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日中公害・環境問題に関する研修プログラム【2日目】

「平成23年度 大気汚染経験情報発信事業」の一つとして,
10月下旬に,中国の環境NGOとの交流・汚染地域の視察を目的に北京訪問を行ったのですが,
今回は中国NGOの方々,公害被害者の方,総勢8名に来日していただき,
日中交流・環境問題に関する研究プログラムに参加して頂きました!!

【2日目 12月2日】
≪午前≫
中国の皆様と一緒に,
大阪府環境農林水産総合研究所環境科学センター(http://www.epcc.pref.osaka.jp/reaf/)」
を訪問見学致しました.

はじめにセンターの概要をご説明頂きました.

研究所は,
(1)環境科学センター
(2)水産技術センター
(3)水生生物センター
(4)食とみどり技術センター
の4部門で構成されており,

本部である(1)の環境科学センターには,昭和43年に大気汚染常時監視システムが設置されて以来,40年以上の観測歴があるそうです!(すごいです!!)

昭和40年代前半には,工場地帯の排出ガスによるスモッグがひどく,
大阪城をはっきりとみることができませんでしたが,
行政による対応などにより,硫黄成分を取除く規制がなされ,
昭和60年代には随分明瞭にみることができるようになったとのことです.

またセンターの機能としては,
(1)環境情報の発信
(2)環境教育・学習の推進
(3)環境の監視・分析・調査研究
(4)環境に関する研究開発支援・技術開発
(5)国際協力
の5つがあると教えていただきました.

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熱心にお話を聞かれる中国の皆様

次に,センターでの具体的な取り組みについてご説明を頂きました.

大気汚染の測定は
(1)住宅地に近い一般環境や②道路の近く、
で行われていて,大阪市内では105局も観測地点があるそうです.

観測データはセンターに集められ,各指標が環境達成基準に適合しているかどうか常に監視し,もし基準を越えていた場合には,住民に注意を呼び掛けるそうです.
さらにこちらのデータを使って,シミュレーションをおこない,対策を練られたりされるそうです.

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中国語のスライドでご説明を頂きました

そして,センター内の様々な分析機器の見学や研究事例をご紹介頂きました.

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センター屋上にある大気汚染の測定施設

NOx,SOx,光化学オキシダント,SPMなどの自動測定がおこなわれています.
各機器について分析項目や原理について皆さんと学びました.

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中に入ると様々な機器が!

○アスベストの分析
アスベストが使用されている建物を解体する際に大気中のダイオキシンをサンプリングし分析を行うことで,大規模な拡散がないかチェックを行っているそうです.
顕微鏡で過去に分析を行ったアスベストを見せていただきました.

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アスベストの分析

○ダイオキシンに関する研究事例のご紹介
ダイオキシンの挙動が大気や風,気温によって変化するそうです.
難しいです….

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ダイオキシンについて

○重金属測定分析
ICPという機器で,プラズマ光線を利用して測定を行うそうです.
機器内は5000℃にもなるとのこと!

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重金属測定分析

○見学を終えて…
意見交換では中国の皆様から,中国の大気事情や,環境基準項目の違い,また分析の課題などをご紹介いただき,今回の訪問見学は大変勉強になったとのコメントを頂きました.

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感謝の気持ちを,国境を越えた贈りものに込めて.

≪午後≫

中国の皆さんと「あおぞら財団」へ向かい,西淀川大気汚染裁判に深く関わられた方々をお呼びして,講義をしていただきました.

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あおぞらビルに入る

○あおぞら財団の概要説明
西淀川における公害と裁判の概要説明より,あおぞら財団の設立の経緯と目標について説明しました.また財団の概要,具体的な取り組みや過去の日中交流について紹介しました.

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中国語によるあおぞら財団の紹介スライド

○弁護士,村松昭夫先生による講義「西淀川大気汚染裁判と日本の公害問題」
村松先生は,西淀川の裁判に取り組まれた弁護士で,現在はアスベスト問題などに取り組まれておられます.
福島原発事故の被害は,日本が経験した最大最悪の環境被害であり,公害被害であるという議題は,大変興味深く拝聴致しました.
福島原発事故を受けて,日本各地に原発があることについて,現実的な危険性を意識すべきで,エネルギー転換も考慮すべきであると提言されました.
原発問題や西淀川の裁判について中国の皆様と活発な議論がなされました.

