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日中の公害・環境問題を考える学生セミナー 開催しました

12月3日10時~12時 ドーンセンターにて
日中の公害・環境問題を考える学生セミナーを開催しました。
参加者は32名です。

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はじめにお話しいただいた李力さんの話の内容には驚きました。
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アップル社の製品、iPhoneの製造下請け会社が国内で環境問題を起こしているそうです。
そのなかの日本企業も排水により河川を牛乳のように白い汚染された川にしているとか…。
台湾では中毒事件に発展し、多くの女性が被害を受けたといいます。

詳しい話はこちら
Appleの側面2-汚染が水面下で蔓延(1)
http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/C11083101J

Appleの側面2-汚染が水面下で蔓延(2)
http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/C11083102J

李さんは話の最後に学生へむけて
ひとつの製品を買うまえに、できるまでの過程に何を残したか。
ひどいものを残したものは買わないで、とメッセージを残されました。

李春華さんからは、緑石選択の話を。
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緑石選択とは携帯に環境を意識している証の緑色のリボンを結んで
その写真をインターネット上にあげる運動のこと。
参加者は増えていて、市民の意識は変わっているようです。

王林生さんからは、汚染による発がん性リスクの話。
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民営の製紙会社の汚染により、准河が泡だらけになってしまった写真は衝撃的でした。
汚染水による新生児への影響も大きく、医療と衛星の面で活躍されています。
きれいな飲料水を飲めるようにと20の村に水質改善の装置を置いたところ、
病気になる人が減ったそうです。

3名の講演を聞いたあと、グループにわかれて
いまの講演内容についての感想と
日中協働で環境に対してどんなことができるか話し合いました。

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各グループで出た意見として
・技術や市民へのお互い協力が必要
・(それぞれの国の環境問題について)現状を知ることが大事
・公害は国境を越えて世界の問題であるため、協力し合うべき
・日本企業が中国で公害などの迷惑をかけていることを知らなくてはいけない などがあがりました。

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また、最後に李さんはアップル社を潰す気はない、とのこと。
それは中国の多くの人を失業に追い込んでしまうことだから。
そうではなく、グリーンな会社であってほしい、という願いから働きかけているのだと力強く語られました。

参加して、公害の被害のひどさに衝撃を受けたのですが
それよりも、中国の環境問題に対する取り組みの姿勢が
熱心であったことがとても印象に残りました。

日本企業がもたらす公害被害も大きいようなので
もっと世界の公害問題にも目を向けて、考えていかなくてはと感じました。

あおぞら財団インターン生 京都精華大学3年 井本晶子

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,インターン生,国際交流 — aozorafoundation 公開日 2011年12月7日3:35 PM

日中共同持続可能な発展(SD)人材育成事業 短期研修プログラム 現地見学 受入れました(11/11)

日 時=2011年11月11日(金) 10:00~17:00

団体名=日中共同SD人材育成事業

参加人数=18人

京都大学の研修プログラムである「SD人材育成事業」の西淀川での研修の受入れをおこないました。参加者のほとんどは中国から来られています。おもには行政の人でしたが、中には民間企業で働く人もおられました。

まずは、あおぞら財団の紹介や西淀川公害裁判について解説しました。あいにくの雨模様でしたが、あおぞらビルの屋上に上がって、大野川緑陰道路や交通量の多い、歌島橋交差点を見ました。
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その後、バスに乗り込み、国道43号や中島工業団地、最近、住宅開発をしている地域などを見学。尼崎にも足を伸ばしました。
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あおぞらビルに戻ってからは、公害被害者の方のお話を聞いたり、森脇君雄理事との意見交換会をおこないました。
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最後に、ワークシートを使って、グループワークをしました。

ワークシート上に次の4つの問いに対する感想やコメントを書いてもらい、各グループで内容を共有し、発表しました。

問いは次のとおり。

「公害被害の話を聞いて感じたこと」

「日本の公害反対運動の成果を聞いて、どう考えましたか?」

「公害地域再生のためには何が必要だと思いますか」

「今日の話を聞いて、自分の仕事に活用できそうなことは何ですか」
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参加者からは、

