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ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

新しい西淀川のフィールドワークマップが完成しました。

エコミューズでは、年間400人ほどの研修受け入れを行っています。
その時に活躍するのが「地図」です。
特にフィールドワークでは、地図は必需品で、西淀川のどこを歩いているかを知るためになくてはならないものです。

これまで使用してきた地図は、2004年に日本市民スポーツ連盟・大阪府歩け歩け協会・あおぞら財団が協力して作成したウォーキングマップで、「西淀川区の史跡探訪」と「公害の歴史と環境再生の足跡を訪ねて」の二種類がありました。
当時は、エコミューズもオープンしておらず、研修事業も表立って実施していませんでした。
ついつい、ウォーキングマップを研修用のマップとして代用してしまい、そのまま10年もたってしまったのです。
10年もたち、書かれていない情報も増えてきました。
訪問頻度が高いデイサービスセンターのあおぞら苑(西淀川公害裁判の和解金でつくられた施設)もマップに書かれていないことから、思い切ってフィールドワークマップを刷新することになりました。

今度の地図は、西淀川公害の歴史と地理的な位置が分かるようにしていること、西淀川のフィールドワークから学んでほしいポイントを明らかにしました。
また、尼崎方面をめぐるバスによるフィールドワークに対応できるように地図範囲を広くした点も改善点です。

青空がきれいな表紙が目印です!

青空がきれいな表紙が目印です!

こちらが表になります。

こちらが表になります。

1部500円になりますので、ぜひお手に取ってください。

また、研修をご希望の方はこちらから、お問い合わせください。

(林)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2017年5月29日3:49 PM

「西淀川の空のいま ~ソラダス2016調査結果発表!~」図書館展示

「西淀川の空のいま ~ソラダス2016調査結果発表!~」図書館展示が始まりました。

ソラダス(市民による空気測定)とは1978年から4~5年おきに実施されてきた「大阪NO2簡易測定運動」です。その第8回目を2016年に多数の個人団体の参加を得て実施しました。この展示では、私たち市民の力で行った大規模な測定運動の結果をご紹介します。同時に行われた健康アンケートの結果も併せて展示しています。

 

展示期間:5月18日(木)~7月19日(水)まで(予定)
展示場所:西淀川図書館
開館日:火曜日~金曜日 午前10時~午後7時
土曜日・日曜日・祝・休日 午前10時~午後5時
休館日:月曜日・第3木曜日(国民の祝日と休日にあたる場合、および7月21日から8月31日の期間の月曜日は開館)・蔵書点検期間・年末年始
西淀川図書館のURL:http://http://www.oml.city.osaka.lg.jp/?page_id=149

 

大阪の大気汚染の今が分かりやすく展示されているので是非ご覧ください。

展示1

展示

展示3

展示o

 

ソラダス2016西淀川報告会「結果発表!みんなで調べた西淀川の空気の汚れ」の記事もご覧ください。

 

Filed under: イベント案内,環境学習,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2017年5月19日10:53 AM

「実践から学ぶコミュニティ・オーガナイジング!~西淀川の人々は、どのように公害問題を解決したか?~」を開催しました(2/11,12)

2月11・12日、シチズンシップ共育企画代表の川中大輔さんコーディネートのもと、「コミュニティ・オーガナイジング」の方法を学びました。
「コミュニティ・オーガナイジング」とは、地域の問題解決に向けて人々を組織化していくことです。今回は、西淀川の事例に関わった方々から直接お話を伺うことで、実践的な「コミュニティ・オーガナイジング」の方法を学びました。

1日目は、最初に「コミュニティ・オーガナイジング」とは何かについて学びました。

川中大輔さん

川中大輔さん

「コミュニティ・オーガナイジング」とは、地域の中で孤立した状態にある「小さくされている人々」を共通課題のもとで集合化/組織化し、社会的正義/公正」を実現化していく営みのことです。
地域の中で孤立した状態に置かれた人々が、自分達が置かれている環境は個人の問題ではなくみんなの問題であるということに気づき、同じ課題を持つ人々が集まって既存の政治システムに対して働きかけを行うことで、虐げられている人々や排除されている人々の声が行き届き、適正な社会に修正されることを目指します。

