1 今月のトピックス
2 これまでの活動報告
3 イベントのお知らせ
4 各種の募集情報
(編集後記)
1 今月のトピックス
2 これまでの活動報告
3 イベントのお知らせ
4 各種の募集情報
(編集後記)
11月16日(水)に、山崎シャーリングの健康診断の中で肺年齢測定を行いました。山崎シャーリングは、西淀川区の中島工業団地にある金属加工などを行っている企業です。測定した方は、全部で44人です。
この肺年齢測定は、企業には喫煙者が多くCOPDの潜在患者が多いのではないかと指摘を受けて実施したものです。また、中島地域は、工業団地ということもあり、西淀川区の中でも大気の汚染がひどい地域であり(ソラダス2016参照)、働いている人の健康にその影響も及ぼしているのではないかと考えられます。

肺年齢測定の様子
今回は、藤原 耕三氏(倉敷第一病院理学療法士、岡山県呼吸ケア研究会理事)、林田佳一氏(国立病院機構 奈良医療センター理学療法士)(お二人とも環境再生保全機構 呼吸ケア・リハビリテーション指導者養成研修修了生)のお二人に協力していただきました。スパイロメーター2台とハイチェッカーを用いて測定しました。

今回の測定者は、区役所の健診や健康イベントの参加者と違い、喫煙者が多く、20~55歳の若年層の方が多くいました。COPDの疑いが高い方が5人いた他、今のところは数値は正常の範囲だけれどスパイロメーターのフローボリューム曲線を見るとこのままではCOPDになる可能性が高い人が何人かいました。測定に協力してくれた藤原先生、林田先生からは「若年層COPD予備軍の早期発見につながる有効な方法ではないか」との意見をもらいました。企業においても、従業員が健康に働き続けるためにCOPDの啓発・早期発見は重要なことだと思います。
本事業は独立行政法人環境再生保全機構「地域におけるCOPD対策推進のための人材育成・情報発信事業(NPO法人等との協働事業)実施業務」の一環として実施しています。
11月11日(日)午前中に西淀川区役所にて健康診断があり、それに合わせて肺年齢測定を行いました。測定した方は全部で42人です。

ハイチェッカーとスパイロメーターのいずれかで測定しました
今回は、椿 和人氏(東大阪病院理学療法士)、山下 和樹氏(西宮市立中央病院理学療法士)(お二人とも環境再生保全機構 呼吸ケア・リハビリテーション指導者養成研修修了生)に協力していただきました。あおぞら財団では、昨年度末からスパイロメーターを導入していますが、簡易にしか測定できないハイチェッカーと異なり、呼吸の状態をかなり正確に測定できるようになりました。そのため、ハイチェッカーで悪い結果が出た人でも、スパイロメーターで測定すると、病気ではないという結果が出たりします。また、スパイロメーターで測定してCOPDの疑いがある人などは、早期の受診を強くおすすめすることができます。正確に測定することで、より無駄が少なく、COPDの啓発・早期受診をすすめることができるようになりました。
2018年度の肺年齢測定の予定はこちら。
次は、2019年1月27日(日)、2月23日(土)に、区役所のがん検診に合わせて行います。無料で測定できますので、ぜひ受けにきてください。
同日の午後からは、同じ西淀川区役所にて、医療従事者向け「呼吸ケア・リハビリテーション講習会」を行いました。講師は、午前中に引き続き、椿先生と山下先生のお二人です。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師といった職種の方、全部で19人が参加されました。講習会のテーマは、「COPDと呼吸リハビリテーションの評価~少し踏み込んだ評価について~」です。
最初に、椿先生から座学での講義がありました。

COPDとはどんな病気なのかについてお話を聞いた後、呼吸器におけるフィジカルアセスメントについて学びました。
フィジカルアセスメントとは、「患者の状態や兆候から情報を収集し、必要に応じて視診・触診・聴診・打診を行い、患者の状態を判断すること」です。視る、触る、聴く、指で打つことによって、患者さんの様子を把握するもので、患者さんの負担も小さく、またリアルタイムに呼吸状態を把握できます。
異常な状態である「シーソー呼吸(胸が上がると腹が下がり、胸が下がると腹が上がる呼吸の状態)」や「フーバー徴候(吸気時肋間腔が陥凹する状態)」といった呼吸の状態を、わかりやすい動画で見せてもらいました。
座学の後に、フィジカルアセスメントの実技を行いました。2~3人ずつのグループに分かれて、交代でアセスメントを行う側、受ける側を行いました。視診・触診・聴診・打診をそれぞれ行いましたが、受講者の方がわかりにくそうにしている場合には、先生が実際にやって見せながらアドバイスを行っていました。

