2015年7月17日(金)、姫島診療所で楽らく呼吸会を開催しました。今回は西淀病院から理学療法士の榎田さん、作業療法士の石本さんを講師に迎え、呼吸リハビリと体力測定を行いました。参加者は8人(内、患者さん3名(家族の方を含む)、理学療法士1名、作業療法士1名、看護師1名、スタッフ2名)でした。
台風の影響で激しい雨が降る日の開催となりましたが、お馴染みの患者さんたちが来られました。大雨が降っていようとなんだろうと、いつものように足が向かう場所として、2ヶ月に1度の呼吸会が一人一人にとって大事な場になっているんだなとあらためて実感しました。
まずは、講師の榎田さんと石本さんが、絶妙なコンビネーションで掛け合いをしながら、楽しく・わかりやすくお話してくださいました。
ぜん息や肺気腫など、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者さんにとって、息切れが起こることで心臓や肺がしんどくなって、さらに息切れが起こりやすくなるという悪循環になりがちです。リハビリでは、その悪循環を断ち切るために、筋肉にアプローチをします。
呼吸リハビリのコンセプトは、まずは「息をととのえる」、そして「息苦しくなりにくい体をつくる」ということです。
毎日ストレッチをしてる人?朝起きた時のびをする人?と榎田さんが投げかけると、患者さんの中から手があがったり、「ラジオ体操やったらしてる!」という声もあったり、みなさん意識して日常の中で体を動かしているんですね。ただし、ストレッチのときにがんばり過ぎると筋肉を痛めたりすることもあるので、自分の限界を意識して取り組むことも大切、ということです。
そして、みんなで呼吸体操をしました。肩の上げ下ろしや、首を左右上下に動かすストレッチでは、首から肩にかけての筋肉や、首筋にある筋肉など、呼吸をするときに大事な筋肉を意識しながらおこないました。
他に、肩甲骨の筋肉をほぐすストレッチ、脇腹をのばすストレッチなどもおこないました。
体操の後は、口すぼめ呼吸をして息をととのえました。呼吸がしんどくないときは、吸うよりも吐く息を長めに、意識してやるといいということです。しんどいときは、無理はせず、吸った息と同じくらいの息を吐くことを心がけて、徐々にゆっくり間隔をのばしていくようにしましょう。
そして、お待ちかねの体力測定をしました。定期的に測定して数値を比較することで、体力維持ができているかどうかをチェックしています。
握力測定では、おもわず息をとめてしまわないように、声を出しながらやるといいですよ、というお話を聞き、実際にやってみる人も。
30秒椅子立ち上がりテストのときは、脈拍と酸素濃度を測定し、前後の変化を比べて、酸素濃度が低い場合は深呼吸をして安静にするなど、息切れにも配慮しながらおこないました。
前回よりも記録がアップした患者さんは、とてもうれしそうで、励みになっている様子でした。
最後に、呼吸リハビリ日誌を紹介。その日にどんな運動をおこなったかがわかるように、一覧にチェックできるようになっています。呼吸練習や柔軟性のトレーニング、呼吸体操、散歩もおススメ、ということです。
まだまだ雨が降っていましたが、みなさんいい表情で、それぞれ元気に颯爽と帰っていかれました。次の体力測定も、楽しみですね!
開催後のアンケートでは、3人中3人が今回の講習は【分かりやすかった】と答えています。また、3人中1人が呼吸リハビリなどの運動を【毎日している】、1人が【2・3日に一度ぐらい】と答えています。
少しでも興味があれば是非、各診療所に足を運んで楽らく呼吸会にご参加ください!
■次回予定 ~お問い合わせはあおぞら財団まで~
・のざと診療所…8月7日(金) 14:00~15:30(栄養について)
・千北診療所……9月17日(木) 14:00~15:30(栄養について)
・姫島診療所……9月18日(金) 14:30~16:00(栄養について)
本事業は独立行政法人環境再生保全機構「地域におけるCOPD対策推進事業(NPO法人等との協働事業)」の一環として実施しています。
吉田