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ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

西淀川公害=資料の紹介(1) 第1回公害問題講座のポスター

※機関誌りべらで連載をしている所蔵資料紹介コーナーの転載記事です。

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1970年10月、日本科学者会議大阪支部・新日本医師協会大阪支部・大阪民主医療機関連合会はそろって公害問題講座を開きました。これはそのときのポスターです(エコミューズ保管)。参加者は4日間で延べ1,000人以上。うち384人に上ったアンケートのまとめもガリ版刷りで残っています。公害問題を知りたい、理解したいという願望は大阪でも広がっていたのです。

講座の主催者たちも知らない多様な人びとがこの講座を聴講しました。10歳代34人、20歳代243人、30歳代50人と圧倒的に若い人が多く、参加のきっかけは、8割以上がポスターやビラを見てと答え、もっと早く知りたかったとも語っています。公害問題は日本を揺るがす大問題で、自分にも関わると広く認識されていたのです。翌年1月には第2回の講座が実施されています。

公害をなくそうとの声を一つにまとめ、公害を押し付ける大阪府や市などの行政と渡り合おうとする永続的な組織「大阪から公害をなくす会」が結成されるのは、1971年2月17日のことでした。

エコミューズ館長 小田康徳

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大阪から公害をなくす会資料No.318-2

西淀川公害がわかる資料集をつくろう

あおぞら財団付属の西淀川公害と環境資料館エコミューズでは、資料集編集の取り組みをしています。機関誌りべらで連載をしている所蔵資料紹介コーナーをブログでも紹介していきます。

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1970年2月「公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法」が制定されたとき、西淀川区でこの年末までの公害病認定数は1,241人。1978年4月の西淀川公害裁判提訴の直前、救済法を引き継いだ公害健康被害補償法による累計の認定患者数は5,621人。死亡者を除くと4,242人が認定患者でした。この激烈な健康被害は、1970年11月公害国会後の公害対策の進展下に起きていたのです。裁判は住民の健康無視の工場操業から出るSOx、道路政策の中で新たな公害源として猛威を振るっていたNOxとSPMの環境基準以下までの排出差し止めを求めました。西淀川公害訴訟は同じ大気汚染に苦しむ千葉・川崎・倉敷・尼崎・名古屋南部・東京の裁判と連携してたたかわれました。

いまエコミューズの資料調査活動が進み、裁判の記録はもちろん、公害患者たちのくらしから裁判後の活動に至るまで、無数の資料の中から歴史に残る活動の跡を選び出す条件はようやく整い始めています。過去の事実が意図的に消されないため、記録を、それも第一級の記録をもれなく集めた資料集を編集することになりました。

エコミューズ館長 小田康徳

No.7308 検甲第14号証の29 昭和39年2月7日 西淀川区出来島付近上空から大阪製鋼の方向を撮影

西淀川の空を覆う工場排煙―1963年2月7日大阪気象台撮影。裁判の証拠として提出

 

No.1270

合同製鐵との交渉。1991年3月29日の第一次判決後被告側が控訴。白紙に患者の願いが

 

 

【インターン】にしよどミライラボ構想プロジェクトのサポート!

インターン生が他所のインターン生をサポート!

今日はにしよどミライラボ構想プロジェクトのインターン生とお会いしました。午前中はタンデムツアーのサポート、午後からはオンラインインタビューにひっそりと参加させていただきました。

(サポートというよりも「なんか誰かいる…。」という状態でした。)
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↑実はカメラマンしていました。

以前タンデム自転車を体験していた私ですが、パイロット(操縦する人)の役割は上手くこなせなかったので速攻チェンジ!初めて乗ったインターン生の方が上手く乗りこなしていました…。パイロットを担当したインターン生には「久しぶりに自転車乗ったけど楽しい!」と言ってもらえたので、ストーカー(後ろでこぐ人)の役割は上手くこなせたと思っています!

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みんな乗りこなしていますね~!!

午後からの会議はひっそりと参加させていただきました。エコドライブや防災教室など幅広い質問に対する答えを聞きながら、私も頷きながらメモを取っていました。

夏の思い出として一緒にタンデム自転車に乗ったこととか覚えてくれているとうれしいなと思います。
(記・インターン生中野)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,インターン生,タンデム自転車,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2021年8月24日5:19 PM

公害資料館ネットワークの事務局移転のお知らせ

拝啓
時下ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます
平素は公害資料館ネットワーク及び当財団の活動に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、公益財団法人公害地域再生センター(あおぞら財団)では、全国の公害資料館が連携し公害の経験を伝えていく公害資料館ネットワークの事務局を2013年12月の結成時より務めてまいりました。
同ネットワークでは、全国の公害地域の取り組みや公害資料館などに関わる方々の情報交流、テーマ別分科会や公害資料館連携フォーラム(年一回)を開催し、多くの方々のご協力を得ながら、「公害を伝える」取り組みを広げています。
活動の進展とともに運営体制についても検討が進められる中、この度、同ネットワーク事務局が水島地域環境再生財団(みずしま財団)に移転されることとなりましたのでお知らせいたします。
あおぞら財団は全国認可の団体として、公害・環境問題資料について広くネットワークを形成するため、1999年から近・現代史研究者、アーキビスト、弁護士をメンバーとした「公害問題資料保存研究会」で議論を積み重ね、2006年には「西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)を開館しました。また、2009~2011年には「公害地域の今を伝えるスタディツアー」を開催し、各地の公害資料館とのつながりを深めてまいりました。公害資料館ネットワークの活動もこうした流れの上に力を注いできたものです。
当財団では、引き続き、同ネットワークの構成団体としてその発展のための活動に取り組んでまいります。
今後とも同ネットワークの活動に一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
敬具

