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ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

【8/7東京開催】「住民が動いたまち 西淀川の経験から考える市民力」教材体験会

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住民が動いたまち 大阪・西淀川の経験から考える市民力

アクティブラーニング教材体験会

大阪7/2(日)・東京8/7(月)

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(写真は愛媛大学環境デザイン学科での授業の様子

あおぞら財団では、実際に西淀川に住んでいた人たちをモデルにシミュレーション教材「住民が動いたまち-西淀川の経験から考える市民力」を開発しました。(対象:高校生~、所要時間:約90分)
「設定カード」を読み解きながら、想像力を働かせ、公害という社会課題に直面した人びとがどのように行動したかを追体験します。

立場の違う人たちと共に社会課題の解決に向けてどのように行動することができるか?、市民としてどんな力を身につけておくべきか?など、多様なテーマに発展させることができる教材です。
公害・環境問題としてのみならず、市民性教育やまちづくりについて学ぶことができます。ぜひ体験してみてください!

■大阪開催
日 時:7月2日(日)10:00~12:00(教材体験)
13:00~15:00(教材をどう使うか、ゲストや委員と共に検討します)
*教材体験のみの参加も可能です
場 所:あおぞらビル グリーンルーム(555−0013 大阪市西淀川区千舟1−1−1あおぞらビル JR東西線「御幣島」駅 11番出口すぐ)
ゲスト:川中大輔さん(シティズンシップ共育企画)
教材開発委員:北野真由美さん(えんぱわめんと堺)、栗本敦子さん(Facilitator’s LABO〈えふらぼ〉)、下村哲史さん(元大阪市教員)
■東京開催
日 時:8月7日(月)13:00~15:00(教材体験)
15:30~17:00(教材をどう使うか、ゲストや委員と共に検討します)
*教材体験のみの参加も可能です
場 所:早稲田大学戸山キャンパス33号館第10会議室
ゲスト:小寺昭彦さん(サイエンスカクテル)、近藤牧子さん(開発教育協会評議員)
教材開発委員:西あいさん(開発教育協会)

参加・資料代:500円
定 員:20人(先着順)
お申込み方法:E-MAIL(webmaster@aozora.or.jp)またはFAXで、以下の必要事項をご連絡ください。
①お名前、②お電話番号、③メールアドレス、④申し込み動機(教材のどこに関心をもったかなど)、⑤教材モニター(下記参照)を希望するかどうか。

申込・お問合せ先:公益財団公害地域公害地域再生センター(あおぞら財団)
担当:栗本、林
〒555-0013 大阪市西淀川区千舟1-1-1あおぞらビル4階
TEL:06-6475-8885 FAX:06-6478-5885
E-MAIL :webmaster@aozora.or.jp
URL https://aozora.or.jp/
(地球環境基金助成事業)

— 教材モニター 募集中! —
あおぞら財団の開発した教材をモニターとして使っていただける方を募集しています。
◆ 募集期間 2017年5月~2018年2月
◆ ご自身がファシリテーターとして教材を使う意欲のある方を募集します。
◆ 教材を使っていただく場にスタッフがオブザーバー(記録者)として伺います。
◆ 授業の様子を録音・撮影しますので、ご了解ください。
◆ 教材を使う事前事後に、アンケートにご回答ください。
◆ 記録やアンケートでいただいたご意見を、あおぞら財団で教材に反映させる場合があります。

こんな教材があります!
〇西淀川公害フォトランゲージ(対象:小学校~)
西淀川公害に関する写真をみながら話し合う教材です。

フォトランゲージ1

〇ワークシート「照代の物語」を使って~「公害病になったら?」連想図(対象:小学校高学年~)
公害患者の物語を読んで、どんなことが起きたか想像し、連想図を書きながら公害被害の社会構造を考えます。 *実施例はコチラ

連想図_阪大

〇ロールプレイ「203X年、あなたの町で公害がおきたら」(対象:小学校高学年~)
町に住む様々な立場の役になりきって話し合う、簡単なお芝居をする教材です。
近未来、あなたの住む町でナゾの病気が流行ります。ひょっとしてあの工場のせいでは…?
*実施例はコチラ