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村松先生による講義

○公害患者さん,永野千代子さんによる経験談
大気汚染がひどい西淀川に引っ越しをされ,幼い息子さんが喘息を発病されたそうです.しかし、しばらくは,公害という言葉や,また大気の汚染のせいで健康を損なうこともご存じなかったそうです.
公害反対運動に参加され,勝訴を願って130万もの署名をお集めになられたそうです.
活動をなさるうちにご自身も喘息になられて,今も咽喉に症状が残るそうです.
永野さんの想いは,あおぞら財団の活動に委ねていきたいと締めくくられました.

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永野さんのレクチャー

○永野さんと公害反対運動時のタスキと
中国の皆様から永野さんに,公害反対運動を頑張って頂いたことへの感謝と,中国でも頑張ります.との抱負を伝えられました.
永野さんのご健康をお祈りいたします!

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タスキとともに記念撮影

○森脇君雄氏による,公害反対運動の経験談
公害患者会の40周年の冊子を元に,森脇氏の45年間の公害反対運動についてご説明頂きました.
はじめには多くの国民に周知するために,ビラ配布活動を行ったこと,
裁判では,遠隔地である尼崎企業の利害関係を説明することが困難であったこと,1995年に企業と和解されたこと,
和解金40億円の一部を使って疲弊した西淀川の街づくりをすることを和解の条件として上げたことで,企業も同意することができたこと,
あおぞら財団が国の認可する財団として立ち上がったこと,高齢化する患者さんのための福祉施設(あおぞら苑)を設立なさったこと,といったことなど,丁寧にご説明して頂きました.

最後に,中国のNGOの役割として,公害に晒されている中国の方々を組織し,その方たちが行動を起こすようぜひ働きかけて頂きたい
とのエールを頂戴しました.

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森脇名誉理事によるレクチャー

朝から盛り沢山な行程で,皆様大変お疲れでいらっしゃったにもかかわらず,最後まで熱心に討論されるみなさんから,大変な刺激を受けました.
このように貴重な機会をコーディネートして頂きましたあおぞら財団の皆様に心から感謝いたします.

あおぞら財団・国際交流スタッフ 徳島大学大学院 山口奈津美

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流 — aozorafoundation 公開日 2012年2月1日3:07 PM

韓国・大田市青少年日本環境研修

2012年1月12日(木)14:00~15:30

韓国大田市の緑色連合(greenkorea) http://www.greenkorea.org/ が中心となって

韓国ガス公社と共同で日本へ中高生を連れてくる研修を行っています。

あおぞら財団も有りがたい事に訪問先の一つにしていただきました。

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中学生2名、高校生10名、スタッフ6名の総勢18名です。

参加者は大田市環境行政アイデア創案競演で受賞した学生です。

公害患者さんのお話と、あおぞら財団の活動について紹介しました。

質問には

「裁判になぜ21年もかかったのか」

「他の国の被害者と連携している?」

などの質問が出てきました。

「緑色連合(greenkorea)でも大気汚染のモニタリング活動をしており、交流する事で二度とこの様な被害が起きないようにしたい。」との感想がありました。

あおぞら財団の活動報告をしていると、前回の訪問のときにフードマイレージ買物ゲームについて紹介したのですが

緑色連合(greenkorea)で韓国バージョンを作って普及しているそうです。

すばらしい!!うれしいですね。

それから、あおぞら財団には他言語のページがあるのですが、参加者はホームページを見て参加して下さったようです。

他言語ページを作っておいて、本当に良かった。

中高生から環境活動について交流することはとてもいい事だなぁと思います。

これからも続けていきたいですね。(林)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2012年1月12日5:01 PM

日中公害・環境問題に関する研修プログラム【5日目】

【5日目 12月5日】
説明:国土交通省大阪国道事務所

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阪神なんば線「出来島」駅に集合して、西淀川フィールドワークに出発しました。国道43号沿いにある出来島小学校から沿道を歩きながら、国土交通省による道路環境対策の説明を受けました。光触媒やプランター等による汚染の浄化や斜線削減、測定局等を見てまわりました。国道43号に近づくにつれて、自動車排ガスの臭いがしてきました。参加者の中には鼻を押さえる人もいました。

