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ブログカテゴリー » 環境学習

公害のことをみんなに伝えよう 公害に関する動画作り(龍谷大学政策学部清水ゼミ)(10/9)

龍谷大政策学部清水ゼミと西淀川在住の映画監督・岸本景子さんチームに協力してもらって、大気汚染公害についてより深く学ぶための動画を作ることになりました。10月9日に、のその動画づくりのために、西淀川公害患者の家族と会の方にインタビューを行いました。

朝9:30、講師班が集合し撮影機材整備完了。動画を撮る臨場感が感じられました。
講師陣は監督:岸本さん、脚本:堤さん、カメラ:坂さん、音響:平川さんの4人です。また、あおぞら財団の藤江、公害資料館ネットワークの白神さんも参加しました。

10時過ぎてから、清水ゼミ学生が相次いで到着。
簡単な自己紹介を終えて、早速作業を始めました。

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本日の目的は、西淀川公害患者と家族の会の事務局長を務めている上田敏幸さんと、公害患者である岡崎久女さんにインタビューを行うことです。
撮影、照明や録音器具、さらに撮影の流れを事前に理解しておかないといけないので、講師陣の指導の下で、学生の皆さんがコツコツ頑張っています。

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カメラok、照明ok、録音okとなり、試し録画を始めました。

動画を編集する際に、画面と音声を一致させる為に、特別な合図が必要です。それがこの「かちんこ」です(格好つけているわけではない)。

学生さん一人一人に意気込みを話してもらい、撮影を行いました。カメラを前に緊張が見られましたが、順調に進んでいるのは何よりです。

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昼ご飯は、歌島にあるインド料理屋さん「ジャムナ」のカレー2種、ナン、ご飯とサラダです。ナンの量は驚くほど多いので、カレーと計算しながらバランス良く食べないとおみやげとして持って帰ることになってしまいますよ。

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そして午後になって、上田さんと岡崎さんが来られました。いよいよ本番インタビューに入ります。

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いきなり本題に突っ込むのはさすがにストレート過ぎるので、やはり雑談を皮切りに始めたの方が良いのでは?ということで、上田さんの昔の職場の話や岡崎さんのセロリ嫌いの話を和気あいあいと伺いながら、公害に関する話題に進みました。

お二方の話によれば、公害訴訟を起こした患者さんたちは、ほぼ「怒り」に駆使され、公害反対運動を始めたようです。自分は何の間違いもないのに工場や自動車からの排気ガスに苦しまされ、公害病になってしまった。この工場や車への「怒り」が出発点となって、公害訴訟が行われました。

しかし、歳月は公害との闘いの中で過ぎ去り、この冷たい思いには、温かい何かが芽生えました。彼らを支えたのはもはや「怒り」ではなく、いつの間にか「次世代にこの苦しみを味わせない」ことになりました。確かに自分の経験に対してはすごく悔しいが、子どもや孫のことを考えて、自分が体験した公害は、決してもう一回彼らに体験させるわけにはいかないという思いで、公害に関する情報を知らない人に知ってもらいたいとお二方は語りました。

また、「患者さんの笑顔」を見ることが一番の喜びだと上田さんが話していました。お互いの気持ちを知り、支え合いながら、より遠く所まで歩んで来られたのだと思いました。

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公害患者の生の声を聞いた学生たちは、公害に関する認識はより一層深くなり、これから動画作り、さらに公害防止や環境保全活動の担い手のたまごとして、期待されます。

(あおぞら財団アルバイト・インターン、龍谷大博士後期課程学生 王)

※この動画作成は、 2022年度地球環境基金事業「誰ひとり取り残さない! 気候変動を構造的にとらえ未来につなげる教育プログラムづくり」の一環として、龍谷大清水ゼミの協力、岸本景子映画監督チームの協力を得ながら実施しています。

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2022年10月28日6:28 PM

秋の探鳥会の報告(10/22)

10月22日(土)、秋の探鳥会を開催しました。参加者は、13人(リーダー、スタッフ含)でした。

福駅に集合し、大野川緑陰道路を歩いて矢倉緑地を目指します。

秋は樹木が生い茂っているため、野鳥の観察がしづらいことから、観察できる鳥は少ないのではないかと危惧していました。ですが、アオサギ、ダイサギ、キクイタダキなど27種類を観察できました。
残念ながら写真におさめることができませんでしたが、湾岸線の高架下はたくさんのアオサギがおり、さながらサギのマンションという様相でした(野鳥の会リーダーがフィールドスコープで見せてくれました)。
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秋はお散歩によい季節ですが、樹木が鬱蒼と生い茂っているので、鳥を発見しづらいというデメリットがあります

