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もりもとまきのアーキビストの目 No.5

海の向こうの公害地域 -この目で確かめに-
資料館だより22号、2009/01)
紹介資料:「公害輸出監視日本法律家委員会東南アジア環境調査」写真資料(森脇君雄氏資料)

エコミューズでは、海外の公害地域のようすを伝える、多くの写真資料も所蔵しています。たとえば、1990年4月、公害輸出監視日本法律家委員会の「東南アジア環境調査」に参加した森脇君雄氏(当時全国公害患者の会連合会事務局長、現あおぞら財団理事長)が、インドネシアやマレーシアを訪れた際の行程を記録した写真約400枚があります。現地では当時、日本企業が出資している工場が原因で、多くの人々が公害病で苦しんでいました。調査団の目的は、その実態調査と被害者との交流でした。

公害患者の少女にお土産を手渡す森脇君雄氏 公害患者の少女にお土産を手渡す森脇君雄氏 

インドネシアでは、工場からジャカルタ湾に、水銀や鉛が垂れ流されていました。写真は、汚濁した海面や公害病に苦しむ患者のようすなどをとらえています。マレーシアでは、ブキメラという村で、工場が発ガン性物質をずさんに取り扱っていました。病気を恐れた住民が逃げ出し閑散とした街や、その物質が原因とみられる白血病に侵された少女の姿が残されています。この村では調査団の歓迎集会が開かれ、森脇氏は「公害の被害者を二度と出さないため日本からやってきました。連帯して戦おう」と呼びかけました。大きな会場を埋め尽くす地元住民のようすからは、その熱気が伝わってきます。

これらの写真は、公害がもたらす苦しみや立ち向かう勇気を、国境を越えて分かち合う過程をとらえた貴重なもの。後世に残していきたい、大切な資料です。

☆『資料館だより』第22号はこちら

(もりもとまき・エコミューズ資料整理スタッフ)

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