8/7~23まで、あいぽーと徳島(徳島県立人権教育啓発推進センター)にて、
特別展「環境汚染がもたらす健康被害、人権侵害 ~人権の視点からの地域再生~」が開催されます。
あおぞら財団作成のパネル「公害 みんなで力をあわせて」を中心に、
大気汚染問題Q&A、公害患者さんの証言、公害資料館ネットワークの取り組みなどの解説パネルを追加しています。
また展示期間中の8/20(木)には、あおぞら財団の林が西淀川公害裁判について講演します。
お近くの方はぜひお立ち寄りください!
詳しくはこちら
8/7~23まで、あいぽーと徳島(徳島県立人権教育啓発推進センター)にて、
特別展「環境汚染がもたらす健康被害、人権侵害 ~人権の視点からの地域再生~」が開催されます。
あおぞら財団作成のパネル「公害 みんなで力をあわせて」を中心に、
大気汚染問題Q&A、公害患者さんの証言、公害資料館ネットワークの取り組みなどの解説パネルを追加しています。
また展示期間中の8/20(木)には、あおぞら財団の林が西淀川公害裁判について講演します。
お近くの方はぜひお立ち寄りください!
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エコミューズ(あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館)のことが、大阪府立中央図書館のホームページで紹介をされました。
大阪府立中央図書館では類縁機関の紹介をしています。
類縁機関と言うのは図書館ではありませんが、図書や雑誌だけではなく、ビデオやDVDなどを所蔵しているところを言います。
その中でも、それらの資料を一般公開、もしくは紹介状などによって公開している機関です。
大阪府立中央図書館の類縁機関は現在161か所が登録をされています。
その中の「大阪近辺類縁機関」として、新しくあおぞら財団のエコミューズが登録をされました。
実際に登録されているページがこちらになります。
ホームページには開館日時やアクセス以外にも、公開状況や連絡先などが記載されています。
この機会に、ぜひエコミューズに足を運んでみませんか。
エコミューズ(西淀川・公害と環境資料館)
【HP】
http://www.aozora.jpn.org/ecomuse/
【開館日時】
月曜日・金曜日 10:00~17:00
【休館日時】
火曜日~木曜日・土曜日・日曜日・祝日
※月・金曜日以外の閲覧希望は要相談
※裁判記録・書庫資料は閲覧のみ
(松ヶ平)
あおぞら財団では今年度、地球環境基金の助成を受け、西淀川の大気汚染公害を題材にした参加型学習の教材(アクティビティ)づくりに取り組んでいます。
2005年に国連が提唱した「持続可能な開発のための教育(ESD)」では、現代社会の諸課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出し、持続可能な社会を創造していくことのできる教育をめざし、
単に知識の伝達にとどまらず、体験、体感を重視して、探求や実践をする参加型アプローチをとることが推奨されています。
そこであおぞら財団では、すでに様々な手法が取り入れられている環境教育や開発教育、人権教育、市民性教育といった分野で活躍されている方々の協力を得ながら、
それらの分野でつくられた既存の教材を応用して、西淀川公害についての参加型教材を試作しました。
その教材をよりよいものにしていくために、来る8/8、北海道大学を会場に開催される「第33回開発教育全国研究集会」の自主ラウンドテーブルで教材実践をすることになりました。
参加型の蓄積の厚い開発教育の分野で活動されている参加者のみなさんとともに、試作教材の検討を行います。
ご関心のある方はぜひご参加ください!!(栗本)
■□■ 第33回開発教育全国研究集会in北海道 ■□■
「市民性」を育む開発教育 ―尊重と共生の社会へ―
日時 8月8日(土)~9日(日)
会場 北海道大学
主催 第33回開発教育全国研究集会実行委員会・NPO法人開発教育協会
【自主ラウンドテーブル】
8月8日(土)16:50~18:00
2-E 大気汚染公害のESD教材化プロジェクト
http://www.dear.or.jp/zenken2015/kikaku.html
研修の2日目は、9時に南森町のホテルをバスで出発しました。
大阪府のこの施設は環境情報の提供、環境学習の機会や場の提供等を通じて府民、事業者、環境NPO、行政など各主体の自主的な環境保全・環境活動をサポートする拠点施設として運営されています。
郊外における行政の役割を学習するために訪問しました。
まず、「大阪府域の大気汚染」に現状について担当者からの説明を受け、健康への影響が大きい二酸化窒素・浮遊粒子状物質(SPM)・二酸化硫黄の常時観測の説明を聞きました。その後、屋上の大気汚染測定機の場所へ移動し、観測機器の説明がありました。
屋上の観測機器を紹介
