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公害地域再生をめぐる対話――清水万由子著『「公害地域再生」とは何か』書評会を開催(9/6)

9月6日(土)、あおぞら財団で清水万由子著『「公害地域再生」とは何か~大阪・西淀川「あおぞら財団」の軌跡と未来』をテーマに書評会を開催しました。著者の清水先生を囲み、研究者や実践者など多様な立場の方々が語り合う貴重な時間となりました。会場はあおぞらビル3Fグリーンルーム。参加者は現地17名(スタッフ・コメンテーター含む)、オンライン15名の計32名でした。

書評会は、対面とオンラインの併用で開催!

前半は3人のコメンテーターが登壇。除本理史氏(大阪公立大学)は川崎市や倉敷市水島地区の事例と比較しつつ、「公害経験の継承とまちづくりをどう結びつけるか」という論点を提示しました。茅野恒秀氏(法政大学)は「あおぞら財団の実践と人びとの経験を描き出した好著」と評価し、吉田忠彦氏(近畿大学)は「多様な人が乗り降りする“乗りもの”としてのあおぞら財団」という視点を示しました。これらに対して清水先生がリプライし、議論は深まっていきました。

除本先生から本の概要と論点の提示

茅野先生から自然保護団体等の経験をふまえてのコメント

吉田先生からNPO支援センター アリスセンターの著作をふまえたコメント

清水先生から各先生のコメントへのリプライ

後半のミニシンポには清水万由子先生、尼崎南部再生研究室(あまけん)の若狭健作氏、あおぞら財団の藤江徹氏も加わり、現場からの視点が議論に厚みを加えました。

ミニシンポ「公害地域再生の現場から」

参加者からは、
「各コメンテーターの組織・現場経験が反映され、議論に厚みがあった」
「都市の記憶を忘却せず掘り起こし続ける取り組みの熱量に感銘を受けた」
「財団を“舟”に見立て、誰が次世代の担い手になるのかをめぐる議論が印象的だった」
「公益財団という組織形態の意義と難しさについて考えさせられた」
といった声が聞かれました。

過去の経験を未来へどうつなぐか、地域再生の主体は誰か――笑いも交えながら、多面的で熱のこもった対話が続きました。最後は西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)の見学で締めくくられました。

エコミューズの見学

今回の書評会を通して、あおぞら財団が果たす役割があらためて浮き彫りになったと感じました。公害地域再生をめぐる対話は、これからも続いていきます。

参考

清水万由子著『「公害地域再生」とは何か――大阪・西淀川「あおぞら財団」の軌跡と未来』、藤原書店(2025)
除本 理史・立見 淳哉 編著『「地域の価値」とは何か―理論・事例・政策』、中央経済社(2024)
茅野 恒秀・青木 聡子/編 『地域社会はエネルギーとどう向き合ってきたのか』、新泉社(2023)
吉田 忠彦 著『NPO支援組織の生成と発展 — アリスセンターによる市民活動支援の軌跡』、有斐閣(2024)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,事務局,全体 — aozorafoundation 公開日 2025年9月17日4:13 PM

全国とつながる! 楽らく呼吸会を環境再生保全機構と共催で実施(9/12)

9月12日(金)、あおぞら財団は「楽らく呼吸会」を環境再生保全機構との共催で開催しました。
テーマは「自己管理、呼吸筋ストレッチ体操およびFeNO測定」。大阪(西淀川区)、川崎、名古屋、岡山の4会場をオンラインでつなぎ、全国から合計55名の方にご参加いただきました(大阪会場は22人)

環境再生保全機構 田中理事よりあいさつ

講師はびわこリハビリテーション専門職大学の千住秀明先生。

今回もわかりやすく実践的なお話をしてくださいました。

過去には治らない病気と言われていたCOPDですが、2022年に呼吸器学会が発行したガイドラインには呼吸リハビリは薬物療法より有効な治療法であると書かれています。呼吸リハビリは息切を軽減する効果があり患者さんのQOL(健康の質)を改善することができます。呼吸リハビリにしっかり取り組むことで、呼吸器疾患があっても生き生きとした生活を送ることができるようになります。

千住先生のお話。勇気づけられます

講話の後は呼吸筋ストレッチ体操。環境再生保全機構の動画を観ながら、4つの会場で同時に体操に取り組みました。

呼吸筋をストレッチすることで、呼吸がしやすくなります

その後、個別コンディショニング指導やFeNO(呼気一酸化窒素濃度)測定も実施。

個別コンディショニング。終わった後は、呼吸がしやすくなったとすっきり顔

「FeNO測定」は、吐いた息に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測定することで、気道の炎症状態を評価する方法で、ぜん息の診断や状態確認に役立つ検査として注目されています。
1月にも実施していただいたのですが、この検査によって参加者の方の中から呼吸器疾患が新たに見つかった方がいました。呼吸が気になる方は、是非受けてほしい検査です。