2021年5月
あおぞら財団事務局長 藤江徹

公害資料館ネットワーク事務局(移転先)
〒712-8034 倉敷市水島西栄町13-23
公益財団法人水島地域環境再生財団(みずしま財団)内
TEL 086-440-0121  FAX 086-446-4620  E-mail kougaishiryoukan@gmail.com
https://kougai.info/

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2021年5月19日4:03 PM

とよなか国際交流協会職員研修(2/3)

2021年2月3日、とよなか国際交流協会の職員研修を受け入れました。参加者は11人、屋外でのフィールドワーク中も原則、マスク着用の上、研修室では間隔を空けて着席するという形で感染症対策に配慮して実施しました。
インターンの鹿さんのレポートと、参加者のみなさんのご感想を紹介します。

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今回、あおぞら財団の研修を体験しに来ていただいていたのは、とよなか国際交流センターの職員さんたちです。
阪神出来島駅から出発し、歩きながら説明を進めていきました。あおぞら財団の栗本は、出来島小学校前でマイクをつけながら、周辺にあった大気汚染や騒音の問題を紹介した後、道路周辺の環境汚染対策の設備をみんなで探すよう呼びかけましました。普通に見える学校の壁は光触媒を使ってNOxを付着させるものであり、地面の舗装も騒音を低減させる素材であるなど、目立たないものが日常の環境汚染の減軽のためのものであることに、みんな感心しました。
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大和田の方に歩いていく途中、ちょくちょく海抜が書かれている表示が見られました。時に海抜がマイナス1メートルであったりとか、地盤沈下の様子や、浸水した場合の厳しさがわかりました。特に神崎川の上の橋に立っていると、川より両岸の道路の方が低いことがはっきり見えます。
あっという間に昼頃になり、昼食のためハラールレストランに行きました。近くにマスジド(モスク)と売店もあって、移民のコミュニティの生活が垣間見えます。
少し売店での買い物を含めて休憩した後に、静かな住宅街を通って大野川緑陰道路に入りました。川を埋めて作った道路が驚きで、緑が溢れる環境にみんな感心しました。
あおぞら財団に戻って、公害患者の池永末子さんから当時の状況や病気の話を聞かせてもらいました。
資料館を見学した後、最後に、1日のふりかえりとして、3つのグループに分かれて、みんな自分の思ったキーワードを付箋に書いて、白い紙に貼りながら説明していました。
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みなさんのお話を聞きながら、自分の中にも2つのキーワードが浮かびました。
一つ目は「変化」です。あおぞら財団でのインターンを始めから半年になった今でも、緑陰道路の建設経緯に感心します。過去40年の変化が大きい所、その背景はたくさんの住民の努力がありました。池永さんのお話によりますと、当時の公害患者は自分や家族のためのエネルギーが使い切れないようにあったのだと感じました。そして今になっても、池永さんは、子ども食堂への手伝いなど、ご高齢にも関わらず、自分のできることをやり続けています。従って、「変化」については、変わったのは環境や環境への認識があるのに対し、変わっていないのは人の心であると思います。
この変わってない心につながっている二つ目のキーワードは「パワー」です。国民が大手企業、さらに国を相手に自分の主張を言い続けた20年。中に非特異性疾患である大気汚染の公害病の認定に協力した地元の医師たちや、汚染源の追跡に証拠集めた弁護士たち、そして裁判を一から勉強し、自分の境遇を全国に知らせていた住民たちがいた。このパワーは今でも違った分野で続いています。公害患者たちは今も公害の歴史などを若い世代に話し続けていて、そしてこのあおぞら財団も、環境保護などの事業を通じて、西淀川区内だけでなく、国内外の地域間の交流を続けています。
私にとって2回目のフィールドワーク体験でありますが、新しく学んだ事が増えました。
(インターン生 鹿)

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◆参加者の感想(抜粋)
・今回の研修では、西淀川の公害を通じて、環境、まちづくり、防災、外国人、教育、世代間交流…etc、人権にかかわる問題の交差性を実感しました。このあたり、普段からもっと意識したいなぁと思います。

・池永さんのお話は素朴で飾らない中にもぶれない意志、思いも感じることができました。このパワーはどこからくるものなのかと思いましたが、支える人びと、共に闘う仲間がいることは大きいなぁと感じました。

・特に池永さんには、コロナ禍の中、貴重なお話をいただき、ありがとうございました。私自身、知識としてしか持ち合わせていなかった公害の問題が、身に染み込んだように思います。“昔の話”“違う地域の話”ではなく、現在、自分にもかかわる大きな問題であると感じることができました。

・生まれ育った場所に住み続ける/続けたいだけなのに、それをするためには闘い続けなければならないこと。20年の裁判を続けられた理由、モチベーションについて(当日もお話いただきましたが)もっと知りたいと思いました。当事者でない側が学び、日常の意識を変えていきたいと思いました。

・池永さんのお話、しなやかな強さを感じました。“自分たちが動かねば!”という強い思いとともに、当事者が動かなければ動かない社会の在り方を再度見つめ直すことができました。“公害”はこれまで、教科書の中の話のように感じていましたが、池永さんのたすきを私自身がちゃんと受け取らないとと思いました。

・豊中市内も自動車の交通量が多いです。研修後、ネットでPM2.5の数値を調べたりしてみました。自分が在職・在住している町の環境にももっと関心を持たなくてはいけないと気づかされました。

・20年かけて、粘り強く勝ち取った。本当にすごいなと思いますし、励まされます。さらに闘って倒すのではなく闘ってつながる。今もいろいろな地域とつながる。心が震えました。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2021年2月16日4:44 PM
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