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■質問「西淀川公害裁判での和解の前と後では、対策の内容に違いがあるのかどうか?もともと、対策していく素地はあったのか?」
■回答「判決前は苦情があったら対策するというやり方だった。これだけ大きく対策をはじめたのは和解以降。ただし、騒音に関しては和解前から対策をしていた」

■質問「施設の建設の前には住民の意見を聞くのか?」
■回答「周辺住民の意見を聞いている。連合町会長を通して、説明会を開いて説明する」

↓当日の様子は国土交通省近畿地方整備局大阪国道事務所HPにも報告されています。

http://www.kkr.mlit.go.jp/osaka/katsudou/pdf/111214.pdf

②デイサービスセンター「あおぞら苑」訪問
場所:大阪市西淀川区大和田
時間:11:45~13:00
説明:辰巳施設長

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デイサービスセンター「あおぞら苑」は、あおぞら財団と同じく、西淀川公害裁判の企業との和解金をもとに設立された施設です。今や、1号館につづき、2号館がオープンしました。一日約20人の方々が利用されています。

到着したとき、ちょうど、利用者の方々がリクリエーションでゲームをしていたので、しばらく、見学し、その後、辰巳施設長に施設の概要等を聞きました。昼食前までの短時間でしたが、日本の介護保険制度の話から、最後は、中国の一人っ子政策や、男尊女卑の話まで、会話が幅広く展開していきました。
昼食は、あおぞら苑名物のカレーをいただきました!

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■質問「利用者の費用負担はどうなっているのか?」
■回答「介護保険を利用している」

■質問「利用者は日によって、どのように割振られているのか?」
■回答「曜日で決まっている」

■質問「何人が利用できるのか?」
■回答「1号館は17人/日。2号館は20人/日」

■質問「こういう施設は区内でどれぐらいあるのか?」
■回答「30ある」

③ポッポ第2保育園にて太陽光発電等見学
場所:大阪府東大阪市東鴻池
時間:14:30~16:00
説明:勝田園長、宮村事務長
案内:藤永のぶよ氏

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ポッポ第2保育園の屋根には、ソーラーパネルが設置されています。これは市民による共同発電で、「おひさま発電所」といいます。発電容量は10kw、発電量は10,000kwh/年です。屋根の上に設置されているソーラーパネルやそれによってうまれる電力は目には見えません。同園では、それを「見える」ようにして、園児たちに環境のことや、自然エネルギーのことをわかってもらう工夫をしています。デンマークからグリーンサンタさんが来たり、自転車発電やソーラークッカーを使った実験、エコ工作、廃油キャンドルづくりなど、さまざまな企画を実施しています。園児たちは5才で卒園するときに「おひさま発電」をイメージした絵を共同制作します。

同園では、太陽光発電だけではなく、雨水をためるタンクを設置したり、ミミズによる堆肥づくり、子ども達による野菜栽培等にも取り組んでいます。

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■質問「保育園では、環境教育だけではなく、他にも教えなければいけないことがあると思うが、他の教育との関係はどうなっているのか?中国では幼稚園での教育にも教育目標があるが、日本ではどうなのか?」
■回答「ここでは、文字や数字を書くことを直接教えることはしていない。体をつくることを大事にしている。勉強はしない。毎日の生活から学ぶことを大事にしている」「いっぱいお話して、いっぱい絵本を読んで、いっぱい食べることから学ぶ」「大人になると大変なことがいっぱいある。だから、がんばって生きてもらうことが大切」「保育園は厚労省の所管で文科省ではないので、教育目標のようなものを定められているわけではない」

この日は、日中公害・環境問題に関する研修プログラムの最終日でした。きっと、お疲れもある中、中国の環境NGOのみなさんは、常にエネルギッシュでした。今回の研修の感想や意見をみなさんから聞きながら、今後もこうしたプログラムを発展させていければと思います。

鎗山善理子(あおぞら財団スタッフ)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流 — aozorafoundation 公開日 2011年12月17日4:27 PM

