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6/2(金)大阪大学未来共生イノベータ博士課程のみなさんのフィールドワークを行いました。

今回は、ボランティアで参加いたしました吉岡がご報告いたします。

大阪大学未来共生イノベータ博士課程のみなさんと合流し、バスにてまずは尼崎の工場群、中島工業団地をめざしました。

その車中、あおぞら財団職員 林より、西淀川の公害、地域の特徴について説明がありました。わたし自身、ボランティアという形で、西淀川のフィールドワークに初めて参加しましたので、これまで「通りすがり」になんとなく目にしてきた風景が、説明を聴くことでまったく異なったものに映りました。

中でも長期に渡る工業用水の汲み上げによる地盤沈下は、視覚的にも衝撃を受けました。道路より低い家並、地面より高い水面。また、日頃身近な道路や鉄道、日常用いている製品を生産してきた企業が、公害訴訟においては被告となったことも説明がなければ見過ごしてしまったでしょう。利益優先の結果、住宅地のすぐそばに大規模な工場がつづいていることも背景を知らなければ疑問ももたない。視覚的な意味にとどまらず、課題の本質からブレないために「見る目」を養うことのたいせつさを痛感しました。

公害とは、人が人として人間らしく生活する権利が、大きな力とそれを後押しする大きな流れによって深く侵害されることだと思っていますが、患者とされた人びとの存在そのものを奪ってきたハンセン病の隔離政策とも重なることを外島保養院跡記念碑は告げているようでした。

車から降りて、住宅地を突っ切って造られた国道43号線から見えてくることも学びました。西淀川には大きな道路がいくつも通っています。交通量が多ければ、当然、大気汚染や騒音を生じ、やはり人の生活を脅かすことになります。あちらこちらに交通量を減らすために湾岸線の利用を呼びかける文言が掲げられていますが、「無料」の43号線に多くの車が流れる状況は現在の流通実態ではなかなか変わらないようです。P1240199

しかし、地域に生きる人びとが声を上げたことによって、かちとられたこと、取り戻したものがあります。道路においては車線を減らす、環境レーンを設けるなどは住民運動がもたらした成果です。

西淀川の人びとが資金を出し合って実現した千北療養所(当時は千北病院)に設置された、医師会立の公害医療センター。公害反対運動では工場に務める人もいるし、合意形成がむずかしい。そこで地域で共有できるものを求めていく。あおぞら財団の活動に理解・協力してくださっている企業もあると聴きましたが、相手を切り捨てず、互いの立場を思い、共生の道を見い出すためにも、対立を超えた対話こそ課題を可能性へと変える力になっていくのいではないかと思いました。

P1240213

阪大生のみなさんは、2人ずつ組んで、地域のかたがたに①西淀川の好きなところ、②西淀川の困っていること・改善したいこと、の2点についてアポなしインタビューを行いつつ、あおぞら財団へ。結果を発表していただくと、好きなところも課題も人さまざま。好きなところでは、生活が安定、景観がよい、公共サービス(子育て)、便利。課題では、高齢化、トラックのスピード、交通が不便、空気が重い、外国人が増えていることへのとまどいなど。その人その人、一人ひとりの捉えかた、考えかたがあり、それが人が息づき、生活しているということだと、阪大のみなさんは“生の声”にふれて感じられたのではないでしょうか。

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主役の阪大生さんをさしおいて、わたしの心もとない所感ばかりになってしまいましたが、みなさんは今日見たこと、聴いたこと、驚いたこと、疑問に感じたこと、インタビューに答えてくださったかたの声を、人が人らしくある未来に生かしてくださることでしょう。(吉岡)

 

 

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