あおぞら財団 財団ブログ
公害の歴史Q&A あおぞらイコバ
公害を伝えるための資料整理寄附募集
屋上広告募集
りべら広告募集
Don't go back to the 石炭

全ての記事を表示

    キーワード検索

    アーカイブ

    カテゴリー

    最近の投稿

    最近のコメント

» 2010 » 7月

二酸化窒素 自主測定


6月3−4日、公害環境測定研究会より依頼があり、西淀川区内にNO2測定用カプセルをとりつけました。
まちの中には、国や阪神公団が管理する大気の測定局が、各所にあります。
今回の測定は、自治体の測定局の数値と、自主的に測定した数値を比較しようというものです。
西淀川区内には8か所の測定局がありますが、そのうち道路沿道の自動車排ガスによる大気汚染の影響を監視する目的で設置されている自動車排出ガス測定局「出来島小学校局」に、測定用カプセル5個をとりつけました。
その他の場所も測定しようと6地点10箇所にカプセルを設置しました。
とりつけ場所と結果の数値は下記の通りです。

大気汚染防止法では、二酸化窒素の環境基準値を、「1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること。」と定めています。

今回の測定で一番数値が小さかった場所は、エルモ西淀川の前の大野川緑陰道路内にとりつけたカプセルでした(I、J)。幹線道路からは少し離れているせいでしょうか。2つとりつけましたが、2つとも0.02ppm台でした。同じ大野川緑陰道路でも、国道2号の高架下にとりつけたカプセル(G、H)は、0.03ppm台と数値に差がでました。

反対に一番高かった場所が国道43号 大和田西交差点・淀川方面高架下でした。大和田西交差点は43号線と淀川通りの交差点です。阪神高速湾岸線にもつながっており、大型車の混入率も高い道路です。
0.057ppmは環境基準値にもかかる数値です。近くに高校や小学校もあるのに、この数値は問題です。

調べたい場所、時間をピンポイントで測定できるのが、自主測定の良いところですね。

自治体の観測局のデータはインターネットで公開されていますので、ぜひご覧ください。

そらまめ君 環境省大気汚染物質広域監視システム

えんどうまめ君 国土交通省 近畿地方整備局 兵庫国道事務所(大気常時観測局)

また、今回のとりつけには西淀川区在住の小坂さんにボランティアで協力して頂きました。
小坂さんのブログにも、この測定について掲載されていますので、ご確認ください。

*小坂さんのブログ 茂爺の日常と呟き

(小平 記)


Filed under: 地域づくり — aozorafoundation 公開日 2010/07/09(金) 03:55

西淀中学校で公害の語り部授業


2010年7月8日(木)13:30〜14:20
西淀中学校2年生 授業

2週間前はあおぞら財団の職員が西淀川公害の概要を説明しましたが、
今日は3つにわかれて公害患者の話を聞きました。
__________________________________________

体育館

語り部:永野千代子さん(西淀川公害患者と家族の会事務局長)
補佐:鎗山善理子(あおぞら財団)


永野さんは、国道43号で交通事故で亡くなった息子さん(当時9才)
のぜんそくの苦しみや、息子さんの死を乗り越えて、公害反対運動に
より深くかかわるようになったいきさつ、ご自身の慢性気管支炎の
つらさなどについてお話しました。

当時、息子さんの小学校の校長先生が言った「公害をなくす運動をがんばることが
息子さんの供養になる」という言葉が永野さんの心を大きく動かしました。

●生徒の質問
「どうして引越ししなかったのですか?」
「お子さんが亡くなったときの気持ちを教えてください」
「訴訟したとき一番大変だったことは何ですか?」
「(西淀川区の中で)公害病が今一番多いところはどこですか?」
「公害病の人は寿命が短いのですか?」
「公害病患者は何人ですか?」
「永野さんの病気の種類は何ですか?」

訴訟をしたとき一番大変だったことを聞かれた永野さんは、
「東京に行ったり、夜に出かけたりしたけども、無我夢中
だったので、大変だと思ったことはない」と答えました。
その答えに、永野さんの人間としての芯の強さを感じました。

(記録・鎗山)

__________________________________________

図書館

語り部:池永末子さん(西淀川公害患者と家族の会)
補佐:林美帆(あおぞら財団)


池永さんは地元の姫島保育所にお勤めなので
生徒から「あ!保育園の先生や!」との声が上がりました。
池永さんもぜん息で苦しんでいますが、
娘さんもぜん息で治療のために心配したことなどを話してもらいました。
娘さんは認定患者ですが、池永さんは未認定のため、
現在も未認定患者の救済制度をつくるため、運動をしていることを話しました。