日中公害・環境問題に関する研修プログラム【1日目】

2011年12月1日(木)~12月5日(月)
中国の環境NGOのメンバーを迎えて
日中公害・環境問題に関する研修プログラムを実施しました。
【メンバー】
リーダー:李力 環友科学技術 http://www.envirofriends.ngo.cn
団  員:曾祥斌 自然之友武漢グループ担当者 NGO(職業:弁護士)http://www.fon.org.cn/channal.php?cid=156
楊建初 広東道恒環境保護協会 NGO(職業:記者)
李春華 南京緑石環境行動ネットワーク NGO
王林生 河南沈丘       農民(汚染被害者)
郭懐亮 「一線NGOのホーム」深圳Workstation担当者
(職業:会社業務担当マネージャー)
李彤  北京城乡之声文化艺术中心
王虹  山東省淄博市張店児童発展研修中心
【1日目 12月1日】
昼過ぎに関西空港に到着
到着後、すぐにバスに乗ってもらい、南港にある関西電力のLNG発電所とPR館「エル・シティ・ナンコウ」へ
http://www1.kepco.co.jp/pr/elcity/
バスで現地に向かう途中に堺の工場地帯を見る事ができました。
バスに乗りながら、西淀川公害についての説明をしました。
まずはPR館にて関西電力の環境室環境技術グループの玉井伸男さんと環境計画グループの森口由香さんから説明してもらいました。
環境家計簿や
火力発電所の環境対策について説明してもらいましたが
中国の環境NGOの方々は環境に対しての造詣が深く
脱硫装置や脱硝装置の方法についても御存じでした。
環境家計簿は李力さんが北京で普及活動をしていることをお伝えしたら、
関西電力の方々も驚いておられました。
質問も沢山出ました。
舞鶴発電所は石炭の火力発電所ですが
バイオマス混焼を行っていると説明したところ
「何と混ぜているのか?」という質問が出てきました。
答えは、オガクズを固めたペレットでした。
また、
「節電の為に電気の販売価格をどのように設定しているのか」
「廃棄物の処理の際に作られるの電力はどれくらいか」
「環境対策費はいくら支払っているのか。全体の割合でいくらぐらいか」
といった質問が出ました。
関西電力さんからは販売価格は契約によって違うと言うことと
廃棄物処理の際にく作られる電力は微量であるとの答えがありました。
その後、PR館の方から発電所の詳しい説明をしてもらい、
バスに乗って実際に発電所を見学しました。
LNG発電ですが、南港にはガスタンクがありません。
堺港の備蓄倉庫から地下のパイプで送られてくるそうです。(約6キロ)
ほとんど臭いはしません。
ここで大阪市内の30%の電力を作っているそうです。
太いパイプは排煙を集めたもの。
白ネギ君と言われる煙突から廃棄されます。
勿論排煙脱硝装置を通って、綺麗になっています。
PR館も見学しましたが、館長さんに案内してもらって、皆さん楽しそうでした。
ちょうど、こちらに来た時に小学校の一団と遭遇したのですが
小学生が施設に来て科学技術を学ぶ機会があるということに
中国の方々はとても感動しておられました。
最後に李力さんから挨拶がありました。
「とても進んでいると思います。発電所が緑化されて快適な環境だと思います。これらは様々な環境対策をしているからだと思います。西淀川公害が再び起きないようでありたい。ぜひ中国にこの経験を持って帰りたいと思います。PR館を見学して思ったのは、中国では科学技術の普及は遅れているので、この様な施設で科学技術を知るとパニックが起きないし、環境に興味を持ってもらう事が出来ます。発電する時に輸入する石油企業やLNGを提供する企業が汚染を出していないかを調べてほしいと思っています。」

2011年12月1日(木)~12月5日(月)

中国の環境NGOのメンバーを迎えて

日中公害・環境問題に関する研修プログラムを実施しました。

【メンバー】

リーダー:李力 環友科学技術

団  員:曾祥斌 自然之友武漢グループ担当者 NGO(職業:弁護士)

楊建初 広東道恒環境保護協会 NGO(職業:記者)

