後日、生徒さんたちからは一人一枚ずつ感想を書いたハガキが届きました。
みなさん、時候の挨拶も書いてくれていて、一生懸命ハガキを書いているのが伝わってきました。
「当日は大野川についておしえていただきありがとうございました。
あれから緑いん道路への価値観がものすごく変わりました」といった感想もありました。
後日、生徒さんたちからは一人一枚ずつ感想を書いたハガキが届きました。
みなさん、時候の挨拶も書いてくれていて、一生懸命ハガキを書いているのが伝わってきました。
「当日は大野川についておしえていただきありがとうございました。
あれから緑いん道路への価値観がものすごく変わりました」といった感想もありました。
11/29、大阪公立大学大学院「都市基盤計画特論」(吉田長裕准教授)の2回目の授業があおぞら財団で行われました。
今回は西淀川・公害と環境資料館エコミューズの見学、市民参加に関するワークショップと公害患者さんのお話です。
最初に、資料館エコミューズを見学。西淀川大気汚染裁判に関する資料、公害被害の様子を伝える資料、昔の西淀川に関する地域資料など興味深そうに見ていました。
次に、ワークショップ「あなたの街の環境を変えるには?」。環境対策をダイヤモンドランキングで考えました。同じ学科の学生さん同士でも意見がかなり異なり、価値観をすり合わせて一つの意見にまとめる難しさを体験してもらいました。短期間で結果を出すことを重視する班、交通に対する規制を重点的に取り組む班といった具合に、班によって重要視する政策がわかれました。
「都市基盤計画特論」が西淀川をフィールドに授業を行うになってから3年目です。
2022年度 大阪公立大学 授業「都市基盤計画特論」における西淀川区でのプログラムは下記のようなスケジュールで行う予定です。
日時 | 主な内容 |
---|---|
11月22日 | ロールプレイ、小講義「西淀川地域の現状と課題/あおぞら財団の地域づくり」 |
11月29日 | 市民参加に関するワークショップ、ヒアリング 西淀川公害患者と家族の会 |
12月6日 | 西淀川地域の現状視察(タンデム自転車を活用)、ヒアリング 西淀川区役所職員 |
12月20日 | 中間報告&意見交換 |
1月~2月 | 各グループで最終の提案づくりに向けた活動 |
2月 | 報告会 |
3月 | 西淀川への提案を発表 |
—–
あおぞら財団では、フィールドワークや公害患者さんの語り部などを取り入れたオーダーメイドの授業、研修を行っています。SDGs達成に向け、パートナーシップで問題解決に取り組んだ大気汚染公害の経験を、現地で学んでみませんか?
あおぞら財団の授業、研修に興味のある方はこちらをご覧ください。
研修受け入れ(あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館 エコミューズのページに飛びます)
(谷内)
11/22から数ヶ月にわたって、大阪公立大大学院生が「都市基盤計画特論」(吉田 長裕先生)の授業の一環として、西淀川をフィールドにして学びます。西淀川でワークショップやフィールドワーク、調査等を行った後に、最終的に西淀川に対するまちづくりの提案をする予定です。参加者は9名です。
キックオフとして、ロールプレイなどのワークショップと西淀川公害とあおぞら財団についてお話しました。
最初にフォトランゲージ「西淀川大気汚染公害」を行い、写真を見てタイトルをつけるというグループワークに取り組みました。写真の細部までよくみて、創造力を膨らませて言語化するというものです。工夫をこらした興味深いタイトルをつけてくれ、みんなで共有しました。
ロールプレイ「あなたのまちで公害が起きたら」のワークショップでは、さまざまな状況が明らかにならない中で大気汚染被害が出ていて、それにどう対処するのかという非常に難しい問題に対して考えてもらいました。学生たちは今のコロナ禍や気候変動にもつながる内容として、真摯に取り組んでいました。
事務局長から、西淀川大気汚染とあおぞら財団についてのお話をした後に、受講生がまちづくりに関して何に対して興味を持っているのかを共有しました。多様なモビリティ、自転車、道路、防災、緑化などに関心のある学生が多いようです。
次回(11/29)は、ワークショップの後に、公害患者さんのお話を聴く予定です。
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「都市基盤計画特論」が西淀川をフィールドに授業を行うになってから3年目です。
2022年度 大阪公立大学 授業「都市基盤計画特論」における西淀川区でのプログラムは下記のようなスケジュールで行う予定です。
日時 | 主な内容 |
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11月22日 | ロールプレイ、小講義「西淀川地域の現状と課題/あおぞら財団の地域づくり」 |
11月29日 | 市民参加に関するワークショップ、ヒアリング 西淀川公害患者と家族の会 |
12月6日 | 西淀川地域の現状視察(タンデム自転車を活用)、ヒアリング 西淀川区役所職員 |
12月20日 | 中間報告&意見交換 |
1月~2月 | 各グループで最終の提案づくりに向けた活動 |
2月 | 報告会 |
3月 | 西淀川への提案を発表 |
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あおぞら財団では、フィールドワークや公害患者さんの語り部などを取り入れたオーダーメイドの授業、研修を行っています。SDGs達成に向け、パートナーシップで問題解決に取り組んだ大気汚染公害の経験を、現地で学んでみませんか?