参加者からは「体操が気持ちよかった」「自分の呼吸の状態が数値でわかって安心した」「コンディショニングをしてもらって、息がしやすくなった」などの声が寄せられました。

呼吸リハビリの大切さを実感していただける時間となりました。


🌿今後の 楽らく呼吸会スケジュール

興味のある回だけでも、是非、気軽にご参加ください。

次回の楽らく呼吸会は、11月14日(金)に、西淀病院の理学療法士/作業療法士を講師に迎えて、「呼吸リハビリ、じぶんでできる運動、体力測定」をテーマに実施します。

申込みは不要です。直接会場のグリーンルームにお越しください。

日程  テーマ  場所  講師
 第89回  11/14(金)13:30~15:00  呼吸リハビリ、じぶんでできる運動、体力測定  グリーンルーム(あおぞらビル3F会議室)  西淀病院 理学療法士または作業療法士
 第90回  2026年1/23(金)13:30~15:00  お話会、DVDをみながら呼吸筋ストレッチ体操  開催場所未定  -
 第91回 2026年3/13(金)13:30~15:00  薬について 開催場所未定 ファルマプラン 薬剤師

📌過去の楽らく呼吸会の取り組みについてはこちらをご覧下さい。

お問い合わせはこちら→ TEL.06-6475-8885(あおぞら財団 谷内・鎗山)

 

チラシのpdfデータはこちら

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境保健 — aozorafoundation 公開日 2025年9月12日4:58 PM

エコミューズ館長日記No.34

7月・8月はからだにこたえる暑さの日々がつづいた。今日は9月4日である。その過酷さは今もつづいている。この間、あおぞら財団に行ったのは、7月23日、8月7日、8月18日と本日の4回。暑さにバテて・・・・・・というわけではないが、日記が途絶えてしまった。書けることだけを書いておきたい。この間、主なテーマは、出版において出版社との協力関係をいかに構築するかの問題であった。なかなかむずかしい問題があり、簡単にはいかないことを思い知らされている。当方としては書籍を全国的に広めたいし、可能なかぎり安い値段でこれからの研究者の方々にわたるようにしたい。この思いが強まったことは事実である。それをどう実現するかがむずかしいのである。8月30日、清水万由子さん著『「公害地域再生」とは何か』(藤原書店)のお披露目会、兼あおぞら財団関係者の同窓会が開かれた。この会は1995年の裁判和解にともなって財団が創設されてから30年近くになるのを記念し、清水先生の出版をお祝いするという趣旨で開かれたものであった。和気藹々とした会合で、みなさん楽しく時間を過ごされた。この場でわれわれの資料集についておおいに宣伝し、購入を求めた。村松昭夫財団理事長は、清水先生の本とわれわれの資料集とは、今年の財団の二大事業となっている。財団も全力をあげて、その出版が実現するよう支援したいとのお言葉を賜った。ありがたいひとときであった。

9月4日は、第22回資料集編集委員会が開かれた。この会合では、資料集の校訂作業をふまえて、この資料集の価値が高いことを、お二人の編集委員も認めてくださった。ここまで書いてきて、若干、話が脇道にそれて、文章とユーモア論らしいテーマに陥っていったので、ここらで終わるとしておきたい。字数をかぞえたら、700文字くらいのとのこと。たくさん書き残していても、書けることは多くならないことを実感した。ではまた。

8/30発刊記念 お披露目会・同窓会の集合写真

 

2025.09.04 小田康徳

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あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)では、西淀川公害がわかる資料集を作成しようと、ほぼ毎週、小田康徳館長が来館し、調査作業を進めています。そのようすを「エコミューズ館長日記」にてお届けします。

【ご寄附のお願い】「西淀川公害がわかる資料集」のための寄附を募集しています。どうぞみなさまの寄附でこの活動を支えていただきますようお願いいたします。
■寄附の方法はこちら https://www.aozora.or.jp/ecomuse/contibution_doner

※資料集のウェブ版作成には、(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成金を活用しています。

#おもろいわ西淀川
#にしよど
#魅力発信サポーター
#エコミューズ
#西淀川公害がわかる資料集

たくさんの再会と出会い―『公害地域再生とは何か』発刊記念お披露目会・同窓会を開催(8/30)

8月30日(土)に、あおぞら財団設立30周年記念事業「公害地域再生とは何か」 発刊記念 お披露目会・同窓会を開催しました。
参加者は全部で42人。あおぞら財団の設立に関わっていただいた方々、元職員、大学の研究者、西淀川での活動を一緒に行っている方々、大学生など様々な方々にご参加いただきました。

