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イ病・スタディツアー事前勉強会in関西


あおぞら財団にて
「公害地域の今を伝えるスタディツアー2009
〜富山・イタイイタイ病の地を訪ねて〜」の
事前勉強会を開催

●畑先生の講義を聞く

公害の今を伝えるスタディーツアー2009〜富山・イタイイタイ病の地を訪ねて〜
事前勉強会in関西が、7月12日(日)にあおぞら財団で開催されました。
ツアーに応募していただいた参加者のうち関西圏のメンバー、17人が参加しました。

事前勉強会では、大阪市立大学の畑明郎先生からイタイイタイ病に関するお話、
また当スタディーツアーのスタッフである同志社大学の西村仁志先生から
フィールドワークの心得をお話いただきました。
畑先生は、カドミウムによる土壌・水質汚染、土壌・水質汚染による農産物への
悪影響、また現在も続いている汚染農地の復元事業、更にはこのような公害病を
繰り返さないようにと、特に産業開発が盛んな中国に情報を発信していらっしゃる
ということをスライドの写真やグラフを用いて説明してくださいました。そのなか
でも印象深かったのが、汚染された中国の川の写真です。畑先生のお話では、
この川沿いに住む人々は、汚染された水が人体に悪影響を及ぼすという認知がない
ために、その川の汚水を生活用水として使っているとのことでした。こうした中国
の現状は、かつて日本で公害病が多発した時代を想起させることに留まらず、現在
の日本においても表面化していないが早急に対処しなくてはいけない問題があり、
それを認知していないだけかもしれないということを気づかせるものでもありました。
このことは、現在の科学に付与されている日常の利便性や科学の有用性に依存する
暮らしが、未来の人たちの暮らしにおいて、負の遺産となるようなものをなるべく
残さないように、どう行動できるのかを考える必要性があるということを意識する
契機にもなりました。
また西村先生によるフィールドワークの心得では、「体験から学ぶ」というキーワ
ードが掲げられ、体験から学んだことを次のフィールドワークや自分の実生活に
活用できるような学びをしようということをお話いただきました。また今回の
スタディーツアーでは、現地の方々から聞き取り調査が主となるので、その際に
先方に失礼のないよう細心の注意を払うことが強調されていました。


●自己紹介中

勉強会の最後に、参加者の方々が1分間の自己紹介をしました。自己紹介では、
1分間には収まらず、時間を過ぎても話し続けているという方が多く、おしゃべり
好きな方々がたくさんいるなと感じました。この様子から考えると、ツアー中の
討論や議論も活発になるのではないか思われます。参加者の方々は、それぞれ様々
な観点を持ってこのツアーに参加しているようで、経済学的な観点での興味をおも
ちの方や地域開発との関連で興味をお持ちの方などがいらっしゃり、またご自分の
出身地の公害病について勉強なさっている方は、自分の地域の公害病だけでなく、
他の地域の公害病を勉強したいとおっしゃっていました。このように同じツアーに
参加しても、参加者の方々それぞれの問題意識が少しずつ異なっているので、グル
ープワークによるツアー最後の研究発表会では、どのような成果が発表されるのか
期待が高まります。
最後になりましたが、この勉強会の報告をさせていただいた筆者について紹介させて
いただきます。私は京都大学大学院で人間形成論ゼミに所属して、人間形成論と環境
教育との関係性を研究している臼井杏奈といいます。このツアーにおける私の興味の
対象は、参加者の方々が実際にイタイイタイ病の被害地に赴き、直接現地の方々に
インタビューをする中で、何らかの認識の変化を被るのではないかということです。
このようなことを参加者同士のコミュニケーションや参加者の方々と私自身とのコミュ
ニケーションから、些細なものでも見つけられたらと考えています。
拙い文章ですが、ご拝読ありがとうございました。

臼井杏奈

※本事業は(独法)環境再生保全機構の地球環境基金の助成金を得て運営しています。




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