、力を併せて作り上げた病院です。昭和45年の後半あたりで、大気汚染によるぜん息患者になり3級の認定患者になりました。ぜん息発作がでると息ができなくて苦しく、横になって寝ることができません。布団を積み上げてその上にうつぶしになって寝る時期が長くありました。勝つか負けるかわからない裁判の原告になって、いろいろな経験をしてきました。当時点滴を受けながらビラくばりをしたり、訴えをしている患者さんも多く居ました。空はだいぶきれいになってきましたが、いまでもぜん息の子どもさんが増えていると聞いています。苦しむ小さい子どもを増やしたらあかんと思いますので、皆さんよろしくお願いします」と淀協の新人さんに訴えられました。

■ ワークショップ

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フィールドワークの感想の共有 四つの班に分かれて「本日の発見」と「西淀川の好きになったところ」を各自がポストイットに書き出し、模造紙に貼り付けて整理をするワークショップを行いました。

各班からは 交通の便がいい 駅近い スーパーが多くて暮らしやすそう 緑陰道路は桜がきれいで楽しそう 足ツボが印象的 淀川は景色がきれい うなぎや魚が多くいる 夜景が見たい 診療所は建物がきれい 「茶がも」(ほしはじろ)が印象的 診療所の患者さんも明るそう

ハンセン病の施設跡が印象的 歴史を大切の残している 西淀川区は「島」の地名が多い 海岸がきれいだった 診療所の方は親切で熱い人が多い 地域の歴史を学ぶことは患者さんの背景を知ること 地域の人を大切にしている 散歩がしやすそうな土地である 東西交通は発達しているが南北の交通がない

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緑陰道路は区民に愛されている ハトが多くて癒された 診療所が様々なイベントを行っている トラックの青いマークを始めて知った 大気汚染の測定局が多い 工場の近くに住宅が多い 緑陰道路の昔と今の違いが判った

などの新しい発見がありました。「今日の最初は西淀川について話すことができない人がほとんどでしたが、一日を終えた今は話せることがたくさんできました。西淀川の住民の背景に思いをめぐらす淀協の職員になって下さい。」とのまとめがありました。(天野)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年4月9日3:40 PM

淀協主任研修の受入れを実施しました(2/14、2/21)

2013年2月14日(木)と21日(木)に、(財)淀川勤労者厚生協会の主任研修をあおぞら財団にておこないました。基本的に同じプログラムを2回実施し、全員で50人が研修を受けました。14日は26人、21日は24人でした。

以下、21日の内容を報告します。

のざと診療所を出発地とし、西淀川や尼崎の一部をバスで周り、西淀川の地域について理解を深めてもらいました。

のざと診療所→出来島小学校→中島(外島保養院跡)→尼崎工場地帯→国道43号線→淀川土手→公害医療センター→姫島神社裏→大野川緑陰道路→歌島橋交差点→のざと診療所

■のざと診療所にて、フィールドワーク説明、西淀川の地域の概要説明
■出来島小学校
出来島小学校では酸化チタンの加工を施した防音壁を見てもらいました。また周辺の道路についても、道路公害に対する環境対策として、防音壁を見てもらったり、ロードプライシングについて説明がありました。

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■中島(外島保養院跡)
ハンセン病の療養所の跡地を車から見学しました。

■尼崎工場地帯
西淀川は中小規模の工場が多いのに対し、尼崎は大規模な工場が立ち並びます。

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■国道43号線
環境レーンや、大阪府の実施している「流入車対策」の青色ステッカーの説明を受け、参加者は「今まで全然気付かなかった」と驚いている様子でした。

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■淀川土手(西淀川と水害)
下の2枚の写真を見てもらうとわかるのですが、この辺り(福)は海抜ゼロメートル以下の地域であり、水害による被害が非常に懸念されます。

しかし淀川の土手からは尼崎や梅田の観覧車、USJが見えたり、近年は野鳥や魚の姿が見られたりと魅力ももたらしてくれています。

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■公害医療センター
昔は千北診療所内に設立されたセンターがこちらに移転しています。現在は、認定患者さんの定期的健康検診(更新・見直し・管理検査)や基本健康診査を行っています。