西淀川高校にて話し合いの様子
〇シミュレーション教材「住民が動いたまち-西淀川の経験から考える市民力」(対象:高校生~)
大気汚染公害がひどかった頃の西淀川に実際に住んでいた人たちをモデルに開発した教材です。5人の住民とその家族の経験を追体験します。
*教材についての報道はコチラ
〇簡易カードバージョン「住民が動いたまち-西淀川の経験から学ぶ」(対象:小学校高学年~)
シミュレーション教材の簡易バージョンです。  など・・・

7月15日 追手門学院大学 西淀川フィールドワークとエコミューズ見学

追手門学院大学 藤吉ゼミで学ぶ学生さん4名に藤吉圭二先生も同行されて、西淀川のフィールドワークとエコミューズの見学、ワークショップなどを行いました。
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夏の日差しの照りつける、たいへん暑い中、出来島駅から43号線、千北診療所、あおぞら苑などをめぐりました。

土曜日ということもあり、多くの工場はお休みでしたが、それでも西淀川の今の姿から、住宅と工場のかかわりなどを参加者のみなさんは自分の五感で受けとめてくださったようです。途中、大阪マスジド(モスク)を訪ねる機会があり、ハラール(イスラム法でゆるされる食材・料理)のことなどにもふれることができました。
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大野川緑陰道路でしばし木陰に助けられつつその歴史について学び、あおぞら財団に到着。休憩をはさんで、西淀川・公害と環境資料館 エコミューズにて、あおぞら財団職員 林より西淀川公害とエコミューズについて説明が行われました。
問題解決に向かう中で、西淀川では公害病患者の人びとが、その原因である企業や工場の立場も考え、対立を生じさせないように、ともに取り組むべきものを見いだしていったこと、そこから生まれたパートナーシップは、学生のみなさんにも印象深かったようです。
また、今回はアーカイブスについての学びということで、所蔵されている当時からの資料にもふれました。そのままではやがて失われてしまうようなものまで、未来につなげるために保存し、活用し、伝えていくことも響いたようです。
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その所蔵資料を用いたワークショップ(フォトランゲージ)を行うことで、フィールドワークとエコミューズでの説明や目にしたアーカイブスがつながったようで、最後のふりかえりからは、先にふれたような印象や考えたことなどが分かち合われ、今日見たこと、聴いたこと、体験したことが、自分の課題としてみなさんの中で動きはじめたようでした。
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(ボランティア 吉岡)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2017年7月18日6:20 PM

エコミューズのHPが一部新しくなりました。

先日西淀川フィールドワークマップを新しく刷新したのは、こちらのブログでご紹介しました。
ブログでも書かれていますが、10年以上使用してきたウォーキングマップから、フィールドワーク用のマップになりました。それにともない、新しく西淀川・公害と環境資料館エコミューズのホームページも一部変更となりました。

変更があったのは、研修受入のページです。
フィールドワークで大切にしている三つのことや、詳しくなったフィールドワークのコース説明、また新しく販売を始めた地図を利用したフィールドワークのガイド代などが新しくなりました。
フィールドワークのコースについては例えになっていますので、ご希望があれば、それに添えるようにコースを組みます。お気軽にご相談ください。
研修希望や講師依頼を少しでも考えている場合は、メールやファックス、お電話でお問い合わせください。

灘高校フィールドワークの風景

新しくなったエコミューズの研修受入のページは→こちらから。

 

(松ヶ平)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2017年6月27日10:15 AM

6月23日 灘高校フィールドワーク

今回は記録として参加いたしましたボランティアの吉岡が報告いたします。

神戸市の灘高等学校3年生、教員も含めて約50名のかたがたのフィールドワークを行いました。
多くの参加者のため、阪神 出来島駅から2グループに分かれて、西淀川をめぐりました。