次に、アスベストの環境調査グループの部署に行き、アスベストの使用状況と被害の説明を受けました。「アスベストとは以前は安価な保温・断熱材として建材に使われていました。その繊維が極めて細いため呼吸で吸い込むと、肺の機能障害が発生するため現在は使用が禁止されています」と説明を受けました。
続いて、ダイオキシン観測室前で説明を受けました。ダイオキシンはいっぺんに多量に摂取すると、サリンの2倍の毒性があると言われている種類もあります。肝臓や腎臓へガンを発生させるとも言われている物質でもあり、観測室は十分に管理されエアー・ロック室で観測されています。
その後、全体での質疑の時間では
Q:どこか他の場所との測定数値の交流はありますか。
A:全国の自治体との情報共有し、府の行政との提携があります。
Q:ここ30年間で大阪府の大気汚染対策の効果はどうですか。
A:明らかに大気の汚染度は減少しています。
Q「基準数値」の設定は「府」ですか「国」ですか。
A:国が基準値を設定していますが、府はそれに上乗せした基準値を持っています。
Q:事業所への指導はどのようなものですか。
A:必要な場合は事業所への立入り調査を行っており、指導の中で改善させています。
などの質疑・応答がありました。
この環境情報プラザでの研修では、大気汚染の歴史的変遷やアスベスト飛散についての説明を聞き、それを監視する測定の現場を見学することができ、担当者の話を直接聞くことができました。アスベスト検体の顕微鏡提示や、ダイオキシン観測の説明もあり、参加者の注目を集めました。ただ、説明がやや専門的な部分もあり、難しく感じた方もおられたかもしれません。かつては、高校生の授業で見学会がもたれたことがあったとの説明もありました。
大阪城へ移動し昼食、その後
此花区にある新日鐡住金株式会社製鋼所の見学をしました
住友金属は「西淀川大気汚染裁判」の被告企業の一つですが、現在は大気汚染を始め、環境対策をしっかりとって操業しています。
新日本製鉄と住友金属は2012年10月に統合されていますが、大阪市此花区島屋5丁目のこの工場では 鉄道車両品、
初めに安全環境室と総務室の担当者から、企業活動全体の紹介がありました。
工場の概要と製造している鉄道部車両品の車輪や台車などの説明をうけました。
9000㌧プレス機や世界的に珍しい鍛造技術などが注目されています。
英語の事業説明ビデオがあり、大変わかりやすかったです。
説明後、見学用ヘルメット、上着、手袋を借りて工場内の見学です。
新幹線を初めとした鉄道車輪・台車の製造工程の一部を見学しました。曲線通過時の車両・レールの摩耗や騒音を防止するため、レールの曲線に従うように車輪の位置を調整する機構を備えた操舵台車の実物模型も見学しました。
その後、全体での質疑の時間では
Q:マンションや観光施設に隣接しているが、住民からの苦情はありませんか。
A:フォークリフトの構内移動時の警戒音は使用を止めて高輝度ライトに切り替えています。
A:この周囲一帯は工業地区であったが、周辺土地の用途変更により、この工場は住宅や観光施設が隣接した現在の配置になっています。
この工場見学では、独自で開発した世界唯一の車輪用回転鍛造プレス機など、日本の高度な技術の一部に直接触れることができ、緻密な作業の様子に参加者の注目が集まっていました。さらに、この工場で努力されている環境への配慮も説明され、きれいな水と空気を守るために、排水処理設備、排ガス処理設備など最新の諸設備が環境の保全に効果を発揮しているとの説明がありました。
工場内は全てカメラ撮影は禁止でしたが、見学の最後に全員で記念写真を撮りました。
西淀川高校に移動しました
大阪府立西淀川高校は地元の方々の強い期待と要請を受けて112番目の府立学校として西淀川区出来島に開校され、今年で創立38年目を迎えています。「知・徳・体」のバランスのとれた生徒の育成を目標にし、環境の問題や地域へ開かれた学校になるよう努力を続けている特徴ある学校です。西淀川ESDの一環として「菜の花プロジェクト」の推進校でもあります。
この学校での「環境の授業」や文化祭での展示を始め、あおぞら財団との協力関係にあります。
きれいに改修された食堂で、担当の先生とECOクラブの生徒が活動の紹介を行いました。
菜の花プロジェクトの「紙芝居」で環境問題と廃油回収活動の説明の後、生徒への質疑がありました。
Q:廃油の回収はいつでも大丈夫ですか。
A:西淀川区内にある回収ステーションを通じて行っています。あおぞら財団も回収ステーションの1つです。
Q:回収した油はどう活用していますか。
A:尼崎の工場で石鹸を作るリサイクルをしています。
A:阪急バスでは一部ですが、エネルギーとして活用されています
Q:このクラブに入るきっかけは何でしたか。
A:クラブの友達に誘われて入りました。活動をはじめて楽しくなりました。
Q:将来どんな仕事につきたいですか。
A:地域の公務員として環境の仕事をしてみたいです。
A:私は介護の仕事について、人の役にたちたいです。
A:私は接客の仕事をすると思います。
A:私は保育士になって働きたいです。
