あおぞら財団 財団ブログ
公害の歴史Q&A あおぞらイコバ
公害を伝えるための資料整理寄附募集
屋上広告募集
りべら広告募集
Don't go back to the 石炭

    キーワード検索

    アーカイブ

    カテゴリー

    最近の投稿

    最近のコメント

ブログカテゴリー » 西淀川公害授業

ポスト3.11社会の環境教育を考える

20131124ちらし
【日時】 2013年11月24日(日)
午前の部:10時00分~12時00分 [受付開始 9時30分]
午後の部:13時30分~16時30分 [受付開始 13時]
【場所】 エル・おおさか 視聴覚室(5階)

【午前の部】
西淀川公害教育の40年;<未来>のために、いま学びたいこと

【午後の部】
宮本憲一×藤岡貞彦 対談
環境・人間・教育/ポスト311の社会のなかで、再び語り合う

※ 午前の部・午後の部のそれぞれの受付となりますので、両方、或
いはどちらか一方を明記のうえ、お申込ください。
【参加費】無料
【申込締切】11月20日
主催:公害教育運動史研究会

後援:公益財団法人公害地域再生センター(あおぞら財団)
【申込/問合先】丹野春香(埼玉大学)
E-mail:sr131002@mail.saitama-u.ac.jp

Filed under: イベント案内,環境学習,西淀川公害授業,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年11月7日6:01 PM

京都精華大学 環境教育実習「公害地域の今を伝える-大阪・西淀川大気汚染の地を訪ねて-」(9/4)

1 実習初日
9月4日、5日、京都精華大学の学生6人が、あおぞら財団で環境教育実習を行いました。京都精華大学の井上有一先生とあおぞら財団は、これまでも新潟、富山、西淀川で、公害地域の今を伝えるスタディツアーを行ってきました。昨年からは、京都精華大学のカリキュラムの一環として、西淀川で環境教育実習を行っており、今年はその2回目です。
9月4日は、午前中に西淀川公害訴訟の担当裁判官であった井垣敏生先生の話を伺い、午後は、被告企業であった住友金属工業株式会社の流れを汲む新日鉄住金株式会社を訪れました。
2 井垣元裁判官の話
井垣先生は、第2次~4次西淀川公害訴訟を担当した裁判長で、現在は、弁護士の仕事だけでなく、立命館大学法務研究科で後進の指導にも当たっています。担当裁判官の話を聞けるとあって、学生だけでなく、訴訟の原告の方々、弁護団に加わっていた村松昭夫弁護士やあおぞら財団のスタッフなど、多くの方が井垣さんの話に聞き入っていました。

P1320402

西淀川公害訴訟は、西淀川地域に住む公害被害者らが、国、阪神高速道路公団、企業10社に対し損害賠償と汚染物質の排出の差止めを求めた裁判です。20年に及ぶ裁判の末、被告企業とは第2次~4次西淀川公害訴訟の1審判決前に和解が成立、国、阪神高速道路公団とは同判決後に和解が成立し、終結しました。井垣先生は、第2次~4次西淀川公害訴訟の1審判決で原告の損害賠償請求を一部認容し、道路公害で国の責任を初めて認めました。
西淀川大気汚染訴訟は、井垣先生にとっても思い入れの深い裁判だったようです。裁判を担当するかどうか聞かれたときに、4年間は転勤がないようにしてほしいことや、補充の裁判官をつけてほしい旨を申し入れたこと、裁判の記録は256冊にも及び、並べると15メートルもの長さになったこと、判決をほぼ書き終わった頃に原告らと被告企業との間で和解が成立したため、判決期日を3か月先に延ばして判決を書き直したことなど、裁判の際の苦労や思い出話の数々を披露しました。判決の本文が1494ページにも及んだ理由について、井垣先生は、控訴されたときに、判断が覆されないよう、国民の支持を得られるような判決とするためであったと述べていました。自分の判決でこの裁判を解決させるのだという井垣先生の強い決意を、私は感じました。