「公害被害者が自ら先頭にたって、自分の権利を守るために闘ったことがわかった」

「地域再生のためには、科学的データと分析が必要」

「きちんとしたルートで、住民が声をあげられる仕組が日本にはある」

「公害を予防することの重要性がわかった」

などの意見がありました。

これらの意見はほんの一部です。みなさん、ワークシートにぎっしりそれぞれの意見を書き込んでおられました。中国と日本では社会制度や事情が違うものの、西淀川の大気汚染公害の存在やその解決のために活動してきた人たちのことを知ってもらい、実際に現場を見ていただいたけたことは、あおぞら財団としても貴重な機会でした。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
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鎗山善理子(あおぞら財団スタッフ)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2011年11月24日10:04 PM

中国・北京訪問記(2011秋/その2 10/26の巻)

●10月26日

<北京地下鉄>

この路線は、あまり混雑していませんでいた。
扉が閉じるのが早いので、ご注意!!
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≪汚濁河川、北小河視察≫

団体名:案内:張峻峰氏(護河使者)

こちらのNGOの方に、北京市内の北にある位置する、北小河という河川について、現地を案内いただきながら状況を説明いただきました。
北小河は、北京河川の典型的な汚濁の特徴が、顕著にみられる河川であるとのことで、今回、ご紹介して頂きました。
北小河の南側の地区は、アジア大会やオリンピックに際して作られた先進村というコミュニティとなっています。
汚水は、北小河の北にある水処理施設で処理してきたのですが、コミュニティの人口増加に伴って(約20万人)許容量を超えてしまい、今は全体の6割程度の処理能力しか持っていません。
処理しきれなかった残りは,沈殿処理だけ行い,河川に放流されます。
更に汚水を除く生活排水もまた十分に処理されず、北小河に直接流れ込んでいるそうです!!
(ちなみに、雨水は直接河川に流入する形になっています。)
また、近くには埋め立て処分場もあり、浸出液の問題もあるという、汚濁負荷が盛りだくさんの地域状況となっているそうです。

北京市内(5環状内)には工場はないので、水質汚染のほとんどは生活排水によるものだそうです。

一方、北京郊外には工場があり、工場排水の汚染を抱える地域も少なくないとのことです。
工場用水の大量な地下水取水により、地盤沈下の問題も大変深刻だそうです。

〈視察スタート!〉

こんなところを登って北小河を求めてひたすら歩きます。IMGP6227

〈北小河〉

いよいよ北小河を目前にできました!
全体的に白く色づいて見え、河床がまったく見えません。
緩やかに流れる北小河の川沿いを、下流側に歩いていきます。

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〈近くでみた川の様子〉

有機物が白く固まっていて、あちこちでゴミが石に引っ掛かっています。
手を川につけてみたのですが、とんっでもなく臭いです!!
トイレのような匂いです。
ティッシュで拭いても臭いが取れません!
初めに伺ったお話で「処理しきれない汚水は沈殿処理をしたのち、流している」とのことでしたね…。
これでは魚も棲めそうにありません。

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〈汚濁対策 曝気用の段差〉

本河川の汚濁対策のために、河川中に空気中の酸素を取り込ませることを目的に段構造になっているそうです。
白い泡がずーっと伸びています。
生活排水中の洗剤なんかも、泡立つのに貢献しているのでしょうか…。

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〈汚濁対策 噴水型曝気装置〉

こちらも河川水を散水し、酸素を供給しているとのことですが…。

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〈真新しいマンション群〉

奥にもダーっと、立ち並んでいます。
このコミュニティの生活排水がこの河川に流れ込むなんて、相当な負荷量ですね。
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〈河川中のヘドロ〉

水に嫌気化した黒色(ヘドロ)に染まっています。
じーっと見ていると、ヘドロの黒い塊が、くっついていた石などから離れて、ぷかぷかと流れていきます。
素敵なマンションからドブ川が見下ろせるなんて、なんだか矛盾しているようです…。
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〈バルーン式堤防〉

素材はゴムだそうです。
増水対策でしょうか。
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〈排水管工事〉

道中にて。
河川の汚濁対策用の下水管かと思いきや、そうではありませんでした。
河川がきれいになるにはまだまだかかりそうです。

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〈マンホール特集〉

汚水用。

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雨水用。

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電気用?