Q:このクラブで学んだことを教えてください。
A:地域の方とのコミュニケーションの大切さを学びました。
A:畑の仕事をして、農業への関心が大きくなりました。
A:朝の掃除をしてきたので、身近な場所での日常の「緑」に気をつけるようになりました。
Q:集めた廃油でバスの走行が紹介されましたが、大阪ではどのくらい走っていますか。
A:大阪ではまだ少ないです。京都市では市バスで完全に使われています。
Q:クラブの活動で嫌いなことは何ですか。
A:掃除のときは虫が出てくるので嫌です。
A:モップ作業は埃が舞い上がってつらいです。
Q:環境や公害の歴史を授業で経験してどのような感想を持っていますか。
A:西淀川は大洪水や空気の汚れの経験があるので、西淀川以外の地域でも授業でこのような問題をとりあげれば、生徒の学習への興味が高まると思います。
A:公害だけでなく、地域の歴史を知ることは大事なことなので、他の学校でも授業でやるべきだと思います。
研修参加者から「高校生が地域社会のこのような活動に参加することが、とても重要だと思いました。私たちの国でも、皆さんの事例を広げて行きたいです。これからも、活動を続けてください。」との挨拶がありました。
担当の先生からは
「子ども達は、活動の内容を外国の皆さんに聞いてもらうことができて、とても良かったと思います。全体としてとても貴重な体験ができました。ありがとうございました。」とお礼の言葉がありました。
西淀川高校では、ECOクラブ生徒の活動紹介や生徒たちの活躍する様子が紹介されました。ここの高校生が、様々な困難を抱えながらもしっかり環境の問題に向き合い、学びを通じて自分の進路の問題へも引き付けて考えていることが、とても重要なことであったことを再確認しました。西淀川地域へ拓かれた学校になるよう努力している生徒と教師集団の姿は、研修参加者の母国での教育の示唆になると思いました。
西淀川公害訴訟の地域再生の一つとして活動している「ディサービスセンター・あおぞら苑」に移動して施設の説明を受けました。
施設の紹介を聞きました
施設長の 辰巳致さんから説明を受けた後、研修生から日本での福祉や医療の現状についての質問が多数出ました。
公害の問題は、福祉と背中合わせであることが理解できたようでした。
今日もスケジュールいっぱいの日程でしたが、真剣な研修生の活動が印象的でした。
(天野)
日時:2015年7月19日(日) 13:00-16:00
あおぞらビル3階グリーンルームにて開催しました。参加者は35名でした。
大学生から、弁護士さん、先生やNPO関係者など、多種多様な人たちが集まってくれました。
福島からと、茨城からの避難者の3名のお話しがありました。
地震の被害の大変さ、その後に起こった原発事故、情報が錯綜している中で、どうやって避難してきたのかを短い時間のなかでお話ししてくれました。
私は、前で聞き手をしていたのですが、前列に西淀川公害の患者さんたちが座っていたのですが、福島・茨城からの避難者の皆さんへの共感が伝わってきました。公害患者さんだからこそ、困難な状況が分かるのだと思いました。新鮮な驚きでした。
西淀川の患者さんは5人です。普段から語り部をしている永野さん岡崎さん池永さん山下さんに加えて、普段は語り部をしていない荒井さんも登場です。
西淀川の被害のお話しはもちろんですが、どうして裁判を始めたのか、運動を続けてどうだったのかを話してくれました。
お話を聞いた後は、質疑応答をしてから、各グループに分かれて、原発の避難者と西淀川の公害患者との共通点について議論をしました。
白熱して「時間が足りない!」との声もありました。
最後に、西淀川公害患者の永野さんから「あんたらは逃げたんやない」との力強いお言葉がありました。
感想から
・「怒り」という点が運動を続ける原点となること。
・運動はやろうと思えばいろんなやり方があること
・共通点と学びが、本当に多かったです。
・”被害”の内容は違うけれど、当事者同士で通じあうものがあったように見えました。
・教科書的な事実だけではなく、それぞれに違った事情・ストーリーがあり、それぞれが様々な思いで向き合っていることが分かった。
・情報の大切さ。疑うことの必要性。人間的な強さを感じました。
・今まで知らなかったこと、テレビやその他の報道では聞くことのできなかったお話を聞くことが出来て本当に良かったです。
・当たり前の生活が奪われたことへの怒りが同じ
・子供のために当たり前の環境を取り戻したい気持ち
・工夫とねばりで多くの人を動かせたことが今日につながっていると感じた
・「患者ががんばるから周りが動く」とか「手をゆるめたらアカン」とか、患者さん自身の運動への熱意が永く続けられる要因と思いました。
この取り組みは、西淀川公害の研修の再検討の一つとして企画したのですが、西淀川公害の学びの可能性を教えてくれたように思います。
お話しして下さった福島原発の避難者のみなさん、西淀川公害患者と家族の会の皆さん、参加者の皆さんありがとうございました。(林)
地球環境基金助成事業