P1320405
質疑応答の時間では、学生から裁判に関する多くの質問がありました。また、村松弁護士が和解を進めていた当時の裏話を披露したり、原告団に加わっていた公害被害者が井垣先生の話にコメントしたりするなど、多くの方から発言がありました。その中でも、公害被害者の一人が、井垣先生に対し「あの時は、ありがとうございました。」と述べた場面が心に残りました。
3 新日鉄住金の訪問
午後は、西淀川大気汚染訴訟の被告企業だった住友金属工業(現新日鉄住金)の製鋼所を訪れました。新日鉄住金では、総務部総務室長の服部善彦さんから、製鋼所の概要の説明受けた後、製鋼所の中を見学しました。同製鋼所は、日本最大級の16,000tプレスを有し、その大きさに圧倒されました。また、こちらで製作される鉄道用車輪・車軸は、国内シェア100%を誇ります。普段乗っている電車の車輪ができていく様子に、思わず見入ってしまいました。

P1320512
工場見学が終わった後は、質疑応答が行われました。学生の皆さんからは、大気汚染対策、水質汚濁対策等の環境対策について質問がありました。それぞれの質問には、服部さんをはじめ総務部の皆様から、硫黄酸化物については、燃料を変えることで発生を抑えていること、窒素酸化物については脱硝装置、ばいじんについては集塵機で対応していることの説明や、水質汚濁対策等について水質汚濁防止法、瀬戸内法に基づき対策を講じていること等の説明がありました。質疑応答の中で、西淀川公害に話題が及んだ際、「水でも大気でも、同じことを繰り返してはならない。」と力強く述べられていたのが印象に残りました。

P1320502
井垣先生、新日鉄住金の皆様、お忙しい中ありがとうございました。

P1320519

京都精華大学
http://www.kyoto-seika.ac.jp/
新日鐵住金株式会社
http://www.nssmc.com/

2013年度インターン生 司法修習生 西谷祐亮

京都精華大学 環境教育実習「公害地域の今を伝える-大阪・西淀川大気汚染の地を訪ねて-」(9/5)

1 実習2日目
環境教育実習の2日目は、午前中に国土交通省近畿地方整備局大阪国道事務所(大阪国道事務所)の職員の方とのフィールドワーク、お昼にデイサービスセンター「あおぞら苑」の訪問、午後に西淀川公害の公害被害者の方々の聞取り調査を行いました。
2 国道43号線周辺のフィールドワーク
午前中のフィールドワークでは、出来町駅で大阪国道事務所の辻脇さん、大田さんから道路公害の概要、これに対する行政の取組み等について説明がありました。

P1320525

その後、国道43号線沿線でどのような環境対策が行われているか見て回りました。
まず見学したのは、沿道に設置されている大気常時観測局。沿道の大気汚染の状況等を常時測定しています。次に見学したのは、光触媒が塗布された壁です。光触媒の酸化還元反応により、窒素酸化物を分解することで大気の汚染を軽減します。国道43号線の交通量は約8万台。この光触媒技術によって、そのうち60台分が排出する窒素酸化物を削減する効果があるとの説明を受けました。
そのほか、内蔵の木製チップで二酸化炭素を吸着し、大気を浄化するピュア・プランター、窒素酸化物を吸着する高活性炭素繊維、低騒音舗装が施された道路や、道路の壁上部に取り付けられた減音装置を見学しました。行政も、さまざまな工夫により、道路公害の低減に取り組んでいる姿が伺えました。

P1320539
3 あおぞら苑にて
国道43号線沿線でのフィールドワークを終え、あおぞら苑に移動。あおぞら苑は、西淀川公害訴訟の原告らが、和解金を基に作った施設で、高齢の公害患者の日常生活を支援することや、近隣住民間のコミュニティー作りも目的としています。家庭的な雰囲気で、利用者の笑顔であふれた施設です。学生の皆さんは昼食を取った後、和気あいあいと利用者の方々と話していました。私も、施設利用者の輪の中に入り、いろいろとお話させていただいたのですが、「こういう施設はあまり好きではなかったが、ここは楽しいです。」とのこと。私も家に帰ってきたような気持ちになり、リラックスして過ごしました。

P1320579
4 公害被害者からの聞取り
午後からは、あおぞら財団に戻り、西淀川公害裁判の原告団に名を連ねていた和田美頭子さん、永野千代子さん、事務局の上田敏幸さんの話を伺いました。

P1320619

公害患者の方から語られる公害被害は、本当に生々しく、被害の深刻さを肌で感じました。また、「裁判を通じてつらかったことはあったか」との質問に対し、「とにかく必死で、つらいとかそんなことを考えている余裕はなかった」との答えが返ってきたとき、皆さんは、文字通り命がけで裁判に臨んでいたのだなと感じ、皆さんの苦労を推し量りました。
最後に、学生の皆さん一人一人から感想を述べてもらいました。西淀川公害を自分のこととして考え、感想を述べる姿に、参加頂いた元原告の皆さんは、熱心に耳を傾けていました。