李春華 南京緑石環境行動ネットワーク NGO

王林生 河南沈丘       農民(汚染被害者)

郭懐亮 「一線NGOのホーム」深圳Workstation担当者

(職業:会社業務担当マネージャー)

李彤  北京城乡之声文化艺术中心

王虹  山東省淄博市張店児童発展研修中心

【1日目 12月1日】

昼過ぎに関西空港に到着

到着後、すぐにバスに乗ってもらい、南港にある関西電力のLNG発電所とPR館「エル・シティ・ナンコウ」へ

SN3J0701

バスで現地に向かう途中に堺の工場地帯を見る事ができました。バスに乗りながら、西淀川公害についての説明をしました。

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まずはPR館にて関西電力の環境室環境技術グループの玉井伸男さんと環境計画グループの森口由香さんから説明してもらいました。

環境家計簿や火力発電所の環境対策について説明してもらいましたが

中国の環境NGOの方々は環境に対しての造詣が深く脱硫装置や脱硝装置の方法についても御存じでした。

環境家計簿は李力さんが北京で普及活動をしていることをお伝えしたら、関西電力の方々も驚いておられました。

質問も沢山出ました。

舞鶴発電所は石炭の火力発電所ですが,バイオマス混焼を行っていると説明したところ「何と混ぜているのか?」という質問が出てきました。

答えは、オガクズを固めたペレットでした。

また、

「節電の為に電気の販売価格をどのように設定しているのか」

「廃棄物の処理の際に作られるの電力はどれくらいか」

「環境対策費はいくら支払っているのか。全体の割合でいくらぐらいか」

といった質問が出ました。

関西電力さんからは販売価格は契約によって違うと言うことと廃棄物処理の際に作られる電力は微量であるとの答えでした。

SN3J0714

その後、PR館の方から発電所の詳しい説明をしてもらい、バスに乗って実際に発電所を見学しました。

LNG発電ですが、南港にはガスタンクがありません。堺港の備蓄倉庫から地下のパイプで送られてくるそうです。(約6キロ)

SN3J0728

ほとんど臭いはしません。

ここで大阪市内の30%の電力を作っているそうです。

SN3J0732

太いパイプは排煙を集めたもの。

白ネギ君と言われる煙突から廃棄されます。勿論排煙脱硝装置を通って、綺麗になっています。

SN3J0736

PR館も見学しましたが、館長さんに案内してもらって、皆さん楽しそうでした。

ちょうど、こちらに来た時に小学校の一団と遭遇したのですが、小学生が施設に来て科学技術を学ぶ機会があるということに、中国の方々はとても感動しておられました。

最後に李力さんから挨拶がありました。

「とても進んでいると思います。発電所が緑化されて快適な環境だと思います。これらは様々な環境対策をしているからだと思います。西淀川公害が再び起きないようでありたい。ぜひ中国にこの経験を持って帰りたいと思います。PR館を見学して思ったのは、中国では科学技術の普及は遅れているので、この様な施設で科学技術を知るとパニックが起きないし、環境に興味を持ってもらう事が出来ます。発電する時に輸入する石油企業やLNGを提供する企業が汚染を出していないかを調べてほしいと思っています。」

関西電力の方々に長時間対応してもらいましたが、とても丁寧に説明して下さり、中国の方々はとても満足しておられました。本当にありがたい事だなぁと思います。(林)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流 — aozorafoundation 公開日 2011年12月16日1:07 PM