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福の舟だまりにいたアオサギ*

 

淀川に建つ鉄塔のミサゴ

淀川に建つ鉄塔のミサゴ

今回はキジバトは少ししか見かけませんでした

今回はキジバトは少ししか見かけませんでした

堤防沿いでは多くの鳥を観察できました

阪神高速湾岸線の下にて。オオサギ、コサギ、アオサギのようです

阪神高速湾岸線の下にて。オオサギ、コサギ、アオサギのようです

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矢倉の干潟にいたイソシギ おしりをフリフリしながら歩きます*

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ジョウビタキ。オスはお腹が鮮やかな赤茶色*

 

 

野鳥は自然保護のものさしと言われています。鳥は、昆虫食や植物食、種子食、果実食、そして肉食といった多様な食性を持っていて、生態系ピラミッドのそれぞれの階層にいます。
公害がひどかった時代、飛んでいる雀が落ちるほどの大気汚染物質が放出された時期もあるそうです。
今の西淀川では、生態系ピラミッドの頂点に立つ猛禽類であるミサゴを観察することできますが、それは、西淀川の自然環境が鳥たちのエサとなる様々な昆虫や木の実があるバランスの取れた生態系が保たれているということを示しています。
野鳥を観察することは、自然環境がどのようになっているのかを把握することにつながります。
また、季節によって見れる野鳥や生態が変わります。は渡りの季節ですので、ツバメやヒタキなどの夏鳥は、冬を越す東南アジア方面へ渡ります。 一方、カモ等は、北部での子育てを終え、日本に渡ってきます。

今年は気候が暖かいため、渡鳥の南下が遅く、いつもなら観察できるカモがほとんどいませんでした。
気候変動の影響が自然界に出ているのを感じた探鳥会でした。

観察種数 27種
カルガモ、カンムリカイツブリ、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、イソシギ、ユリカモメ、セグロカモメ、ミサゴ、トビ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、エナガ、オオムシクイ、メジロ、ジョウビタキ、イソヒヨドリ、キビタキ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ、ドバト

(記:谷内)*写真撮影:浜口洋文さん


次回 2023年3月4日(土)予定
集合時間9:30 阪神なんば線福駅
解散12:30  矢倉緑地公園愛鳥家の方も、鳥初心者の人も、親子のみなさんも、いろんな方が楽しめる探鳥会ですので、みなさんふるってご参加ください。

■あおぞら財団のこれまでの探鳥会の紹介はコチラ
https://aozora.or.jp/katsudou/manabu/tanchoukai
■日本野鳥の会大阪支部の矢倉海岸探鳥会の記録はコチラ
https://wbsjosaka.com/008-teirei-report/02-yagura/2018-report/report/index-resp.html
============================
■主催(問合先)
公益財団法人 公害地域再生センター(あおぞら財団)
〒555-0013 大阪市西淀川区千舟1丁目1番1号あおぞらビル4階
(Tel) 06-6475-8885 (Fax) 06-6478-5885 電子メール:webmaster[at]aozora.or.jp([at]を@に変えてください)
https://aozora.or.jp/

■協力
日本野鳥の会 大阪支部
〒543-0011 大阪府大阪市天王寺区清水谷町6-16https://wbsjosaka.com/

※2022年度 西淀川区と民間企業等との共創に関する提案事業として、西淀川区と連携しながら実施しています。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,矢倉海岸探鳥会 — aozorafoundation 公開日 2022年10月27日8:03 PM

【参加募集】矢倉海岸・緑陰道路 探鳥会(10/22)

秋の探鳥会のご案内です。

シギ・チドリなどの旅鳥をはじめ、多くの鳥が観察できるでしょうか?

また、今回は2022西淀川区健康いきいき展と同日の開催です。午前中は鳥を観察して、午後からは健康いきいき展で、環境や健康を感じる一日にしてはいかがでしょうか?