P1320638
5 2日間を終えて
2日間を通じて感じたのは、西淀川公害に対し、公害被害者、被告企業、裁判官、行政がそれぞれの立場で真剣に向き合い、公害の経験を今に生かそうとしている姿でした。特に、原告の皆さんが、裁判に勝ったのは地域の人に援助してもらったからこそで、世話になった人たちにも何かを返したいとの思いから、あおぞら財団の設立をしたとの話には、心が熱くなりました。
西淀川地区の空にあおぞらが戻ったのは、多くの方々が過去の反省に立ち、それぞれの思いを今につなげているからなのだと感じました。2日間、私にとっても本当に充実した実習になりました。この実習にかかわられた全ての方に心より感謝いたします。

国土交通省近畿地方整備局大阪国道事務所
http://www.kkr.mlit.go.jp/osaka/index.php

あおぞら苑
http://aozoraen.com/

2013年度インターン生 司法修習生 西谷祐亮

2013年度国際教育セミナー ~教室で、世界を感じよう!世界を伝えよう!~

あおぞら財団も協力します。夏休みの研修にいかがですか?

2013年度国際教育セミナー ~教室で、世界を感じよう!世界を伝えよう!~
日時:
《1回目》7月24日(水曜日) 14時から17時まで
《2回目》8月8日(木曜日) 10時から16時30分まで
会場:
《1回目》JICA関西
《2回目》大阪国際交流センター i-house
主催:
JICA関西、(公財)大阪府国際交流財団 
共催:
大阪国際交流センター(2回目のみ)
セミナー概要:
学校と地域、NPO/NGOなど諸団体との連携で、国際教育の教材と授業づくりをどのように進めていくかについて、事例報告・ワークショップ・諸団体との交流・情報提供などを通して学びあうセミナーを開催します。すぐに使える教材や手法をたくさんご紹介します。ご参加お待ちしています。
※1回目または2回目のみでもご参加いただけます。
参加費:
無料 ※事前申込み必要
定員:
《1回目》50人 / 《2回目》120人 ※1回目/2回目とも先着順
対象:
教育機関の関係者、国際理解教育や開発教育に関心のある方
締切り:
《1回目》2013年7月16日(火曜日)<必着>
  《2回目》2013年7月31日(水曜日)<必着>
お申込み方法:
申込書(チラシ参照)に必要事項【名前(ふりがな)、所属、連絡先(TEL、FAX、メールアドレス)、出席日、参加希望ワークショップ(2回目)、セミナーの参加回数】を記載の上、FAXまたはメールにて送付ください。
JICA関西 市民参加協力課 国際教育セミナー担当
FAX:(078)261-0357 / E-mail: jicaksic-kaihatsu@jica.go.jp
お問い合わせ:
JICA関西 市民参加協力課 国際教育セミナー担当
住所:〒651-0073神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2)
TEL:(078)261-0384(直通)
(問合せ受付時間:土・日・祝日を除く 10時から12時まで/13時30分から17時まで)

Filed under: イベント案内,環境学習,西淀川公害授業 — aozorafoundation 公開日 2013年7月4日10:35 AM

PM2.5と大気汚染についてお話しました 豊中アジェンダ21

2013年6月13日13:30-15:30
豊中市立環境交流センターにて
企業における環境対応推進人材養成事業の講座を行ってきました。
PM2.5と大気汚染についてです。

PM2.5がどの様なものか、
環境基準は何であるのか、
いつから問題になっていたのか
(実は、西淀川公害裁判の和解(1998)で問題になっているのです)
中国の大気汚染問題はどうなっているのか
などをお話しました。
みんなで、大阪府の速報や、中国のアメリカ大使館が測定している数値(ツイッターでわかります)
をみて、現状と、対策について考えました。
IMG_2803
みんなで考えた結果はこちらです。
IMG_2804
いろいろと考えてもらえました。
大気汚染の対策で大切なのは、データの公表と環境基準だと思います。
大気汚染への関心が高まっている今だからこそ、多くの事を伝えていきたいと思います。(林)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,西淀川公害授業,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2013年6月13日8:40 PM
« 次のページ前のページ »