アジア太平洋NGO環境会議に参加しました。

11月19日から21日にわたり、台湾で行われた第10回アジア太平洋NGO環境会議(APNEC10)に参加しました。
遅くなりましたがその報告です。
APNECはアジア、太平洋で活動している環境NGOや学識者が、環境関わる問題解決に向け、情報交換や交流を目的として開催されています。今回は台湾の台北にあります公務人力発展中心(ハワードセンター)を会場に開催されました。
19日には開会を前に、主催者と発表者、参加者が交流するレセプションが行われました。
[写真]
シンガポール、オーストラリア、韓国、バングラディッシュなど、様々な国の方が報告を発表することがわかり、ワクワク。
20日はまず開会式が行われました。
開会式では日本環境会議会長の加藤和久氏が基調講演を行いました。
[写真]
地球温暖化により、海水面が上昇すると同時に、これまで融けることのなかった永久凍土、山岳の氷河が融け、氷河ダムができるなどの変化が起こっている現状と、これから私たちが何をすべきかについてや、フィリピンでは環境教育の政策が新たにスタートするなど、各国の状況を紹介されました。
また福島の原発事故にも触れ、これからは従来のトップダウンによる統治、政策ではなく、市民の考えを踏まえた国際交渉や統治、政策のあり方が求められると述べました。
開会式を終えると、この日はセッションⅠからⅢがあり、各セッションで5つのテーマに分かれて、発表と意見交換の場が持たれました。
まず私は、Environmental Education and Community Participation(環境教育、住民コミュニティの参加)のセッションに参加しました。
このセッションでは台北で行われている自然環境教育の活動の紹介と、パラオの住民参加によるまちづくりの事例の報告がありました。
[写真]
台北で最も大きい環境NGO「SOW(Society Of Wilderness)」の活動が紹介されました。
活動は日本各地にある自然学校で行われている自然環境教育と似ているが、親子で行う環境教育の実施に力を入れている点が特徴的だと思いました。
また活動に参加した多くの人がボランティアで活動に関わり、活動が大きくなっているのにも驚かされました。
[写真]
パラオの住民コミュニティのまちづくりへの参加の話では、外からやってきたまちづくりの専門家が立てた計画がうまくいかず、多くの時間と費用を無駄にしたという思いから「自分たちで計画を考える」ということで、住民コミュニティ参加型のまちづくりが行われているということ、それによって住民がOwner-shipを持つようになることなどが報告されました。これは時間やコストがかかるが、それだけの価値があるということを改めて感じました。
次のセッションではYouth Forum(若手の交流)に参加しました。
このセッションは各国の学生、若手NGO職員が、これから自分たちが担っていく社会の中で、何が重要かを考え、意見交換をするものです。
[写真]
トピックの1つに「これからを担うリーダーに必要な用件とは何か?」というものがありました。
リーダーシップとは「影響」であり、その影響によってメンバーを成長させる、いわば「プロセス」のようなものだという考え方に触れ、新しい考えの視点をもらいました。このことを教えてくれたのはザンビアから台北に来ている学生です。すごいなぁと感心しました。
20日最後のセッションではHigh-tech Industries’ Environmental Pollution Control(ハイテク産業の公害規制)に参加しました。
[写真]
このセッションでは海外の公害について、被害、対策、訴訟などの観点から報告がされました。
1番驚いたのは、台湾でつい最近まで日本の企業が起こした公害の訴訟があったということですゲームのコントローラーなどを作っている会社の出す排水がもとで多くの人が健康を損ない、命を落とす人もいたという事実に愕然としました。日本で生活している中で、私たちが何気なく使っているもの、このブログを書くために使っているディスプレイ、キーボードなども、もしかしたら誰かの犠牲の上に作られているのではないかと思うと、こわくて仕方ありません。
21日はまず基調講演があり、John Seed氏が話をしました。自然と対話することが今求められ、人々はこれまでの人間視点での行動から、環境視点での行動へと行動改革をしていかなくてはならないこと、そのために環境NGOが新しいビジョン、活路を見いださなくてはならないこと、様々な問題を深く深く問い続けることができる人が多くならなければならないことなどを述べました。
[写真]
この日最初に参加したセッションはCorporate Social Responsibility(企業の社会的責任)でした。
台湾の企業の人が、その企業で行っているCSRについて紹介し、どのように企業の社会的責任を果たしているのかについて報告があり、自然への配慮をサプライチェーン(下請け企業全体)にそれを徹底するなどの活動を行っているとのことでした。
[写真]
次に参加したのはNatural Disaster and Energy Policy(自然災害とエネルギー政策)です。
なぜ日本に原子力発電にこだわるのか、それは経済的理由ではなく政治的理由に因るものが大きいという報告がありました。現在問題になっているホットスポット、そこから放射能がどのように流れていくのかについて分析できるツールについての発表や、これからの環境NGOの役割についての報告もあり、脱原発依存のためになすべきことについて考えるきっかけになりました。
[写真]
最後のセッションはAsbestos-related Diseases, Control Strategies and Litigation(アスベスト問題)です。
[写真]
このセッションでは日本でも問題になっているアスベスト問題の台湾、韓国の事例を紹介してもらった後で、意見交換がなされました。私はこのセッションが最も印象に残っています。
日本では公害による健康被害と規制がつながって考えられ、行政もそうした体制になっているが台湾ではそうなっておらず、この大きな違いに驚きました。国民の健康と一体的に進める体制がないと、どこかですれ違いが生じ、被害が大きくなってしまうと思います。リスクを最小にするためにも、行政の体制を変えた方がいいのではないでしょうか。
またアスベストは産業においてとても使いやすいものなので、規制をしたら他の国へ被害が行ってしまう問題もあります。また経済発展のために企業を受け入れたい国はアスベストの規制をしないことも考えられ、アスベストによる公害とその被害者を世界からなくすにはたくさんの課題があることを痛感しました。
すべてのセッションが終了し、閉会式、そしてパーティーがありました。
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今回のAPNEC10への参加は、私にとって、海外の事例や、活動している方と交流を持つという非常に貴重な機会となりました。日本でもまだまだ多くの方が公害で苦しんでいる同じ時に、世界でも同じ様な問題が起こっていることへの気づきは得難いものです。また日本の企業が途上国に工場を作り、そこで公害が起こっている事実をまざまざと見せつけられ、日本で活動する私たちの役割の重要性を再認識させられました。
今回学んだ事を、今後の活動に活かし、また私たちの活動をAPNECで発表報告できるように頑張っていきたいと思います。
そのためにはもっと英語を勉強せねば…
記:相澤