あおぞら財団の授業、研修に興味のある方はこちらをご覧ください。
研修受け入れ(あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館 エコミューズのページに飛びます)
(谷内)
10月17日(月)に関西大学社会学部大門信也先生のゼミが、 あおぞら財団に西淀川公害の研修に来られました。大門ゼミのみなさんは、ゼミ内で当財団の教材のフォトランゲージやロールプレイ「あなたのまちで公害が起きたら」を用いて、西淀川公害について事前学習した上で参加してくれました。
当初、タンデム自転車でフィールドワークをする予定でしたが、雨天となったため急遽、徒歩でのフィールドワークになりました。
国道2号から大野川緑陰道路を通り、公害道路と呼ばれた国道43号まで行きました。
国道43号では、西淀川公害訴訟、尼崎公害訴訟に基づいて、様々な道路環境対策がなされています。例えば、街中を通る大型車の交通量を減らすために、環境ロードプライシングという施策が実施されています。この施策は阪神高速5号湾岸線の大型車通行料金を3割引きとすることで、街中の国道43号や阪神高速3号神戸線から湾岸線に転換させようとするものです。国道43号にも環境ロードプライシングに関する看板があります。
他の交通施策については、大阪国道事務所、兵庫国道事務所のホームページをご覧ください。
国道43号では様々な道路環境対策が行われており、大型車の交通量は減少傾向にありますが、現在でも大型車交通量は1日あたり2万台弱です。ゼミ生のみなさんは声が聞き取りづらいほどの車の騒音や、排ガスによる大気の汚染の度合いを感じていました。
次に、西淀川公害患者と家族の会の支援を受けて設立されたデイサービスセンターあおぞら苑の前には、「公害と闘い環境再生の夢を」と宮本憲一先生が書かれた石碑を見学。
また、西淀川は昭和初期の工業化の進展で、地下水のく上げによって地盤沈下が進みました。歩きながら海抜がマイナスとなっている表示を確認し、水害や津波に弱い地域であることをお話しました。
近年の西淀川は、環境が改善しつつあり、マンションが林立し多数の新住民が増えていますが、外国にルーツを持つ方も増えつつあります。大和田がには、イスラム教徒の礼拝所「大阪マスジド」があり、多くのイスラム教徒の方が訪れています。
フィールドワークの後は、西淀川公害について簡単に講義をした後に、公害患者さんのお話を聞いてもらいました。
今回は、公害被害者の岩本さん、西淀川公害患者と家族の会事務局長の上田さんのお話です。
岩本さんは、公健法の改正によって公害患者の新規認定が打ち切られる直前の1988年に、認定の手続きをしたことで無事に認定を受けることが出来たそうです。認定を貰えなかったことで苦労している人がいるということ、長い間病気と闘ってこられて苦労したことなど貴重な経験や感じていることを話して下さいました。
岩本さんは、夜中に起こるぜんそく発作、続発症である中耳炎による聴覚障害など、公害によって引き起こされた病と闘う人生を送ってこられました。病気のため、仕事が思うようにできず、普通で当たり前の生活を失われてしまったとのお話に、学生のみなさんは真剣に耳を傾けていました。
最後に、グループで今日の研修の感想を話し合った後に、全体で共有しました。
フィールドワークでは「多様な文化が混在」「住宅地と道路の騒音の差が全然違う」「トラックが多くて説明の声が聞こえないほど音が大きい」といったことが印象に残ったようです。
公害患者さんのお話では「お年寄りや子ども、貧困層が公害被害を受けていた」、「1988年を境にあまりに格差が大きく、長期で病と闘う患者にとって理不尽すぎる」、「公害患者に向けられる周りの視線が厳しい。患者の立場が弱い」といったことが印象に残ったとの感想があった他、「公害は”歴史”ではなく”現在進行形”」、「苦しみの連鎖を止めよう」、「当者と地域で終わらせない」などの公害と今につなげた感想もありました。
大門先生からは2年以上前にゼミの研修をしたいとのお話をいただいていたのですが、その後コロナ禍が始まり、研修ができずやっとゼミの研修が実現できました。「公害問題は、被害に始まり被害に終わる」との言葉があるくらい、公害問題を考える上では、被害について学ぶことは重要です。フィールドワークならではの五感の刺激を通した学びや公害患者さんとの直接的な交流が公害・環境問題を自分に引き寄せて考えるのに役立ったのではないかと思います。
今日の研修で学んだことを踏まえて、社会学の観点から、公害を二度とおこなさない社会、人間と環境が共生する社会を研究していただけたらと期待しています。
(記:谷内)