事前学習も行って今日に臨んだ生徒のみなさんには、音やにおいといった五感をつうじて受けとめてほしいとあおぞら財団職員よりお伝えしました。

43号線。マイクを通さなくては説明の声も聴こえない騒音。そばには小学校。生活や教育の場のすぐそばで、止むことのない車の音や大気汚染があります。
西淀川の人びと、公害患者のみなさんは、裁判に勝訴しましたが、賠償金が環境改善への対策、つまり継続的な測定に用いられることを望みました。
出来島小学校には大気汚染の測定局があります。これは常時測定局ですが、出来島小学校の周辺に出来島測定局と大和田西測定局見あります。それは行政が進んで設置したものではなく、西淀川公害裁判の和解に伴って設置された測定局です。
測定は、自治体や行政との信頼関係でもあるとあおぞら財団の職員が説明しました。そこで示された数値という現実から、向き合うべき課題を知り、考え、取り組んでいくことができるのです。
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西淀川の環境は、患者のみなさんのたたかいにより、緑多い地域に変わっていきました。加えてアクセスのよさなどもあり、新しくここに住む人びとも増えてきています。従来の住環境の中に工場がある状況から、におい等の面で軋轢が生じることもあるようです。

子や孫の世代に青い空を渡したいと、長きに渡ってたたかってこられた世代のみなさんの生活を援助しているデイサービスセンター あおぞら苑。その設立には、夜中に起こることの多い喘息の発作により、孤独な死を迎えられるかたがおられたことも背景にあるとのことです。公害患者だけでなく地域のかたがたにも開かれている あおぞら苑 は、多くのかたが利用されています。公害患者のみなさんは旅行に行きづらいこともあり、新館は旅館風のつくりになっているそうです。ここにも人が人らしく生きることをたいせつにする思いが感じられました。

ちょっと早い真夏の暑さの中、限らえた時間ではありましたが、灘高の生徒さんたちは、自分で歩き、見えるもの、聞こえる音などから感じとってくださったことでしょう。

あおぞら財団に着いてからは、公害患者の池永末子さん、前田春彦さんのお話をうかがいました。
運動の原動力は、次の世代、若い世代が苦しまないようにという思いだとおっしゃる池永さん。やはり喘息で苦しんでおられた娘さんをすべてにおいて優先され、ご自分は公害病の認定を受けられなかったそうです。いっぽうで娘さんは、親を心配させないように、学校から治療を受けに行っていたとのことで、たがいを思うことが長いたたかいを支えたのだろうと感じました。保育園で働いておられた池永さん。とうぜん子どもたちと遊びますが、サッカーなどはさすがにこたえたため、ボールを遠くに蹴って、その間にひと息入れていたと、つらかった体験を語られる中でも、生徒さんたちをなごませてくださいました。
前田さんは「軍事基地のことも含めて、市民が望んでいないことに大金が投じられている。苦しむ側に立って判断してほしい」と話されました。
池永さんも前田さんも、今も患者として省庁や企業に出向き、声を上げつづけておられます。しかし、生返事しか返ってこない。将来、その「聴く側」になるかも知れない生徒さんたちには「声を聴く人になってほしい」と思いを語られました。P1240548

つづいて、灘高のみなさんから、患者さんへの質問です。
Q. 経済的に余裕にある人は西淀川を離れていったと聞きましたが、そのような人たちへの思いはありますか。
A. 自分も子どもと故郷に帰ったほうがよいのではと考えたことがある。でも、子どもたちにとってはこの西淀川が故郷だと考え直しました。

Q. お子さんのこと、またご自分の苦しさから仕事をやめようと思いませんでしたか。
A. (保育園の仕事は)子どもが好きなのでやめようとは思いませんでした。また、子どもの様子を見ていたら、経験上、喘息の発作が出そうな子はわかるので、ほかの職員と連携することができました。また、医療費のこともあったので、仕事はたいせつでした。

Q. 子どもたちにご自分の体験を伝えるとき、自分たちが暮らしている街に子どもが悪いイメージをもってしまうのではないかとジレンマを感じたことはありませんか。
A. たしかにたくさんの問題があったけれど、自分たちがたたかって、それを改善していった、よくしていったということを伝えたいと思っています。

Q. 街を支えてきた工場とのかかわりについてはどう考えておられますか。
A. 同じ地域に生きる者として共存していく。新しい住民との軋轢があるのもたしかだが、ものづくりの街として、ものづくりが見えるアートイベントなど、共に生きる道をつくっていきます。