コミュニティ・オーガナイザーの役割は、組織のリーダーを担うことではなく、当事者の中からリーダーを発掘し、エンパワメントすることです。

コミュニティ・オーガナイザーは、地域や住民の生活パターンなどを知ることで時間をかけて地域の一員となり、住民と対話し、住民の気持ちをしっかりと受け止め、関係を築きます。その中で、自覚されていないコミュニティの多様な問題を認識し、住民を惹きつける具体的なIssueを見つけ、具体的な解決策を検討します。
そして、共通の問題の下に人々を集め、その中からリーダーを発掘し、活動を起こします。活動から組織化を進め、自立化を促した後は、意思決定者の関心を維持しつつ、評価を通じて改善していきます。

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その後、フィールドワークを行い、タンデム自転車で大野川緑陰道路や国道43号線、千北診療所などを巡りました。

43号線沿いを見学しました。

43号線沿いを見学しました。

西淀川公害医療センターです。

西淀川公害医療センターです。

西淀川公害の概要を学んだ後、西淀川公害患者と家族の会事務局長・上田敏幸さんと当時の企業の法務担当者・山岸公夫さんから当時のお話を伺いました。
患者会担当者、企業法務担当者であったお二人のお話を同時に聞く試みは初めてのものでした。

左が山岸さん、右が上田さん

左が山岸さん、右が上田さん

お二人からは、患者会と企業が「対話」に至り、和解が実現するまでの経緯を詳しく聞くことができました。
西淀川大気汚染公害裁判の解決の背景には千葉川鉄公害訴訟の解決があったこと、企業をめぐる情勢が変化したことで、会社も和解を受け入れられるよう変化したとのことでした。

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和解には社会情勢の変化もありましたが、山岸さんが患者会と対話を重ねることで信頼できると思えたこと、「手渡したいのは青い空」というスローガンがあったからこそ、企業も受け入れることができたとお話なさっていたことが印象的でした。

2日目は西淀川に長くお住いの中田重幸さんと西淀川大気汚染公害裁判を担当した井上善雄弁護士にお話を聞きました。

中田さんからは、当時の環境の変化や西淀川の地域性についてお話を伺いました。

中田さん

中田さん

中田さんは小学校3年生の時に終戦を迎えました。疎開先から帰阪した後、同じ年に西淀川に移住しましたが、その頃にはすでに公害があったそうです。薬品会社が排出する茶色い煙や、防火槽に蓋をしているトタン板がすぐに錆びたこと、そうした環境でずっと過ごしていると慣れてしまって異変に気づきにくいことなどを聞きました。
公害裁判については、お仕事が多忙であったことから日常的に情報を耳にすることなどはなかったそうですが、「公害のまち」であるという認識から、署名に協力したことがあるとのことでした。

中田さんのお話を聞き取る参加者

中田さんのお話を聞き取る参加者

井上善雄弁護士からは、西淀川公害裁判に関わるようになった経緯や、中田さんのお話と共通する西淀川の地域性について聞くことができました。

井上善雄弁護士は、西淀川で育ちました。「煙が悪い」と直感的には分かっていても口には出せなかった時代、善雄少年は「なんかおかしい」と思いながら成長したといいます。

井上善雄弁護士

井上善雄弁護士

当時西淀川公害患者と家族の会事務局長であった森脇君雄氏から裁判がしたいとの相談をもちかけられ、「勝てるかどうか分からないけど、やってみよう」と奮起した背景には、井上善雄弁護士の育った環境があるそうです。

また、問題解決に向けて地域住民と一緒に最後までやりとげることやアフターケアの必要性など、オルガナイザーの責任にも言及がありました。

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患者会と企業の担当者、弁護士、地域住民といった西淀川の公害という地域の問題に関わった方々からのお話を聞いて、それぞれ印象に残った言葉や、話のポイントを参加者で共有しました。

2日間を振り返り、印象に残った言葉などをポストイットに書いていきます。

2日間を振り返り、印象に残った言葉などをポストイットに書いていきます。

それぞれのポストイットを出し合い、共有します。

それぞれのポストイットを出し合い、共有します。

参加者が出し合った言葉・ポイントを関連づけてそれらを象徴するキーワードを引き出すことで、患者会担当者、企業法務担当者、地域住民、弁護士から聞いた話を整理し、振り返りを行いました。

参加者からは多岐に渡るキーワードが出されました。

参加者からは多岐に渡るキーワードが出されました。

行動のきっかけや長期間におよぶ闘いの根源となった感情・強い信念、患者会担当者と企業法務担当者のお話に出てきた「対話」や「共感」、「積極的」に「行動」すること、地域住民などを「まきこむ」こと、その方法とそれに伴う責任に関心が集まりました。