11月19日から21日にわたり、台湾で行われた第10回アジア太平洋NGO環境会議(APNEC10)に参加しました。

遅くなりましたがその報告です。

APNECはアジア、太平洋で活動している環境NGOや学識者が、環境関わる問題解決に向け、情報交換や交流を目的として開催されています。今回は台湾の台北にあります公務人力発展中心(ハワードセンター)を会場に開催されました。

19日には開会を前に、主催者と発表者、参加者が交流するレセプションが行われました。
シンガポール、オーストラリア、韓国、バングラディッシュなど、様々な国の方が報告を発表することがわかり、ワクワク。

20日はまず開会式が行われました。

2011-1120-103900809

開会式では日本環境会議会長の加藤和久氏が基調講演を行いました。

地球温暖化により、海水面が上昇すると同時に、これまで融けることのなかった永久凍土、山岳の氷河が融け、氷河ダムができるなどの変化が起こっている現状と、これから私たちが何をすべきかについてや、フィリピンでは環境教育の政策が新たにスタートするなど、各国の状況を紹介されました。

また福島の原発事故にも触れ、これからは従来のトップダウンによる統治、政策ではなく、市民の考えを踏まえた国際交渉や統治、政策のあり方が求められると述べました。

開会式を終えると、この日はテーマ別セッションに分かれて、発表と意見交換の場が持たれました。

まず私は、Environmental Education and Community Participation(環境教育、住民コミュニティの参加)のセッションに参加しました。

このセッションでは台北で行われている自然環境教育の活動の紹介と、パラオの住民参加によるまちづくりの事例の報告がありました。


台北で最も大きい環境NGO「SOW(Society Of Wilderness)」の活動が紹介されました。活動は日本各地にある自然学校で行われている自然環境教育と似ているが、親子で行う環境教育の実施に力を入れている点が特徴的だと思いました。

また活動に参加した多くの人がボランティアで活動に関わり、活動が大きくなっているのにも驚かされました。

パラオの住民コミュニティのまちづくりへの参加の話では、外からやってきたまちづくりの専門家が立てた計画がうまくいかず、多くの時間と費用を無駄にしたという思いから「自分たちで計画を考える」ということで、住民コミュニティ参加型のまちづくりが行われているということ、それによって住民がOwner-shipを持つようになることなどが報告されました。これは時間やコストがかかるが、それだけの価値があるということを改めて感じました。