Q. 今ここで伝えたいことはなんですか。
A. (ここにいるみなさんが、将来、行政や企業の側になる可能性もおおいにありますので)もっと空気をきれいにしていきたい。医療費など、もっと患者の側に立ってほしいということです。

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灘高校の生徒さんたちの質問に、現代的な視点も踏まえたするどさを感じました。炎天下の中、時間に追われてのフィールドワークでしたが、灘高生のみなさんは、五感で受けとめたことを患者さんのお話と重ねて、しっかりと考えてくれているのだなと感じました。
神戸と大阪ではちょっと距離はありますが、これを機会にタンデム自転車乗りにでも来てくださって、もっと西淀川とここに生きる人びとと出会い、自分の感性をだいじに学んでいってほしいと願います。人の声を聴ける人になりますように……。
(吉岡)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2017年6月26日4:17 PM

6/2(金)大阪大学未来共生イノベータ博士課程のみなさんのフィールドワークを行いました。

今回は、ボランティアで参加いたしました吉岡がご報告いたします。

大阪大学未来共生イノベータ博士課程のみなさんと合流し、バスにてまずは尼崎の工場群、中島工業団地をめざしました。

その車中、あおぞら財団職員 林より、西淀川の公害、地域の特徴について説明がありました。わたし自身、ボランティアという形で、西淀川のフィールドワークに初めて参加しましたので、これまで「通りすがり」になんとなく目にしてきた風景が、説明を聴くことでまったく異なったものに映りました。

中でも長期に渡る工業用水の汲み上げによる地盤沈下は、視覚的にも衝撃を受けました。道路より低い家並、地面より高い水面。また、日頃身近な道路や鉄道、日常用いている製品を生産してきた企業が、公害訴訟においては被告となったことも説明がなければ見過ごしてしまったでしょう。利益優先の結果、住宅地のすぐそばに大規模な工場がつづいていることも背景を知らなければ疑問ももたない。視覚的な意味にとどまらず、課題の本質からブレないために「見る目」を養うことのたいせつさを痛感しました。

公害とは、人が人として人間らしく生活する権利が、大きな力とそれを後押しする大きな流れによって深く侵害されることだと思っていますが、患者とされた人びとの存在そのものを奪ってきたハンセン病の隔離政策とも重なることを外島保養院跡記念碑は告げているようでした。

車から降りて、住宅地を突っ切って造られた国道43号線から見えてくることも学びました。西淀川には大きな道路がいくつも通っています。交通量が多ければ、当然、大気汚染や騒音を生じ、やはり人の生活を脅かすことになります。あちらこちらに交通量を減らすために湾岸線の利用を呼びかける文言が掲げられていますが、「無料」の43号線に多くの車が流れる状況は現在の流通実態ではなかなか変わらないようです。P1240199

しかし、地域に生きる人びとが声を上げたことによって、かちとられたこと、取り戻したものがあります。道路においては車線を減らす、環境レーンを設けるなどは住民運動がもたらした成果です。

西淀川の人びとが資金を出し合って実現した千北療養所(当時は千北病院)に設置された、医師会立の公害医療センター。公害反対運動では工場に務める人もいるし、合意形成がむずかしい。そこで地域で共有できるものを求めていく。あおぞら財団の活動に理解・協力してくださっている企業もあると聴きましたが、相手を切り捨てず、互いの立場を思い、共生の道を見い出すためにも、対立を超えた対話こそ課題を可能性へと変える力になっていくのいではないかと思いました。

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阪大生のみなさんは、2人ずつ組んで、地域のかたがたに①西淀川の好きなところ、②西淀川の困っていること・改善したいこと、の2点についてアポなしインタビューを行いつつ、あおぞら財団へ。結果を発表していただくと、好きなところも課題も人さまざま。好きなところでは、生活が安定、景観がよい、公共サービス(子育て)、便利。課題では、高齢化、トラックのスピード、交通が不便、空気が重い、外国人が増えていることへのとまどいなど。その人その人、一人ひとりの捉えかた、考えかたがあり、それが人が息づき、生活しているということだと、阪大のみなさんは“生の声”にふれて感じられたのではないでしょうか。

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主役の阪大生さんをさしおいて、わたしの心もとない所感ばかりになってしまいましたが、みなさんは今日見たこと、聴いたこと、驚いたこと、疑問に感じたこと、インタビューに答えてくださったかたの声を、人が人らしくある未来に生かしてくださることでしょう。(吉岡)

 

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2017年6月2日8:01 PM
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