■姫島神社裏
■大野川緑陰道路→歌島橋交差点→のざと診療所
大野川緑陰道路からのざと診療所までは徒歩で移動しました。途中、公害がひどかった当時の写真を見せながら、公害の歴史について学びました。

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■のざと診療所(公害病患者からのお話)
西淀川公害患者と家族の会から上田事務局長と認定患者の岡崎さんからお話を聞きました。
岡崎さんは、昭和48年に嫁ぎ先として西淀川に来てから子どもとともに公害に苦しんだ過去を話してくれました。「呼吸ができないってことは全てが止まる。腕も上げられない。タクシーも呼べない。視力も失う」「子どもを殺して自分も死のうと思ったこともある」など、つらい経験をしてきたことが痛切に伝わってきました。しかしそんな中で、病院に入院した時、先生や病院の人がとても優しく接してくれたこと、実習生が頭を洗ってくれて嬉しかったことなど、医療従事者への感謝の思いも語っていました。

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上田さんからは、1991年3月29日の第一審の判決日の様子、工場による公害から車による公害へと変化してきたこと、中国の大気汚染を憂う前に国内の環境基準を厳しく取り締まる必要があることなどの話がありました。
また現在、公害医療補償費打ち切りの危機に直面しており、「汚染は消えていない。患者は増え続けている」と訴えかけていました。

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■グループワーク
 参加者から、本日のフィールドワークを踏まえて、もしくは自分が今まで感じたなかで、西淀川のいいところとよくないところを出してもらい、それぞれの意見をまとめて発表しました。

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公害地域としては、公害運動の努力の成果が見られる一方、未だに工場が多く、特に住宅と工場が隣接している点はよくないと指摘がありました。
自然環境については「緑が多い」「野鳥が見られる」などの良い点が挙げられる一方、地盤沈下や水害の不安が挙げられていました。
交通に関しては、交通の便が良い反面、自動車排ガスによる汚染が気になっているようでした。
その他にも、「民医連がたくさんある」「淀川花火が見られる」「銀行・コンビニが多い」「住宅が多い、土地が安い、人口が多い」「名物がない」などが挙げられていました。

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今回のフィールドワークを通じて、より西淀川という地域に愛着を持ってもらうと同時に、公害の歴史や現状と向き合ってもらえたらと思います。

平田

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2013年3月4日11:32 AM

日中・公害環境問題に関する研修プログラム(1/29後半)

研修の為に1階に下りたところ、中国の方々は二人乗り自転車に興味津々。そこで、急きょ、体験会を実施しました。

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歌島橋交差点に場所を移し、測定局の説明と、裁判後の道路対策についてみてもらいました。

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劉さんは、もってきたPM2.5の測定機をいろんな場所で使って測定しました。大阪府のホームページでPN2.5の速報値を知る事ができるのですが、保速報値をiPhoneでしらべて、比べました。ほとんど誤差はなかったです。

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大野川緑陰道路では、工場排水で川が汚れて、埋め立てられて、現在は遊歩道になっている事を説明しました。

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出来島小学校の測定局です。

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43号線の橋の上に登ってもらいました。地盤沈下の様子の確認です。公害は大気汚染だけではなくて、複合的なものであることを理解してもらいました。

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西淀川高校では、エココミュニケーション部から、活動報告です。李力さんは、今年の夏には、北京の中学生高校生を連れてきたいと話し、馬さんは中国のグリーンスクールと姉妹校連携を結んでは?との提案も飛び出しました。

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環境の授業でやっている、二酸化窒素測定に興味津々。

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廃油回収ののぼり

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廃油をBDFに変換する機械にも興味津々でした。

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遅くまで残ってくれた、エコ部のみんなと記念撮影。

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西淀川の今を知ってもらえて、地域再生の大切さを実感してもらえたようでした。(林)

※本事業は平成24年度大気汚染経験等情報発信業務の一環です。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2013年2月22日5:58 PM
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