12月10日(土)、11日(日)の2日間にかけて
「生物多様性の愛知目標達成のために私たちができる100の提案づくりワークショップ」
を開催いたしました!
大阪近郊だけではなく、山口や名古屋など広い地域から参加者35名(1日目34名、2日目31名)の参加者にお集まり頂きました。
今回は豪華講師陣8名の方々にきていただき、フィールドワークや意見交換も盛りだくさんのイベントとなりました。
「生物多様性条約実現のための」ワークショップは各地で開かれていますが、
「愛知目標(ターゲット)実現のための」一般からの提案作りは本イベントが世界初!?との事で、
気合いが入ります。
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【1日目】
12月10日(土)10:00~17:00
会場:あおぞらビル他
初めに担当の小平からの主旨説明の後、
長野義春さん(越前市エコビレッジ交流センター)から
「生物多様性」の意味や、生物多様性を取り巻く国際問題について
やさしく解説して頂きました。
長野さんには本イベントの企画・運営コーディネーターもしていただきました。
続きまして、草刈秀紀さん(野生生物保護学会フォーラム誌編集委員、国際自然保護連合(IUCN))から
愛知目標とは何か、内容と国内外の位置づけについてお話しいただきました。
愛知目標は、5つの戦略目標と20の個別目標に分かれています。
後に2日目のワークショップで出た提案を、これらの目標別に分類します。
お昼前には石井実さん(大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科)より、
身近な生物多様性についてお話しいただきました。
特に印象的だったのが、「たこ焼きから考える生物多様性」とのことで、
生地や具の食材、調味料やソース、また鰹節作りに必要なカビや食材のエサも含めて、
多くの生物種が関わっており、
大阪の食文化は約38億年の進化の中ではぐくまれた生物多様性に支えられているという話題でした。
お昼休みにはカフェスロー大阪のお弁当と、淀川産のしじみ汁を頂きました。
このお弁当、実はベジタリアンフードで、お肉が使われていないんですよ!
淀川産のしじみも肉厚でダシがよく出ていました。どちらも美味しくいただきました。
お腹も満たされたところで…
長野さんから「食料品売り場から考える生物多様性」についてお話頂いたあと、実践ということで関西スーパー大和田店の食料品売り場にてフィールドワークを行いました。
大野川緑道を歩いて向かいます。
寒いですがお天気にも恵まれ、自然観察しながらの楽しい移動時間です。
関西スーパーでは、食材の産地や栽培方法(有機栽培かどうか)、マーク(フェアトレード認証など)を調べ、5つの班ごとにシートに記入しました。
その後、福駅近くの会議室で行った意見交換では、加工食品の産地表示やマーク認証された食品が少ない、もっと増やすよう一般から意見を出すべきではないかという意見が出されました。
さらに橋本正弘さん(日本野鳥の会大阪支部長)の案内で、淀川河口の野鳥観察を行いました。
淀川に訪れる様々な野鳥の中で、この日はカンムリカイツブリやユリカモメ、船着き場にはヒドリガモやホシハジロ、アオサギが見られました。
ユリカモメは夜は大阪湾で休みますが、日中は淀川をさかのぼってエサをとるそうです。
最後に漁港にて北村英一郎さん(大阪市漁業協同組合代表理事組合長)から大阪湾で行われる漁についてご説明頂きました。
北村さんには、お昼に頂いたしじみを提供していただきました。ごちそうさまでした。
1日目は生物多様性の意味や、日常生活との深い関わりを考える一日になりました。
解散した頃には外が暗くなっていました。
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【2日目】
12月11日(土)10:00~17:00
会場:新梅田シティ 梅田スカイビル
この日は経済や企業の取り組みから見た生物多様性についての講演のあと、2日間のまとめとして提案作りを行いました。
最初に西宮洋さん(前財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)東京事務所所長代理)より、TEEB報告書や生物多様性の経済的価値についてお話頂きました。
佐々木正顕さん(積水ハウス株式会社環境推進部部長)からは、積水ハウスが取り組んでいる生物多様性保全への取り組みを挙げ、企業の役割などをお話頂きました。
様々な考え方の人を生物多様性保全に巻き込むには、その人の価値観に合わせて説得をする必要がある、それをしない事は多様性を否定することにもなる、というお話に感銘を受けました。
この後、梅田スカイビルに隣接している「新・里山」を見学しました。
会議室からもよく見えます。都市の中の身近な緑として環境教育やボランティアの場となっているようです。
お昼はカフェスロー大阪のお弁当と紅茶を頂きました。
午後は、原野スキマサさん(国連生物多様性の10年市民ネットワーク幹事)より、NPO・NGO、企業や個人の実践例を紹介して頂きました。
市民団体等が愛知目標達成に向けた取り組みを宣言することで参加する「にじゅうまるプロジェクト」、これからも広まっていくことを願います。
この後、お待ちかねの提案作りに入ります。
長野さんから「生物多様性の保全 各地の地方自治体の事例」の紹介を受けた後、5班に分かれて提案を作っていきます。
イベント名の通り、目標は100個です!
各自が出した提案をカテゴリごとに分け、提案を実現するための役割を「国」「地方自治体」「企業」「NGO」「個人」に分類し、それぞれのカテゴリを愛知目標の戦略目標A~Eに分類しました。
各班でまとめたものは参加者同士で回覧しました。
参加者それぞれの視点から、ユニークな提案がいくつも挙がりました。
会議室からは、1日目に訪れた漁港が夕日に映えてみえました。
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2日間にわたる生物多様性WSが無事終了いたしました。
今回は講師の皆さまと、普段から生物多様性保全について積極的な活動を行っておられる方や今回が初めてという方、様々な立場の方々の交流の場ともなりました。
本イベントは、愛知目標実現に向けた大きな一歩になったと思います。
出た提案は後日あらためて報告します。
ご期待ください。
生物多様性WSスタッフ 大阪府立大学 北野絵理