村松理事長からのあいさつ

清水先生のご講演

理事長からのごあいさつのあと、清水万由子先生に書籍『「公害地域再生」とは何か〜大阪・西淀川「あおぞら財団」の軌跡と未来』の内容を踏まえた講演をしていただきました。財政状況を含めた分析や、職員の声の紹介を交えながら、地域と協働して「公害を起こさないまち」を目指してきたことを丁寧に語っていただきました。

その後の「あおぞら財団へのメッセージ」では、前理事長の森脇君雄さん、元環境省事務次官の森本さんや鎌形さん、あおぞら財団黎明期を担った元職員の傘木さん、大学の先生方などからあおぞら財団設立に込めた思いや30年経過して活動に対する評価や今後の期待といった心のこもったメッセージをいただきました。
残念ながら当日ご欠席だった宮本憲一先生からも、未来の市民運動や環境再生への大きな期待が込められたお言葉をいただき、胸に響きました。

森脇君雄前理事長からのメッセージ

森本 英香さん(元環境省事務次官)。当初、和解金を用いた財団の設立には驚いたそうです

鎌形浩史さん(元環境省事務次官)。公害患者さんとの歩みについてお話してくださいました

傘木宏夫さん(もとあおぞら財団職員)。あおぞら財団の立ち上げから初期の活動の苦労を語られました

島正之先生(兵庫医科大教授)。大気汚染と呼吸器疾患の関係についてお話してくださいました

檜谷 美恵子先生(京都府立大学 名誉教授)。あおぞら財団設立当初の運営検討委員。スタッフとの思い出についてお話してくださいました

「みんなで語ろう!あおぞら財団のこれまでとこれから」の時間には、6つのグループに分かれて、あおぞら財団との思い出やこれからへの思いを語り合いました。学生ファシリテーターからは「環境を良くしたい、そのためには人とのつながりが大事だと感じた」との感想もあり、世代を超えてあたたかな交流が広がりました。

グループに分かれてお話「みんなで語ろう!あおぞら財団のこれまでとこれから」

最後は資料館やあおぞらビルを見学と懇談。久しぶりの再会に笑顔があふれる場面もあり、同窓会らしい和やかなひとときになりました。

全員で記念撮影!

集まってくださったみなさんのおかげで、財団がこれまでどれだけ多くの方に支えられてきたかを改めて感じました。

また、久しぶりにお会いできた方々同士の再会や新たな出会いを喜び合う笑顔に胸が熱くなり、財団の歩みを一緒に振り返れることのありがたさを実感しました。

本当にありがとうございました。

これからもみなさんと一緒に、「公害を起こさない社会」に向けて、持続可能なまちづくりに取り組んでいきたいと思います。


9/6(土)も「清水万由子著『「公害地域再生」とは何か~大阪・西淀川「あおぞら財団」の軌跡と未来』 書評会があります。
お席に余裕がありますし、オンライン配信も行いますので、是非ご参加ください!
https://aozora.or.jp/archives/43347

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,事務局 — aozorafoundation 公開日 2025年9月1日12:13 PM

西淀川区役所でCOPD・肺年齢チェックを実施しました(7/23)

西淀川区役所と連携して、7月23日に行われた「がん検診・特定健康診査」にて、あおぞら財団はブースを設置し、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の早期発見への取り組みとして肺年齢測定やパンフレットの配布を行いました。

今回は、理学療法士・辻先生(北野病院)にご協力いただき、スパイロメーターという精密機器を使った測定も実施しました。

あおぞら財団では2016年から、西淀川区役所で実施している「がん検診・特定健康診査」において肺年齢測定を実施しています(コロナ禍中は休止)。

今回は、35名の方に測定いただいてその内、27名(77%)の方が初めてとのこと。

肺年齢測定は、たばこの煙や大気汚染に含まれる有害物質によって引き起こされるCOPDの認知度向上と早期発見を目的に行っています。

今回の結果では、35名中4名の方が「実年齢より肺年齢が10歳以上高い」という判定になりました。また、呼吸リハビリテーションについて知らない方が88%となっていました。呼吸リハビリとは、運動療法・呼吸法・排痰法・栄養指導などを組み合わせ、患者さんの生活の質(QOL)を高めるための取り組みです。

今回の肺年齢測定を通じて、多くの方にCOPDに関しての理解を深めてもらいました。


次は、9月15日(月・祝)に区役所にて開催される【がん検診】にて、肺年齢測を行います。

喫煙中の方、過去に喫煙していた方、息切れや呼吸のしづらさが気になる方は、ぜひお立ち寄りください。

理学療法士によるスパイロメーターを使った検査と説明

ハイチェッカーで簡易検査!

(アルバイト 王)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境保健 — aozorafoundation 公開日 2025年8月13日11:39 AM
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