※探鳥会は西淀川区との共創事業として実施します。

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■矢倉海岸・緑陰道路 探鳥会■
~西淀川区で野鳥観察~
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西淀川区は、海や川、干潟や緑地、変化に富んだ土地があるため、様々な野鳥が集まります。
初めての方はなかなか鳥をみつけることが難しいのですが、日本野鳥の会大阪支部のリーダーが、その豊富な知識で解説してくださいます。
さわやかな朝のひとときを一緒に過ごしましょう。
*感染症拡大の状況を勘案した上で、感染症対策に十分配慮しての開催を準備しておりますが、状況如何によっては、また中止の判断をする場合もあります。あおぞら財団ブログおよびFacebook等でご案内いたしますので、事前にご確認ください。

■日時:
2022年10月22日(土)午前9時30分~12時30分
*雨天・雷注意報発令時中止(Facebook等で告知します)

■集合:阪神なんば線「福」駅東口集合(9:30)
■解散:矢倉緑地公園(12:30)
■参加方法 当日、集合場所へお集まり下さい。
■参加費(保険代) 200円
■持物・格好 水筒、双眼鏡(あれば)、筆記用具
■当日の流れ:
阪神福駅に集合し、野鳥を見ながら歩いて矢倉海岸まで向かいます。
約3.5km歩きます。
*お弁当を持参し、終了後、矢倉緑地公園でお昼を食べるのも良いですね。

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■あおぞら財団のこれまでの探鳥会の紹介はコチラ
https://aozora.or.jp/archives/category/egakushu/yagurakaigan

■日本野鳥の会大阪支部の矢倉海岸探鳥会の記録はコチラ
https://wbsjosaka.com/008-teirei-report/02-yagura/2018-report/report/index-resp.html

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■主催(問合先)
公益財団法人 公害地域再生センター(あおぞら財団)
〒555-0013 大阪市西淀川区千舟1丁目1番1号あおぞらビル4階
(Tel) 06-6475-8885 (Fax) 06-6478-5885
https://aozora.or.jp/

■協力
日本野鳥の会 大阪支部
〒543-0011 大阪府大阪市天王寺区清水谷町6-16
https://wbsjosaka.com/
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※2022年度 西淀川区と民間企業等との共創に関する提案事業として、西淀川区と連携しながら実施しています。

Filed under: イベント案内,矢倉海岸探鳥会 — aozorafoundation 公開日 2022年9月22日2:30 PM

大気汚染公害の現場を歩く 西淀川現地研修(立命館大学法学部石橋ゼミ) (9/2)

インターン生の森です。

 

9月2日に立命館大学法学部石橋秀起先生のゼミで、あおぞら財団主催のもと「大気汚染公害の現場を歩く 西淀川現地研修」がおこなわれ、私もそれに参加しました。

 

最初に出来島駅に集合して実際に様々な場所を見学しました。9月と言えどもまだまだ暑く、水分補給が欠かせません。この記事を書いている今でもまだまだ暑さは続いています。皆さんも暑さには気を付けて下さいね。

 

……話が脱線してしまいました。話を元に戻します。私はこれまで出来島駅付近に訪れたことがなく、こんな感じなんだ!と驚いていました。私が特に印象に残っているのは43号線で、初めは何の変哲のない道路だと思っていたのですが、あんなに様々な公害対策がなされているとは思いませんでした。驚きです。

43号線

43号線にて

 

大和田街道

こちらは大和田街道

地域再生の碑

あおぞら苑(地域再生の碑)

 

また、大阪マスジド付近にも行きました。大阪にあのような場所があるなんて知りませんでした。異国の雰囲気漂う、大変興味深い場所です。

 

マンゴージュースを飲みました!どろっとしてて濃厚で美味しいです。お値段も百円とお手頃!

マンゴージュースを飲みました!どろっとしてて濃厚で美味しいです。お値段も百円とお手頃!

見学後に少し休憩を取り、まず東淀川公害の概要を聞きました。

本当に当時の状況は悲惨で、青い空が見えないという状況は私世代の方にとっては驚きなのではないでしょうか。当時の工場の煙の写真や当時の空の写真のような状況、今では考えられないですよね……。

 

続いて、西淀川公害患者と家族の会のお話を聞きました。上田さんと岩本さんに来ていただき、岩本さんを中心に語っていただきました。

 

患者さんのお話

お話を聞いている立命館大学の皆さん

岩本さんは1988年に公害患者の新規認定が打ち切られる直前に、お医者さんからその話を聞いた岩本さんの母が認定の手続きをしたことで無事に認定を受けることが出来たそうです。認定を貰えなかったことで苦労している人がいるということ、長い間病気と闘ってこられて苦労したことなど貴重な経験や感じていることを話して下さいました。特に生活(仕事)がある中で病気と闘い、また別の病気も発症して……というのは本当に大変でやるせないお気持ちだっただろうと思います。普通やあたりまえが出来ない理不尽さや苦しみは計り知れず、このような当時の状況や今の状況を忘れてはならないと感じました。