今回の「実践から学ぶコミュニティ・オーガナイジング!」では、患者会担当者、企業法務担当者、地域住民、弁護士といった西淀川の公害問題を知る、さまざまな立場の「当事者」の方々からお話を聞いたことで、地域の課題解決に向けて人々を組織化するための実践的なポイントを学ぶことができました。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2017年4月10日1:30 PM

資料館だより59号(2017年2月号)発行しました。

資料館だより59号を発行しました。

エコミューズやあおぞら財団に配架しています。
資料館だよりNo.59(2017年2月号)


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PDF版はこちらからどうぞ
資料館だよりNo.59 

資料館だよりNo.59 

 

発行:西淀川・公害と環境資料館(エコミュー ズ) 資料館の活動をより広く知らせるために、「資料館だより」を2005年7月に創刊しました。A4版1枚のお便りで、3ヶ月 に1回発行しています。 資料館に まつわるニュースや所蔵資料の紹介、他の機関への訪問記、お知らせなどです。ご希望の方は事務局までご一報ください。

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2017年3月3日10:27 AM

環境省職員 現地研修受入 2日目(2/10)

あおぞら財団では、環境省職員を対象に西淀川・尼崎地域における環境問題史の現地研修の受け入れを実施しております。今回は2月9日から10日の二日間にかけて行われ、環境省職員の方10名と環境再生保全機構の方2名が参加されました。2日目では、フィールドワークとして西淀川および尼崎工業地域の見学とデイサービスセンターあおぞら苑での見学・ヒアリング等を行いました。

1日目の記事はこちら

 

まず、フィールドワークから始まり、バスを利用して国道43号線や西淀川・尼崎工業地帯を見学しました。

国道43号線では、騒音・大気汚染対策の現状を国土交通省大阪事務所の方から説明を受けました。

環境省研修2日目①

国道43号線にて、国土交通省大阪事務所の方から説明を受けている様子です。

 

国道43号線は、西淀川公害裁判の和解によって騒音・大気汚染対策が始まりました。道路の路面や高架橋などに、騒音低減や大気浄化を促すあらゆる技術が導入されており、様々な工夫が施されていました。これらの技術によって、意識することで体感できる程の効果があり、都市部を支えている技術の一つであると感じました。

 

次に、デイサービスセンターあおぞら苑を訪問し、利用者からヒアリングを受けました。

環境省研修2日目②

利用者からヒアリングを受けている様子です。

 

あおぞら苑は、西淀川公害裁判の和解金の一部を利用して創設されたデイサービスセンターで、利用者の1割程度が公害患者となっております。利用者から西淀川地域のお話を聴き、西淀川地域の歴史を「生の声」から学びました。私は、普段から地元の高齢者との交流が少ない為、大変貴重な機会を頂きました。

 

その後、徒歩で大和田街道・大野川緑陰道路を通り、住民にインタビューを行いながら、あおぞら財団へ向いました。

 

財団へ到着後、西淀川区副区長の橋本広志さん・あおぞら財団藤江から「現在の西淀川の状況と課題について」を題して講義を行いました。

環境省研修2日目③

講義を受けている様子です。

 

講義終了後、2日間のワークショップを振り返り、「西淀川で得た学び」をテーマにグループでプレゼンテーションの作成を行いました。

環境省研修2日目④

グループで2日間の内容を振り返りました。

 

2日間で学んだことをグループで情報共有し、西淀川地域の現状と展望をまとめました。短時間のなか、参加者全員が熱心に議論し、お互い意見を出しながらプレゼンテーションを作成しました。

 

振り返り後、質疑応答を交えながら各グループで発表しました。

環境省研修2日目⑤

各グループでまとめた内容を発表している様子です。

参加者は、「対話の重要性を感じた」や「地域のつながりが大切だと思う」、「子どもにも西淀川の歴史を知ってほしい」など、当研修で学んだことや感じたことを話されておりました。

 

今回の研修を通して、西淀川地域の現状やあゆみを間近で学ぶことができ、大変貴重な経験になりました。フィールドワークは、一つひとつ街を見ることでその地域を知ることできる重要な機会であります。環境問題に向き合っていくうえで、目や肌で感じることが住みやすい街づくりとして必要ではないかと思います。(嶋田)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2017年2月27日1:03 PM
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