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〈コミュニティから流れ込む家庭排水〉

大変大きいパイプです!!
後ろのマンション群の生活排水に十分な処理が施されないまま、ここに流れ込んできます。
これはとんでもない汚濁源です。
なんとかしていかなくては…。
ここで、北小河の視察は終了です。

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〈昼食〉

焼き餃子です。
みみがぱりぱりしておいしかったです!
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≪環境友好公益協会≫

回答者:李力先生
李力さんとは、すでに幾度かの交流を重ねており、今後の活動展開や、日中交流セミナーの具体的な打ち合わせ、IPEとの連携などについて話し合いました。

①杭州会議の具体的な内容
②日中交流セミナーの打ち合わせ
③緑色選択について

〈ヒアリングの様子〉
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〈仮眠室〉
訪問されたお客様をお泊めすることもできるそうです。
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〈李力先生〉
普段こちらで作業をされます。
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〈夕食で〉
オリンピック記念のデザートです。
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↓イベントのお知らせ
「日中の公害・環境問題を考える学生セミナー -中国環境NGOから環境問題を聴く-」

日中の公害・環境問題を考える学生セミナー 開催します

中国・北京訪問記(2011秋/その1 10/25の巻)へ戻る

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流 — aozorafoundation 公開日 2011年11月22日1:33 PM

中国・北京訪問記(2011秋/その1 10/25の巻)

平成23年度 大気汚染経験情報発信事業」の一つとして、2011年10月24日から27日にかけて、中国の環境NGOとの交流、また汚染地域の視察を目的に、北京を訪問しました。
※本事業は、我が国における公害経験やそれに関連する資料を、中国側と共有するために、情報発信・人的交流を行うものです。

10月25日
〈ホテルの朝食〉
 バイキング形式です。
主食は、お粥、チャーハン、マントウなどがありました。
野菜が盛りだくさんです。 
写真1
〈道中の河川〉
 対岸の方で水生植物の刈り取りをしていました。
 看板には、①水を汚さないように、といったことが書いてあります。
また、捨ててはいけないものなども。
さらに、②遊泳や、スケートなどその他活動を禁止する、とありますが、
日本でもありますよね。
写真2水辺
写真3
〈道中の果物屋さん〉
 日本のリンゴと比べて、真っ赤でなく、またひと回り小ぶりです。
北京市内なのに、素朴なお店の感じが素敵です。
 写真4

〈自然之友へたどり着くまで〉
 団地内で、少し迷いました。
 階段を上がっていくと、自然之友の事務所の看板が。
 写真5
写真6

≪自然之友(http://www.fon.org.cn/)ヒアリング調査≫
回答者:李波氏(下写真右)、常成氏(左)
 写真7 コピー

2009年の訪問では、
①公園の自然調査を行って散策マップを作成
②車利用を控え、公共交通や自転車利用を呼びかけるリーフレットの作成
などの活動についてご紹介いただきました。

今回は、さらに詳しい活動内容と、重金属の問題対応、またIPEで伺った内容と関連する話題(GCA、サプライチェーン)などについてお伺いしました。

①重金属汚染企業への活動について(上海支部の周辺住民との共同調査の事例)
②IPEへの情報提供(武漢にある日系企業の排水が汚染調査事例)
③GCAの運用体制、実際の活動内容について(自然之友の国内ネットワークを活かしたサプライチェーン調査の事例)
④住民主体の訴訟の事例と方法・問題点(雲南の毒性廃棄物企業の公益訴訟の事例)

動画で「武漢の汚濁に関する説明(日系企業の事例)」を受け、排水の色が異常だという話題とデータを提供して頂きました。
また、中国でのサプライチェーンの構造について説明して頂きました。
 
あおぞら財団の空気調べの活動を紹介したところ、市民自身で大気汚染の程度を調べていることに大変な関心を持たれ、「自然之友の活動誌に掲載したい」と、李氏。
写真8 
〈道中にて〉
 食堂と、道路で水をみるアヒル…。
 写真9

〈达尔问自然求知社前〉
 次の訪問先は、达尔问自然求知社。
写真10 

≪达尔问自然求知社(www.bjep.org.cn)≫
回答者:王秋霞女史,刘慧莉女史,邵文杰氏
〈王秋霞女史は写真左,刘慧莉女史は左から2番目,邵文杰氏左から3番目〉
写真11コピー
こちらを訪ねるのは今回が初めてです。
中国語で「ダーァルウェン」のように読みますが、活動を開始された時、丁度ダーウィンが誕生して400年であり、ダーウィンを見習って、様々な疑問を、様々な領域で知識を得て、解決していくようにという願いが込められているそうです。