 

最後に弁護士である村松昭夫先生のお話を聞きました。

 

村松先生が主に語って下さったのは西淀川公害訴訟とアスベスト訴訟です。法的な観点からも様々なお話を聞くことができ、立命館大学法学部の皆さんは大変良い勉強になったのではないでしょうか。私は法律には明るくないのですが、先生が経験した西淀川公害訴訟の当時の様子を聞いて、本当に長い間患者さんに寄り添って戦い続けてきたのだなあと感じました。石橋ゼミの方から専門的な質問が沢山飛び交っていました。

例えば「(西淀川公害裁判では訴えていませんでしたが)高速道路を走っていた車の開発メーカーを訴えることは出来るんでしょうか」といった感じの、鋭い質問をされていました。私ではこんな質問到底思いつきませんね。流石法学部の方……。これに対して松村先生は、「実は東京で車の開発メーカーを訴えたことがあって……*」「法的責任に準ずる責任が……」という風に、かなり細かく丁寧答えてらっしゃいました。

松村先生のお話

質問も沢山とびかいました!

上田さん、岩本さん、村松先生、貴重なお話をありがとうございました。今日の研修で実際にその場所に訪れたりお話を聞いたりして、多くの事を学び考えました。この貴重な経験を、忘れる事はないと思います。そして今回フィールドワークをおこなった立命館大学法学部石橋ゼミの皆さん、ゼミでの活動頑張ってください!

(インターン生 森)

*東京大気汚染訴訟(1996年~2007年)では、自動車メーカー7社や道路管理者を被告にして訴訟が行われました。1次判決では自動車メーカーは責任を問われるのを免れ、国・都・公団道路管理責任が認められました。その後、2007年に和解しています。詳しくはこちら→東京大気汚染公害訴訟(環境再生保全機構「記録で見る大気汚染と裁判」)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,インターン生,環境学習,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2022年9月12日1:43 PM

大阪公立大学医学部医学科 研修受入(9/7)

2022年9月7日(水)に、大阪公立大学医学部医学科4人の研修受け入れを行いました。西淀川区保健福祉センターに研修に来ている中で、見学先の一つとしてあおぞら財団に来てくれました。

はじめに「フォトランゲージ 西淀川公害について」を実施。

西淀川公害に関連する写真を見てタイトルを付けてもらい
気づいた点を発表するワークショップです。

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様々な視点からの声が上がりました。

写真を見て話しあうことで、背景を汲み取る良い機会になったとの意見がありました。
次に職員 谷内から西淀川公害についての講義があり
徐々に進行していく西淀川公害の様子や、当時の住民の様子、
西淀川公害訴訟などの話がありました。

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そして、西淀川公害患者と家族の会事務局長 上田敏幸さんから
公害認定についての説明の後、

西淀川公害患者と家族の会 山下晴美さんから
実際に体験されてきたお話を伺いました。

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山下さんのご主人は、気管支喘息を発症してから長い年月、
病気と闘ってこられたそうです。息を吸う事も吐く事もできない、
夜も眠れない苦しい日々を過ごされました。

普通にできるはずの生活を奪われる苦しみ、

これからの未来、子ども 孫達には我々のような思いは
絶対にさせたくないと山下さんはお話しされました。

■感想をいくつか紹介します

・治療もまだ発達していなかった頃の、呼吸器系の公害患者さんの恐怖や苦労は
相当なものであったと思いますし、絶対に忘れてはいけないものだと感じました。

・他の公害とは違って補償が広くなされていても、患者やその家族が失ったものは、お金では代えられず、はかりしれない大きなものだと感じた。

・公害患者さんの苦しみは、併存症なども併せて想像していよりも深刻だと思いました。

今回来られた学生さんは医学科6年生ということで、近い将来、医師になられます。西淀川公害についての研修で得た経験を、医師としての姿勢に生かしていただけたらと願っています。


〇研修に関するお問い合わせ
プログラム内容については、ご要望に合わせてコーディネートいたします。
研修受入 http://www.aozora.jpn.org/ecomuse/annai/kensyu

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2022年9月8日12:02 PM
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