参加者のアンケートでは、講習会の感想に対しては「参考になった」が85%、「やや参考になた」が14%という結果になりました。また、「聴診の時の聴き取れる音が正常なのかの判断の基準と合っているのが考える材料になりました」、「今までの実技とまた違い、打診や触診等、技術を教わることができ、とても勉強になりました」と仕事に役立つ知識、技術を学んでいただけました。
呼吸ケア・リハビリテーションは、酸素吸入や薬物療法などの外的な治療とは異なり、患者さんの体を内側から改善していく方法です。今回の講習会で学んだ医療従事者、福祉従事者の方々が、仕事の中で呼吸ケア・リハビリテーションを実践し、患者さんの呼吸のしづらさが改善され、自分らしく充実した生活を送れるようになることを祈っています。
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次回は、1月27日(日)に行います。参加者はまだまだ募集中です。座学と実技を組み合わせたわかりやすい講座です。現場ですぐに使える知識や技能を学べます。
https://aozora.or.jp/archives/29586
■日時:1月27日(日) 14:00~17:00(受付13:30~)
■テーマ「これからはじめるCOPD患者さんへの呼吸ケア・リハビリテーション」
■講師 藤原 耕三氏(倉敷第一病院理学療法士、岡山県呼吸ケア研究会理事)、太田 信也氏(済生会吹田病院理学療法士)
■会場:西淀川区役所2階 集団検診室(大阪市西淀川区御幣島1-2-10) JR東西線「御幣島(みてじま)」駅 1番出口 すぐ
http://www.city.osaka.lg.jp/nishiyodogawa/page/0000029225.html
■対象:看護師、薬剤師、保健師、介護職員、理学療法士、作業療法士の方など
■定員:30名(定員になり次第締め切ります。下記に必要事項を記載しお申し込みください)
■参加費:無料
■持ち物:バスタオル、聴診器(お持ちでない人にはお貸しします)※実技がありますので、動きやすい服装でおこしください。
日ごろCOPD患者に接する機会のある理学療法士や作業療法士はじめ、保健師や看護師やヘルパーさんたちにお勧めの講習会です。ぜひ、呼吸ケア・リハを仕事に取り入れてみたい方、興味がある方はお越しください。また、周囲に関心がありそうな方がいたらおすすめください!
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これまでの医療従事者向け呼吸ケアリハビリ講習会の様子はコチラをご覧ください→https://aozora.or.jp/katsudou/ikigai/medical-worker →https://aozora.or.jp/archives/category/kankyohoken
協力:西淀川区役所本事業は独立行政法人環境再生保全機構「地域におけるCOPD対策推進のための人材育成・情報発信事業(NPO法人等との協働事業)実施業務」の一環として実施しています。
朝日新聞の天声人語に西淀川公害と公害反対運動から生まれたあおぞら財団のこと、公害資料館連携フォーラムについて掲載していただきました。ぜひご覧下さい。
法政大学多摩キャンパスで開催される公害資料館連携フォーラムは、当日受け付け可能です。ぜひお越し下さい。http://kougai.info/forum
半世紀ほど前、大阪市西淀川区の空は昼なお暗かった。重工業地帯の風下にあたり、化学や製鋼などの工場から黒や黄色の煙がもうもうと流れ込む▼「晴れた日でも六甲山や生駒山が見えない。昼間も前照灯をつけて走りました」。タクシー運転手だった森脇君雄さん(83)は話す。住民が抗議に出向くと、企業から「営業妨害だ」と追い返された▼のどや肺を病む人が続出するのを見かね、森脇さんたちは1978年、企業や国を相手に裁判を起こす。原告計726人、西淀川公害訴訟である。20年の歳月を要したが、工場排煙だけでなく車の排ガスによる被害も認められ、公害史に名を刻む▼裁判が済み、原告団は解散したのかというと、そうではなかった。和解金をもとに森脇さんたちは「あおぞら財団」を立ち上げる。緑地を増やし、公害の実態を授業で伝え、海外から研修団を受け入れてきた▼排煙規制を強める大気汚染防止法が施行されて今月で50年になる。光化学スモッグはいまも折々に発生し、幹線道路の上空には不気味な雲が現れる。深刻な被害を防ぐには、絶えず目をこらし、声を上げ続けなければいけない。それが空というものなのだろう▼あすから3日間、東京都内で「公害資料館連携フォーラム」という催しがある。水俣や新潟、西淀川など各地の公害資料館の運営者や被害住民らが語り合う。かつて都内で大気汚染が激しかった場所を訪ね、現状を調べる。公害を身をもって知る人々のたゆまざる努力を思う。
『りべら』はあおぞら財団の機関紙(会報)です。
A4版、16ページ、季刊1日発行、1部400円送料込、2,000部発行
ご購読希望者はwebmaster[at]aozora.or.jp([at]を@に変えてください)まで
※あおぞら財団賛助会員の方には、毎号郵送でお送りしています。
『りべら』2018年11月号No.150 特集:つながりを生み出す居場所づくり

特集:つながりを生み出す居場所づくり
・あおぞら財団の居場所作り…1
・西淀川の居場所作り…3
・補助線のある公民館 喫茶ランドリー…5
・地域の交通という居場所づくり…6
・西淀川記憶あつめ隊 小西明さん…7
・忙中一筆 門谷充男さん…8
・新潟水俣病・公害スタディツアー…9
・ぶらりとゆるりと西淀川めぐり…10
・みずしまだより…10
・西淀川の暮らしを直撃!台風襲来…11