次のセッションではYouth Forum(若手の交流)に参加しました。

このセッションは各国の学生、若手NGO職員が、これから自分たちが担っていく社会の中で、何が重要かを考え、意見交換をするものです。

トピックの1つに「これからを担うリーダーに必要な用件とは何か?」というものがありました。リーダーシップとは「影響」であり、その影響によってメンバーを成長させる、いわば「プロセス」のようなものだという考え方に触れ、新しい考えの視点をもらいました。このことを教えてくれたのはザンビアから台北に来ている学生です。すごいなぁと感心しました。

20日最後のセッションではHigh-tech Industries’ Environmental Pollution Control(ハイテク産業の公害規制)に参加しました。


このセッションでは海外の公害について、被害、対策、訴訟などの観点から報告がされました。
1番驚いたのは、台湾でつい最近まで日本の企業が起こした公害の訴訟があったということですゲームのコントローラーなどを作っている会社の出す排水がもとで多くの人が健康を損ない、命を落とす人もいたという事実に愕然としました。日本で生活している中で、私たちが何気なく使っているもの、このブログを書くために使っているディスプレイ、キーボードなども、もしかしたら誰かの犠牲の上に作られているのではないかと思うと、こわくて仕方ありません。

21日はまず基調講演があり、John Seed氏が話をしました。自然と対話することが今求められ、人々はこれまでの人間視点での行動から、環境視点での行動へと行動改革をしていかなくてはならないこと、そのために環境NGOが新しいビジョン、活路を見いださなくてはならないこと、様々な問題を深く深く問い続けることができる人が多くならなければならないことなどを述べました。

この日最初に参加したセッションはCorporate Social Responsibility(企業の社会的責任)でした。

台湾の企業の人が、その企業で行っているCSRについて紹介し、どのように企業の社会的責任を果たしているのかについて報告があり、自然への配慮をサプライチェーン(下請け企業全体)にそれを徹底するなどの活動を行っているとのことでした。

次に参加したのはNatural Disaster and Energy Policy(自然災害とエネルギー政策)です。

なぜ日本に原子力発電にこだわるのか、それは経済的理由ではなく政治的理由に因るものが大きいという報告がありました。現在問題になっているホットスポット、そこから放射能がどのように流れていくのかについて分析できるツールについての発表や、これからの環境NGOの役割についての報告もあり、脱原発依存のためになすべきことについて考えるきっかけになりました。

最後のセッションはAsbestos-related Diseases, Control Strategies and Litigation(アスベスト問題)です。


このセッションでは日本でも問題になっているアスベスト問題の台湾、韓国の事例を紹介してもらった後で、意見交換がなされました。私はこのセッションが最も印象に残っています。

日本では公害による健康被害と規制がつながって考えられ、行政もそうした体制になっているが台湾ではそうなっておらず、この大きな違いに驚きました。国民の健康と一体的に進める体制がないと、どこかですれ違いが生じ、被害が大きくなってしまうと思います。リスクを最小にするためにも、行政の体制を変えた方がいいのではないかなど、いろいろ考えました。

またアスベストは産業においてとても使いやすいものなので、規制をしたら他の国へ被害が行ってしまう問題もあります。また経済発展のために企業を受け入れたい国はアスベストの規制をしないことも考えられ、アスベストによる公害とその被害者を世界からなくすにはたくさんの課題があることを痛感しました。

今回のAPNEC10への参加は、私にとって、海外の事例や、活動している方と交流を持つという非常に貴重な機会となりました。日本でもまだまだ多くの方が公害で苦しんでいる同じ時に、世界でも同じ様な問題が起こっていることへの気づきは得難いものです。また日本の企業が途上国に工場を作り、そこで公害が起こっている事実をまざまざと見せつけられ、日本で活動する私たちの役割の重要性を再認識させられました。

今回学んだ事を、今後の活動に活かし、また私たちの活動をAPNECで発表報告できるように頑張っていきたいと思います。

そのためにはもっと英語を勉強せねば…APNEC10の公用語が英語だったので、内容がもしかしたらちょっと違うところもあるかもしれませんがご容赦ください。

記:相澤

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,その他の事業,国際交流 — aozorafoundation 公開日 2011年12月8日4:54 PM
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