●生徒の質問
「動物に被害はありましたか」
「患者数はどれくらいですか」
「病気になってできなくなったことは何ですか」
「西淀川で残されている公害は何ですか」
(記録:林美帆)
__________________________________________

多目的室

語り部:岡崎久女さん(西淀川公害患者と家族の会)
補佐:眞鍋麻衣子(あおぞら財団)

岡崎さんは結婚と同時に西淀川に来ましたが、最初大阪に着いた時は
空の薄暗さにびっくりしたそうです。それから病気になってしんどかったこと、
引越しをしようかと家族に相談したら、当時中学生ぐらいだったお子さんに
「おかあちゃんに故郷があるように、ぼくにはここが故郷なんやで」と言われ、
そういう事を考えてあげられなかったことが恥ずかしかったことなど、
当時の辛かったことや、現在まで続く病気のしんどさを話しました。

●生徒の質問
「今と昔で対処法はちがいますか」
「どんな症状ですか」
「例えるとどんなしんどさですか」
「患者さんは何人ぐらいいてるんですか」
「西淀川の好きなところはどこですか」
「何をしているときにぜん息のことをわすれますか」
(記録:眞鍋麻衣子)
__________________________________________

生徒たちは、どのクラスも真剣に聞いてくれました。
公害患者さんの話を聞いて、街のことをすこしでも考えるきっかけになってくれればうれしいです。




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2010/07/08(木) 05:32

西淀中学校で、西淀川公害の授業を実施しました。


大阪市立西淀中学校で6月24日(木)に西淀川公害のお話をしてきました。5クラス全員の生徒約200人が体育館に集まりました。西淀中学校からは以前、保健室に保管してあった1960年代後半の資料提供を受けたことがあります。当時の校長先生が生徒の体調の異変に気づき、健康調査やイチョウの葉っぱの調査をしたときの資料です。西淀中学校の授業では、こうした資料や校長先生のご紹介もしました。
これから中学生たちは、患者さんの話を聞いたり、自分たちで調べ学習をして、文化発表会に成果を発表するそうです。





Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2010/07/02(金) 04:27

伊賀市上野東小学校 フードマイレージゲームでお勉強


 6月28日、フードマイレージの講師として伊賀市上野東小学校5年生の授業に参加しました。フードマイレージゲームを使って、子どもたちに毎日食卓に並ぶごはんの食材が現在と過去とでは異なっていること、食材が産地から食卓に並ぶまでに排出されるCO2についてなどを伝えました。

 班に分かれてゲーム開始です。班ごとに配られるカードにはそれぞれ違いがあります。現代と1970年代の春夏秋冬あわせて8種類のカードがあり、選べる移動手段、旬による食材の種類、価格などが違っています。

 まずは班ごとに家族となり、買い物に行く先や移動手段、夕食の献立などを決めてもらい、決められた予算内で食材を選び、出来た献立を絵に描いて発表してもらいます。
 お鍋やエビフライ、お刺身やサラダなどキレイに盛り付けられた絵が完成しました。

 次に、食材カードの裏面に隠されている★マークを数えてもらいました。食材によって1個から20個くらいまで★マークがついています。数え終わった子どもたちは★がいっぱいあるほど喜んでいましたが、実はこの★マーク、食材が産地から運搬される際に排出されているCO2の量を表しています。★ひとつにつきCO2が20g排出されているということです。
 つまり、数えた★の数が多いほど環境に負荷を与えているわけです。

 結果を見てみると、現代のカードを使った班の方が1970代のカードを使った班より★の数が多いようです。どうしてでしょうか。
 日本地図に選んだ食材カードを産地ごとに貼ってもらうと、現代のカードは北海道や九州、または海外産のものが多いようです。逆に、1970年代のカードは近くの県で生産されたものが多いようです。
 それぞれの高速道路の配置図を重ねてみるとその大きな違いが見えてきます。現代は国内の隅々まで高速道路が行きわたっていますが、1970年代は高速道路がごく一部しか通っていなかったことが分かります。
 また、1970年代にはマイカーがまだ普及していなかったので、自動車で買い物に行くカードがありません。自動車で買い物に行くカードを選ぶと、100個ほど★が加算されてしまいます。

 ゲームを終えた後に、フードマイレージについてや、食文化の変化などを勉強します。実際にゲームして体験することで、フードマイレージがどういう意味を持っているのか、より理解してもらえたのではないでしょうか。
 食材は出来るかぎり、近くで生産されたものを買うことで、体にも自然に良いので、日常のお買い物の際、ぜひフードマイレージのことを気にしてみてください。

 上野東小学校5年生のみなさん、ありがとうございました。
(森井)




Filed under: 環境学習 | フードマイレージ — aozorafoundation 公開日 2010/07/02(金) 12:34
« 次のページ