組織のご紹介と、緑色選択、IPEと関連する事例や今後の予定についてお伺いしました。
 ①2009年に設立され、自然大学、測定センター、調査センターの3つの組織を持ち、調査測定データをもとに観察会や勉強会などを行い、一般市民に自然環境に関心を持ってもらうための活動を行う
 ②IPEの提起した緑色選択に関わる汚染現場に行き、調査活動や従業員に対し、安全指導を行う(雪花ビールの事例)
 ③緑色選択として、今後はIT系のみではなく、紡績系、飲料系企業の調査へと拡大予定

〈汚染企業の説明〉
 北京の南に位置する、ビール企業の水汚濁について説明されています。
 写真13
〈調査事例の説明〉
写真12
○オリンピック会場付近を散策
〈ゴミ箱〉
 街中で見られるゴミ箱よりひとつ数が多く、分別方法がよくわかります。
写真15
〈駐輪場〉
 きれいに自転車が整理されています。
写真16 
〈案内板〉
 英語、日本語、韓国語の表記があります。
写真
 ○北京の銀座通り
 若者でにぎわっています。外資系のお店が多くみられました。
写真17 
○屋台で…
 ヒトデ、イモムシ、タツノオトシゴ…。
食べている人は見かけませんでしたが…??
 写真18

最後に、
本活動は平成20年度より始まり、今回で4度目の発信となります。
これまで北京の他、武漢、南京、上海、ハルビンの4都市に赴き、中国NGO、大学機関、法律事務所、病院や周辺住民の方に対してヒアリング調査や、汚染地域の現状視察などを行ってまいりました。
これらは過去に開催した日中交流セミナーで議論され、本事業の報告書として発行されております。
https://aozora.or.jp/katsudou/tsunagaru/kouryuu

↓過去の視察の様子は下記リンクから御覧下さい!!
平成21年度
http://aozorabsw.exblog.jp/11145923/

平成22年度
http://aozorabsw.exblog.jp/13200101/

↓イベントのお知らせ
「日中の公害・環境問題を考える学生セミナー -中国環境NGOから環境問題を聴く-」
https://aozora.or.jp/archives/6990

中国・北京訪問記(2011秋/その2 10/26の巻)へ続く

本訪問にあたり、次の皆様にご協力いただきました。どうもありがとうございました!

中国側コーディネーター:李力、随行:呉東建、通訳:程芸氏

訪問者:相川泰准教授(鳥取環境大学),冨田行一氏(東アジア環境情報発伝所),
藤江徹氏(あおぞら財団),山口奈津美(徳島大学博士前期課程)※順不同

(文責:山口奈津美)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流 — aozorafoundation 公開日 2011年11月10日3:32 PM

日中の公害・環境問題を考える学生セミナー 開催します

平成23年度大気汚染経験情報発信事業
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日中の公害・環境問題を考える学生セミナー
-中国環境NGOから環境問題を聴く-
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近年、中国をはじめとするアジア諸国での環境汚染、公害問題が
数多く報告されています。グローバルな経済活動が展開される中で、
今日の公害・環境問題は地域や国をこえた形で発生し、原因が複雑で
ますます見えにくいものになっています。
こうした問題をどのように捉え、どのように解決していったら良いでしょうか。

今回のセミナーは、中国で活動する環境NGOや汚染被害者を招き、
現地の実情についてお話を伺います。
そして、今後のアジアの公害・環境問題の解決に向けて、お互いに何ができるかを
参加者と一緒に考えます。公害・環境問題に関心を持つ学生へ、
リアルな情報提供を行い、理解を深めあうことができればと思います。

プログラム内容
【中国からの報告】
 楊建初さん 広東道恒環境保護協会
 李春華さん 南京緑石環境行動ネットワーク
【グループワーク】
 中国と日本で何ができるかを考える

日  時 2011年12月3日(土) 10:00~12:00 (受付9:30)
参加費 無料
対象者 環境問題に関心のある学生、中国からの留学生 約20名
場  所 ドーンセンター 大会議室3
http://www.dawncenter.or.jp/

セミナーのちらしはこちら

お申し込みはこちらまで
公益財団法人 公害地域再生センター(あおぞら財団)
メール webmaster[at]aozora.or.jp([at]を@に変えてください)
電話  06-6475-8885

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,イベント案内,国際交流 — aozorafoundation 公開日 2011年11月9日10:25 AM
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